グラーヴで赤・白ともグラン・クリュ格付けされてるシャトーは6つだけ。
そのひとつがこのシャトー・ブスコー(Château Bouscaut)になります。
メドックは赤しかないですが、グラーヴは白も格付けがあるので面白そう。
ということで、グラーヴ格付けシャトーの白をいただいてみましょう。
例によって、そのセカンドラベルではあるのですが…。(笑)


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AOCはペサック・レオニャン。グラーヴの格付けシャトーはこのAOCです。

というのも、AOCグラーヴ自体はかなり範囲が広く(下の地図ご参照)、
AOCグラーヴという括りで一緒にされたくないという格付けシャトーさんたちが、
団結して1986年にAOCペサック・レオニャンとして独立させたんだとか。(笑)
0BORDEAUX_Graves_Sauternais
ソーテルヌあたりまでグラーヴですからね。確かに広すぎ。


公式ページはリュルトン家所有シャトーだけあってしっかりしています。

メニューの並びでは白の方が先になってるのが興味深い。白の方が自信ある?
今日のセカンドのレ・シェーヌ・ド・ブスコーもミレジム毎のデータシート完備。
セパージュは若干セミヨン(Sémillon)の方が多いです。
・セミヨン 54%
・ソーヴィニヨン・ブラン 46%
作付けは50%・50%なので、セパージュはファーストとの兼ね合いで年毎に変わります。
例えば、同じ2016年のファーストラベルは、
・ソーヴィニヨン・ブラン 55%
・セミヨン 45%
と、逆転しています。(各年の収穫状況にもよるので一概には言えませんが。)
発酵と熟成(シュールリー)をオーク樽にて(12ヶ月)行います。
ファーストは新樽率40%となってますが、セカンドは明記なし。旧樽でしょうね。

パーカーおじさんの評価が興味深く、
・Château Bouscaut Rouge 2016(赤) ⇒ 89点
・Château Bouscaut Blanc 2016 (白)⇒ 91点
・Les Chênes de Bouscaut Rouge 2016(赤) ⇒ 87点
Les Chênes de Bouscaut Blanc 2016(白) ⇒ 86点
赤も悪くないですが、白の方も割と高評価をしています。


さて、シャトー訪問。レオニャン近くのカドジャック(Cadaujac)にあります。
Bouscaut01
シャトー、周りの畑も整備され小ぎれい。一帯の雰囲気はいいですね。

いつものグラーヴ格付けシャトー地図に追記し、位置関係を見ます。
Bouscaut02
大きい画像ですから、クリックして拡大して、よ~くご確認ください。(笑)
この地図がカバーする範囲がだいたいAOCペサック・レオニャンですね。

以下に、グラーヴ格付けシャトーの一覧を記します。
1953年に最初の格付けが行われ、1959年に修正、全16シャトーが認定されています。

<赤>のみ:7シャトー
・シャトー・オー・ブリオン(Château Haut-Brion / Pessac)[メドック第1級]
・シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン(Château La Mission-Haut-Brion / Talence)
・シャトー・パプ・クレマン(Château Pape-Clément / Pessac)
・シャトー・ド・フューザル(Château de Fieuzal / Léognan)
・シャトー・スミス・オー・ラフィット(Château Smith-Haut-Lafite / Martillac)
・シャトー・オー・バイィ(Château Haut-Bailly / Léognan)
・シャトー・ラトゥール・オー・ブリオン(Château La Tour-Haut-Brion / Talence)
 (※2005年にラ・ミッション・オー・ブリオンに統合)

<赤・白>両方:6シャトー
・ドメーヌ・ド・シュヴァリエ(Domaine de Chevalier / Léognan)
・シャトー・ラトゥール・マルティヤック(Château Latour-Martillac / Martillac)
・シャトー・マラルティック・ラグラヴィエール(Château Malartic-Lagravière / Léognan)
・シャトー・カルボニュー(Château Carbonnieux / Léognan)
シャトー・ブスコー(Château Bouscaut / Cadaujac)
・シャトー・オリヴィエ(Château Olivier / Léognan)

<白>のみ:3シャトー
・シャトー・クーアン(Château Couhins / Villenave-d’Ornon)
・シャトー・クーアン・リュルトン(Château Couhins-Lurton / Villenave-d’Ornon)
・シャトー・ラヴィル・オー・ブリオン(Château Laville-Haut-Brion / Talence)
 (※2009年からラ・ミッション・オー・ブリオン・ブランとしてリリース)

メドックのように等級はありません。
しかし、メドック第1級のシャトー・オー・ブリオンは別格でしょうし、
赤・白両方で認定されたシャトーのほうが格上という考えもありそうです。
実際、赤・白両方格付けされた6シャトーは、異口同音に自身のサイトなどで、
「我は赤・白とも認定された6シャトーのひとつなり」と高らかにうたっています。
(シャトー・ブスコー然り、トップページはまずそこから始まります…笑)


エチケット平面化画像。
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ルシアン・リュルトンが1992年に娘のソフィー・リュルトンに移譲。
ローラン・コゴンブルはその旦那さんで一緒に運営に当たってます。

裏ラベルはインポーターシールだけだったので別撮り。
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さあ、抜栓。
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キャップシールはBマークのエンボス。コルクは横ミレジムで抜かりなし。

コルクも平面化。ここにもブスコーの「B」。
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5年耐用のテクニカルコルク、DIAM5を採用。やっぱり安心のDIAM。

Alc.13.5%。
イエローゴールド。
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洋梨、ヴァニラ、ナッツ…リンゴ。
樽感はしっかりあります。
きれいな酸の辛口アタック。
奥にかすかな苦味のある味は、
コクをしっかり感じさせてくれます。

熟成した重めのボディーは貫禄ありますね。
グラタンにマッチしてグーでした。


*****


Château Bouscaut
Les Chênes de Bouscaut Blanc 2016
Pessac-Léognan
WWWポイント 79点



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