Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Beringer Knight Valley Cabernet Sauvignon 2018

ナパの老舗、ベリンジャー。ソノマのナイツ・ヴァレーは Knights Valley AVA ができる前からのベリンジャーの看板商品です。コストコでお得になっていたので思わず手にしました。ずいぶん昔になりますが、ナパ・ヴァレーを訪問した時にテイスティングしています。歴史的にも有名なベリンジャーのドイツ風邸宅でのテイスティングが思い出されます。

IMG_9231
ベリンジャーはドイツのマインツから移住してきたヤコブとフレデリックのベリンジャー兄弟が1876年にナパ・ヴァレーのセント・ヘレナに創業したワイナリーです。ナパ・ヴァレーのワイン産業の先駆けのひとつであることは言うまでもありません。1883年に建てられたライン・ハウス(the Rhine House)という優美なドイツ風の邸宅はアメリカ合衆国国家歴史登録財 (National Register of Historic Places)に登録されており、今でもその中でテイスティングツーが行われています。

公式ページは普通によく出来ていて見やすいです。自慢の歴史もしっかり紹介しています。

ショップ兼用ながらワイン紹介は必要十分な情報があります。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 84%
・メルロー 9%
・カベルネ・フラン 6%
・プチ・ヴェルド 1%

かろうじて2018も載っていました。ぶどう畑の区画ごとに収穫と醸造を行うそうです。新樽率25%のフレンチオーク樽で16ヶ月の熟成。丁寧に作られている印象です。


ベリンジャー訪問。ストビューで少し中まで入れ、ライン・ハウスに近づけました。
Beringer01
ナパのワイン街道になるセント・ヘレナ・ハイウェイ(CA-29号線)を北上し、セント・ヘレナの市街を越えてすぐのところにあります。敷地や施設は周囲に拡大していますが、やはりシンボルはこの洋館です。

ナパのワイン街道(オークヴィル~セント・ヘレナ)を俯瞰しました。
Beringer02
その昔にベリンジャーでテイスティングしたのは勿論このライン・ハウスの中です。当時、まだまだワインの何たるかを知らないお子ちゃまでしたから、適当に選んだワインが極甘口のデザートワインだったらしく、「ゲッ!なんだこの甘いワインは!」とビックリ仰天。以来、長らく「ベリンジャー=甘い」と思い込んでいました(笑)。

さあ、今日のワインの Knights Valley AVA をソノマ・カウンティの地図で確認。
Sonoma_County
地図で見るとナパのベリンジャーとソノマのナイツ・ヴァレー、違う郡(カウンティ)ですが割と近いことがわかります。距離で言うとベリンジャーから北へ17マイル(27km)行ったところになります。ナイツ・ヴァレーAVAが認定される(1983年)20年も前の1960年代半ばに取得した自社畑で、水はけの良い火山性の土壌に着目した先見の明ということのようです。ベリンジャーの最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランはここの畑から作られます。また、「ナイツ・ヴァレー」という名前をラベルに記したのもベリンジャーの1974年のヴィンテージが最初で、AVAの名前はここから来ています。

ソノマ・カウンティの地図を挙げたので、以下にソノマ・カウンティのAVAを列挙してまとめておきます。

<SONOMA COUNTY>
Sonoma Coast
(Russian River Valley、Fort Ross-Seaview を内包、Petaluma Gap、Los Carneros と重なる)
West Sonoma Coast(2022年5月認定の新しいAVA)
(Sonoma Coast の西側部分で、Fort Ross-Seaview を内包)
Northern Sonoma
(Alexander Valley、Knights Valley、Chalk Hill、Russian River Valley を内包、Dry Creek Valley の一部と重なる)
Alexander Valley
Russian River Valley
(Green Valley of Russian River Valley を内包、Chalk Hill の一部と重なる)
Green Valley of Russian River Valley
Chalk Hill
Dry Creek Valley
Knights Valley(本日のワイン)
Fountaingrove District
Fort Ross-Seaview
Sonoma Valley
(Bennett Valley、Sonoma Mountain、Moon Mountain District Sonoma County を内包、Los Carneros と重なる)
Bennett Valley
Sonoma Mountain
Moon Mountain District Sonoma County
Rockpile
(一部 Dry Creek Valley にかかる)
Pine Mountain-Cloverdale Peak
(Mendocino County から一部ソノマの Alexander Valley にかかる)
Los Carneros
(Napa Valley にまたがる)
Petaluma Gap
(南部分は Marin County)

