Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Château de Chambert Grand Vin 2012 Cahors Malbec

フランス南西地方、AOCカオールのマルベックです。
このシャトー・ド・シャンベールというのは歴史が10世紀にも遡るという、
カオールの始祖のような存在で、そもそもカオール自体のワインの起源が古く、
百年戦争以前の中世ではボルドーより栄えてたとか。
しかし、このワイン、ワインくじの小当たりだったのは内緒。(笑)


IMG_1702
実際の10世紀の書物には、今もシャトー・ド・シャンベールがある町、
フロレッサ(Floressas)の丘に広大なブドウ畑があったという記述があります。
その後、一帯300haにも畑は広がって栄えたそうですが、19世紀の病害虫
(ウドンコ病・ベト病・フィロキセラ)で壊滅し、荒廃していったそうです。
1974年には全面植え替えでオーガニック栽培に転換、現在に至ります。

シャトー・ド・シャンベールはECOCERT認証を受けたカオール最大の生産者で、
DEMETER認証を受けた南西地方最大のビオディナミ生産者でもあります。


公式ページはなかなかよくできていて情報豊富。


ヒストリーのページに面白いものがあったので拝借しました。
1867年に描かれたシャトーの見取り図面。8LDKらしいっす。(笑)
11
この写真は1900年頃のシャトーから見たフロレッサの町だそうで。
当時のブドウ畑ってなんだか大らかですね。(笑)

さて、今日のワイン「Grand Vin」はここのフラッグシップらしいです。
・マルベック 100%
シャトーの一番古い畑の古木からだそうで、当然オーガニックでビオディナミ。
熟成は新樽率20%(残りはセカンドユース)のフレンチオーク樽で12ヶ月。

因みにAOCカオールは赤ワインのみ、マルベックを70%以上使用が条件です。
マルベックは、コ(Côt)、オーセロワ(Auxerrois)とも呼ばれてます。


シャトー訪問です。小高い丘の上で畑に囲まれなかなか立派。
Chambert01
しかし、ポツンと一軒家状態でストビューでは近づけませんでした。
これはGoogle Mapにアップしてあった写真から拝借。

カオールの地図でいうと、この辺りにシャトー・ド・シャンベールがあります。
CahorsB
何となくピンと来ない地図ですね…。

例によって、Google Map上にAOCカオールとシャトーの場所を転記。
CahorsA
フロレッサの町のすぐ横、周辺の畑がシャトー・ド・シャンベールになります。
カオール全体をガロンヌ川の支流ロット川が蛇行して貫いてるのがわかります。

南西地方は「川」で理解せよ、でしたね。
SudW01
川がどこをどの方向に流れてるか理解したら、あとはその流域に注目です。


エチケット平面化画像。シャトーは1690年設立のようです。
IMG_1622
しかし、このインポーターシール、ひどい貼り方です。

そして、非常に剥がしにくい。結局ビリビリになりました。
IMG_1623
大事なユーロリーフのマークが隠されてました。困りますね~。


さあ、抜栓。
IMG_1698
コルクは横ミレジムでいい感じですよ。

平面化したらこうです。
IMG_1700
シャトーのイラスト入りです。

Alc.14%
濃い濃い、黒いくらいのガーネット。そう、カオールの異名は「黒ワイン」。
涙は細かいんですが、輪郭がハッキリしていて色付きです。
IMG_1701

黒ベリー、チョコ、スモーキーです。
かつ、微妙に動物的ニュアンス…ブレタノマイセスかな?
辛口アタック。
少し酸も感じるんですが、圧倒的な厚みで迫力あります。
スパイシー、濃い複雑な味わいが続きます。
タンニンも相当ある感じながら見事に溶け込んでいますね。
余韻も重々しくじんわり続くと思いきや、
最初の酸が少し軽く感じさせてくれるのがナイスプレー。

ビオワイン的な雰囲気もあるにはありますが、美味しけりゃOKです。
ビオディナミ、実はいいんじゃない?(笑)


*****


Château de Chambert
Grand Vin 2012
Cahors Malbec
RRWポイント 94点


Logodaj Selection Chardonnay & Vermentino 2015

以前、意外においしかったブルガリアのお手頃ワイン、ロゴダジです。
前のはカベソー・カベフラ・メルローのボルドー・ブレンドでしたが、
今日はロゴダジの白(シャルドネとヴェルメンティーノ)を試します。
「赤をおいしく作れる生産者は、白もおいしく作れるのか?」という、
命題の検証でもあります。(笑)


