ポムロールをいただきましょう。シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)のセカンドワインではありますが、ちゃんとポムロールです(笑)。2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得したといいますからレベルは高いはずですよ。

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「2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得した」というと、前に試したラランド・ド・ポムロールのシャトー・シオラック(Château Siaurac)もそうでした。エチケットのデザインもよく似ていますが、調べると醸造はシャトー・シオラックでやってるようです。裏ラベルのURLがなんとシャトー・シオラックのもの(www.siaurac.com)でした。オーナーが同じですから、畑は違えど、実質は同じシャトーってことになりそうですね。

なので、公式ページはシオラックのものしかありません。

そして案の定、シオラックのワインしか載っていません。以下裏ラベル&ネット情報。
・メルロー 100%
新樽率15%のオーク樽で 11ヶ月の熟成です。


シャトー訪問は、シャトー・シオラック訪問ってことで。
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公式ページの空撮映像からスクショしました。Google Mapでもここが Château Vray Croix de Gay ということになってます。しかし、ラランド・ド・ポムロールもきれいですな~。

シャトー・シオラックの場所と、ラランド・ド・ポムロール、ポムロールの位置関係を確認。
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シオラックはコミューンで言うとネアック(Néac)側になります。サンテミリオン他、リブルヌ周辺もついでにおさらいおしておきましょう。

ところで、今日のシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイの畑はポムロールにあるわけでして、それは一体どこなんだってことです。Google Mapでも引っ掛かりませんし、ネット情報でもはっきりしたことが書いていません。唯一見つけた情報が「ペトリュスとトロタノワの隣の2つの砂利のパーセル」であるということです。ちょっとこれで捜索してみましょう。
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ペトリュスとトロタノワに印をつけましたが、このあたり有名シャトーがひしめき合っていて、「隣の2区画」なんて言われても特定不可能ですね。「Châteaux La Croix de Gay」というのがペトリュスの近くにあるんですが、これは別物で、このシャトー名が先に登録されたためにシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)は「Vray(e)=本当の」をつけることになったそうです。「新加勢大周」の世界ですね。(笑)


エチケット平面化画像。
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イラストには十字架と遠くにポムロール教会らしきものが見えます。ペトリュスとトロタノワの間のあたりなんでしょうね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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十字架がシンボルなのは理解しますが、そこはミレジムを打ちましょうよ。

Alc.14%。(pH:4.67、Brix:7.8)
濃いガーネット。
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ブラックベリー、ブルーベリー。
スギ、シダの樽香は上品な感じ。
酸味がクールな辛口アタック。
構造感、深み、貫禄がありますが、
フルーティな軽さも併せ持ってますね。
タンニンは大人しいくらいの穏やかさ。
余韻はあっさりですが、絶妙なバランスが奏功してます。
最後に少々残る甘みに気づきました。

とてもおいしいではありますが、
シャトー・シオラックのセカンドの方が若干上回ってました。
樽を使ってないのにね。


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L'Enchanteur de Vray Croix de Gay 2015
Pomerol
RRWポイント 94点