この前、イタリアのピノ・ネロ(ピノ・ノワール)を試しました。
ちょっといいやつを試したところ、それはそれで美味しかったんですが、
そのワインのコンサルをしたがアンドレア・パオレッティ(Andrea Paoletti)
というイタリアワイン界の巨匠コンサルであることを知りました。
すると、そのおじさんが自らサンジョヴェーゼで醸すワインがあるとのこと。
これは俄然興味が湧いてきましたので、すぐさまこれをゲットしました。


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アンドレア・パオレッティさんが自ら醸すサンジョヴェーゼというのは、
ランコーレ」という、年間5000本しか作らないという希少なワイン。
Rancoreとは「恨み」の意味。ラベルにはムンクの「叫び」が描かれていて、
何ともカルトな雰囲気のワインです。手が出ない値段ではなかったのですが、
2016年から「Senza Rancore」なるセカンドラベルをリリースしたというので、
「お試しするならセカンドでしょう」といういつものポリシーで(笑)、
これをゲットしたという訳です。

Senza Rancore(センツァ・ランコーレ)とは英語で言うと「Without Rancor」、
「恨みなし」という意味で、これまた意味深で面白いネーミングです。
そしてラベルにあるのは、同じムンク作ですが聖母マリアを描いた「マドンナ」。
黒基調のランコーレのラベルに対し、真っ白ベースなのも面白いです。


公式ページは発見できずです。ある意味公式ページと思われるのが、
Andrea Paolettiをコンサルとして紹介するこのサイトです。

やはりコンサルが本業で、自分で作ったワインのアピールはしないんでしょうかね。
仕方がないので、いつものようにインポーター情報に頼ります。セパージュは、
・サンジョヴェーゼ 75%
・メルロー 20%
・プチヴェルド 5%
樽熟は、1年落ちのフレンチオークのトノー(300L)にて12ヶ月となってます。
若木を使うとか、違う畑のものではなく、ランコーレと同じ醸造・熟成をし、
12ヶ月経った時点でファーストの基準に満たなかった樽のものなんだそうです。
ファーストのランコーレも1年落ち仏オークのトノーで12ヶ月熟成で同じですから、
このセカンドはほぼほぼファーストですね。
ただ、ファーストのランコーレのセパージュは、プチヴェルド5%の代わりに、
ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)5%となってますので、ブレンドが微妙に違います。


問題は、Andrea Paolettiさんがどこでこのワインを作っているかです。
上記サイトのコンタクト情報からフィレンツェ南方にあるここを発見しました。
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インポーターサイトにそのワイナリーの写真があったので、
不鮮明な写真ながら比べてみると、なんとなくビンゴです。
われながら素晴らしいサーチ能力です。(笑)
おじさんの写真は先ほどのコンサル・サイトに上がってたものを拝借。


ラベル平面化画像。
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生産・瓶詰:ブドウ生産者アンドレア・パオレッティとあり、
住所がBagno A Ripoli - フィレンツェとなっており、先ほどの写真と一致。


さあ、抜栓。
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おそらくファーストと同じキャップ、コルクでしょう。

Alc.14%。
ガーネット。
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ブラックベリー、ブラックチェリー、スパイス。
かすかな青野菜香も。
辛口アタック。
味の構造感なかなかな感じです。
シルキーなタンニン。
喉越しのアルコール感でフルボディが堪能できます。
余韻も長くて貫禄ありますね。

サンジョヴェーゼの個性もしっかりわかります。
これは自分史上最高にうまいサンジョヴェーゼかも。
正直、ブルネッロ~やキヤンティ~で納得してなかったですから…。



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Andrea Paoletti
Senza Rancore 2016 Toscana IGT
RRWポイント 93点