Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Château Giscours Le Haut-Médoc de Giscours 2015

メドック格付け第3級、マルゴーのシャトー・ジスクール。実は全然違う日本ワインをアマゾンで注文したところ間違って届いたのがこのワイン。無事に正しいのは再送してもらったのですが、誤配送されたこちらは返品せずに処分してくださいとのこと。ということで、本日ラザニアに合わせて処分をいたします(笑)。ただしこのワイン、セカンドの La Sirène de Giscours でもなく、サードの Le Haut-Médic de Giscours というのになるんですが、過去ファーストの同じく2015を試して高評価だったのでこれは期待できそうです。

IMG_1385
シャトー・ジスクールの歴史は古く、1330年代まで遡れるようですが、ワイン作りでは1552年に最初の記述があるそうです。いずれにしても十分古い。オランダ人のエリック・アルバダ・イェルヘルスマ氏(Eric Albada Jelgersma )がオーナーなのですが、この人、シャトー・ジスクールを1995年に取得、3年後の1998年にシャトー・デュ・テルトルも取得し、両方のオーナーです。オランダでスーパーマーケットチェーンを持つ実業家で資金は潤沢そうですが、ネット記事を見ていると、2018年に79歳で亡くなられたそうです。合掌…。

公式ページは今どき風、少しアメリカっぽい? 情報は十分のようです。

今日のオー・メドックのサードワインもミレジム毎のデータシートが用意されていますが、残念ながら2019~2021のみ。仕方ないので下記は2019のものです。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 61%
・メルロー 39%

カベフラやプチヴェルドは入ってませんが、ファーストとよく似たセパージュです。AOCオー・メドック(Haut-Médoc)なので広域の畑からですが、良年の2015なので悪くないでしょう。熟成はフレンチオーク樽(新樽率はファーストの50%に対し20%のようです。)で12ヶ月となってます。
ファーストの2015年のパーカーおじさんの評価は、2016年の先行試飲で94-96点をつけ、最終的に94+点としたようです。なかなかなもんですね。


さて、何度目かのシャトー訪問。AOCマルゴー南側のラバルド村です。
Chateau-Giscours
マルゴー・カントナック村と違い、他シャトーと混み合ってないので、周りは全部自社畑のようで、敷地面積合計は300ha以上あります。(AOCマルゴーに94ha、オー・メドックに60haを所有しています。ボルドーの格付けシャトーの中では広さは群を抜いているようです。)

シャトーから結構離れた敷地の入り口には立派な門がありました。
Chateau-Giscours2
Google Mapのストリートビューの写真ですが、敷地の壮大さが感じられます。このすぐ左側にバス停があり「ジスクール」という停留所になっていました(笑)。


恒例、マルゴーの中心地にひしめく格付けシャトーをロゴ入りで示した地図です。
Margaux_中心周辺
マルゴー村とカントナック村にこれら18シャトーが密集していますが、実は2017年に両村は合併し「マルゴー・カントナック村(Margaux-Cantenac)」となっています。以下にマルゴーの格付けシャトーをリストアップします。

<マルゴー・カントナック村(Margaux-Cantenac)>(18シャトー)
(第1級)Château Margaux(マルゴー)
(第2級)Château Brane-Cantenac(ブラーヌ・カントナック)
     Château Durfort-Vivens(デュルフォール・ヴィヴァン)
     Château Lascombes(ラスコンブ)
     Château Rauzan-Gassies(ローザン・ガシー)
     Château Rauzan-Ségla(ローザン・セグラ)
(第3級)Château Boyd-Cantenac(ボイド・カントナック)
     Château Cantenac-Brown(カントナック・ブラウン)
     Château Desmirail(デスミライユ)
     Château d’Issan(ディッサン)
     Château Ferrière(フェリエ―ル)
     Château Kirwan(キルヴァン)
     Château Marquis-d’Alesme(マルキ・ダレーム)
     Château Malescot-Saint-Exupéry(マレスコ・サン・テグジュペリ)
     Château Palmer(パルメ)
(第4級)Château Marquis-de-Terme(マルキ・ド・テルム)
     Château Pouget(プージェ)
     Château Prieuré-Lichine(プリウレ・リシーヌ)

しかし、シャトー・ジスクールはここにはありません。ラバルド村でしたね。

<ラバルド村(Labarde)>(2シャトー)
(第3級)Château Giscours(ジスクール)
(第5級)Château Dauzac(ドーザック)

<アルサック村(Arsac)>(1シャトー)
(第5級)Château du Tertre(デュ・テルトル)

AOCマルゴーの範囲は、マルゴー・カントナック村に加え、ラバルド村、アルサック村、スッサン村の4村になります。全体をGoogle Mapで見るとこんな感じです。
AOC_Margaux_Communes
AOCマルゴーの格付けシャトーはこれで全部。21シャトーになります。北側のスッサン村はAOCマルゴーですが格付けシャトーはありません。


