南部ローヌではジゴンダスはじめ、ヴァケラスラストーケランヌなど、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)からの昇格組は試してきていますが、ヴァンソブル(Vinsobres)というのはまだでした。南部ローヌの盟主ファミーユ・ペランのヴァンソブルを発見しましたのでお試しといきましょ。

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ファミーユ・ペランは南部ローヌに5代続く名前の通りの家族経営の作り手です。シャトー・ド・ボーカステルを所有してることでも知られていますね。南部ローヌの主要な産地に計300haの畑を持ち、上等なやつからお手頃なものまで幅広くラインアップしてくれてるのがありがたいです。また、カリフォルニア(パソ・ロブレス)でもタブラス・クリークを展開しています。実に手広い。


公式ページは多岐にわたるラインナップがうまくまとめられています。

今日のヴァンソブルも「Les Crus」のシリーズの中にあります。ミレジム毎にデータがあり、残念ながら2013年以降更新がないようですが、ダウンロードできるデータシートが2018年でした。ここだけ更新しているのね。(笑)
また、ローヌあるあるですが、セパージュの%が書かれていませんのでネット情報から。
・グルナッシュ 50%
・シラー 50%
AOCヴァンソブルの規定では、グルナッシュ50%以上、シラー、ムールヴェードルを合わせて25%以上となっていますので、今日のはシラー最大限配合って感じですね。シラーがポイントなのか、シラーだけ木製のタンクで醸され、グルナッシュはステンレスタンクです。MLFが終了後にブレンドされ6ヶ月熟成されます。


作り手訪問。ファミーユ・ペランはオランジュ(Orange)郊外にあります。ストリートビューではこの門から先に行けませんので、こんな写真で失礼します。Perrin01
本体はシャトー・ド・ボーカステルにあるようですが、ファミーユ・ペランのテイスティングルームやセラーはここのようです。

南部ローヌをGoogle Map上で俯瞰して位置関係を確認します。
Rhone_Sud_Meridional_V
ファミーユ・ペランは黄色四角で示しました。ヴァンソブルは他のAOCからは少し離れていますね。記号で示していますが、ヴァンソブルVinsobres)は赤のみのAOCです。(2006年昇格。公式ページ

ラストー(Rasteau)やボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)も赤のみの表示になっていますが、これらは元々、酒精強化ワインの一種であるヴァン・ドゥ・ナチュレルVDNVin Doux Naturel)と呼ばれる天然甘口ワインがベースにあるAOCのため注意が必要です。

ボーム・ド・ヴニーズBeaumes de Venise)のVDNは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ(Muscat de Beaumes de Venise)という名で1945年からのAOCです。赤のボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)が単独のAOCとなったのが2005年とずっと後です。それまでは赤を出してもAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)だったわけです。

ラストーRasteau)は、1944年からVDNのAOCとしてAOCラストーが存在しています。赤はAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ラストー(AOC Côtes-du-Rhône Villages Rasteau)だったものが2010年に単独AOCラストーに昇格しました。ここは同じAOCラストーの名前なので要注意。

少々脱線しましたが、ヴァンソブルにズームインです。
Perrin02
ヴォークリューズ県(Vaucluse)に挟まれたドローム県(Drôme)にあります。今日のワイン名が「レ・コルニュ(Les Cornuds)」なので探してみたら小さな集落がありました。このあたりの畑からなんでしょうね。


INAOの地図で AOC Côtes du Rhône Côtes du Rhône Villages の範囲の違いを確認。
Bouchene03
AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)まで包含していることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。地図にある95のコミューンが該当するそうです。

前から何度か使っているこの地図で AOC Côtes du Rhône Villages 関連をおさらいします。
Rhone_Sud_B
AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ対象の95のコミューンの内、25のコミューンは16のエリアに分かれ「Villages」のあとに地名を名乗ることができます。その16の地名がこの地図の右側に書いてあります。この地図では18ありますが、2010年単独AOC昇格のラストー(Rasteau)と2016年昇格のケランヌ(Cairannne)が抜けて現在は16となっています。列記しましょう。(うそです。22あります。詳細

・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan

以上、16あります。ああ、しんど。将来、またこの中から単独AOCに昇格していくんでしょうかね。また、Côtes du Ventoux、Côtes du Luberonが、2009年にそれぞれAOC Ventoux、AOC Luberonに改称され、2010年には Coteaux du Tricastin も Grignan-les-Adhémar に改称されているのもついでにチェックです。

最後に「AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュいち抜けた組」を時系列でまとめます。

1971年 AOC ジゴンダス(AOC Gigondas)
1990年 AOC ヴァケラス(AOC Vacqueyras)← Côtes-du-Rhône-Villages Vacqueyras
2005年 AOC ボーム・ド・ヴニーズ(AOC Beaumes de Venise)
2006年 AOC ヴァンソブル(AOC Vinsobres)
2010年 AOC ラストー(AOC Rasteau)← Côtes-du-Rhône-Villages Rasteau
2016年 AOC ケランヌ(AOC Cairanne)← Côtes-du-Rhône-Villages Cairanne


エチケット平面化画像。
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ネックのミレジムのシールは平面化が大変です。


さあ、抜栓。
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コルクは「Famille Perrin」2回繰り返しだけなので平面化は割愛。

Alc.14.5%。(pH:4.37、Brix:8.0)
濃いガーネット。
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黒ベリー、チェリー、コショウ、シダ。
旨味感じる辛口アタック。
複雑味、コク、いいですね。うまいローヌ感むんむん。
フレッシュさを表現する柔らかな酸も隠し味で効いてます。
タンニンは感じないほどで、淡く薄くふわっと広がります。
余韻はさすがに軽めながら、じんわり楽しめました。

ヴァンソブル、いいじゃないですか。
ヴィラージュ昇格組はどこもおいしいという法則できました。


*****

Famille Perrin
Vinsobres Les Cornuds 2017
RRWポイント 94点