コストコで目に付いた星条旗のラベル。チャールズ&チャールズ? ワシントン州はコロンビア・ヴァレーのカベソー主体のワインですね。経験上、カベソーはナパなんかよりコロンビア・ヴァレーの方がおいしいのに出会ってる気がするので、ついつい試したくなります。

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Charles Bieler さんと Charles Smith さんの2人のワインメーカーのジョイントベンチャーみたいな感じですね。裏ラベルに製造元として「Charles & Charles」とあり、所在は Benton City、WA とありますが、ちょっと調べても実体がなさそうです。

公式ページはどうかなと、裏ラベルに書いてある bielerandsmith.com にアクセスしてみます。するとここにリダイレクトされます。どうやら Charles Bieler さんの方のサイトのようです。

ここには「辛口ロゼをプロヴァンスから持ち込んで普及に努めた」なんて苦労話は書いてあるんですが、いろんなページがほぼリンク切れで使い物にならず。「Charles & Charles」というページもあるようなのですが、繋がりません。所在もわかりません。

Charles Smith さんの方はというと、シアトルにこんなところがありました。
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ワラ・ワラ(Walla Walla)にもお店があるようです。公式ページこちら

困ったので、ネット情報に頼ります。セパージュは裏ラベルにもありますが、
・カベソー 60%
・シラー 40%
シラーは除梗せず全房で、カベソーは除梗しますが破砕はぜず、天然酵母で畑のロット毎に別々に発酵させたんだそうです。発酵後に1週間前後の発酵後浸漬を行い濃厚で飲み応えのある力強いフレーバーを引き出しているんだそうで。樽はありません。

もうひとつわかったのが、ラベルに写った Charles Bieler さんと Charles Smith さんのバックの星条旗の壁がどこかなのかということです。Walla Walla の北に位置する Waitsburg の町にある第35米国在郷軍人会(American Legion Post No.35)の建物の壁でした。早速行ってみました。
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なるほど、このワインの名前「Post No.35 Blend」の意味がわかりました。いや、もうひとつ意味としてはモヤモヤしていますが…。(笑)


さて、いつものようにコロンビア・ヴァレーをGoogle Map上でおさらいです。
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Walla Walla Valley、Waitsburgって見つかりましたか? 裏ラベルには今日の作り手の所在は Benton City となっていましたが、こちらはコロンビア川沿いのリッチランド(Richland)という町の近く、Red Mountain AVA の辺りになります。

いつものわかりやすい地図(PDF完全版はここ)も貼っておきます。
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また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
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ヒッピーのようなファンキーなおっさん二人です。ラベルデザインもファンキーです。(笑)


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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なんと、繰り返し「ワシントン」と書かれているだけ。ファンキー…。

Alc.13.9%。(pH:4.64、Brix:7.0)
ガーネット。
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ブラックベリー、カシス、プラム。
辛口アタック。
タンニンの渋味が最初から特徴的です。
味の厚みは充分ですね。
奥に酸と甘みのニュアンスを備えながら、苦味様の複雑さが構造感を演出しています。
シラー多目って感じの味です。シラー全房ですもんね。
余韻も渋み強めながら優雅に続きます。

なんだかんだ言って、正体不明のワインでしたが(笑)、
また「コロンビア・ヴァレーのカベソーはハズレがない」が証明されました。


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Charles & Charles
Cabernet Sauvignon Syrah 2017
Post No.35 Blend Columbia Valley
RRWポイント 93点