格付けワインを飲む度にAOCごとにはまとめてるんですが、メドック格付けの全61シャトーを一覧でまとめていますので、ここに置いておきます。ご参考ください。
格付銘柄名AOC
1級Ch. ラフィット・ロートシルト
Château Lafite-Rothschild
ポイヤック
(Pauillac)
1級Ch. ラトゥール
Château Latour
ポイヤック
(Pauillac)
1級Ch. ムートン・ロートシルト
Château Mouton Rothschild
ポイヤック
(Pauillac)
1級Ch. シャトー・マルゴー
Château Margaux
マルゴー
(Margaux)
1級Ch. オー・ブリオン
Château Haut Brion
ペサック・レオニャン
(Pessac Leognan)
2級Ch. ローザン・セグラ
Château Rauzan-Ségla
マルゴー
(Margaux)
2級Ch. ローザン・ガシー
Château Rauzan-Gassies
マルゴー
(Margaux)
2級Ch. デュルフォール・ヴィヴァン
Château Durfort-Vivens
マルゴー
(Margaux)
2級Ch. ラスコンブ
Château Lascombes
マルゴー
(Margaux)
2級Ch. ブラーヌ・カントナック
Château Brane Cantenac
マルゴー
(Margaux)
2級Ch. ピション・バロン(Ch. ピション・ロングヴィル・バロン)
Château Pichon Baron (au Baron de Pichon-Longville)
ポイヤック
(Pauillac)
2級Ch. ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド
Château Pichon Longueville Comtesse de Laland
ポイヤック
(Pauillac)
2級Ch. コス・デストゥルネル
Château Cos d’Estournel
サン・テステフ
(Saint-Estephe)
2級Ch. モンローズ
Château Montrose
サン・テステフ
(Saint-Estephe)
2級Ch. レオヴィル・ラス・カーズ
Château Léoville-Las-Cases
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
2級Ch. レオヴィル・ポワフェレ
Château Léoville-Poyferré
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
2級Ch. レオヴィル・バルトン
Château Léoville-Barton
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
2級Ch. グリュオ・ラローズ
Château Gruaud Larose
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
2級Ch. デュクリュ・ボーカイユ
Château Ducru Beaucaillou
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
3級Ch. ラ・ラギュンヌ
Château La Lagune
オー・メドック
(Haut-Medoc)
3級Ch. キルヴァン
Château Kirwan
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. ディッサン
Château d’Issan
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. ボイド・カントナック
Château Boyd Cantenac
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. カントナック・ブラウン
Château Cantenac Brown
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. パルメ
Château Palmer
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. デスミライユ
Château Desmirail
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. ジスクール
Château Giscours
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. マレスコ・サン・テグジュペリ
Château Malescot St.Exupery
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. フェリエール
Château Ferrière
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. マルキ・ダレム(ベッケー)
Château Marquis d’Alesme (Becker)
マルゴー
(Margaux)
3級Ch. カロン・セギュール
Château Calon Ségur
サン・テステフ
(Saint-Estephe)
3級Ch. ラグランジュ
Château Lagrange
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
3級Ch. ランゴア・バルトン
Château Langoa Barton
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
4級Ch. ラ・トゥール・カルネ
Château La Tour Carnet
オー・メドック
(Haut-Medoc)
4級Ch. プージェ
Château Pouget
マルゴー
(Margaux)
4級Ch. プリウレ・リシーヌ
Château Prieuré-Lichine
マルゴー
(Margaux)
4級Ch. マルキ・ド・テルム
Château Marquis de Terme
マルゴー
(Margaux)
4級Ch. デュアール・ミロン
Château Duhart Milon
ポイヤック
(Pauillac)
4級Ch. ラフォン・ロシェ
Château Lafon-Rochet
サン・テステフ
(Saint-Estephe)
4級Ch. サン・ピエール
Château Saint-Pierre
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
4級Ch. タルボ
Château Talbot
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
4級Ch. ブラネール・デュクリュ
Château Branaire Ducru
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
4級Ch. ベイシュヴェル
Château Beychevelle
サン・ジュリアン
(Saint-Julien)
5級Ch. ベルグラーヴ
Château Belgrave
オー・メドック
(Haut-Medoc)
5級Ch. カマンサック
Château de Camensac
オー・メドック
(Haut-Medoc)
5級Ch. カントメルル
Château Cantemerle
オー・メドック
(Haut-Medoc)
5級Ch. ドーザック
Château Dauzac
マルゴー
(Margaux)
5級Ch. デュ・テルトル
Château Du Tertre
マルゴー
(Margaux)
5級Ch. ポンテ・カネ
Château Pontet Canet
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. バタイエ
Château Batailley
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. オー・バタイエ
Château 
Haut-Batailley
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. グラン・ピュイ・ラコスト
Château Grand Puy Lacoste
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. グラン・ピュイ・デュカス
Château Grand Puy Ducasse
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. ランシュ・バージュ
Château Lynch Bages
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. ランシュ・ムーサ
Château Lynch Moussas
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. ダルマイヤック
Château d’Armailhac
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. オー・バージュ・リベラル
Château Haut-Bages-Libéral
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. ペデスクロー
Château Pédesclaux
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. クレール・ミロン
Château Clerc Milon
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. クロワゼ・バージュ
Château Croizet Bages
ポイヤック
(Pauillac)
5級Ch. コス・ラボリ
Château Cos Labory
サン・テステフ
(Saint-Estephe)
いっぺんに並べると結構なボリュームで頭に入りにくいですね。やはりAOCごとにシャトーと等級を結び付けて覚えていくのが早道な気がします。
※シャトー名をクリックするとそれぞれの個別記事(セカンドラベル含む)に飛びます。こうして見ると全61シャトー中57と9割以上を制覇していますね。逆に言えばあと4シャトーでコンプリートです。そろそろ頑張りましょうか(笑)。


