オーストリアの極甘口ワインをいただきます。
ベーレンアウスレーゼですからそこそこ上のランクですよ。
ドイツと似ているようで、ちょっと違うという不思議な国。
銘醸地が集中する東側にはご縁なく、ザルツブルグ方面ばかりですが、
わりと馴染みがある国です。


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公式ページはドイツ語オンリーかつ、ガッツリとショッピングページ。
で、このベーレンアウスレーゼが見当たりません。
仕方がないので、リカマンのショップサイトを参照。

ブルゲンラント州、ノイジードラーゼー(Neusiedler See)、
いわゆるノイジードル湖のほとりにある家族経営ワイナリー。
スウェーデン王室ご用達だそうで、日本の天皇陛下を招いての晩餐会で、
出されたのがなんと、今日のベーレンアウスレーゼだなんて書いてます。

この辺りは湖からの霧によって貴腐ワインの産地となってます。
今日のベーレンアウスレーゼは、
グリューナー・フェルトリーナー(Grüner Veltliner) 88%
ショイレーベ(Scheurebe) 12%
だそうです。
グリューナー・フェルトリーナーはオーストリアの固有品種で、
全栽培面積の1/3を占め、黒最大のツヴァイゲルトの倍以上でダントツ。
GrunerVeltliner


さて、ワイナリー訪問。この辺りストビューがないのですが…
Halfnar01
どなた様かが360°写真を上げてましたのでラッキー。拝借。


さあ、少しオーストリアのワインの分類をまとめておきましょう。
ドイツと同じく、QualitätsweinとPrädikatsweinがありますが、
ドイツではPrädikatsweinの一番下のランクであったKabinettが、
なんとQualitätsweinのカテゴリーに入っています。
また、KMW糖度(Klosterneuburger Mostwaage)を基準にします。
これは1869年開発の純粋な糖のみの重量%を示す方法だそうです。

Tafelwein :最低KMW10.7°(地理的表示なし)
Landwein:最低KMW14°(地理的表示可)

Qualitätswein:最低KMW15°、アルコール9.0%以上
 ⇒ Kabinett:上記に加え、残糖9g/l・潜在アルコール13%まで。補糖なし。

Prädikatswein
 ⇒ Spätlese:最低KMW19°(完熟したブドウから)
 ⇒ Auslese:最低KMW21°(粒選りしたブドウから)
 ⇒ Beerenauslese:最低KMW25°(過熟または貴腐ブドウから)
 ⇒ Eiswein:最低KMW25°(収穫時に凍結したブドウから)
 ⇒ Strohwein / Schilfwein:最低KMW25°(最低3ヶ月は藁や葦の上で乾燥)
 ⇒ Trockenbeerenauslese:最低KMW30°(貴腐化等で乾燥したブドウから)
  → (Ruster) Ausbruch:アウスブルッフ、自由都市ルスト産のTBAが名乗れる

あと、
・Bergwein:(傾斜が26度を超える斜面のブドウから)
なんてのもあります。


オーストリアの産地とDAC(Districtus Austriae Controllatus)を俯瞰します。
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DACがDACじゃない所より上等かというとそうじゃないんですよね。
DACは品種をある程度規定してしまいますので、多種多様な品種や、
珍しい品種を使ってる名醸地はなかなかDACが導入しにくいのです。
Wachau(ヴァッハウ)、Rust(ルスト)なんかそんな感じですね。


瓶が細いので平面化撮影はあきらめました。
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表ラベルは上下二つに分かれてるし…。

裏ラベル。
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まあ、なんとか読めますね。


さあ、抜栓。おっとノマコルクです。
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キャップシールにはQualitätswein以上のワインに貼られる、
オーストリア国旗カラーのシール(承認番号入り)がありますね。

Alc.11%。
綺麗なゴールド。
青リンゴ、花梨。
梅っぽい酸っぱい甘さです。
スッキリしててクセはないんですが、
少し苦味のような雑味だけが気になります。


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Hafner B.A. Cuvée 2017
WWWポイント 79点



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