Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Domaine Fabien Coche Bourgogne Aligoté 2017

ドメーヌ・ファビアン・コシュといって、白ワインの神様コシュ・デュリの親戚筋なんだそうです。親戚だからうまいのか?という話ですが、なにかコツみたいのを聞いてるかもしれませんし、近親者が神様なんて崇められていたら自ずとプレッシャーもかかるってものでしょう(笑)。なんとも興味本位だけで選んだワインですが、お試しということでアリゴテで行ってみましょう(笑)。

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ドメーヌ・ファビアン・コシュはあのコシュ・デュリと同じムルソー村にあります。先々代が1940年に始めたドメーヌを1998年より3代目ファビアンさんが引き継いだ格好です。ドメーヌ名は、先代の名前のドメーヌ・コシュ・ビズアール(Coche-Bizouard)だったものを2012年のヴィンテージから自身の名前に改名しています。

公式ページは手作り風。情報量も弱いです。公式HPがあるだけましですが。

ワイン紹介はラベルの画像しかないです。ラインアップをお知らせしてるだけ。

・アリゴテ 100%

色々調べましたが、樹齢35年のブドウを使用くらいしかわかりませんでした。畑の場所も不明。

AOCブルゴーニュ・アリゴテの範囲が気になったのでINAOの地図を見てみます。
Comb01
う~ん、やっぱりブルゴーニュ全域です。実際そこまでたくさん植えられてるんですかね。ブルゴーニュ全体の6%らしいですから結構多そうではありますが。

アリゴテはフランス原産です。1999年のDNA分析では、グエ・ブラン(Gouais Blanc=Heunisch Weiss)とピノの自然交配の可能性が示唆されたそうですがはっきりはしてないようです。
Dauvenet_Chopin04
アリゴテには2種類あると言われており、アリゴテ・ドレ(Aligoté doré=金色のアリゴテ)と、もう1種はアリゴテ・ヴェール(Aligoté vert=緑色のアリゴテ)とされています。ブーズロンで使われてるのがアリゴテ・ドレの方で、小粒で酸味が穏やか且つ芳香が豊か…なんて前にも書きましたが、調べてみると単なるクローンの違いだけなのか、明確にこれら品種の違いを説明する論拠は見つかりませんでした。

ムルソー村へ行ってドメーヌ・ファビアン・コシュを訪問です。
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コシュ・デュリよりムルソー村の中心に近いです。看板は朽ちかけて読めませんが「Dom. Coche-Bizouard」と書かれているようです。自分の名前に改名したのなら新しい看板にすればいいのにね。


ムルソーのAOC地図に場所を書き込みました。位置関係を確認しておきましょう。
Fabien_Coche02
ムルソーは一部がヴォルネイ(Volnay)だったりブラニー(Blagny)だったりを名乗れるのでややこしいところです。地図の凡例をよく眺めておいてください。

恒例ですが、同じエリアをGoogle Map上でも見ておきましょう。
Fabien_Coche01
横着をしてコント・ラフォンの時に作った地図を再利用しています。3者の位置関係がわかっていいじゃないですか(笑)。村名畑、1級畑の範囲も描き込んでいます。ムルソーでは赤・白とも作られますが、赤を作るとブラニーになったり、ヴォルネイになったりするところがあることから、白がメインの村なんだ~という印象です。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルには旧ドメーヌ名のURLが書かれています。これもう繋がらないんですが。

インポーターシールは裏ラベルを隠してませんでした。えらい。
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さあ、抜栓。
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キャップシールは凝ってますね。

コルク平面化。
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なにこれ? コルクの模様が印刷です。こんなことするくらいなら名前だけでも書けばいいのに。

Alc.12.5%。
薄いゴールドイエロー。
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レモン、青リンゴ。アニスっぽさも?
辛口アタック。
アリゴテらしい角ばった酸。
シャルドネのまろやかさとは対極です。
苦味も湛えながら、
味わいは不器用にまとまっていきます(笑)。
こういうものだと思えば案外おいしいアリゴテ。
でもやっぱりカシスリキュール投入してキールにするか?