※微妙な重なりまでは記述していません。地図でご確認を。


これまたいつもの地図でカリフォルニア全体を見ておきます。
California_AVA
ソノマ・カウンティ―はノース・コースト(North Coast)に属します。ナパよりも太平洋岸に近いということで、ソノマ・カウンティ自体は寒流の影響を受け冷涼な気候になりますが、今日のナイツ・ヴァレーは位置的にほぼナパ・ヴァレーの気候に近いと思われます。


以下、ご参考リンク。
全米の AVA のリスト
 *TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)酒類タバコ税貿易管理局のサイト

おっと、現在全米では 267、カリフォルニアでは 147 のAVA総数になっています。8月15日に「Gabilan Mountains AVA」という Mt. Harlan(San Benito County)や Chalone AVA(Monterrey County)を内包する新しいAVAが加わっています。


ラベル平面化画像。
IMG_9051


さあ、抜栓。
IMG_9228

コルク平面化。
IMG_9229

Alc.14.6%。
濃いガーネット。
IMG_9230

黒ベリー、ダークチェリー、芳しい樽香。
辛口アタック。
すぐに酸の存在も確認。
それが甘やかな印象を与え、
味の立体感、構造感に彩りを加えてくれます。
ピリッと効くタンニンも楽しませてくれますね。
余裕の長い余韻もうれしい。
正統派、ボルドータイプのうまうまカベソーです。


*****

Beringer
Knight Valley
Cabernet Sauvignon 2018
RRWポイント 93点


Weingut Friedrich Becker Spätburgunder 2017 Pfalz

フリードリッヒ・ベッカーのピノ・ノワールをいただきます。以前にローエンドというかエントリーラインを試しています。今日のはそれよりちょっと上のやつ(笑)。ブルゴーニュ以外の美味しいピノ探しではドイツは有力候補ですから、それでもおのずと期待感は盛り上がります。

IMG_9137
パパ・フリードリッヒさんが先代から引き継いだ畑でできたブドウを協同組合に売るのをやめ、1973年に元詰めを始めたのが Weingut Friedrich Becker の創業です。その後、息子フリードリッヒ(ジュニア)さんが加わり、2006年「ゴーミヨ」で今最も注目に値する醸造家に贈られる、「ライジング・スター」賞を受賞して以来、9年連続「最優秀赤ワイン賞」も受賞。現在はドイツワイン界のみならず世界的に高い評価を受けています。
フリードリッヒ・ベッカーは、ドクター・ヘーガー(Dr. Heger)@バーデン、フュルスト(Fürst )@フランケン、マイヤー・ネーケル(Meyer-Näkel)@アールなどと並び称されるドイツのピノ・ノワールのトップ生産者のひとつです。彼らはお互い離れていたのに、同時期にバリックを使い始めたというところが共通してるそうです。優秀な生産者は考えることが同じってことですね。


公式ページは、情報は詰まってそうですが手作り風のショボい感じです。

ワインリストや価格表はメールでリクエストするようになってます。困るな~。

・シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール) 100%

HPに載ってるシュペートブルグンダーは VDP. の格付けのあるものばかりで、今日のただの Qualitätswein trocken は見当たりません。やはりこれもエントリーラインになるんでしょうね。ネット情報から総合すると、オークの大樽・小樽の混成(新樽はなし)で14ヶ月の熟成のようです。

ファルツ(Pfaltz)最南端、シュヴァイゲン(Schweigen)にあるフリードリッヒ・ベッカー。
F.Becker01
例によってストビューがないので、こんな写真を拾いました。シュヴァイゲンの集落の中にあるようですが、なんとこの町、フランスとの国境ギリギリにあります。そして所有畑の70%はフランス側にあるというから驚きます。生産地域の分類からするとアルザスです(笑)。植えているのはほとんどがドイツクローンですが、一部フランスクローンの古木もあり、複雑味を生むんだそうです。しかし、収穫したブドウはドイツに輸入するってことになるんでしょうかね(笑)。

