エノテカさんで生産者を招いてのイベントがありました。
スペイン国内では評価の高いところだそうで、
そこのワインを5種類ほどテイスティングしながら、
作り手に直接いろいろ聞けるという、またとない機会。
そこで、
その機会を最大限に生かすために事前にそこのワインを購入、
1本まるまるいただいてから当日に備えました。(笑)


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今日は、先に個人的に試飲したこのワインの印象を書きます。
公式サイトは充実しておしゃれなデザインですが、
このワインのセパージュが載っていません。
ショップサイトなんかで確認すると、
・テンプラニージョ 70%
・カベソー 30%
のようです。
熟成は、仏・米のオーク樽で9ヶ月。クリアンサです。

さて、抜栓。
Alc.15%。おお、濃いです。
濃い濃いルビー。
黒ベリー、ピーマン、樽香ありますね。
酸を感じるアタックは、甘みも感じさせます。
アルコール感というか、フルボディ感ハンパない喉越し。
余韻は悪くないんですが、酸味が若干残るのが少々残念。
まあまあOKの88点ってところですね。
傑出しているとまでは、ちょっと言えません。
この印象をもって、イベント当日に乗り込みます。


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ちゃんと購入したボトルのエチケット平面化画像ですよ、(笑)


ワイナリーにも訪問しておきましょう。
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なかなか立派な建物です。国道を隔てた前には畑が広がってます。

敷地も広くて入口も2ヵ所あるようです。
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しかし、ごっつい施設ですね。

場所はアラゴン州、ピレネー山脈のふもとです。
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州都のサラゴサから車で1.5時間、バルセロナから2.5時間って感じ。

このあたりが、DO(Denominación de Origen)Somontanoで、
1984年にDOに認定されているそうです。
「Somontano」の語源は「山のふもと」だそうで、
まさにこのDOはピレネー山脈のふもとに広がっています。


さて、ここからイベントのお話です。
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エキスポート・エリア・マネージャーのトーマス・アリバス氏。
あまり英語がお上手でなく、(僕だけ)スペイン語でお話を伺いました。

事前に味見したクリアンサ含むこの5本を試飲しながら解説を聞きます。
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前の包みはワインと一緒に提供された、なぜか和食の小料理です。


以下、簡単にそれぞれの感想を記しておきます。

Rosado Cabernet Sauvignon 2016:
ビタミン剤のかおり!?
かすかに赤ベリーが香って少し安心。(笑)
甘口、酸味も舌に残ります。
要らない甘味だな~。
これを指摘すると、
「そんなことはない。うちのロゼは辛口だ。」
と、全否定されました。(笑)
いずれにせよ、普通の(フランスの)ロゼとは別物です。
RRWポイント 82点


Chardonnay Fermentado en Barrica 2016:
あられの香り。(笑)
ほんとにシャルドネ100%?
これも辛口だそうですが、甘みを感じます。
喉元に何とも言えない味が残ります。
合成なんとかっぽい風味。アウト。
RRWポイント73点


Varietales 2013:
・テンプラニージョ 
・カベソー
・メルロー
・シラー
の4種を均等にブレンド。
(本当の比率は秘密だそう。)
仏新樽で1.5年の熟成。
どれか一つの出来が悪いとその年は作らないそうで。
カルメネールの様な黒ベリーに青くさいメトキシ香。
酸味と苦味が立ちすぎです。
喉の収斂性が余韻の良さを弱めます。
これだけ混ぜたなら、もう少しマイルドにならんもんでしょうか?
RRWポイント86点


Merlot-Merlot 2013:
メルロー100%です。
黒ベリー。香りは華やかです。
甘、苦っ。
まだ果実味があって許せます。
RRWポイント87点


Crianza Tempranillo-Cabernet Sauvignon 2014:
これは事前に飲んだやつですが、
米・仏樽で熟成というのは、
テンプラニージョが米樽で、カベソーは仏樽でやるそうです。
この組み合わせが品種と樽の特性が合うんですって。


総括。どれも繊細さ少なく少々荒々しい味でした。
スペインワインの「底力」ではなく、
「力の底」を見た感じがしました。(笑)


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ENATE Crianza Tempranillo-Cabernet Sauvignon 2014
D.O. Somontano
RRWポイント 88点