我が家の地下セラー(キッチン床下収納とも言う)から、Kagawa University(香川大学)と書かれたワインを発見。これは、四国の「さぬきワイナリー」を訪れたときに買い求めてあったものです。そこのシャトー志度というフラッグシップらしきワインで撃沈し(笑…おそらく欠陥)、抜栓をためらってるうちに忘却の彼方へ行ってしまってたようです。しかし、ちょっと調べると「香大農 R-1」という品種含め生い立ちの面白そうなワインです。抜栓といきましょう。

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作ってるのも売ってるのも「さぬきワイナリー」なんですが、香川大学農学部が開発した「香大農 R-1」という品種100%で作ったこのワインは、れっきとした香川大学ブランドなんだそうです。品種やワイン名、そしてこの認証シール(ネックについてます)にいたるまで香川大学が商標登録し、さぬきワイナリーが商標使用料を支払って製品化しているそうです。
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ブランド化したい意思は強く感じますが、ちょっと印刷が荒い?(笑)

さぬきワイナリーをさっと見ておきましょう。公式ページはショップ兼用で普通な感じ。

当然ながらワイン情報はショップページにしかなく貧弱。なので、今日のワイン情報はネット情報(特に香川大学)が頼りです。

さぬきワイナリーは立地含めて訪問するには素晴らしいところです。
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ただし、ワインのラインアップや直営ショップは第三セクター然としていて今ひとつワクワク感はないんですよね(笑)。


さて、「香大農 R-1」ですが、香川大学農学部が交配によって生み出した品種で、1989年ごろに研究が始められ、農林水産省に種苗登録が完了したのが2006年です。
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香川県の高温期というのがブドウの成熟期に重なっていて、もともと着色不良の問題があり(夏期に高温多湿の日本ではだいたい同じでしょうが)、その対策として、栽培法の工夫のような対処療法ではなく、根本対策としての新品種育成という発想に至ったのが開発のきっかけだそうです。日本原産の野生品種の中で、アントシアニンの含量が多く濃い果皮色のものを選定し、沖縄・奄美地方に自生する野生ブドウの「リュウキュウガネブ(Vitis ficifolia var. ganebu)」に着目したとのことで、これを母親に、高級温室ブドウである「マスカット・オブ・アレキサンドリア(Vitis vinifera 'Muscat of Alexandria')」を父親にして育種されました。
結果、ポリフェノールの含有量が多く、特にアントシアニンが豊富でワインの色が非常に濃い割に、飲み口が軽く(渋みを好まない日本人向きだそうで…?)仕上がっています。総ポリフェノール量はカベルネ・ソーヴィニヨンの2倍もあるそうです。また、写真のように果粒が小さく生食用に向かなかったことで、ワイン専用に絞り込まれたこともこの品種を運命づけたようです。

「香大農 R-1」のワインは、ソヴァジョーヌ・サヴルーズSauvageonne Savoureuse)という名前で香川大学が商標登録し、香川大学ブランド・ワインとして香川県内で販売されています。
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この一風変わったワインの名前は「芳しき野生の乙女」という意味のフランス語で、香川大学経済学部のフランス語の先生につけてもらったんだとか。香川県内で売るにはちょっと奇をてらい過ぎな気もします(笑)。それより品種名の「香大農 R-1」を何とかした方がいいと思います。あまりおいしそうにも、高級そうにも聞こえません。「マスカット・リュウキュウ K」とか「香大ピノ・ノアール(農 R)1」とか、いかがでしょう。(笑)


ラベル平面化画像。
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う~ん、もうひとつアピールしてこないデザインですね。


さあ、抜栓。
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コルク、不安なくらい短いです。キャップシールのこのマーク、さっきの大学の写真と同じ、そう、香川大学のマークです。(笑)

Alc.11%。(pH:4.33、Brix:6.1)
確かにすごく濃い色をしています。アントシアニンたっぷりって感じです。
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ブルーベリー、イチゴ。
フォクシー・フレーバーらしきものも微かに感じます。
半分はヴィティス・ヴィニフェラですから、
これはリュウキュウガネブ(Vitis ficifolia)から来るんでしょうか。
特徴的な酸を先に感じますがさほど強くないです。
しかし、その酸はその後も支配的に感じます。
なぜなら、それを受け止めてくれる味の実体が弱いから、のようです。
せっかくこんなに色が濃いんですから、
もう少し重めの味わいがあってもいいような気がします。

ただし、あまり期待していなかったことからすると、
予想以上にしっかりワインしています。


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さぬきワイナリー
Sauvageonne Savoureuse 2018
<ソヴァジョーヌ サヴルーズ(芳しき野生の乙女)>
「香大農R-1」
RRWポイント 81点