エチケット平面化画像。
IMG_1034
インポーターシールが隠してるのはほぼバーコードなんですが、非常に質の悪いシールで、うまく剥がせませんでした。チキショー! そしてこれは「Alc.13.5%」という大事な情報を隠していました。


さて、抜栓。
IMG_1379
キャップシール、コルクともシンボルの人魚・王冠が入ってます。

コルク平面化。
IMG_1381
ミレジムもちゃんと横にも入ってます。コルクはファーストと同じものを使ってますね。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。エッジが少し褐変気味。
IMG_1383

黒ベリー、ダークチェリー、森の下草。
辛口アタック。
奥行き・立体感・レイヤー感全て兼ね備えてます。
全体としてなめらかさもあって非常にバランスがいい。
タンニンもごく柔らかで、余韻もそこそこ伸びる。
いやいやなかなか素晴らしい。
こんな誤配送は大歓迎です(笑)。


*****


Château Giscours
Le Haut-Médoc de Giscours 2015
RRWポイント92点


Calera Pinot Noir 2021 Central Coast

お正月ということで間違いないピノ・ノワールにしたかったのでカリフォルニアのピノ・ノワールの雄、カレラを抜栓しました。ロマネ・コンティから苗を持ち帰ったという(笑)マウント・ハーランのピノ・ノワールが有名ですが、まあ、普及レンジのセントラル・コーストでもいいはず。

IMG_1369
オーナーのジョシュ・ジェンセン(Josh Jensen)さんはDRCやドメーヌ・デュジャックで修行した後、カリフォルニアでロマネ・コンティを作ることを目指し、ブルゴーニュによく似て石灰質に富んだ土壌のマウント・ハーランを見出し、1975年にそこにカレラを創設します。パーカーおじさんが「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と絶賛し、ジェンセンさんはもはやピノ・ノワールをアメリカの代表的な品種の1つとして確立させたレジェンドとなっています。
2017年、73歳を迎えたジェンセンさんは、家族の誰もがワイナリーを継がないことでカレラをダックホーン(Duckhorn)に売却するに至ります。とはいうものの、ジェンセンさん自身がダックホーンの取締役に就任、今まで通りカレラには関わっていくそうです。子供たちが相続しないならワイナリーを維持するためにはベストな判断だったんでしょうね。ダックホーンもおいしいしね(笑)。


公式ページは昔から見ていますが、やはり今はダックホーンと同居しています。

サイトの内容自体は昔通り充実していますから一安心。以下データシートより。

・ピノ・ノワール 100%

セントラル・コーストの限られた最高級の畑からと書いてますが、広域ですから自社畑ではないかもですね。カレラのワイナリーのグラヴィティ・システムで醸造していると信じたいですが、その辺りは明記はなし。新樽率10%のフレンチオーク樽で10ヶ月間熟成されます。


サン・ベニート・カウンティのホリスターというところにあるカレラを訪問。
Calera_01
ストリートビューでワイナリーまで行けず、facebookの写真を拝借。グラヴィティ・システムが山肌の傾斜を利用して敷設されているのが左下の図からわかります。

マウント・ハーランの畑はワイナリーの周辺ではなく、少し離れた、文字通り「ハーラン山」に入ったところにあります。あまりに不便なのでワイナリーを離したんでしょうね。
Calera_Mt.harlan
なかなか場所が見つからなかったのですが、ようやくGoogle Mapで発見したので位置関係をまとめました。マウント・ハーランの畑は単独で AVA(American Viticultural Area)の認定を受けていて、カレラ以外はいませんから、いわゆるカレラの「モノポール」ということになります。(DRCっぽい。笑)地図にも書き込みましたが、個々の畑に「Jensen」などの名前がついていて、サブゾーンの扱いです。

さて、カリフォルニア全図から位置関係を把握していきましょう。
California_AVA-NEW
カレラ(マウント・ハーラン)はセントラル・コーストAVA(Central Coast AVA)に属します。カウンティ(郡)でいうとサン・ベニート・カウンティにあります。
AVA(American Viticultural Area)についてですが、TTB(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)のサイトによると、2023年には新たに以下の2つのAVAがカリフォルニアに加わっており、現在全米では 269、カリフォルニアでは 149 のAVA総数になっています。