*****


Domaine Fabien Coche
Bourgogne Aligoté 2017
WWWポイント77点



WhiteWhiteWine01

Harewood Estate Shiraz 2017 Great Southern Western Australia

ヨドバシカメラ梅田のカメラ売り場のかなりの部分がワイン売り場になったことで、カメラとワインが一度に物色できるようになりました(笑)。元カメラーですからね。地味にうれしいです。その店頭で選んだ1本。オーストラリアのシラーズと王道ではありますが、西オーストラリア州のグレート・サザンという G.I. になります。ワイン選びってだいたいそんなキッカケです(笑)。

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ヘアウッド・エステートは西オーストラリア州(Western Australia)のグレート・サザン(Great Southern)のエリアにあるデンマーク(Denmark)の町にあり、創業は1988年です。ジェームズ・ケリー(James Kellie)さんが現オーナー&醸造家ですが、元々この方、ハワード・パーク・ワインズ(Howard Park Wines)というこのあたりの著名ワイナリーのワインメーカーをしていました。1998年からヘアウッド・エステートのワインメーカーも兼ねていたんですが、2003年になんと思い切ってヘアウッド・エステートを購入してしまいます。元々はこの地でスキルを磨いた上でタスマニアに移住する計画だったのを、定住を決め込む大胆変更をしたとのこと。グレート・サザンの多様性に惚れ込んで、この地域から作られる最高のワインを提供したいという思いに至ったということだそうです。

公式ページはトップページをスクロールさせるタイプ。使いにくし。

最新ヴィンテージでは「Shiraz Cabernet」というブレンドしか載っていないですね。仕方がないのでネット情報に頼ります。

・シラーズ 100%

いくつかのバッチ(Frankland River、Porongurup、Mount Barker の3ヶ所)を個別に小型のオープンファーメンターで発酵、フレンチオーク樽で18ヶ月の熟成。瓶詰め前の卵白による軽い清澄でより柔らかく豊かな果実味のシラーズを生み出すのに成功しているとのこと。

海岸にも近いデンマークという町にあるヘアウッド・エステートを訪問。
Harewood01
出ました、オーストラリアの解像度の低いストビュー。何が何だか五里霧中。ワイナリーの周辺にも畑はあるようですが、グレート・サザン一帯に畑があり、それぞれのマイクロクライメットを生かしたワイン作りをしているとのこと。

さて、G.I. Great Southern を調べるために、いつものオーストラリアワインのサイトを見ます。インタラクティブ GI マップなんていいものがあり、これで西オーストラリア州(Western Australia)全体からの位置関係も掴めたところで、例によってGoogle Mapに描き写します。
Australia_Western_Australia
オーストラリアの G.I.(Geographical Indications)の成り立ちですが、「South West Australia」という大括りの「Zone」があり、その中に「Great Southern」という「Region」があるというという関係になります。またその中には5つのサブリージョンがありますね。
ヘアウッド・エステートは、ワイナリー周辺のデンマークほか3ヶ所の畑があります。それぞれが独立した G.I. ですので、個々に特徴があるようです。<>内にヘアウッドのHPにあった説明の要約を添えて列記しておきます。

Denmark <南極海に面した海沿い。冷涼な夏でブドウはゆっくり熟す。>
Frankland River <地中海性気候で乾燥し晴天。最高のシラーズを生む。>
Mount Barker <グレート・サザン発祥の地。砂利の土壌はボルドーに例えられる。>
Porongurup <花崗岩土壌で、ポロングラップ山脈のある高台。>

グレート・サザンの拡大地図をインタラクティブマップから切り出しておきます。
Great_Southern
オーストラリアはこういう情報が充実していて助かります。

これら G.I. は、政府公式のワイン・オーストラリアというサイトで一覧で見られます。

オーストラリア全体では65の G.I. がありますが、それらの地図や、ゾーン州別の地図も完備してあり素晴らしいサイトです。


ラベル平面化画像。
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点々が無数に並んだデザインは「無地のキャンバスの表面」を表してるとのこと。「勝負は中身」と言いたいそうです。そうは見えませんが(笑)。縦の帯に今まで受賞したトロフィーや金・銀メダルの数が書いてあります。17年連続でジェームズ・ハリデー(James Halliday)の5つ星評価を獲得しているそうです。

これがインポーターシール。あまり聞かないところですね。
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さあ、スクリュー回転。
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Alc.14.5%。
濃いめガーネット。中くらいの粘性の涙。
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黒ベリー、チョコ。ミントっぽい?
辛口アタック。
甘やかな風味は絶妙な酸によるもののようです。
厚み・奥行き・深み、なかなかなものですが、
重すぎない適度な軽さもあっていいですね。
最初の甘やかな酸に守られながら続く余韻は悠遠~。

確かにバロッサのシラーズとは違う気はします。
でっかいどう、オーストラリア!