IMG_1710
ロゴダジは1994年創業で、ブルガリアではトップ10に入る生産量だそうです。

 
公式ページは相変わらずブルガリア~ンな雰囲気が漂っています。
Logbann
れれれ、シャルドネは載ってるんですが、ヴェルメンティーノとのブレンドではありません。
ヴェルメンティーノはサルデーニャ島などイタリアで多い品種ですが、ブルガリアでもやってるんですね。
とにかくセパージュはネット情報で、
・シャルドネ 60%
・ヴェルメンティーノ 40%
らしいので、ヴェルメンティーノは結構ガッツリ入ってますね。
熟成は、シャルドネがステンレスタンクで発酵・熟成なので同じでしょう。

 
さて、再度Google Mapで訪問。やっぱりのタンクしか見えません。ショボい…。
Logo02
反対側に事務所なりがあり試飲とかやってそうですが、ストビューで近寄れず。

ブルガリア南西部のストゥルマ・ヴァレー(Struma Valley)に位置し、
北マケドニアとの国境まで車で15分とすぐのところです。
Logo01
ボルドーの緯度と比べる線を入れましたが、割と南にあります。
イタリアのトスカーナくらい。


ラベル平面化画像。
IMG_1667


さて、スクリュー回転。
IMG_1709

Alc.12.5%。
ゴールドイエロー。
IMG_1708

洋梨、蜜入りリンゴ、ライム、華やかな香りです。
酸味が乗った辛口アタック。
薄めのライム系の味、薄っぺらさは否めなません。
う~ん、残念。

赤がおいしいところの白がおいしいとは限らない、
ということがわかりました。(笑)


*****


Logodaj
Selection
Chardonnay & Vermentino 2015
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

Bodegas Castaño Solanera Viñas Viejas 2016

スペインはムルシア州DO Yeclaのモナストレル(ムールヴェードル)です。
パーカーおじさん92点の説明に釣られたんですが、実は2015のことだそうで。
ヴィンテージ違いをあたかもその点数のように語る、よくある商法です。(笑)
しかし、過去コンスタントに90点以上取ってるようで実力は間違いないようです。
2012は最高点の94点だったそうですよ。


IMG_1635
何やら白地に幾何学模様の浮彫が施され、独特なデザインですが、
2015年までは普通のデザインだったようです。大胆な変更ですね。


公式facebookページによると、
公式ページはwww.bodegascastano.comらしいのですがエラーで繋がりません。
公式ショップサイトは生きていました。これだけでいいと思ってるんでしょうね。(笑)

ショップサイトなので、最新ヴィンテージの2016年の情報はありました。
・モナストレル 65%
・カベソー 20%
・ガルナチャ・ティントレラ 15%
というブレンドになっています。一応どれもDO Yeclaで使用可の品種です。
Garnacha Tintoreraはアリカント・ブーシェ(Alicante Bouschet)のことで、
1866年にPetit BouschetとGrenacheが交配されたもので、親戚ではありますね。
スペイン語のティントレラはフランス語でタンテュリエ(teinturier)のことで、
果肉にも色がついているという特徴があります。
普通のグルナッシュをGarnacha Tintaともいうので混同しないように。
(フランスでもグルナッシュ・ノワールと言って、グルナッシュ・ブランや
グルナッシュ・グリと区別したりしますね。)

また、ワイン名のViñas Viejas(ビニャス・ビエハス)は所謂Vieilles Vignesのこと。
モナストレルとガルナチャ・ティントレラはなんと樹齢71年だそうです。
20%ブレンドされているカベルネ・ソーヴィニヨンも樹齢33年となかなかです。
VVを名乗るだけのことはありますね。

熟成は、80%がフレンチオーク樽、20%がアメリカ産で10ヶ月だそうです。

で、公式ショップの販売価格が12.65ユーロです。(笑)
日本での販売価格とそんなに差がないのはうれしいですね。


さて、まさにイエクラの町にあるワイナリー訪問です。
Castano01
市街地の外れで、イエクラ闘牛場がすぐ隣にありますね。
規模の大きな工場然としたところですね。