・Long Valley-Lake County AVA(Lake County)
・Winters Highlands AVA(Solano / Yolo Counties)

カレラのあるサン・ベニート・カウンティは西側に隣接するモントレー・カウンティとの郡境にガビラン・レンジというエリアがあるんですが、実は2022年8月に「Gabilan Mountains AVA」としてAVAになっています。下の地図にうす水色で示しましたが、モントレー・カウンティとサン・ベニート・カウンティの両方にまたがっており、マウント・ハーランも内包してるんですよね。ややこしいことしてくれます。

モントレー・カウンティとサン・ベニート・カウンティの周辺を拡大して確認。
Monterey_County2
マウント・ハーランAVAはサン・ベニート・カウンティにあり、海岸までは間にモントレー・カウンティを挟みます。サン・ベニート・カウンティとモントレー・カウンティの郡境はガビラン・レンジ(Gabilan Range)という山脈になっていて、その中にハーラン山(Mount Harlan)があるという位置関係です。ガビラン・レンジAVA(Gabilan Mountains AVA)の他、近隣のAVAも書き込んであるので合わせてご確認ください。


ラベル平面化画像。
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セントラル・コーストAVAのスタンダードレンジですが、裏ラベルにはカレラの歴史に触れながら、うまいことセントラル・コーストの良さをアピールしています。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
ルビー。エッジはクリアで微妙にオレンジ入ってるかな。
IMG_1368

ラズベリー、ストロベリー、ゼラニウムのニュアンス。
辛口アタック。
フレッシュな酸で華やかな印象
微かな苦味を感じ、立体感ある旨味があります。
やはりカレラ、バランスの妙ってあるなぁ。
余韻は少々あっさりかもですが、
全体として間違いない感じで期待通りでした。


*****

Calera
Pinot Noir 2021
Central Coast
RRWポイント 93点


Viña Carmen Gran Reserva Cabernet Sauvignon Cabernet Franc 2021

やまやの定番チリワイン、カルメンです。トップラインからローエンドまでラインアップしてくれてるのでありがたいです。(全種類じゃないですが。)ミドルレンジのグランレセルバに何やら新しいのを発見しました。カベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランのブレンドらしいです。面白いのがラベルのデザイン。カベソーとカベフラのラベル色2色に塗り分けられています。

IMG_1330
カルメンはチリ大手のひとつですが、1850年から続くチリ最古のワイナリーです。失われた品種カルメネールが1994年に再発見されたのがカルメンの畑なので、Carmenereからカルメンという名前になったのかなと思ってしまいますが、1850年の創業者Christian Lanzさんの妻の名がカルメンだったとのことで、カルメンと名付けられています。
1987年には、すぐ隣のこれも古参のワイナリー、サンタ・リタ(1880年創業)がカルメンを買収します。その翌年の1988年には大企業グループ、グルーポ・クラロ(Grupo Claro)にサンタ・リタごと買収され、現在サンタ・リタもカルメンも同じクラロ・グループの傘下となっています。

今日のワインの背後にカベソー、カベフラを一緒に移し込んでみました。
IMG_3363
ラベルがカベソー、カベフラのラベル色半分づつ斜めに塗り分けられているというわけです。面白いことしますね。というか何のブレンドかわかりやすい(笑)。

公式ページはよく出来ていますが、Gran Reserva に今日のワインが見当たりませんね。

実はネットで探してもこのワインは見つかりませんでした。というか、やまやにあるカベフラのモノセパージュもラインアップにはなさそうです。これらは日本のやまや専管モデル?(笑)

・カベルネ・ソーヴィニヨン 50%?
・カベルネ・フラン 50%?

よって、セパージュがまったくわかりません。ラベルの色の塗分けからすると半々かなとも思うんですが、ラベルの表記はカベソーの字の方が大きいんですよね。これはカベソー多めの意味でしょうか? カベソーにカベフラをブレンドするというのはボルドーでも定番かと思いますが、フィロキセラでカルメネールを失ったボルドーがカルメネールのその味わいに似せるため苦肉の策で編み出した技だと勝手に思っています(笑)。そんな感じがあるブレンドであることは言えると思います。
熟成は他のグランレセルバと同じくフレンチオーク樽で14ヶ月といったところでしょう。

畑はサンティアゴの南、マイポ・ヴァレーからです。カルメンの本拠地近くでしょうか。
AltoJahuel
これはHPにあったカルメンの「Alto Jahuel」という創業からの自社畑の地図になります。カベルネ・フランはやってるのなかなと探すと、⑦(7)と⑧(8)の区画でやってるようですね。

上の地図にはカルメン自体が示されていませんが、Google Mapで見るとわかります。
Carme_Maipo
畑の範囲もハイライトしておきました。上のイラスト地図と見比べてみてください。まあ、グランレセルバのカベソーやカベフラがこれらの畑からとは限りませんけどね(笑)。

