キヤンティ・クラッシコ・リゼルヴァDOCGですが、ブランドがカークランド・シグネチャーですから、ご存知コストコのプライベートブランド商品です。で、お値段が1000円を切っていたので思わず手に取ってしまいました。(笑)これで、Chianti Classico Riserva DOCG らしい貫禄が出ていれば「偉いワイン」認定ということになります。はてさて。


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得てして「Kirkland Signature」ブランドの商品は、生産委託先というか生産者がどこかわからないパターンが多いと思いますが、これはなんと裏ラベルに「Villa Cafaggio Estate」とはっきり書いてありました。調べるとちゃんと存在しまして(笑)600年の歴史を持つ老舗のようです。


公式ページはこれです。しっかりしてます。安物を大量生産する雰囲気はありません。(笑)

しかし、当然ながらコストコ商品が載ってるわけがありません。裏ラベルにはDOCGの規定通り24ヶ月以上(内3ヵ月はボトルにて)の熟成してますとは書いてありました。
・サンジョヴェーゼ 100%
だろうと思います。キヤンティ・クラッシコの規定ではサンジョヴェーゼ80%以上ですが、この作り手は100%でやってるようですので。
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サンジョヴェーゼは突然変異しやすい品種で多くのクローンがあり、サンジョヴェーゼ・グロッソ(Sangiovese Grosso)の系統とサンジョヴェーゼ・ピッコロ(Sangiovese Piccolo)の系統に大きく分かれる(1908年発表の品種学者Girolamo Molon氏の論文)とされてますが、近年の研究では、双方のDNAプロファイルに遺伝的差異がないため真偽のほどは定かではなくなっています。
因みにサンジョヴェーゼ・グロッソと言われているのが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)のブルネッロ(Brunello)やヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)のプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)などです。


一応、この作り手を訪問しておきます。写真は逆光ですが、いい雰囲気の所です。
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グレーヴェ・イン・キヤンティ(Greve in Chianti)というコムーネにあります。当然、キヤンティ・クラッシコのエリアにあります。

キヤンティ・クラッシコの対象エリアをGoogle Map上で見てみましょう。今日の作り手の所在も追記していますのでご確認を。グレーヴェ・イン・キヤンティ村を探してください。
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ここでキヤンティ・クラッシコについてまとめておきます。広域のキヤンティDOCが1967年にでき、1984年にDOCGに昇格します。この時点でもフィレンツェとシエナの間の歴史的な地域ではキヤンティ・クラッシコを名乗れましたが、1996年晴れてキヤンティ・クラッシコ単独でDOCGとなります。キヤンティは最低70%のサンジョヴェーゼ使用が規定ですが、キヤンティ・クラッシコは80%です。

熟成は、
Chianti Classico:12ヶ月(約1年)
Chianti Classico Riserva:24ヶ月以上(内3ヵ月はボトル)
Chianti Classico Gran Selezione:30ヶ月以上(内3ヵ月はボトル)
となっています。「樽使用」の規定はないことに注目です。


ラベル平面化画像。
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1000円とは思えない立派なラベルです。


さあ、抜栓。

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カークランドのロゴ入りコルク。

コルク平面化。
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テクニカルコルクのDIAM3採用。2や1もありますからまだいい方です。(笑)

Alc.13%。(pH:3.93、Brix:7.3)
透け感あるエッジ褐変気味のガーネット。リゼルヴァって感じ。
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カシス、プラム、黒オリーブ、生っと樽香もあり。
が、香りの総量は控えめです。
クールな感じの辛口アタック。
わずかながら酸がベースにある様です。
味の厚みは薄っぺらではないですが…弱いです。
この深みのなさは他のサンジョヴェーゼでもたまに感じるので、
品種の個性なのかもしれません。
時間経過し開いてくると、
余韻からフィニッシュで最初の酸は引きずりますね。

重大な欠点はないですが、傑出する部分もないかな~。
こじんまりしたキヤンティとして(笑)楽しめました。


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Kirkland Signature
Chianti Classico Riserva DOCG 2016
RRWポイント 87点