イエクラのあるムルシア州はスペイン全土のDO地図で見るとここです。
Castano03

ムルシア州全体をGoogle Mapで見てみます。
Castano02
DO Yecla以外のDO/IGPは左下の小地図と照らし合わせて確認ください。


エティケタ平面化画像。
IMG_1361
画像ではうまく表面のボコボコ感が出ないかもです。


さあ、抜栓。
IMG_1637
キャップシールもラベルに合わせた幾何学模様のエンボスになってます。

コルク平面化がこれ。
IMG_1633
「The art of Monastrell」はワイナリーのスローガンのようです。

Alc.14.5%。
濃いガーネット。
IMG_1634

黒ベリー、ダークチェリー、コンポート様の花梨。
辛口アタック。
独特の酸味がバックグラウンドにあるんですが邪魔はしてません。
味の芯はなかなか厚みのある構造感を感じますね。
ムールヴェードルの個性でしょうか、スモーキーって印象です。
喉越しから余韻で最初の酸が若干主張してきますが、
これも個性として楽しめました。
なかなかいいです。


*****


Bodegas Castaño
Solanera Viñas Viejas 2016
DO Yecla
RRWポイント 91点


Joostenberg Noble Late Harvest 2018 Chenin Blanc

南アフリカ、Joostenbergが作るシュナン・ブランの貴腐ワインです。
Joostenbergは以前もコストコでゲットしたカベソーを試しています。
そう、今日のこれもコストコで売っていました。(笑)
フランス、ロワールでもコトー・デュ・レイヨン(Coteaux du Layon)など、
シュナン・ブランの極甘口が有名ですね。これはまだ試したことがないですが、
南アフリカの極甘口シュナン・ブランをいただくと、また課題が増えます。(笑)


IMG_1641
小ぶりのハーフボトルなのですが、この方がキラキラきれいに見えます。


公式ページでワイン情報確認します。

このワインも主要ラインアップとしてちゃんと紹介されています。
ミレジム毎のデータシート完備なのですが、残念ながら2015年以降更新されてません。
まあ、2018年も大差はないでしょう。
・シュナン・ブラン 100%
オーガニック栽培の樹齢29年の自社畑からです。
2015年は11回に渡り収穫をしたそうです。というのも、一粒づつ、
ちゃんと貴腐化して乾燥した果実だけを選ぶからだそうです。
除梗なしで自然酵母を使ってオークの旧樽で発酵させます。
そのまま9ヶ月熟成させボトル詰めされます。なかなかお手間入り。


ワイナリー訪問。幹線道路から遠目に見るだけ。近づけず。(笑)
Joostenberg01
ステレンボッシュの「Muldersvlei」という町です。
場所的にはパールとステレンボッシュの間くらいです。

裏ラベルを見ると、W.O.(Wine of Origin)はパール(Paarl)になってるんですが、
Joostenbergの所在地からすればステレンボッシュ(Stellenbosch)のはず。
正確な畑の場所が不明なので南アフリカのワインマップを貼ってお茶を濁します。
Joosten01
まあ、パールとステレンボッシュの際々にあるってことですね。(赤マル)
両方の畑からブレンドすると、広域のW.O. Western Capeになるのかな?


ラベル平面化画像。
IMG_1477
結構、透明ボトルの平面化は難しい。ましてやハーフボトルとなると。


さて、抜栓です。
IMG_1642
集成コルクですが、すごく小さく「DIAM」の表示がありました。

ネックにはこんなシールが貼ってました。Tim Atkinの93点ってすごいのかな?
IMG_1643
いつものSWSA (Sustainable Wine South Africa)認証ラベルと違いますが、
シールサーチのページでこのシールの番号(8669-780010)を入力すると、
このワインの素性が検索できました。

Alc.13.5%
濃い蜜色のゴールドイエロー。
IMG_1639

花梨、マーマレード、レモンピール。
サラッとした口当たりにサラッとした甘さ。
味わいは、やはり花梨の風味です。
喉越しでごくかすかな苦味はいいアクセント。
甘ったる過ぎないからスルスルいけます。

で、
すっごくニコラ・ジョリーのシュナン・ブランを連想します。
同じ品種なので、当たり前のようではありますが、
今まで別物の印象だった南アフリカのシュナン・ブランが、
自分の中で初めてロワールのものと繋がりました。


*****


Joostenberg
Noble Late Harvest 2018
Chenin Blanc
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