*****


Harewood Estate
Shiraz 2017
Great Southern Western Australia

RRWポイント 92点


Kirkland Signature Ribera del Duero Gran Reserva 2015

スペイン、リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)のワインですが、出ましたコストコのプライベートブランド「Kirkland Signature」です。で、よく見るとこれ、「Gran Reserva」です。リベラ・デル・ドゥエロのグラン・レセルバは規定により 60ヶ月(内、24ヶ月は木樽)の長期熟成をしているってことになります。それが税込み1,788円。こりゃあ、お買い得だわ。

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コストコのPBワインは作り手(生産委託先)を突き止めるのに苦労するんですが、これはあっさり裏ラベルに「Viña Solorca」と住所と共に書いてありました(笑)。1998年に設立されたリベラ・デル・ドゥエロの中心地ロア(Roa)にある家族経営の作り手です。と言っても、年間50万本の生産をしてるそうで、そりゃあコストコも委託するわけですね。

公式ページは新しい作り手にしては少々古風な感じです。

ここにコストコのワインが載っているわけもなく、同等であろうグラン・レセルバを参考にしようと思いましたが、UKのコストコのサイトに割と詳しい情報がありました。

・テンプラニージョ 100%

ブドウは古樹から手摘み収穫されます。熟成はフレンチオーク樽で13ヶ月、その後なぜかアメリカンオーク樽に移し替えてさらに25ヶ月。瓶詰め後、ボトルで24ヶ月放置プレー。合計で5年以上の熟成期間だそうで驚きました。まあ、DO Ribera del Duero の規定がほぼそれぐらいなんですけどね。以下に他のDOとの違いも含めてまとめます。

・ビノ・ホベン(Vino Joven
 樽には全く入れない若飲みタイプ。(樽熟成を短期間行うものもあり)

・クリアンサ(Crianza
(他DO)24ヶ月/内、6ヶ月は樽(白・ロゼ:12-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)24ヶ月/内、12ヶ月は樽

・レセルバ(Reserva
(他DO)36ヶ月/内、12ヶ月は樽(白・ロゼ:24-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)36ヶ月/内、12ヶ月は樽

グラン・レセルバ(Gran Reserva
(他DO)60ヶ月/内、18ヶ月は樽(白・ロゼ:48-6)
(DO Ribera del Duero / DOCa Rioja)60ヶ月/内、24ヶ月は樽

Tempranillo」です。巷で「テンプラニーリョ」とよく書いてますが、ここでは「テンプラニージョ」としています。テンプラニーはあったとしても、まずテンプラニーリョとは発音しません。スペイン語で「LL」は「L」とは別の文字で「エジェ」というアルファベットの1文字です。
Tempranillo
リベラ・デル・ドゥエロでは Tinto Fino とか Tinta del País と言います。DOトロの地域ではテンプラニージョを Tinta de Toro というシノニムで呼びます。ラ・マンチャでは Cencibel。カタルーニャのペネデスでは Ull de Llebre。またこれがポルトガルへ行くとティンタ・ロリス(Tinta Roriz)と呼びますが、これはダンやドウロ含む北部の呼び方で、中央部やアレンテージョなどの南部では、アラゴネス(Aragonez)になります。以上、シノニムまとめ。(笑)
スペインでは、テンプラニージョは白品種のアイレン(Airén)に次ぐ2番目に多く生産される品種です。世界で栽培されるテンプラニージョ合計は219,397ha で、スペインが 193,597ha なので、ほぼ9割(88.2%)を占めます。あとはポルトガルに 17,014ha(7.8%)あります。結局この2ヶ国でほとんどですね。

