トスカーナIGTのピノ・ネロです。
つまりはイタリアピノ・ノワールをいただこうという訳です。
イタリアは伝統的な品種の偉大な(笑)ワインも多いですが、
スーパータスカンなんかで国際品種も積極的に作られてますからね。
しかし今日のこれ、イタリアを代表するぐらいのピノ・ネロなんですって。
どおりで、あまり偉いワインの値段ではなかったです。(笑)


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2004年初ヴィンテージという新進ワイナリー、ポデーレ・フォルトゥーナですが、
創業からコンサルを務めるのがアンドレア・パオレッティ(Andrea Paoletti)。
かつてはアンティノリの全栽培を担い、フリーのコンサルになってからは、
オルネライア、イゾレ・エ・オレーナ、カイアロッサなど有名どころを手掛け、
手いっぱいだとフランシス・フォード・コッポラの依頼は断ったという、
なんだかんだで超有名なおじさんの手によるのが、今日のピノ・ネロってわけです。


公式ページはサラッとしてますが、要点は押さえてあるようです。なんでも、
フィレンツェを支配しトスカーナ大公国をも牛耳ったメディチ家が所有する、
Cafaggiolo Castle estateというワイナリーの一部がPodere Fortunaだそうで。

ブドウはIGTトスカーナ「FORTUNI vineyard」からだそうです。
・ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100%
かなり詳しく醸造法は書いていますが、除梗の有無は書いていません。
そういう時は普通に除梗してるんでしょうね。
自然酵母でフレンチオークの開放桶にて発酵。
酸やタンニンの性質を変えることを一切排除し自然にまかせ、
フレンチオーク樽(バリック)で12ヶ月熟成です。
その後、6ヶ月間セメントタンクで冬を越させ、冬霜の凍結によって、
清澄・ろ過に代え、フィルターを使わずに済ませるんだそうです。


さあ、トスカーナへ行ってみますよ。まずはメディチ邸です。
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フィレンツェの北方、ビランチーノ湖の畔、山の裾野にある大邸宅です。

ポデーレ・フォルトゥーナはそのすぐ近く、車で5分のところでした。
Fortuni01
フィレンツェ市街からは山ひとつ越えて小1時間てな感じですね。


エチケット平面化画像。
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IGTトスカーナについてまとめておきましょうかね。
対象はトスカーナ州全域です。赤(Rosso)についてのみ書きますが、
認められた品種(後述)を使えばOKです。ゆるゆる~。(笑)
バリエタルの場合は表示する品種が85%以上使われないといけません。
最低アルコール量は11%。で、使える品種を以下に列記します。
Aleatico、Alicante、Ancellotta、Barbera、Barsaglina、Cabernet Franc、
Cabernet Sauvignon、Canaiolo Nero、Cesanese、Ciliegiolo、Gamay,
Groppello、Malvasia Nera、Merlot、Montepulciano、Nero d’Avola (Calabrese)、
Petit Verdot、Pinot Nero、Pugnitello、Refosco、Sangiovese、Schiava、
Syrah、Teroldego、Vermentino Nero、などなど。
国際品種から聞いたことのないイタリア土着品種まで、ほぼ何でもありです。
今日のワイン、余裕で条件クリアですね。(笑)


さあ、抜栓。
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キャップシールに「F」。コルクの横のミレジムにも「F」ですね。

コルクも平面化。
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あんまり面白くなかったですね。(笑)

Alc.14%。
ルビー。クリア感あり。全房かなと思わせる透け感がありますね 
8年熟成ですか…全体的に褐変してます。涙も粘性ありです。
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フランボワーズ、チェリー、プラム。
酸性の香りとも取れる香りですが、
フレッシュで生き生きとした印象を与えてるとも考えられます。
辛口アタック。
複雑味ありありの味わいにニンマリします。
酸もタンニンも穏やかに溶け込んで、
余韻にかけて、たおやかな時が流れる…気がします。
ある意味穏やか過ぎてドラマがないとも言えますが。
もともとの(若いうちの)要素はもう少し主張していた片鱗は感じられて、
熟成が進み過ぎて各要素が弱まってしまったような印象があります。

充分傑出した感があって、さすがとは思うんですが、
もう少し果実味あったら高得点だったのに…って感じです。


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Podere Fortuna
Fortuni Pinot Nero 2011
Toscana IGT
RRWポイント 91点