カルメンを訪問したいんですが、幹線道路から奥まっていてストビューがありません。
Carmen01
facebook にあった写真を拝借しましたが、これ以上のいい写真が見当たらないんですよね。幹線道路側に入り口もなく、どうやら同グループのサンタ・リタの方からアクセスするようです。右側の地図を見ると、カルメンとサンタ・リタは同じ敷地内にあるようです。いずれにしてもこの辺りはマイポ川の流域になり、ブイン、イスラ・デ・マイポ、プエンテ・アルト、ピルケなどマイポ・ヴァレーのサブゾーンが集中しているエリアになります。

ご参考ですが、これはカルメンの畑にある「カルメネール発見の記念碑」です。
Carmen_carmenere
日本カルメネール振興協会としては是非ここを訪れたいと願っています(笑)。

首都サンティアゴ周辺(首都州:Región Metropolitana de Santiago)を俯瞰します。
Chile_Santiago_Alrededor
マイポ・ヴァレーというとこの首都州全域が対象になるようです。なので、今日のワインの畑も州内のどこかから持ってきているかもしれません。カルメンのおおよその位置も示しておきました。


ラベル平面化画像。
IMG_1245
裏ラベルに熟成について書いてましたね。仏オーク樽で14ヶ月。ビンゴでした。

やまやさんの裏ラベル隠し。まあ、実害はなかったんですが。
IMG_1243


さあ、抜栓。
IMG_1326

コルク平面化。
IMG_1327

Alc.13.5%。
濃いガーネット。エッジはクリア味あり。
IMG_1328

黒ベリー、森の下草、ゼラニウム。
辛口アタック。
酸と重みとコクが絶妙のバランスです。
奥行き・構造感もしっかり感じることができます。
喉越しのタンニン分もいい仕事をしますね。
以上のハーモニーを感じつつ余韻を味わうと幸せ気分です。
やはりブレンドはいいですね。


*****

Viña Carmen
Gran Reserva Cabernet Sauvignon Cabernet Franc 2021
Single 
Vineyard
D.O. Maipo Valley
RRWポイント 97点


Raventós i Blanc Conca del Riu Anoia Blanc de Blancs 2020

また年が明け新しい年となりました。自分用メモと言いながら、どこかで読んでいただいている方がいるというのがブログ更新のモチベーションだったりします。本年もどうぞよろしくお願いします。さて、以前ちょっと触れたことがあるんですが、スペイン、カバの先駆者でありながら反逆者でもある作り手の泡になります。♪カバのようでカバではない~、ベンベン♪

IMG_1322
作り手は(ジュセップ・マリア・)ラベントス・イ・ブラン(Josep Maria Raventós i Blanc)。1497年にカバの本拠地サン・サドゥルニ・ダノイア(Sant Sadurní d'Anoia)に設立された歴史ある作り手ですが、現当主の父ジュセップ・マリア・ラベントス(Josep Maria Raventós i Blanc)さんがスペイン初の瓶内二次発酵スパークリングを作り、1970年のD.O.(Denominación de Origen)カバの設立に尽力したその人なのであります。カバの生みの親と言ってもいいでしょう。しかし、近年はDOカバの規格の範疇が広がり、自身が設立した本来のカバとは異なるものになってきたため、なんとラベントス・イ・ブラン自身がDOカバを脱退し、新たに「コンカ・デル・リュ・アノイヤ(Conca del Riu Anoia)」のDO設立に向け動き出しました。2012年のことです。DOカバを作った功労者がDOカバを去る...なんと皮肉なことでしょうか。なので、今日の泡にはカバ(Cava)とは書いていません。

…と書いていて気がついたのですが、以前に記事にしたコドルニウ(Codorníu)という作り手も、実はスペイン最古のワイナリーで、1551年以来ラベントス家(la familia Raventós)がバルセロナ県のサン・サドゥルニ・ダノイアに設立しており、スペイン初のカバを作ったのがコドルニウだというではありませんか。…あれっ?ラベントス・イ・ブランのジュセップ・マリア・ラベントスさんがスペイン初の瓶内二次発酵スパークリングを作ったんじゃ...なるほど、どちらもラベントス家なので同じ人なわけですね。よく調べると、ラベントス家創設のワイナリー、カン・コドルニウ(Can Codorníu)を相続したジュセップさんは、その敷地内に最高品質のスパークリング・ワインを作ることを夢見て、ジュセップ・マリア・ラベントス・イ・ブラン・ワイナリー(Bodega Josep Maria Raventós i Blanc)を作ったんだそうです。なるほど。

公式ページは情報豊富で、DOカバ設立貢献の経緯や、新DO設立への思いなど詳しいです。

しかし、DOカバ(Cava)の対抗がDOコンカ・デル・リュ・アノイヤ(Conca del Riu Anoia)とはちょっと名前が長くて不利なんじゃないかと思いましたが、名前の意味がカタルーニャ語で「アノイア川の流域」ということで、(アノイア川はラベントス・イ・ブランとコドルニウの敷地の中を流れています。)こうすることで、ある特定のテロワールのみを指すことになり、DOカバのようにスペイン各地でカバが作られるようなことが防げるわけです。なるほどな。

