ムルソーの名門、マトロです。ここのムルソーの白なんかを試したくなりますが、
やっぱりのピノ・ノワール赤、そしてAOCブルゴーニュ。(笑)
このパターンを続けてるのも、ブルゴーニュは畑の格やテロワールより、
作り手の違いの方が大きいと思うからです。(で、お手頃だからですが…)
「グランクリュとAOCブルゴーニュを比べたらやっぱりグランクリュでしょ」と
おっしゃる方もおられましょう。でもそれは、作り手が手を抜いてるのです。(笑)
ただ、優秀で真面目な作り手はAOCブルゴーニュで手を抜けずに、
ついつい秀逸なAOCブルゴーニュを世に出してしまう…それを探してます。(笑)


IMG_9837
エチケットにはティエリ&パスカル・マトロ(Thierry et Pascale Matrot)とあります。
おじいさんのジョセフ・マトロさんが元々ピュリニー・モンラッシェとブラニ―で
ワイン作りをしてましたが、奥さんのマーガレットさんの実家がムルソーに所有していた
ドメーヌに一族で移り住み、始めたのがドメーヌ・マトロです。
なんだかんだあって(中略…笑)3代目のティエリさんと奥様のパスカルさんが運営。
よってこの名前になるのです。


公式ページはちょっと重いですが、きれいでよくできたサイトです。

当然ながらの、
・ピノ・ノワール 100%
完全除梗、低温浸漬10度で3~6日、天然酵母で発酵12~18日、ピジャージュ2回/日。
樽熟は新樽率10%で15ヶ月。1er Cruになっても新樽率が20%になるだけです。
(Grand Cruなどと差が出るのはこういう樽使いくらいじゃないかと…。)
畑はピュリニー・モンラッシェとムルソーからと書いてますが、場所は不明。

アメリカのインポーターのサイトと思われますが、
本家と見まがう作り・内容のサイトもありました。

データシート、エチケット画像、フランス語での発音音声データ(!)など、
ほぼ完璧です。本家へのリンクも貼ってあります。


さて、ムルソーにあるドメーヌ訪問です。
Matrot01
近所にコント・ラフォンがありますね。歩けば10分ぐらい。
コシュ・デュリはちょっと離れていて、ここには見えません。

ムルソーの地図上で見てみましょう。
Matrot02
赤で示したところがドメーヌ・マトロの場所です。
山側の端がピュリニー・モンラッシェにまたがるブラニーになります。
ブラニーという行政区はなく、畑のみ。AOCものみなので、
ここで白を作るとAOCムルソーになります。

ブラニーついでにピュリニー・モンラッシェの地図も貼っておきましょう。
Puligny_Montrachet_AOC
ムルソーから続いてるブラニーで白を作っても、同じくAOCブラニーにならず、
AOCピュリニー・モンラッシェになってしまいます。

少し脱線しましたが、コート・ドール全体の地図で位置関係確認。
Bourgogne_Cote_dOr_Map
割とムルソーって面積がありますね。


エチケット平面化画像。
IMG_9344
裏ラベルはおなじみ情報なしのエノテカなので割愛。

さあ、抜栓。もとい、スクリュー回転。
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スクリューキャップは珍しいんじゃないでしょうか。
エンボスのエンブレム入りや認証シールの印刷などカッコいいですが。

Alc.12%。
ルビー。粘性の涙です。
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フランボワーズ、チェリー、プラム。
苦味のある辛口アタック。
最初から軽い収斂性も感じます。
お陰で複雑味になってますね。
果実味もあるんですが、
タンニン性の強い風味に覆い隠されてるような気がします。
後々、これを酸味でバランス取ってるんだなって気づきます。

なんだか、いろいろと慌ただしい流れですが、
パンチがあって楽しめるピノということにしましょう。


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Thierry et Pascale Matrot
Bourgogne Pinot Noir 2015
RRWポイント 89点