作り手のビニャ・ソロルカを訪問します。立派な建物です。
Solorca01
ロア(Roa)の町のすぐ北側。ドゥエロ川(El Duero)の畔です。


カスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)を俯瞰して位置関係を見ます。
Castilla_y_Leon_new
カスティージャ・イ・レオン州は、州都のバジャドリード(Valladolid)と州を横断するドゥエロ川(Río Duero)を押さえてください。DOリベラ・デル・ドゥエロ他、DOトロ、DOルエダなどの銘醸地はこの川の流域ですからね。バジャドリード市街やDOシガレスなんかはドゥエロ川の支流になるピスエルガ川(Río Pisuerga)が貫いています。また、ドゥエロ川は下流でポルトガルに入るとポルトガル語のドウロ川(Rio Douro)に名を変え大西洋に注ぎ込んでいます。ポルトガル側も河畔はDOCドウロ(Douro)という銘醸地でしたね。

ちなみに地図中に「VC」とあるエリアは「Vino de Calidad con Indicación Geográfica」のことで、DO(Denominación de Origen)より、ワンランク下の格付けになります。下図参照。
スペイン・EUワイン法
EUのワインの分類と比べると、VPからVCまでDOP(Denominación de Origen Protegida)の範疇に入ってしまうのがわかります。DOPと言うと、スペインの格付けの VP / DOCa / DOC / VC 全部を含むという訳です。VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。DO昇格前提で5年はこのランクで過ごさないといけないようです。現在7つの産地がこのカテゴリーでDO昇格を待っているそうです。


ラベル平面化画像。
IMG_7633
イラストの建物を訪問写真と見比べれば、ビニャ・ソロルカで間違いないのがわかりますね。おっと、熟成情報は裏ラベルに詳しく書いてありましたね。

一応、コストコシールは剥がしてみました。
IMG_7786
WARNINGが隠れているだけでした。


さあ、抜栓。
IMG_7776
キャップシールのエンボス、カッコいいですね。ネックのシマシマ含めいい感じです。

コルク平面化。
IMG_7777
汎用品か…。

Alc.15%。
エッジかすかにオレンジ味のガーネット。細かい涙がたくさん整列。
IMG_7778

黒ベリー、古い木の香り、ローストナッツ。
ブレットも微妙にありますね。
辛口アタック。
こなれたタンニンとまだまだ生き生きの酸味が溶け合い、
えも言われぬ複雑味を織り成しています。
厚みもしっかりあり、余韻の伸びもよし。
バランスだけが酸に乱される瞬間があるのが惜しいかな。

しかし、お値段も考えるとこれは満足感高いです。
1,788円でこの熟成感を味わえるとは…コストコやるわね。


*****

Kirkland Signature
Ribera del Duero
Gran Reserva 2015
RRWポイント 93点


Château des Mille Anges Mozart 2013 Cadillac Côtes de Bordeaux

リカマンの店頭で「シャトー・アンジェリュスのオーナーがコンサルタントを務めるシャトー」のPOPが躍っていたワイン。1000円台の安ボルドーではありますが、お店のイチオシなら試してみましょう…ということで買ってありました。今日は「AOC Cadillac Côtes de Bordeaux」ほかを掘り下げながらいただいてみることにしましょう。

IMG_7901
ガロンヌ川河畔の町カディヤック(Cadillac)の東側にサン・ジェルマン・ド・グラーヴ(Saint Germain de Grave)という村があり、その小さな教会の脇に、昔修道院だったというシャトー・デ・ミランジュがあります。その修道院では昔から自家用のワインのためのブドウ栽培を行っており、また貧しい孤児たちを受け入れてきたそうです。第二次世界大戦後、そこは閉鎖されてしまいますが、1994年、現オーナーのヘザー・ファン・エクリス夫人(Heather van Ekris)がこの場所に惚れ込んで購入し、多額の投資をして今のシャトー(ワイナリー)を復興させました。 ミランジェ(Mille Anges)という名前は「千の天使」の意味で、この地域名の「ミランジュ(Milange)」と、修道院に預けられていた孤児たち(千の天使)とをかけたネーミングだそうです。そしてこの夫人が、シャトー・アンジェリュス(Château Angélus)のオーナー、ユベール・ド・ブアール氏(Hubert de Boüard)をコンサルとして招いて今に至ります。

これが店頭にあったPOPです。うまいことアピールしてますね(笑)。
IMG_1483
2013年はどうなんだ? などと一抹の不安を抱えながら、お安いし「いいや!」っと購入。

公式ページは情報もしっかり。いい感じ。ワイン紹介が最新ヴィンテージのみなのは残念。

2013年はインポーター情報なども参考にします。

・メルロー 60%
・カベルネ・フラン 20%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 20%

樹齢20年。収穫は半分機械を使います。熟成はタンクで16ヶ月となっていますが、インポーター情報では新樽33%のオーク樽とステンレスタンクの併用で14~16ヶ月とあります。樽あり?なし?どっちが正しいんでしょう?

