カリフォルニアワインが勝利した1976年のパリスの審判から30年後、
2006年のリターンマッチで、またも圧倒的点差で勝利したのがリッジです。
その勝利したワインはMonte Belloというカベソーブレンドでしたが、
今日いただくのは久々のプティ・シラーです。
お値段の差もありましたが、カリフォルニアワインなら、
ジンファンデルとかプティ・シラーをいただかないとね。(笑)


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リッジ共通のラベルデザインですが、ブルゴーニュ型ボトルになってます。
やはりプティ・シラーはシラーと同類の扱いなんですね。

プティ・シラーは長らくカリフォルニアの固有品種かと思われていましたが、
1880年頃南仏でシラーとローカル品種プルールサン(Peloursin)を交配した、
デュリフ(Durif)という品種と同一であることが1998年DNA鑑定で判明。
小粒なことから「Petite Sirah」とカリフォルニアで呼ばれるようになりました。
片親がシラーですから、当初からシラーの特徴を色濃く持っているという
認識があったんでしょうね。
(綴りがSyrahとPetite Sirahでは違ってます。アメリカ人らしいです…)


さて、ワインを調べます。
リッジはなんと日本の大塚製薬株式会社が1986年に取得して所有しています。
なので、日本語の公式ページがあります。
しかしながら、今日のプティ・シラーが載ってなかったりしますので、
英語の公式ページを参照します。さすがに内容充実。

セパージュはプティ・シラー100%。
過去のヴィンテージではジンファンデルを少しブレンドしてたりもします。
樽熟は、新樽率20%のアメリカンオークで14ヶ月です。
(残り55%は1~2年落ち、25%は3年落ち)


リッジの醸造家と言えば、CEO兼最高醸造責任者だったポール・ドレーパー氏。
2016年に80歳を迎え、引退し会長職に退いています。
今日のワインは2014年なので現役時代に醸されたものですね。
氏は今もモンテベロ・リッジの頂上に家を持ち家族と暮らされているそうです。


さあ、ワイナリー訪問です。
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ソノマ・カウンティですがかなり北の方にあります。

実はリッジは2カ所拠点がありまして、もうひとつがモンテベロ。
RidgeLytton02
サンノゼ近くのApple社でも有名なクパチーノにあります。
2つのワイナリーはなんと車で2時間以上離れています。


ラベル平面化画像。
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「Dry Creek Valley」は、リッジのリットン・スプリングスの畑がある所です。
後で気づいたのですが、先日飲んだコッポラ・ワイナリーのすぐ近く。


さて、抜栓。
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う~ん、キャップシールもコルクの刻印もシンプル。

Alc.13.9%。
濃いガーネット、涙は色付き。
弱め黒ベリー。
樽香か?ブレタノマイセス?っぽい重い複雑な香りがします。
辛口アタック。
特徴的なタンニンに包まれている味は凝縮感があってよろしい。
喉越しの厚みはタンニン込みで非常に心地いいです。
余韻もじんわり。うま~い。

確かに知っているプティ・シラーっぽい風味を感じますが、
作り手が上手いと美味いプティ・シラーになることがわかります。
パーカーおじさんは90点だそうですが、
もうちょっと今日の評価は高いです。


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Ridge Vineyards
Lytton Estate Petite Sirah 2014
RRWポイント 92点