さあ、ファルツ(Pfaltz)を俯瞰して位置関係を確認します。フリードリッヒ・ベッカーはファルツの南の先端、フランスとの国境にあるのがわかりますね。
Pfaltz_Germany
ファルツ地方(Pfaltz)全体は、西はザールラント州(Saarland)、北はラインヘッセン地方(Rheinhessen)、東のライン川の対岸はバーデン地方(Baden)、そして南はフランスのアルザス地方に隣接しています。
地図にも書き込んでいますが、ファルツは2つの大きなベライヒに分かれおり、北部がミッテルハルト(Mittelhaardt)、もしくはドイチェ・ヴァインシュトラーセ(Deutsche Weinstraße)=「ドイツワイン街道」と呼ばれ、南部がズードリッヒェ・ヴァインシュトラーセ(Südliche Weinstraße)=「南部ワイン街道」と呼ばれます。今日の作り手フリードリッヒ・ベッカーは南側のベライヒ・ズードリッヒェ・ヴァインシュトラーセにあるということになります。実はこのズードリッヒェ・ヴァインシュトラーセはドイツ最大のベライヒになるそうです。
そもそもファルツには 23,600ha もの畑があり、ラインヘッセン(Rheinhessen)に次いでドイツで2番目に大きなワイン生産地です。(3位はバーデンです。)ドイツワインの3分の1がファルツって計算になります。ファルツの6割(62.3%)が白ワインなんですが、全体がでかいので、残り4割の赤だけでファルツがドイツ最大の赤ワイン生産地になるといいます。ファルツの中で一番多い黒ブドウ品種が、その1/3以上を占めるドルンフェルダーです。


ラベル平面化画像。
IMG_8890
このイラスト、イソップ物語「キツネとブドウ(The Fox and the Grapes)」の童話の挿絵から来てるそうです。『おいしそうなブドウを見つけたキツネがいくらジャンプしても届かず、「どうせ酸っぱくてまずいブドウ」だと捨て台詞を残して退散した』話で、「負け惜しみ」の代名詞になってる逸話です。
フリードリッヒ・ベッカーが協同組合にブドウを売らずに元詰めを始めた頃、まだまだ甘いワインが主流だったドイツでは辛口ワインは「酸っぱくてまずいブドウ」と批判されたそうです。その悔しい経験をラベルでうまいこと揶揄してるんですね。

剥がしたインポーターシールはこの有り様でした。
IMG_8888
バーコードでもなくなぜそこを隠す?(笑)


さあ、スクリュー回転。
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キャップにもキツネさん。ネックには VDP.会員の証し、鷲のマークです。

Alc.13.5%。
赤味の印象的なルビー。
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ラズベリー、リコリス、茎っぽさと佃煮香あり。
旨味のってる?辛口アタック。
割と酸はざわつくかな。
苦味様のコクをはらむ立体感ある旨味です。
余韻も深みあり続いてくれました。
やはり、普通にいい。


*****

Weingut Friedrich Becker
Spätburgunder 2017
Pfalz
RRWポイント 92点


Tenuta Fernanda Cappello Sauvignon 2017 Friuli Grave

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)のワインも最近よく見かけます。やはり白が多いようで(76%が白@2020年)、中でもピノ・グリージョが多そうです。今日の作り手も、DOCフリウリ・グラーヴェ名でシャルドネ、ゲヴュルツ、Ribolla Gialla や Friulano なんて品種もやっており目移りしますが、なんとなくソーヴィニヨン・ブランをチョイス(笑)。

IMG_9193
HPには土地の説明は詳しくしてあるんですが、フェルナンダ・カッペッロ家の家族経営ということ以外、創業年や歴史などの説明が載っていません。しかしながら、HPを見る限り受賞歴も多く各方面での評価も高そうです。ワイナリーは最近近代的な設備にリニューアルしており、なかなか面白そうな作り手です。

