シャトー・ボーモンです。オー・メドックのクリュ・ブルジョワですが、前に2015年をセカンド含め試しています。最近はあちこちで見かけますので、やまやの店頭で見つけ思わず購入。というのも、2015年がかなりおいしかったんですよね。今日のは2016年。さあ、どうでしょうか。なぜオー・メドックのシャトー・ボーモンがおいしいのかも含め考えてみましょう。(笑)

IMG_4495
このシャトーの歴史は古く1772年に始まるようです。その後近代まで所有者はいろいろ変わっていますが、1986年に日本のサントリーとフランスのCASTELグループが共同出資するグラン・ミレジム・ド・フランス社が取得して現在に至ります。(GMF社はシャトー・ベイシュヴェルも所有しています。)大規模な投資もあって品質向上目覚ましく、クリュ・ブルジョワでもトップクラスの評価になっています。


公式ページはさすがクリュ・ブルジョワといった感じで、見やすいです。
ChBeaumont01
ワイン情報もミレジム毎に整理されており、データシートも詳細情報が載ってます。
・カベソー 50%
・メルロー 47%
・プチヴェルド 3%
ただし、なぜだか熟成の詳細が書かれていません。ネット情報では、新樽は毎年1/3更新(新樽率33%)で12~14ヶ月のようです。なぜ書かないんだろう?


シャトー訪問。フランス革命の以前からある歴史の古い立派なシャトーです。
Beaumont02
キュサック・フォール・メドック(Cussac-Fort-Médoc)村ですが、市街地からはちょっと離れています。シャトーまで真っ直ぐな一本道が所有畑を貫いていて威厳がありますね。

シャトー・ボーモン周辺を俯瞰しながら付近のAOCとの位置関係を確認します。
ChBeaumont02
やはりこれを見て気になるのが、なぜサン・ジュリアンとマルゴーの間がオー・メドックなのかということです。ジロンド川沿いに続いていて、土壌もサン・ジュリアンに似ているといいます。ジロンド川から離れたリストラックやムーリスが単独AOCになるのも解せません。
とにかく、シャトー・ボーモンはオー・メドックであっても、サン・ジュリアンやマルゴーに近いテロワールなのがうまさの秘密かもしれないと勝手に想像しておきます(笑)。

INAOの地図でオー・メドック(AOC Haut-Médoc)の範囲を確認しておきましょう。
Beaumont02
あれれ? ポイヤックやマルゴーなどの村名AOCもすべてオー・メドックの対象範囲になってますね。地区AOCであるオー・メドックは村名AOCを包括するんですね。

ついでなので、AOCメドック(AOC Médoc)の範囲もINAOの地図で見てみます。
ChBeaumont03
なんと、オー・メドックも含む広域が対象になっています。全メドックって感じですね。サンテステフ以北をオー・メドックに対しメドック(=バ・メドック / Bas-Médoc)と言うと思ってましたが…。まあ、オー・メドック対象地域のワインはわざわざメドックを名乗ることはないでしょうから問題はないんでしょうが。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_4481
ジェームス・サックリングやワインエンスージアストの点数シールが誇らしげに貼ってあります。因みにパーカーおじさんは88-90点だそうです。

裏ラベルのセパージュやURLなどの大事な情報を隠してたのはコイツです。
IMG_4477
頼んますよ、コルドンヴェールさん。

ネックには格付けシャトーのような真贋確認シールがありました。
IMG_4496
QRコードのサイトにアクセスすると「本物」の確認ができ、ワインの情報サイトにもつながります。すばらしい。


さあ、抜栓。
IMG_4491

コルク平面化。
IMG_4492
シャトー名、イラスト入り。ミレジムもしっかり表示。DIAM5を採用です。

Alc.13.5%。(pH:4.27、Brix:6.9)
濃いガーネット。粘性の涙は細く数が多いです。
IMG_4494

黒ベリー、プラム。
程よい樽感とほのかな青野菜と鞣し革。
(個人的に好きな感じのブレットっぽい風味です。)
辛口アタック。
おお、この構造感と複雑味。
薄っすらとした酸がフレッシュさ加えます。
タンニンは肩透かしなくらいソフトでシルキー。
余韻もいいバランスのまま長く楽しめました。

やはり、シャトー・ボーモン、なかなかいけます。
これがサン・ジュリアンとマルゴーの間の味…。


*****


Château Beaumont 2016
Haut-Médoc
RRWポイント 94点