Saint-Saturnin Coteaux-du-Languedoc AOP なんてエチケットに書かれていますが、裏ラベルではちゃんと Languedoc Saint-Saturnin AOP となってます。AOC Coteaux-du-Languedoc というのは2007年に AOC Languedoc に名称変更され、旧名称は2012年までは併用可だったと記憶しています。2018年に使っちゃダメですよね。旧ラベルが余ってたのかな?(笑)ここらへんも後でおさらいします。しかし、このワインのチョイスはお勉強用ではありませんで、いわゆるワインくじのハズレであります。年末年始、やはり縁起ものですから、ちょこちょこ手を出してしまいました。しばらくこういうハズレ消費が続くかもしれません…。(笑)

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作り手は「Fonjoya」と名乗ってますが、70年以上の歴史のある2つの協同組合が2018年末に合併したものです。ひとつはサン・サトゥルマン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」と、もうひとつがサン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町の「Caveau de Saint Félix」です。
「Fonjoya」のネーミングは、ラングドック方言(オック語の一種)の「Font(泉)」+「Joia(喜び)」の造語だそうです。「ラングドック(Langue d'oc)」自体が「オック語」っていう意味ですからね。

公式ページは合併した時に立派なのを作ったんでしょうね。よく出来ています。

ただし、今日ワインずばりが載っていません。AOC Languedoc Saint-Saturnin のものがいくつかラインアップされてるのでそのうちのどれかなんだと思います。この手の作り手のラベルデザインや名称はコロコロ変わりますからね。ラングドック・ペイドックあるある。
このワインを引いたくじはリカマンのものでしたので、リカマンのデータを見ると…。
・メルロー 91%
・カベフラン 8%
・マルベック 1%
なんて、まことしやかに書いてますが、これはありえません。
AOC Languedoc Saint-Saturnin の規定(他の Languedoc~や Saint-Chinian~なんかも大体同じです。)によるとこうなります。

・グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーの主要3品種(GMS)で60%以上。
(Lladoner Pelut=Garnacha Peludaを加えた4種とするAOCも多いです。)
・ムールヴェードル、シラーは単独または合わせて25%以上。
・1品種が75%を超えないこと。
・補助品種はカリニャン、サンソー。
・カリニャンを含む場合、グルナッシュは20%以上。
・サンソーは30%を超えないこと。

この規定、矛盾なく成立するのか不安になるぐらい複雑ですが、カベソーやメルローなどの人気の国際品種を使うとAOCが名乗れず、すぐにIGPペイドックになってしまうのが理解できます。
よって、リカマンの情報はまったくの出鱈目ということになります。ネット情報では今日のワイン、比率は不明なれど Grenache、Syrah、Carignan、Mourvèdre から成るとありました。上の規定と照らし合わせると…やっぱり比率はわかりません。(笑)


恒例の作り手訪問。サン・サトゥルマン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」の方から。市街地すぐ横のかなり大きな施設。
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こちらが元々 AOC Languedoc Saint-Saturnin の範囲内にあり、今日のワインもこちらで醸してると思われます。

ついでなので、合併の相手であるサン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町の「Caveau de Saint Félix」の方にも行ってみます。車で10分ほどの距離ですね。
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こちらは AOC Languedoc Saint-Saturnin の範囲を外れますので、AOC Terrasses-du-Larzac
 という広域のAOCが主力になっているようです。AOC Languedoc Saint-Saturnin は、このAOC Terrasses-du-Larzac に内包される関係にあります。

どういうことかというと、こういうことです。遂に完成した「ラングドック・ルシヨン Google Map 転記地図」で確認してみましょう。Fonjoyaの場所に印をつけています。
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念願のラングドック・ルシヨン網羅をしていますから、地図がデカすぎますね。

地図上部(ニーム~モンペリエ~ベジエ~ナルボンヌ)を拡大して見ます。
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AOC Languedoc Saint-Saturnin が AOC Terrasses-du-Larzac に内包される関係わかりましたでしょうか。AOC Terrasses-du-Larzac って飛び地みたいのがあって結構広範囲ですね。