公式ページはモダンでそれなりに情報豊富。ワイナリーの歴史がはっきりしませんが(笑)。

ワイン紹介はありますが、醸造法などの詳細が見当たらないですね。

・ソーヴィニヨン・ブラン 100%

今日のワイン他、主要ラインアップは Friuli Grave DOC になっています。品種を表示する場合は95%以上という規定なのでおそらくソーヴィニヨン100%でしょう。熟成はステンレスタンクのみです。Friuli Grave DOC は1970年制定で、赤・白・ロゼ・スプマンテがあります。

ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)に触れておきます。フランス原産の品種です。
SauvignonB
親子関係ですが、以前より母方が「Savagnin=Traminer」という品種自体の具体的な存在が未確認の理論上の品種ということになっていましたが、最近のデータによるとサヴァニャン・ブラン(Savagnin Blanc)で確定したようです。しかしながら、父方は依然不明のままです。それでは、サヴァニャン・ブランとは何ぞや?ということになりますが、これがまたややこしい。シノニムがトラミナー(Traminer)で、突然変異で果皮色がロゼのサヴァニャン・ロゼ(Savagnin Rose)となり、更なる突然変異でゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer)が生まれたとされています。
世界中で栽培されるポピュラーな品種ですが、全世界で124,700haの栽培面積(2016年)で、その内フランスが28,084haですから、本家フランスは1/4(23%)程度ということになります。以下、ニュージーランド(20,497ha)、チリ(14,999ha)、南アフリカ(9,246ha)、アメリカ(6,747ha)、モルドバ(6,909ha)、オーストラリア(6,044ha)、ルーマニア(5,594ha)、スペイン(4,562ha)と続きます。今日のイタリアはこれに続き、ぐっと下がって 3,935ha しかありません。10位ってことですね。

フェルナンダ・カッペッロを訪問。ポルデノーネ県セクアルス(Sequals)にあります。
Tenuta_Fernanda_Capello01
確かに最新鋭のワイナリーに建て替えられたばかりといった風情です。周りが一面畑なのがいいですね。

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)を深掘りしておきましょう。イタリアの国境付近の州はどこもややこしい歴史を持っていますが、ここもご多分に洩れません。州の大部分を占めるのが「フリウリ地方」で、ポルデノーネ県(Pordenone)、ウーディネ県(Udine)、ゴリツィア県(Gorizia)の東北部から成ります。
Friuli-Venezia00
1866年にはこのフリウリはイタリアに帰属していますが、ゴリツィア県の残りと現在の州都トリエステを擁するトリエステ県(Trieste)から成る「ヴェネツィア・ジュリア」がイタリアに編入されるのは第一次世界大戦後を待つことになります。もっともユーゴスラビアとの国境が正式に確認されたのは1975年ですから、結構近代までややこしい地域だったわけです。(現在国境を接するのはスロベニア。笑)州の名前が長ったらしいのも、「フリウリ」+「ヴェネチア・ジュリア」だということがわかりましたね。そしてアルファベット表記の Friuli の後に付くハイフンは「+」の意味ということになります。

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州をGoogle Mapで俯瞰します。
Friuli-Venezia03
今日の作り手のフェルナンダ・カッペッロ、州内のDOC/DOCGも記入しましたのでご確認ください。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州には幸いにも(笑)DOCGが4つ、DOCが12しかありませんので、すべて列挙しておきます。(「Sottozona」はサブゾーン。)

<DOCG: 4>
・Colli Orientali del Friuli Picolit
 (Sottozona:Cialla)
・Lison
・Ramandolo
・Rosazzo

<DOC: 12>
・Carso / Carso-Kras
・Collio Goriziano / Collio
・Delle Venezie
・Friuli / Friuli Venezia Giulia
・Friuli Annia
・Friuli Aquileia
・Friuli Colli Orientali
 (Sottozona:Cialla)
 (Sottozona:Ribolla Gialla di Rosazzo)
 (Sottozona:Pignolo di Rosazzo)
 (Sottozona:Schioppettino di Prepotto)
 (Sottozona:Refosco di Faedis)
Friuli Grave
・Friuli Isonzo / Isonzo del Friuli
・Friuli Latisana
・Lison-Pramaggiore
・Prosecco

