前にも2015年を試しているブシャール・ペール・エ・フィスです。特に好みなわけでもありません。たまたま特価で売っていたので手を出してしまった的な…(笑)。どちらかというと、過去に本や漫画(漫画ソムリエ 第6巻 Vintage 45:不正)で読んだブシャール・ペール・エ・フィス社が1987年に起こした不祥事の印象で避けていたくらいです(笑)。

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1731年もの昔にミシェル・ブシャールによってボーヌに設立されたブシャール・ペール&フィスは、ブルゴーニュで最も古い作り手の1つであり、コートドールで最大の地主の1つでもあります。(現在、所有畑130haの内、74haが1級畑、12haが特級です。)
そんな偉大なドメーヌがしくじったのが1987年の不正事件です。フランスでは法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行っていたことが発覚。その上、補糖の量自体も法律の制限量を上回っており、さらには原産地表示以外のブドウも使っていたというから驚きです。そして事件当時の経営者が吐いた言葉が、「みんなやってるのに何でワシだけパクられるねん!」だそうです。(笑)
案の定、その後会社は傾き、1995年にシャンパーニュ・アンリオを所有するジョゼフ・アンリオ氏に身売りをすることになります。しかし、アンリオ氏が経営を引き継ぐと、畑から醸造からあらゆる面に改革が行われ、現在のブシャールの品質は向上し、再び世界に名が知れ渡るドメーヌに返り咲いているということです。
ただ個人的には、そういうネガティブな話は印象に残るものでして、なんとなくいや~な感じを感じながらの抜栓となっちゃうんですよね。(笑)

公式ページは大ドメーヌの風格でしっかりしてますよ。

今日のAOCブルゴーニュもちゃんとデータシートまであります。
・ピノ・ノワール 100%
ただし、畑の場所はわかりません。シャブリからボジョレーまでのどこかです(笑)。買いブドウ(マスト)か買いワインだとはっきり書いています。熟成は10~15%だけフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで9~10ヶ月だそうです。まあ、レジョナルですからこんなもんでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、裏ラベルの添加物の「安定剤アカシア)」の表示。たまに安ワインの表示で見かけますが、調べると現物はこの写真のような樹脂だそうです。(オエッ…笑)
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アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
しかし、待てよ? たいていのワインはこんなもの入れずに作ってますよね。やはりこれは真っ当な作り方を端折って、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。

添加物の安定剤、ペイ・ドックの安いワインでも見かけますが、自分の経験上として過去の記録を調べてみると、なぜか南アフリカが特に多かったです。これは「アラビアガム」の例。
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De Wetshof という作り手では「安定剤(CMC)」とあります。
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CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害なんでしょうが、真っ当なワイン造りではないところで、とろみや粘りを出そうとしてるわけですよね。今日のブシャール同様、何となく釈然としません。そうそう、調べていて気がついたんですが、南アフリカは他国では見られない「酸味料」という謎の添加物の表示も多かったです。要注意ですね。

今日はなんだかすごく脱線(笑)。恒例の作り手訪問はしておきましょう。
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ボーヌの鉄道駅から市街へ向かって歩いて5分。旧市街の外郭に到達してすぐのところですね。なんとお向かいがアルベール・ビショーでした。


エチケット平面化画像。
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「安定剤(アカシア)」が燦然と輝いています(笑)。


さあ、抜栓。
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キャップシールなんかはカッコいいですよ。

コルク平面化。
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汎用品ですが、DIAMのいくつだろう? 3? 5?(笑)

Alc.12.5%。(pH:4.42、Brix:7.1)
しっかり色づいてるルビー。
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フランボワーズ、チェリー、ベリーの酸味の香り。
辛口アタック。
控えめで程よい酸味と複雑さも感じる味があります。
軽さはありますが、フレッシュ感として解釈可能。
後味で少々水臭い気がするんですが、
総論としてなかなかうまくまとまっています。

昔飲んだ2015年よりずっといいですね。
これが「安定剤(アカシア)」の効果なんでしょうか?
(笑)


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Bouchard Père & Fils
Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018
RRWポイント 90点