・シャレッロ(Xarel·lo) 45%
・マカベオ(Macabeo) 40%
・パレジャーダ(Parellada)12%
・Malvasía de Sitges 3%

正確なセパージュがHPに書いてなかったんですが、パーカーおじさんがその批評で上記のように書いてましたのでそれを採用です(笑)。ラベントス・イ・ブランが作るカバ...じゃなくて(笑)コンカ・デル・リュ・アノイヤは、必ず、いわゆるミレジメ(Millésimé)、ヴィンテージになります。リザーブワインを使わないということですね。今日のは2020年。パーカーおじさんの今日の2020の採点は92点とかなりの高得点です。これは楽しみです。そうそう、熟成期間は18ヶ月です。

作り手訪問です。カタルーニャ州サン・サドゥルニ・ダノイアの町にあります。
RaventosiBlanc
コドルニウ(Codorníu)の敷地内に作ったというだけあって、すぐ真ん前でした。というか、右下にラベントス・イ・ブランの(DOコンカ・デル・リュ・アノイヤに指定される想定の)畑の略図を貼ったのでGoogle Mapと見比べてほしいのですが、ほぼほぼコドルニウの周辺の畑はラベントス・イ・ブランの畑であることがわかります。アノイア川(L’Anoia)はコドルニウの施設の背後を流れており、この畑を取り囲んでいるようです。

カタルーニャ州のDO地図でラベントス・イ・ブランの所在を見ておきます。
Catalunya_DOs
要はサン・サドゥルニ・ダノイア(Sant Sadurní d'Anoia)の町の場所です。これはカタルーニャ語で、スペイン語では「San Sadurní de Noya」と言います。あまり使われていないようですが。

ラベントス・イ・ブランはDOカバのガバガバ感に嫌気がさし(?)、2012年にDOカバを脱退していますが、実はDOカバの規定は2021年にさらに改訂され、2022年から新規則が適用されておりどんどん変化していってます。後ほどまとめます。(参考:カバワイン公式まずは、DOカバの品種をおさらいしながら今日のワインの品種も確認しましょう。

DO Cava の使用可能品種は過去から変わっていません。(9つ)

<白品種>
・シャレッロ(Xarel·lo)
・マカベオ(Macabeo=リオハでは Viura)
・パレジャーダ(Parellada)
・シャルドネ
・スビラ・パレン(Subirat Parent=Malvasía / Malvasía Riojana)

<黒品種>
・ピノ・ノワール
・ガルナチャ・ティンタ(Garnacha Tinta=Grenache)
・モナストレル(Monastrell=Mourvèdre / Mataró)
・トレパット(Trepat)(ロゼのみ)

主要3品種を見ておきましょう。まずはシャレッロXarel·lo)。
Xarel・lo
「l·l」の間の点のところが気になりますよね(笑)。これはカタルーニャ語のアルファベットで、「l」とも「ll」とも違う文字になります。「l·l」と書かないとスペイン語でも違う発音になってしまいますからね。おそらく原産地はペネデスと思われ、最大の生産地もペネデスです。マカベオとパレジャーダと並んでカバの主要3品種のひとつとなっています。

マカベオMacabeo)はリオハではビウラ(Viura)とも呼ばれています。
Macabeo
白品種としてスペインでの生産量第2位のポピュラーな品種です。1位はアイレン(Airén)ですね。遺伝的にシャレッロに類似しているようですが(共に?Hebén x Brustiano Faux の自然交配らしいです。)、別品種扱いされています。

パレジャーダParellada)。「パレリャーダ」とよく書かれてますが、「パレーダ」はあっても「パレリャーダ」とは発音しませんので、例によってここでは「パレジャーダ」とします。
Parellada
非常に古い品種のへベン(Hebén)と未知のパートナーとの自然交雑だと判明しているんですが、上記のシャレッロやマカベオも片親(母方)がへベンらしいです。カバの主要3品種って実は似た者同士ということのようです。

さあ、ここまでの3品種はカバの基本といったところで、今日のコンカ・デル・リュ・アノイヤ・ブラン・ド・ブランでもガッツリ使っています。このあたりの地元品種といったところですから、ここは外せないんでしょう。問題は、残り3%だけ使われているマルヴァジア・デ・シッチェス(Malvasía de Sitges)です。これが入っているのでDOカバではないとも言えますし、逆にDOカバではない主張として敢えて入れているのかもしれませんね。

マルヴァジーア・デ・シッチェス(Malvasía de Sitges)。シノニムで Malvasia di Lipari とも呼ばれます。ちなみに「シッチェス(Sitges)」はサン・サドゥルニ・ダノイアから一番近いビーチ・リゾートの名前です。昔行ったことがありますがヌーディスト・ビーチで有名です(笑)。
Malvasia-de-Sitges
イタリア原産の白ブドウ品種。おそらく非常に古い品種であり、その起源は不明です。紀元前6世紀にギリシャ人によってシチリア島に導入されたという仮説もあるんですが、その遺伝的証拠や歴史的根拠はありません。正式名称は「Malvasia(Malvasija)Dubrovačka」といい、名前の通り、クロアチアでは1385年頃から知られておりドゥブロヴニク近郊で栽培されています。「ドゥブロヴニクの~」が正式名称なんですね。なんだかややこしい。