<IGP / IGT>
* IGP(Indicazione Geografica Protetta)= IGT(Indicazione Geografica Tipica)
・IGP Alto Livenza
・IGP Trevenezie
・IGP Venezia Giulia

Friuli DOCFriuli Venezia Giulia DOC)というのは2016年にできた新しいDOCですが、要するに、それまでのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のDOC/DOCGを包括する全部入りのDOCが出来たってことになります。

それまでの広域の原産地保護の地理表示は「IGP(IGT)delle Venezie」というのがありました。これはなんと、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のみならず、ヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州(トレンティーノ側)まで含む3州にもまたがる範囲になります。
DelleVenezie
そしてこのIGP、2017年に「Delle Venezie DOC」という名称でDOCに昇格します。指定品種を50%以上使う条件と、特にピノ・グリージョは85%以上使うと品種名付きで「Pinot Grigio delle Venezie」と名乗れるという規定になっています。旧来の IGP delle Venezie は「IGP Trevenezie」に名称変更(Tre Venezie =3つのヴェネチアの意。)になり継続することになってます。なので、この新DOCとIGPは対象地域が同じ(3州にまたがる範囲)になります。
フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のみを対象とするIGP/IGTは上にもDOC/DOCGと一緒に列挙しましたが、IGP Venezia Giulia というのがあります。つまり、このIGPは Friuli DOC(Friuli Venezia Giulia DOC)と範囲が同じ(フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のみ)ということになります。(州の名前と違って「Friuli」が付かないのが不思議ですが…。)もう一つ残ったIGPに、IGP Alto Livenza がありますが、これはフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州とヴェネト州の州境を流れるリヴェンツァ川(Fiume Livenza)流域のIGPで、ヴェネト州側も含まれます。以上、IGP/IGTとの関係も含めると非常にややこしいフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州でした(笑)。

最後に、隣のヴェネト州との関係を把握しておきましょう。以下は、Delle Venezie DOC / IGP Trevenezie の地図にフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州とヴェネト州のDOC/DOCGを一緒に描き込んだものになります。Lison DOCG / Lison-Pramaggiore DOC が両州にまたがっているのがわかります。ここには描き込んでいませんがプロセッコ(Prosecco)も両州にまたがります。
VENETO_FRIULI_DOC_delle_Ven
なので、今日の作り手のフェルナンダ・カッペッロもプロセッコを出しています。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州全域がプロセッコのエリアですからね。


ラベル平面化画像。
IMG_9117
カッコいいですが縦長なので撮影は難儀します。

インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。
Reverse


さあ、抜栓。
IMG_9189

コルク平面化。
IMG_9190
DIAM5とは。5年耐用ですから瓶熟成も考慮してるんでしょうか。

Alc.12.5%。
濃いゴールドイエロー。
IMG_9192

すりおろし青リンゴ、洋梨、ライチ。
酸か甘味か、甘やかな酸が乗った辛口アタック。
爽やかな柑橘系の風味。
すっごくフルーティで驚きました。
2017年ですからね。軽い熟成感もあります。
さらっとスルッと飲めてしまいますが、
とってもうま~いという満足感が残ります。


*****


Tenuta Fernanda Cappello
Sauvignon 2017
Friuli Grave DOC
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Gamma Carmenere Reserva 2019 D.O. Valle de Colchagua

本日11月24日は「国際カルメネールの日」です。日本カルメネール振興協会の制定した記念日ではなく(笑)、チリで制定された正真正銘の記念日です。1994年に仏ブドウ品種学者 Jean Michel Boursiquot が、チリのマイポ(正確には Buin の Viña Carmen)で幻の品種カルメネールを再発見します。その日が11月24日だったので、20周年の2014年に「カルメネールの日」に制定されました。みなさん、とにかくアルパカでもガトネグロでも構わないのでカルメネールを開けましょう。それが普及の第一歩です。うちも近所で安く買った正体不明のやつを…(笑)

