ロワールというのは広範囲で、いろんなAOCもあるのですが、
近所の酒屋の店頭ではそうそうめずらしいものには出くわしません。
よって、もっぱらネットで物色するんですが、それでも豊富ではないです。
あまり選べませんが、今日はトゥーレーヌのAOCヴァランセを試します。


IMG_9959
ヴァランセというと、メキシコのピラミッド型のチーズの方が有名のようです。
ロワールによくあるシェーブルタイプ(ヤギ乳原料)です。
ワインより早く1998年にAOCヴァランセになったそうです。(ワインは2004年。)


作り手は、クロード・ラフォンというルイィ(Reuilly)の作り手です。
ルイィってトゥーレーヌ地区(Touraine)じゃなく、中央フランス、
サントル・ニヴェルネ(Centre Nivernais) のAOCじゃなかったっけ?

ドメーヌ訪問してみます。確かにルイィの町にありました。
Lafond01
立派なところですね。

公式ページで確認することにしてみます。

扱いは、AOC Reuilly / AOC Valençay / IGP Loire Valleyの3種。
ルイィの畑は35ha、ロワール・ヴァレーは5haあるそうです。
そして、ちょっと離れますが、ヴァランセに3haの畑も所有とのこと。
それが今日の「Le Clos du Château」という畑らしいです。

なんとこの畑、ヴァランセのシンボル、ヴァランセ城のすぐ前でした。
ChateaudeValencay
この畑の半分に、ピノ・ノワール、コ(マルベック)、ガメが植えられ、
残り半分にソーヴィニヨン・ブランとシャルドネが植えられています。
(従い、Le Clos du ChâteauのAOC Valançayは白もあります。)
先代で創業者のクロード・ラフォン氏が惚れ込んで手に入れた畑だそうです。
(クロードさん他界後、娘のナタリーさんがドメーヌを引き継いでいます。)

というわけで、今日のワイン、1.5haに植えられた以下のセパージュです。
・Pinot Noir 50%
・Côt (Malbec) 30%
・Gamay 20%
醗酵・熟成はスチールタンクのみ使用です。


しかし、気になるのが、
サントル・ニヴェルネのルイィとトゥーレーヌのヴァランセの位置関係。
だいたいロワールのお勉強をすると大抵地域ごとに分けてありますから、
(ペイ・ナンテ、アンジュー・ソーミュール、トゥーレーヌ、サントル・ニヴェルネ)
実はすぐ隣なんてこともあるはずですよね。
よって、トゥーレーヌサントル・ニヴェルネを1枚の地図に収めてみました。
Loire_C_Nivernais
トゥーレーヌのヴァランセとサントル・ニヴェルネのルイィ、近いです。
ルイィのクロード・ラフォンからヴァランセ城まで車で40分の距離でした。
(いろいろ他のAOCとか書き込みましたので拡大してお楽しみください。笑)

そうそう、この地図、フランス全体から見るとこの部分です。(赤枠)
Loire_C_Nivernais02
全体像がわかってきました。
こうして見てみると、ブルゴーニュのグラン・オーセロワと、
サントル・ニヴェルネも案外近い…。


エチケット平面化画像。
IMG_9525
インポーター稲葉のサイトにこの作り手の詳細情報があります。


さあ、抜栓。
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汎用品ながら、出ましたノマコルクです。

コルクも平面化しておきます。
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Alc.13%。
濃いルビー~ガーネット。
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フランボワーズ、カシス。
茎っぽいです。低温浸漬から来るのかな。
辛口アタックからのフレッシュな感じの酸味。
舌触りは濁りを感じるんですが、
味の構造感と、いいようにも受け取れる気はします。
しかし最初の酸が帰ってくるんですよね。
これが余韻までつきまとうので結構減点。


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Domaine Claude Lafond
Le Clos du Château Valançay 2016
RRWポイント 84点