モールの駐車場をタダにするために何か買わなくっちゃって時、時間があまりない中、ちょうどカルディがあったので1000円のこのワインを手にしてレジへ。何でも良かったのですが、一応スペインのDOモンサン(DO Montsant)で品種はカリニャンというのは確認しました。DOモンサンはガルナチャとカリニャンのブレンドを前にも試したことがあるので2回目です。

IMG_5943
サジェ・マスロッジ(Celler Masroig)はカタルーニャのプリオラート郡のモンサンで1917年に設立されたワイナリーです。いわゆる地元の協同組合と思われます。

公式ページはなかなかカッコいいですが、ワイナリー自体の情報はあまりなし。

ワインはデータシート付でちゃんと紹介してあるので助かります。
・マスエロ(カリニャン) 100%
温度調節付きステンレスタンクで醸造、樽はなし。まあ、そんなとこでしょう。


カリニャンはスペイン原産。カリニェナ(Cariñena)やマスエロ(Mazuelo)というのは知ってましたが、カタルーニャ語ではサムソ(Samsó)というシノニムがあるんですね。
Carignan1
フランスのラングドックなんかでもよく栽培されていますし、過去にはカリフォルニアチリ、イタリアのサルデーニャ島のカリニャンのモノセパージュも試していますが、そういったところでも多いということです。
フランスでの耕作面積は減少傾向とは言うもののダントツの31,760haで、その約80%はラングドック・ルシヨン地域のオード県とエロー県です。原産国のはずのスペインでは、ぐっと落ちて5,461haです。イタリアは、やはりサルデーニャ中心ですが、1,686haになります。アメリカが1,086ha。チリが811haです。

さあ、作り手訪問。DOモンサンのアル・マスロッジ(El Masroig)という町にあります。
Masroig02
あまりに小さな町で、集落のほとんどがワイナリーと言えそうです。

DOモンサンは面白いことに、DOCaプリオラートを囲むような形になってます。
Nit02
しかし、DOモンサンは不思議な形です。まんま「C」ですね。DOCa Priorat(Denominación 
de Origen Calificada)を取り囲んでますから、テロワールも似ていて品質も高いのかもしれません。ちなみに、DOCa はカタルーニャ語では DOQ(Denominació d'Origen Qualificada)となります。

そうそう、近隣のDOとの位置関係も大事。これで確認しておきます。
Terra_Alta1
バルセロナから西の方に、DOペネデスやDOCaプリオラートが続きます。

実は上の地図は、カタルーニャ州のすべてのDOを書き込んでいません。
Catalunya
その他のDOはこんなのがあるってことだけ見ておきましょう。(↑)

最後は、いつものイベリア半島全図で位置関係を見ておきましょう。
MontSant_Spain
いやぁ、スペインもまだまだ課題が多いですね~。


ラベル平面化画像。
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ボトルを一周する特大ラベルです。インポーター(オーバーシーズ)のシールは恐れをなしたのか、なんとネックに巻き付けるように貼ってありました。いずれにせよオリジナルのラベルを隠さないのはいいことです。
ラベルには品種の3通りの言い方が載せてあります。スペイン(特にアラゴン州やリオハ)ではマスエロ(Mazuelo)がポピュラーですが、ここではマスエラ(Mazuela)となっています。マスエラもシノニムです。カタルーニャ地方ではもともとカリニェナという呼び方が一般的だったそうですが、カリニェナ(Cariñena)というDOがあるため、サムソ(Samsó)と言うようになったそうです。なんだかカタルーニャ人ぽいこだわりですね。

これがDOモンサンの認証シール。
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さあ、スクリュー回転。
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無印です。

Alc.14%。(pH:3.96、Brix:6.7)
ガーネット。
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カシス、チェリー。
辛口アタック。
フレッシュな果実味あり。
酸味は主張せず全体のバランスはいいです。
軽い飲み口は、安物感があるんですが嫌味はないです。
サイゼのモンテプルチアーノを想像しました。

味にまとまりがあって、スルスルとおいしくいただけます。
安物でもバランスは重要ですね。


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Celler Masroig
Solà Fred Samsó 2019
Montsant
RRWポイント86点