Boyd Bordeaux (by Boyd-Cantenac ) 2016

メドック第3級シャトー・ボイド・カントナックのエチケットかなと思うと、
「Château Boyd-Cantenac」と入るべきところにデカデカと「BOYD」とあり、
「MARGAUX」となるところが「BORDEAUX」になってます。
これがボイド・カントナックのサードと称して2千円以下でスーパーで売ってます。
さて、どんなもんでしょうか。お試ししてみるしかありません。(笑)


IMG_1676
まずもって、本当にボイド・カントナックが作るサードなのか?です。
ライセンス契約かなんかで、のれんを貸してるってのもあると思われます。

海外のサイトでも同じようなのを見つけたので、世界中で売ってそうです。
しかしこちらは、ハッキリと「BY BOYD-CANTENAC」と書いてあります。
boydc01
7.99ユーロが特売で6.79ユーロの15%OFFです。850円くらいかな?
日本じゃ安いといっても、これの倍以上の値段で売ってることになります。
ちょっと悲しくなりますね。(笑)


ボイド・カントナックの公式ページにはセカンドまでしか載ってません。

他のシャトーでもAOCボルドーのサード以下までカバーしてるのは珍しいですから、
致し方ありませんね。(シャトー・ドーザックなんかは載せています。)

後で厳しく指摘させてもらいますが、裏ラベルのインポーターシールを剥がすと、
この「BOYD」が生まれる経緯が書かれていました。それを頼りにネット調査をすると、
ボイド・カントナックのオーナー、ルシアン・ギュイメ(Lucien Guillemet)氏と、
大手ネゴシアン、メゾン・ブーイのパトリック・ブーイ(Patrick Bouey)氏がタッグを組み、
お互いのノウハウを投入して生み出されたワインなんだそうです。

Maison Boueyの公式サイトがこれ

正式名称は「Famille Bouey Vignobles & Châteaux」となっており、
自社でいくつもシャトーを所有してるようです。実質ここで作ってるのかな?

海外サイトの情報でセパージュ他、少し判明しました。
・メルロー 80%
・カベフラ 10%
・カベソー 10%
樹齢が平均35年のまあまあの古木からです。
樽熟は不明ですが、価格レンジから言って樽が効いてることはないでしょう。
以上から、なんとなくやさしいフレッシュな飲み口が想像できます。


今日のはマルゴーではないのでシャトー訪問する意味はあまりないですが…。
Boyd01
ルシアン・ギュイメ(Lucien Guillemet)氏はシャトー・プージェも所有。
(Château Pougetはメドック格付け第4級。1906年取得。ルシアン氏で4代目。)
道を隔ててほぼ同じ場所にあるように思われますが、実質一体化してるようです。
レオヴィル・バルトンとランゴア・バルトンの関係みたいなもんでしょうね。

マルゴー全体を俯瞰して位置を確認。黄色い四角のところです。
Boyd02
マルゴー格付けシャトーを全部入れるため右下が北になってるのでご注意を。
ジロンド川は下部分、左から右に流れています。

とは言っても、今日のワインはAOCボルドーです。
おそらく生産を委託されているメゾン・ブーイの所有シャトーを見てみますが、
各地あちこちにあって、どこの畑からなのかはまったく見当もつきません。
Bordeaux_map
とりあえず、寄せ集めで作ったボルドー全部入り地図を貼っておきます。


エチケット平面化画像。
IMG_1578
裏ラベルは少し破れてますが、剥がすのに苦労しました。

なんせ、こんな感じにインポーターシールがベッタリでしたから。
IMG_1576
ワインの素性を知る大切な情報を隠すのは大きな罪だと私は思います。
せめて剥がしやすいシールにしておいてほしいです。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_1677
コルクはなんと専用デザインですね。

平面化するとこうです。
IMG_1673
一応ミレジムも入ってますね。

Alc.13%。
ガーネット。
IMG_1674

黒ベリー、うっすらコルク臭?
あまり果実香は多くありません。
アタックで酸味はけっこう来てる気がしましたが、
味自体は…ちょっと驚きました。
ボルドーの平均以上のレベルに来てる気がします。
嫌味がなく「なんかウメェ〜」と素直に思ってしまいました。
喉越しにはタンニンが軽く乗って余韻にかけていい感じだし。

重みはないんですが、確実にうまい。
なんじゃこりゃ?これは偉いワインかも…です。


*****


Château Boyd-Cantenac & Maison Bouey
Boyd Bordeaux (by Boyd-Cantenac ) 2016
RRWポイント 91点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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