さあ、シャトーを訪問します。なかなか立派。隣の教会も見えますね。
MilleAnges01
ガロンヌ川沿いのカディヤックやルーピヤックから車で15分ほどです。

コート・ド・ボルドー軍団(Côtes de Bordeaux)の地図で位置関係を見ます。
Bordeaux_Cotes-de-Bordeaux
「軍団」とは勝手に呼んでます(笑)。以下が構成員でしたね。2007年設立のコート・ド・ボルドー連合(Union des Côtes de Bordeaux)の公式サイトで確認できます。

Blaye Côtes de Bordeaux(
Cadillac Côtes de Bordeaux
Castillon Côtes de Bordeaux(
Francs Côtes de Bordeaux(・甘口白)
Sainte-Foy Côtes de Bordeaux(・甘口白)

要注意なのは、以下のAOCが「Côtes de Bordeaux」連合には入っていないこと。

・Côtes de Bordeaux Saint-Macaire・甘口白)
Premières Côtes de Bordeaux(

コート・ド・ボルドー連合からの赤は単なる「AOCコート・ド・ボルドー」を名乗ることもできますし、複数のエリアのブレンドも同じく「AOCコート・ド・ボルドー」が名乗れます。

Côtes de Bordeaux

すなわち、コート・ド・ボルドー連合は「赤」つながりの軍団ということになりますね。


今日のワインの「カディヤック・コート・ド・ボルドー(Cadillac Côtes de Bordeaux)」を深掘りしましょう。実は同じエリアに複数のAOCが同居しています。以下の地図はプルミエ・コート・ド・ボルドー(Premières Côtes de Bordeaux)の範囲ですが、カディヤック・コート・ド・ボルドーと同範囲なのがわかると思います。
Premier_Cotes-de-Bodeaux
元々、のAOCであったプルミエ・コート・ド・ボルドーから、2009年にがカディヤック・コート・ド・ボルドーとして分離されたため、こういうことが起こっています。言い換えると、カディヤック・コート・ド・ボルドーのエリアからは以下のAOCを作ることができるということです。

・Cadillac Côtes de Bordeaux(
・Côtes de Bordeaux(
・Premières Côtes de Bordeaux(
・Cadillac(甘口白)

最後のカディヤック(Cadillac)は初出ですね。範囲は以下のように少し狭いです。
AOC_Cadillac_Vin_Doux
カディヤック周辺の甘口白のAOCになります。プルミエ・コート・ド・ボルドーやカディヤック・コート・ド・ボルドーの地図の範囲と見比べてください。同じく甘口白のAOCルーピヤック(Loupiac)とAOCサント・クロワ・デュ・モン(Sainte Croix du Mont)のコミューンが抜けていますね。一応、被らないようになってるようです。

最後にセパージュをまとめておきます。赤・白、以上のAOCで共通です。

<赤>
・主要品種:Cabernet Sauvignon、Cabernet Franc、Côt  (Malbec)、Merlot
・補助品種:Carmenère、Petit Verdot
(補助品種のカルメネールは10%以下、プチヴェルドは15%以下。)
<白>
・主要品種:Sauvignon Blanc、Sauvignon Gris、Sémillon、Muscadelle
・補助品種:Colombard、Ugni Blanc (Trebbiano Toscano)
(補助品種は15%以下。)


エチケット平面化画像。
IMG_7630
URLまで入って表ラベルで完結しています。

どうりで裏はインポーターシールのみ。
IMG_7631


さあ、抜栓。
IMG_7896
キャップシールのエンボス、いいですね。

コルク平面化。
IMG_7894
ミレジムも入っていいんですが、このコルク、脆かった! ボロボロになりました。

Alc.13%。
ガーネット。
IMG_7897

黒ベリー、チェリー、湿った木の樽香。
酸味の香りです。
やはり酸味の乗った辛口アタック。
味わいは厚みあって安定感はあるんですが、
最初の酸味はやはり少しバランス崩しますね。