それもそのはず、他にもマルヴァジアを名乗るブドウはたくさん存在します。どうやらマルヴァジアという名前はいろいろな品種で使われているようで、ある意味品種グループの総称のようなことになっているようです。困るな~(笑)。


さて、DOカバの2022年の新規定ですが、今日のワインがカバを名乗らないとはいうもののここでまとめておきます。新規定の肝は、「地域(Zona)」の考え方の導入と、熟成期間による「等級カテゴリー」設定です。ラベントス・イ・ブランは特に前者が気に入らなかったんでしょうね。

DOカバの対象地域ですが、実にスペインの7つの州の160の自治体に渡ります。
Cava_Spain_Map
左上にインポーズした地図で対象の州を示しています。いろんな場所でカバが名乗れるわけです。DOカバの新規定では「地域(Zona)」の考え方を導入して、広い対象地域を原産地呼称によって差別化をした格好です。以下に新たに設定された4つのゾーンとその中のサブゾーンをまとめます。上の地図と照らし合わせながらご確認ください。

Comtats de Barcelona(コムタッツ・デ・バルセロナ)
 サブゾーン:Valls d'Anoia-Foix、Serra de Mar、Conca del Gaià、Serra de Prades、Pla de Ponent

Valle del Ebro(バジェ・デル・エブロ)
 サブゾーン:Alto Ebro、Valle del Cierzo

Viñedos de Almendralejo(ビニェドス・デ・アルメンドラレホ)
 ※エストレマドゥーラ州バダホス県にあるアルメンドラレホ(Almendralejo)の町が対象です。

Levante(レバンテ)<まだ仮の名称だそうです。>
 DO Utiel-Requena のレケーナ部分に当たります。名称が未合意ですが、DO Cava が定める4つの地域(Zona)のひとつです。

カバの95%がペネデスのエリアで作られてるにもかかわらずスペイン各地でカバを名乗れる不思議なDOです。産地が1ヶ所ではないDOもカバしかありません。そんなDOカバの規定の現状に心穏やかでないのが、ラベントス・イ・ブランだけではなく本家ペネデスの生産者も同じようです。2019年に9つのDOペネデスの有力な生産者(Gramona、Llopart、Nadal、Recaredo、Sabaté i Coca、Torelló、Huguet-Can Freixes、Júlia Bernat、Mas Candí)がDOカバを脱退、新組織 L'Associació d'Elaboradors i Viticultors Corpinnat(AVEC)に移りました。このメンバーが出すカバはカバを名乗らず「コルピナットCorpinnat)」と表示されます。実質カバと同じ品質ですが、最大の違いはペネデス以外のブドウを使ったものはないということです。

次に熟成期間による「等級カテゴリー」設定です。等級ごとに以下のラベルが貼られます。
Cava-Sello
以下に等級をまとめます。上の4つのシールと呼応していますからわかりやすいですね。

●Cava de Guarda(9ヶ月以上)
●Cava de Guarda Superior <以下を内包>(2025年までに100%オーガニック化)
 ・Reserva(18ヶ月以上)← 以前は15ヶ月でした。
 ・Gran Reserva(30ヶ月以上)
 ・(Cava de) Paraje Calificado(36ヶ月以上)

※Cava de Paraje Calificado(Paraje Calificado=「認定された土地」の意味)については熟成期間だけではなく、厳しい条件をクリアした上で認証を受けた畑からでないといけません。まだ6社10銘柄しか認定されていないそうです。

2022年からのラベルですから、まだまだ店頭には旧式のラベルが貼られたものが残っています。カバは大抵ヴィンテージ表示がありませんから、新しいかどうか見分けるのにちょうど良いですね(笑)。


ラベル平面化画像。インポーターシールは裏ラベルを隠しません。エライ。
IMG_1217
先ほど見た畑の略図がありますね。また、デゴルジュマン(Dégorgement:澱抜き)の日付も書かれています。2022年12月20日でしょうか。


さあ、抜栓。
IMG_1317

コルク平面化。
IMG_1318

Alc.12%。
プラチナの輝きあるイエロー。
IMG_1324

例によって泡立ちは動画で確認いただけます。


青リンゴ、ブリオッシュ、ナッツ。
辛口アタック。
グレープフルーツの風味です。
ミネラル感、コクもあります。
なるほど、そんじょそこらのカバとは違います。
パーカーおじさんの92点というのがわかりますね。
こちらもWWWポイントの最高点をつけましょう。