IMG_9186
ガンマ(Gamma)はブランド名のようなので裏ラベルを見てみると、ECOCERT認証(ECOCERT/フランス国際有機栽培認証機関)とヴィーガン協会(The Vegan Society)のマークがあり、筋金入りのオーガニックワインというのはわかります。ただ「www.gammawines.com」と書かれているURLはつながりません。ワイナリー名は「V.E.S.A.」となっています。ずいぶん昔も「VESA」と書いたワインは飲んでいた記憶があるので馴染みはあるのですが、正体がさっぱりわかりません。インポーターはモトックスなので、その紹介ページを見に行くと「ベサ V.E.S.A」とあり、それ以上の情報なし。困りました(笑)。

ネットで情報はないかと探していると、おそらく「V.E.S.A.」=「Viñedos Emiliana S.A.」ではないかという情報に出くわしました。エミリアーナはチリのビオワインの大御所です。なんとなくECOCERTやVeganの認証が符合します。エミリアーナは1986年にギリサスティ家が設立、90年代後半から有機栽培を実践、2001年にはチリ初のオーガニック認証ワインを出したりとビオワインで先進的な所。チリのワイナリーで初めて Demeter 認証を受けたのもエミリアーナです。本拠地カサブランカ・ヴァレーを中心に、マイポ、カチャポアル、コルチャグア、ビオビオなど各地に自社畑を922ha所有、契約畑は334haを管理し、総計1200haにもなる畑はほぼ全域オーガニック認証を受けています。ということで、今日のワインはもうエミリアーナということで話を進めます(笑)。

モトックスの紹介ページを上げておきます。

モトックスのHPにワインの紹介はあります。情報ほぼゼロですが。

・カルメネール主体

「主体」なんて書いていますが、おそらく100%ではないかと。熟成はステンレスタンクで8ヶ月です。

エミリアーナの本拠地はカサブランカ・ヴァレーで、コルチャグア・ヴァレーではないです。
Emiliana
サンティアゴとバルパライソを結ぶ国道68号線沿い、ちょっと横にそれたところにあります。

昔描いた地図を再掲。 今日のワインの Colchagua Valley の位置関係を見ておきます。
Chile _Rapel_Valley
この地図は川を目立たせているのでキーになる主要な川の流れがよくわかります。カチャポアル川流域がカチャポアル・ヴァレー。ティンギリリカ川流域がコルチャグア・ヴァレー。合わせてラペル・ヴァレーになるんでしたね。ちゃんと2つの川が合流するとラペル川という名前になります。ティンギリリカ川もコルチャグア川って名前だと完璧なんですが、少し残念。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_9146
オーガニック感満点のこのデザイン、なんとなくエミリアーナに通ずるものがあります(笑)。


さあ、スクリュー回転。
IMG_9184
ネックにマフラーのようなPOPがありました。

Alc.13.5%。
ガーネット。
IMG_9185

黒ベリー、ダークチェリー。
青み(ピーマン香)あり、モカ、コーヒー、
カルメネールの王道の香りです。
そして、スモーキーな…樽香?(まさか!)
辛口アタック。
複雑味のある味わい、ボリューム感もあります。
タンニンもソフトに効いて好みのバランス感です。
重々しくなく余韻が続くのもいい感じ。
まさに「カルメネール」であり、
それも結構いい方のカルメネールでした。意外。

結果オーライですが(笑)、「カルメネールの日」にふさわしい、
感動的なカルメネールに出会うことができました。


*****

V.E.S.A.
Gamma
Carmenere Reserva 2019
D.O. Valle de Colchagua
RRWポイント 95点


Altos Las Hormigas La Danza Malbec 2020 Mendoza

アルゼンチンのアルトス・ラス・オルミーガスというワイナリーのエントリーシリーズです。過去、チリのインディー・ジョーンズと異名を取るペドロ・パラ(Pedro Parra)さん関連のワインを記事にしていて、イタリアの醸造家アルベルト・アントニーニさんがアルゼンチンのメンドーサで手掛けるプロジェクト「Altos las Hormigas Winery」にもペドロ・パラさんが主要メンバーとして参加してるというのは知ってましたので、試してみたかったワイナリーです。