INAOの地図が色付きでわかりやすいです。「ラングドック~なんちゃら」に絞った地図です。
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AOC Terrasses-du-Larzac は緑色の部分。AOC Languedoc Saint-Saturnin は8番です。Google Mapは自作ですから自分はわかりやすいのですが、普通の方々はこのINAOの地図の方が見やすいんでしょうね。(笑)

しかし、ラングドックのAOCはたくさんあって、なかなか一筋縄ではいきませんね。Coteaux-du-Languedoc → Languedoc のような名称変更もするし…。
ラングドック・ワインの公式ページなるものがあって、そこにはこれらAOCを以下のように分類していました。わかるようなわからないような微妙な感じですが、我が「ラングドック・ルシヨン Google Map 転記地図」と照らし合わせてお楽しみください。(笑)

<Crus du Languedoc>
・AOC Corbières-Boutenac
・AOC La Clape
・AOC Minervois-La Livinière
・AOC Pic-Saint-Loup
AOC Terrasses-du-Larzac

<Grands Vins du Languedoc>
・AOC Cabardès
・AOC Clairette-du-Languedoc
・AOC Corbières
・AOC Faugères
・AOC Fitou
・AOC Limoux
・AOC Malepère
・AOC Minervois
・AOC Muscat-de-Frontignan
・AOC Muscat-de-Lunel
・AOC Muscat-de-Mireval
・AOC Muscat-de-Saint-Jean-de-Minervois
・AOC Picpoul-de-Pinet
・AOC Saint-Chinian

<Appellation Régionale>
・AOC Languedoc

<Dénominations Régionales>
・AOC Languedoc Cabrières
・AOC Languedoc Grès de Montpellier
・AOC Languedoc La Méjanelle
・AOC Languedoc Montpeyroux
・AOC Languedoc Pézenas
・AOC Languedoc Quatourze
・AOC Languedoc Saint-Christol
・AOC Languedoc Saint-Drézéry
・AOC Languedoc Saint-Georges-d'Orques
AOC Languedoc Saint-Saturnin
・AOC Languedoc Sommières
・AOC Saint-Chinian Berlou
・AOC Saint-Chinian Roquebrun


今日の「Fonjoya」の公式ページに自分のところのテロワールのイメージ図がありました。あまりにもザクっとしてて笑えましたが、それでいてわかりやすいのでここに貼っておきます。
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複雑な土壌から構成され、自ら「テロワールのモザイク」と評しています。畑は高度200~350mの南向き斜面に広がり、Mont Baudille 山 (標高848m) と Rocher des Vierges 山 (標高536m) に端を発し高原に浸透した地下水が供給する水源や河川の恩恵があるそうです。

それぞれのAOCを代表する風景も載ってましたので拝借しました。
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これも、AOC Terrasses-du-Larzac の写真だそうで。
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テロワールのイラストと合わせて「ええ感じ」なのはよくわかりました。(笑)


エチケット平面化画像。
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謎なのは、表に Coteaux-du-Languedoc Saint-Saturnin AOP なんて旧名称で書かれ、裏ラベルではちゃんと Languedoc Saint-Saturnin AOP となっていることです。ミレジム表示は裏ラベルにしかないので、おそらくこの表ラベルは旧デザインの在庫がたくさんあったんだと邪推します。日本に売るなら構わないだろうってことでしょう。(笑)

インポーターシールは剥がしましたが、こうなってました。
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遠慮して貼ったんでしょうが、作り手の名前と、こともあろうかミレジムを隠しています。
アウトです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シンボルマークは「6」に見えますが、たぶん「F」と「J」なんだと思われ。

Alc.13%。(pH:4.47、Brix:7.4)
濃いガーネット。
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ブラックベリー、チェリー。
辛口アタック。
軽いです。
ワンコインほどではないですが、ひたすら軽い。
樽感なんかは期待していませんが、
嫌味な酸や雑味なんかも見当たらず、ただただ平凡。
タンニン分が薄っすらと収斂性を与えてくれるのが救いです。
水っぽいんですが飲みやすくはあります。

たぶん現地じゃ5ユーロくらいだと思います。
ワインくじのハズレとは言え、通常価格2000円はいかがなもんでしょう。


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Fonjoya Delta
Les Mastels Réserve 2018
AOC Languedoc Saint-Saturnin
RRWポイント 82点