*****


Raventós i Blanc
Conca del Rui Anoia
Blanc de Blancs 2020
WWWポイント80点



WhiteWhiteWine01

Thibault Liger-Belair Successeurs Bourgogne Chardonnay “Les Charmes” 2019

ティボー・リジェ・ベレールの良さげな白が「訳あり」なんて書いて少しお安く店頭に並んでました。お店の人に聞くと、瓶の底に結晶が出ているからとのこと。見ると確かにキラキラと舞っています。これはいわゆる「酒石」ですね。ブドウの酸味成分である「リンゴ酸」と「酒石酸」のうちの酒石酸が果汁中のカリウムと低温下で結合したもので、「ワインのダイヤモンド」とも呼ばれ、ある意味おいしさの証拠として歓迎されるとか。とにかくゲットしました(笑)。

IMG_1283
ドメーヌ・ティボー・リジェ・ベレールはニュイ・サン・ジョルジュに2002年に創立されたまだ新しいところなんですが、当主のティボー・リジェ・ベレール(Thibault Liger-Belair)さんは、ヴォーヌ・ロマネにあるブルゴーニュの核心的な畑の数々を所有するリジェ・ベレール家という名家の生まれで、自身もワイン作りを修行していましたが、26歳の時にDRCに隣接する「リシュブール」とニュイ・サン・ジョルジュの一級畑「レ・サン・ジョルジュ」を相続し、念願の自らのドメーヌを興すに至ったという経緯です。
リジェ・ベレール家のワイン作り自体は近年まで衰退していて、メタヤージュ(Métayage・折半耕作)で貸し出されていたそうですが、本家筋のルイ・ミッシェル・リジェ・べレール(Louis-Michel Liger-Belair)さんがロマネ・コンティのすぐ横のラ・ロマネの畑を相続し、ドメーヌ(Domaine du Comte Liger-Belair)を再興します。こちらの方はチリでアリストス(Aristos)というワインも手掛けていまして以前に試した時にお見掛けしています(笑)。
今日のワインのティボー・リジェ・ベレールさんはこのルイ・ミッシェル・リジェ・べレールさんの従兄弟にあたります。

公式ページはこちら。連絡先と所在くらいしか情報が載っていません。困るなぁ。

今日の「Thibault Liger-Belair Successeurs」というのは買いブドウからのワインのようですね。

・シャルドネ 100%

手摘み収穫。フレッシュさとテロワールの純粋さを出すために敢えて樽は使わずステンレスタンクで14ヶ月の熟成をするそうです。低温で酒石が出やすいので、この熟成期間の温度がどうだったか気になりますね。
ブドウはインポーター情報によれば、コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)のモンタニー(Montagny)とマコネ(Mâconnais)のリュニー(Mâcon Lugny)からのブレンドだそうです。海外のサイトによるともっぱらマコネのリュニ―からのみのようですが。

ドメーヌ・ティボー・リジェ・ベレールを訪問。さすがに建物は新しそうです。
Thibault_Liger-Belair
ニュイ・サン・ジョルジュの市街ですね。

コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)のモンタニー(Montagny)を見ておきます。
Cote_Chalonnaise_NEW
モンタニーはコート・シャロネーズの一番南側です。すぐ南はマコネに入っていきます。ある意味マコネに隣接してるとも言えますね。

マコネ(Mâconnais)を俯瞰してリュニー(Lugny)の位置を確認しましょう。
Macon_Villages_3
AOCヴィレ・クレッセ(AOC Viré-Clessé)のすぐ西側に隣接しています。AOCマコン及びマコン・ヴィラージュのエリアに属しています。また、リュニーはAOCマコン+コミューン名の表記ができます。(地図上で白文字でコミューン名を入れてあるところが同じくコミューン名表示ができるところです。)
AOCマコン(AOC Mâcon)は基本、赤・白・ロゼがありますが、AOCマコン・ヴィラージュ(AOC Mâcon Villages)となると白のみのAOCになります。

今日のワイン名の「Les Charmes」は畑名かなと思いましたが、通りや墓地の名前から察するにリュニー村の集落のすぐ北側が「Les Charmes」と呼ばれているエリアのようです。
LesCharmes
知らんけど…(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_0985
「Les Charmes」とリュニーの地名を書いてるってことは、全量リュニーからのブドウなんでしょうか。はたまた、マコン・リュニーにモンタニーをブレンドしてるからAOCブルゴーニュになってるんでしょうか。謎~。


さあ、抜栓。
IMG_1286

コルク平面化。
IMG_1281
ミレジム入り。5年保証のDIAM5を使っています。

Alc.13%。
ゴールドイエロー。
IMG_1282

これが今日のワインに入っていた酒石です。
IMG_1289
透明なのもあれば、このように色素と結びついているのもあります。赤ワインでは赤に染まっています。実は、日本の戦時中は酒石を取り出すためワイン作りが奨励されていました。船舶に備える高感度な水中聴音機には酒石酸カリウムから成るロッシェル塩(単結晶体)が不可欠で、それはまさにワインの酒石だったのです。

黄桃、メロン、白い花。
辛口アタック。
フルーティさ秘めた酸がいい仕事していて、
まったりとした味わいと絶妙なバランスです。
程よいしっとりした熟成感が楽しめる余韻でした。


*****


Thibault Liger-Belair
Successeurs
Bourgogne Chardonnay
“Les Charmes” 2019
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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