IMG_9180
1995年、イタリアの著名ワインメーカーであるアルベルト・アントニーニさんと若手起業家のアントニオ・モレスカルキさんが、アルゼンチンのメンドーサで新たなテロワールを求めて設立したワイナリーがアルトス・ラス・オルミーガス(Altos las Hormigas Winery)です。アルベルト・アントニーニさんは、トスカーナの名門フレスコバルディ社やアンティノリ社、スーパータスカンのテスタマッタなどの銘醸ワイナリーで活躍し、カリフォルニアではロバート・モンダヴィやオー・ボン・クリマでも醸造に携わっています。ミシェル・ロランのような世界を股にかけるトップワインメーカーということですね。また、チリのテロワールの達人ペドロ・パラさんがガッツリ参加されているということはメンドーサのポテンシャルが裏打ちされた感じがしますし、メンバーの皆さんがマルベックの可能性を信じているところがとても興味深いです。

アルトス・ラス・オルミーガス(Altos las Hormigas)の意味ですが、オルミーガというのがスペイン語で「蟻」のことです。アルトスは「高台」って感じでしょうか。つまりは「アリンコ台」かな。最初の畑にブドウを植えた時、新芽を食べるアリに悩まされたそうですが、畑の先住者でもあり、小さい体で大きな仕事を成し遂げるアリに敬意を表し、農薬で撃退するのではなく共存の道を選んだことで、ワイナリーの名前が決まったということのようです。


公式ページはさすがにプロジェクトのコンセプトやメンドーサのテロワールの解説が満載です。

今日のワイン、ローエンドですがしっかり解説があります。

・マルベック 100%

畑はメンドーサ各地に持っているんですが、いろんなところから、となっています(笑)。手摘み収穫、土着酵母使用だそうです。コンクリートタンクで6ヶ月の熟成、樽はありません。


さあ、ワイナリー訪問です。ストビュー全然届いてないのでHPの写真を拝借。
Bodega1
なかなか立派な建物です。右下に記念写真をインポーズしましたが、左から、ペドロ・パラさん、アルベルト・アントニーニさん、アントニオ・モレスカルキさん、アッテリオ・パーリーさん、カルロス・バスケさんになります。

位置関係と畑の場所を確認しようと思ったら、HPに詳細地図が上がってました。
Map02
メンドーサ中心からウコ・ヴァレーあたりまで網羅した地図です。助かる~。「アリさんマーク」のあるところが4ヶ所ありますが、これらが所有畑です。HPには各畑のさらに拡大した詳細地図があり、高度や地質の分布まで書き込まれています。ゴイゴイスー。

とはいうものの、いつものチリと並べた地図でメンドーサ全体を見ておきましょう。
Mendoza_Arg_Chile
チリとアルゼンチン、アンデス山脈を挟んで両側に銘醸地がある関係です。アルゼンチンの原産地呼称制度はゆるゆるらしく、DOC(Denominación de Origen Controlado)と言われるものはルハン・デ・クージョ(Luján de Cuyo)DOCとサン・ラファエル(San Rafael)DOCの2つだけだそうです。大括りですが、メンドーサ(Mendoza)やウコ・ヴァレー(Valle de Uco)の名前が有名ですが、これらはDOCとは言わないんですよね。


ラベル平面化画像。
IMG_9147
インポーターシールが隠しているのはバーコードだけ。
うっ!安定剤(アカシア)入りですね。有名醸造家でも安ワイン作りには欠かせないものなんでしょうかね(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_9177
キャップシール、コルクとも「La Danza」専用品というのはいいですね。

コルク平面化。
IMG_9178
DIAM2を採用です。

Alc.13.5%。
赤味のあるガーネット。
IMG_9179

黒ベリー、チェリー、アセロラ。
辛口アタック。
酸は居るんですが大人しい。
決して軽めではない重みが演出できていて好印象ではあります。
アカシア効果か安モノの気配がない😁のがいいですね。
酸は余韻からフィニッシュまで帰ってくるんですが、
やはり出過ぎなくていい感じです。


*****

Altos Las Hormigas
La Danza Malbec 2020
Mendoza
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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