ちょっと前に試したコストコで見つけた南アフリカのピノ・ノワールが正直イマイチでした。まあ、正体不明の1000円台のお手頃ピノでしたからね(笑)。今日はちょっとお高めの3000円ので勝負です。このポール・クルーバーという作り手、エルギンの冷涼な気候を活かして評判のいいピノやシャルドネを出してるようです。

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ポール・クルーバーは1896年創設だそうで、4世代120年以上に渡ってエルギンでワイン作りをする家族経営のワイナリーです。エルギンをプレミアムワインの産地として開拓した先駆者として自負を持っておられるようです。 

公式ページはまあまあいい感じですが、ワイン紹介がありません。

ショップに行けばワインの詳細があるわけですが、そのショップのリンクが日本含む世界の国々のインポーターのサイトになっています。

「JAPAN」のショップのリンクは、日本のインポーターのマスダのページにリンクされてます。

しかし、一番詳しいワイン紹介は、やはりですが「SHOP」の「SOUTH AFRICA」に入っていくとありました。公式のデータシートも完備でした。
・ピノ・ノワール 100%
ここはすべてブルゴーニュのクローンだそうです。発酵後、新樽率27%のフレンチオーク樽に移され、MLFも樽内でやります。熟成期間は12ヶ月。ずっとオリを入れたまま、シュールリーだそうです。


エルギンにあるワイナリー訪問。
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レストランやゲストハウスなんかも併設されているようですね。

いつものGoogle Mapでエルギンの位置関係を見てみましょう。
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エルギン・ヴァレーとも呼ばれていますが、エルギンはホッテントッツ・ホランド山脈(Hottentots Holland Mountains)に囲まれ、ブドウ畑は標高が400~500mの高台にあり、ケープタウン周辺では一番冷涼な気候なのが特徴です。古い砂岩の地層で、伝統的にリンゴが栽培されてきました。ここに目をつけ、品質の高いピノ・ノワールやシャルドネを生み出したポール・クルーバーは大したものなんでしょう。

いつもの、W.O. Western Cape の地図でも確認しておきます。
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エルギン(Elgin)は、ステレンボッシュやパールにも近いですが、「Coastal Region」ではなく「Cape South Coast」に分類されてますね。


ラベル平面化画像。
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下側の帯がぐるっと一周まわっています。珍しいパターンですね。

インポーターのラベルを貼る場所がないのはわかりますが…。
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これはイカンでしょう。ポール・クルーバーさんのメッセージもサインも隠れてます。


さあ、抜栓。
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キャップシールはカッコいいですね。「Cluver」は「Clüver」と、Uの上にウムラウトが付くのが正式のようです。クルーバー家はドイツ系移民なんでしょう。

コルク平面化。
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シンプルですが、ヴィンテージがちゃんと横に入ってました。

Alc.13.5%。(pH:3.73、Brix:6.4)
クリアなルビー。
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ラズベリー、香り立つ海苔の佃煮。
かすかなチェリーとロースト香…複雑です。
ピリッとした酸もある辛口アタック。
やはり滋味のような味わいがあります。
立体感もあっていい感じ。
酸は最後まで付いてくるんですが、
じんわり続く余韻はオールオッケーにしてくれます。

ニューワールドらしいはっきりしたピノで、
とても好感が持てました。


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Paul Clüver
Estate Pinot Noir 2018
Elgin
RRWポイント 91点