時間をかけて変化を期待してみました。
すると、なぜかスルスル開けてしまいました。
まあそこそこ楽しめたということで(笑)。


*****

Château des Mille Anges
Cuvée Mozart  2013
Cadillac Côtes de Bordeaux
RRWポイント 87点


La Carraia Porticina Cabernet Sauvignon 2019 Umbria IGP

今日のこれもグランマルシェ偵察中に店頭で確保したものです。ウンブリア州からのカベルネ・ソーヴィニヨン。国際品種ですから DOC ワインじゃなくウンブリア IGP なのはわかります。うん、なんだか面白そう。しかし、お値段は1000円台前半。おいしければコスパ抜群でしょう。まあ、あまり期待はせずにお試しと行きましょう。

IMG_7888
作り手はラ・カッライア。ウンブリア州オルビエト(Orvieto)の南にあります。地元の熟練したワインメーカーのジアッレッティ家(Gialletti)と、同じくこの地域出身で今では世界的に有名なワインメーカーとなったコタレッラ家(Cotarella)のコラボレーションによって1988年に創業されました。コタレッラ上等メルローを以前に試したことがありますが、世界的に評価も高い素晴らしい作り手だと思います。そこがコラボしてるとなればこれは期待が高まりますね。「Carraia」って調べると「馬車道」という意味のようですが、「-aia」で終わる名前はスーパータスカンを彷彿とさせますね。

公式ページは情報豊富ですが、ワイン紹介があっさりしてて残念です。

今日のワインも主力のひとつとしてデータシート付きで載っていますが内容は弱し。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 100%

樹齢は15年。樽はなさそうです。マロラクティック発酵はあり。こんなところですね。しかし、インポーターの資料によると、フランス産のバリックで10ヶ月間、瓶内で4ヶ月の熟成をしているとのこと。本当だとしたら本家HPには書いておいてほしいですね。

ラ・カッライアを訪問します。建物はまだ新しそうですね。
LaCarraia01
テヴェレ川(Fiume Tevere)というのが近くに流れています。で、その川沿いに行くと車で10分ほどでコラボ相手のコタレッラのワイナリーに到着します。今日のワイン含め国際品種も手掛けていますが、場所がオルヴィエトのお膝元なので主力はオルヴィエトDOC(Orvieto DOC)のようですね。オルヴィエトDOCは、プロカニコ(Procanico)とグレケット(Grechetto)が主要品種になります。

ウンブリア州の他の州含めた位置関係をざっくり見てみます。
Italia_map
イタリアの真ん中、4州に囲まれ、なんと海がありませんね。

ウンブリア州全体をGoogle Mapで俯瞰して、DOC/DOCGも見ておきましょう。
Umbria01
今日の作り手、ラ・カッライアの所在も示しておきました。オルヴィエトDOCのエリア、それも中心部のオルヴィエト・クラッシコ(Orvieto Classico)のエリア内になります。

オルヴィエトDOCのエリアはラツィオ州側にもはみ出ていますからご注意を。
Orvieto
こんな感じです。(以前オルヴィエトDOCのワインをいただいたときに描いた地図の再利用。)


ラベル平面化画像。
IMG_78011
シンプルですが好きなデザイン。金色のインクを使っています。

インポーターシールは裏ラベルを隠していませんでした。
IMG_7800


さあ、抜栓。
IMG_7885

コルク平面化。
IMG_7886

Alc.13.5%。
ガーネット。
IMG_7887

黒ベリー、スモーキーなコーヒー感。
やはり、樽はありそうな気がします。
辛口アタック。
絶妙な酸がフレッシュ感演出しつつ、
しっかりした構造感ある味わいに達します。
重すぎないのに深い。
いい苦味もある。
余韻も貫禄あり。

およよ。これはうまいぞ。
最近では大いに「当たり」の部類でした!


*****

La Carraia
Porticina
Cabernet Sauvignon 2019
Umbria IGP
RRWポイント 94点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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