ラツィオ州で唯一の赤のDOCG、チェザネーゼ・デル・ピリオ(Cesanese del Piglio)です。名前の通りチェザネーゼ(Cesanese)というローカル品種が使われているもので、1973年からのDOCが2008年にDOCGに昇格しています。「知識でしかないワインを実際飲んでみよう運動」の一環ですが、これをやってるとほとんどがイタリアワインになってしまうんですよね。(笑)

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作り手はコルテ・デイ・パピという1980年設立の家族経営ワイナリーです。チェザネーゼ・デル・ピリオDOCGのエリアで25haの畑をカバーし地域最大規模なんだそうです。(Cesanese del Piglio DOCG全体では131haあります。@2018年。)


公式ページは地域最大手らしく立派なものです。

ワイン紹介もデータシート完備で助かります。
・チェザネーゼ・ディ・アッフィーレ(Cesanese di Affile)100%
チェザネーゼ種は2種類あるそうで、チェザネーゼ・コムーネ(Cesanese Comune)と チェザネーゼ・ディ・アッフィーレ(Cesanese di Affile / Cesanese d'Affile) という名前です。チェザネーゼ・ディ・アッフィーレの方が小粒で品質がいいそうですから、今日のワインはいいやつ100%ってことですね。
フレンチオーク樽で12ヶ月の熟成後、ボトル詰め前に6ヶ月ステンレスタンクで寝かせるそうです。Cesanese del Piglio DOCG(もしくは、Piglio DOCGとも。)の規定では、4ヶ月の熟成が義務付けられているだけなので軽々クリアなんですが、さらに上級には Superiore で18ヶ月、Superiore Reserva で20ヶ月の規定があるので、12+6=18ヶ月ならぎりぎり Superiore を名乗れそうなものですが…。

これがネットで拾ったチェザネーゼの写真。
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チェザネーゼ・コムーネの方か、チェザネーゼ・ディ・アッフィーレの方か書いてなかったのでどちらの写真だか不明。たぶんアッフィーレでしょう。(笑)


作り手訪問します。ストビューではここまでしか近づけず。
Papi01
まわりはチェザネーゼの畑でしょうね。のどかな感じがします。


さて、Cesanese del Piglio DOCGの位置関係をGoogle Mapで見てみます。
Cesanese00
フロジノーネ県にあるピリオ(Piglio)とセッローネ(Serrone)のコムーネ全体と、アクート(Acuto)、アナーニ(Anagni)、パリアーノ(Paliano)の部分が対象になります。今日の作り手、コルテ・デイ・パピの所在も書き込んでいます。アナーニ(Anagni)にありますね。
また、Cesanese del Piglio DOCGの周辺には、Cesanese di Olevano Romano DOCCesanese di Affile DOC という同じくチェザネーゼのDOCがあります。これらは1973年にチェザネーゼ・デル・ピリオと一緒にDOCになっていますので、チェザネーゼ・デル・ピリオだけ2008年にDOCG化して出し抜いちゃったってことですね。地図に書き込みましたので合わせてご確認ください。

ラツィオ州を俯瞰して、再度 Cesanese del Piglio DOCG の位置関係を見ます。
Cesanese02
ラツィオ州のDOCGは、赤が今日の Cesanese del Piglio DOCG、白は Frascati Superiore DOCG (及びその甘口の Cannellino di Frascati DOCG)を押さえればいいので簡単ですね。


ラベル平面化画像。
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うっ、安定剤(アカシア)入りですね。モトックスのシール、微妙に裏ラベルに重ねてます。なにゆえ?


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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DIAM5採用です。

Alc.14.5%。(pH:4.04、Brix:7.8)
透けめのガーネット。
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ブラックベリー、チェリー。
酸味からくる辛口アタック。
酸のおかげで軽めに感じますが立体感はあり。
タンニンも軽めなんですが、
その苦味様の後味が複雑味を加えてくれます。

ボロネーゼのパスタに合わせましたが、
イタリアンと合わせてパカパカ飲める楽しいワインでした。


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Corte dei Papi
San Magno
Cesanese del Piglio DOCG 2017
RRWポイント 88点