スーパーでお手頃価格で売っていた、DOイエクラのバラオンダというワイン。モナストレルとシラーのブレンドです。調べるとパーカーおじさんが高評価をしていました。2010、2011で92点。2012で91点。パーカーおじさんはモナストレルの偉大さに注目し、ムルシア州を「世界の中でも偉大な地域」と表現したんだそうですね。(2006年の記事だそうで。)


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ワイナリーの歴史は、1850年ペドロ・カンデラ・ソリアノさんが自宅で造ったワインを販売し始めたことに始まる、代々カンデラ家の家族経営です。1925年アントニオ・カンデラ・ガルシアさんが小さいながらもワイナリーを設立。次の代、アントニオ・カンデラ・ポベダさんの代で大きな飛躍を遂げたそうです。そして、2000年4代目で現在のオーナー、アルフレド・カンデラさんにより「モナストレル主体で自社元詰めのクオリティワインを造ろう!」とバラオンダ社(Bodega Señorio de Barahonda)が設立されることになります。


公式ページはこれです。なかなかよくできています。

ワイン紹介にも載ってるんですが、内容はあっさり。セパージュはネット情報に頼ります。
・モナストレル 60%
・シラー 40%
フレンチオーク樽で6ヶ月熟成。リリース前にも6ヶ月ボトル熟成するそうです。
ワイン名の「Barrica」は樽(バリック)のことです。
ラベルにジェームズ・サックリング90点のシールが誇らしげですが、パーカーおじさんはこの2017に88点をつけてるようです。過去の91~92点から落ちてるのが気になりますが。(笑)

モナストレル(Monastrell)はフランスで言うところのムールヴェードル(Mourvèdre)ですが、原産はたぶんスペインの方ということになってます。
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オーストラリアやアメリカではマタロー(Mataró)というシノニムで呼ばれます。

一応、ブレンド相手のシラーも見ておきましょう。
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当然シラーもDOイエクラで使用可能な品種として認められています。
Monastrell、Tempranillo、Cabernet Sauvignon、Syrah、Merlot、Garnacha Tinta(=Grenache)、Garnacha Tintorera(=Alicante Henri Bouschet) 、Petit Verdot、です。


ワイナリー訪問。ストビューでも近寄れましたが、これは公式サイトの写真を拝借。
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イエクラ(Yecla)の町からすぐ(車で20分)のところにありました。

イエクラはムルシア州(Murcia)にあります。Google Mapで俯瞰しましょう。
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バラオンダの場所も追記してます。DO Jumilla など、ムルシア州の他の産地もご確認を。 


ラベル平面化画像。
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裏ラベルにイエクラのだいたいの地図(笑)。こういう情報、いいことです。


さあ、抜栓。
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キャップシールに「BH」。BaraHondaということのようです。

コルク平面化。
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なんだこのボトルに根の生えたイラスト。バラオンダのシンボルマークらしいです。

Alc.14.5%。(pH:4.32、Brix:8.8)
ガーネット。
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黒ベリー、プラム、かすかなピーマン(メトキシピラジン)。
いい具合の樽香が確認できます。Barricaですもんね。
辛口アタック。
酸味が真ん中にあるのはわかりましたが、
味わいが濃く太く、重みがあって全体のバランスがちょうどいいです。
凝縮感、構造感、申し分ないですね。
テクスチャーもタンニンも極めてシルキーな舌触りです。
最後まで酸味がガイドしてくれるんですが、
このいいバランスはくずれません。

ほんとにモナストレル?
経験値のモナストレルのイメージと違う気がしますが、
うまいんだから、オールオッケーです。(笑)


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Bodegas Señorío de Barahonda
Barahonda Barrica 2017
Monastrell Syrah
RRWポイント 94点