コンチャイトロのカベルネ・ソーヴィニヨン。グラン・レセルバなのでミドルレンジですかね。「Serie Riberas」という名前を冠した昔からあるシリーズですが、「Ribera」は「川岸」のこと。つまりは「河畔シリーズ」っていうことです。スペインのドゥエロ川河畔は「Ribera del Duero」でしたね。あれと同じ意味です。今日のカベルネ・ソーヴィニヨンは「リベラ・デル・ティンギリリカ川(Ribera del Tinguiririca)」(笑)。

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今さら語る必要もないチリワインの巨人「Concha y Toro」。コンチャは「貝」、トロは「雄牛」という意味ですが(ちなみに「y」は「and」です。)、「貝と牛」ということではなく、1883年にワイナリーを興した創始者が「Melchor Concha y Toro」さんということで、苗字であるわけです。そう、敬意を表して「ドン・メルチョール」と呼んでいるお方です。
「Viña Concha y Toro」グループのサイトを見ると、あのアルマビバ(Almaviva)が傘下であることはまあ知っていましたが、コノスル(Cono Sur)やビニャ・マイポ(Viña Maipo)、アメリカはカリフォルニアのフェッツァー(Fetzer Vineyards)も傘下に収めていることがわかります。

公式ページは度々リニューアルされますが、昔から見やすくてよく出来ています。

おっと、グラン・レセルバはじめいくつかのシリーズがラベルデザインがリニューアルされていますね。2019から変えているようですが、今日のグラン・レセルバのシリーズは「Serie Riberas(河畔シリーズ)」というサブタイトルが消え「グラン・レセルバ」のみの名前となっています。なんとなく残念。今日の2018の情報は、Google先生のお陰ですでにリンク切れのPDFデータを発見し、事なきを得ました(笑)。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 92.5%
・マルベック 5%
・シラー 2.5%

ブドウはビニェド・パロ・サント(Viñedo Palo Santo)というコルチャグア・ヴァレーのサブリージョン、D.O. Marchigüe の畑からです。(D.O.=Denominación de Origen:原産地呼称)「Ribera del Tinguiririca」の名の通り、ティンギリリカ川の河畔にあると思われます。樹齢は2003年植樹の15年。手摘み収穫です。熟成はフレンチオークのバリック(225L)とフードル(大樽 ≒ 1000L)の併用で12ヶ月です。

醸造はカチャポアル・ヴァレーペウモ(Peumo)にあるコンチャイトロの拠点の一つ「Bodega Peumo」で行われるということですので、早速行ってみました。門までですが(笑)。
ペウモ
ペウモの町は蛇行するカチャポアル川に囲まれている山間にあり、ここ自体もカチャポアル・ヴァレーのサブリージョンにあたる銘醸地です。コンチャイトロも当然このワイナリー周辺の畑(Viñedo Peumo といいます。)を持っていて、カルメネールの最高峰「Carmín de Peumo」なんかのカルメネールはこの畑からになります。

今日のカベルネ・ソーヴィニヨンはというと、DOマルチグエということですので、いつものリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O’Higgins)の地図で場所を確認します。「Marchigüe」見つかりましたか?
Libertador_O'Hinggis_Rio
地図上に示した通り、大体この辺りで、ティンギリリカ川沿いの方なんだろうと思いますが、正確な場所はわかりませんでした。HPのコルチャグア・ヴァレーの解説ではビニェド・ウクケル(Viñedo Ucúquer)という、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、リースリング、メルローをやってる畑のことしか載っていません。今日のワインのビニェド・パロ・サント(Viñedo Palo Santo)というのは上の地図の白丸印のティンギリリカ川沿いのあたりには間違いないんですが…。

HPのコルチャグア・ヴァレーの解説ページのトップに載っていた写真がこれでした。
Tinguiririca_Vinedo
ティンギリリカ川沿いのこんな畑なんだろうと想像しますが、この写真が今日のワインの「Viñedo Palo Santo」なのか、それとも「Viñedo Ucúquer」なのか定かではありません。まあ、雰囲気だけいただいて想像しておきましょうか。


ラベル平面化画像。
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このグラン・レセルバのラベルデザイン好きだったんですけどね。

これが新デザイン。鳥なんか描いちゃって自然派アピールでしょうか。
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わざとらしく「Preservando la Naturaleza(自然を保護してます)」なんて書いてます。

インポーターシールです。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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いつもながらコルクは凝っていませんね。

Alc.13.5%。
濃いめガーネット。赤味あります。
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フルーティな黒ベリー、カシス。
果実味とかすかなブレットも混じっています。
辛口アタック。
程よい酸味感じます。
そこそこの厚みのある味ではありますが、
重めのカベソーを期待すると少しパンチが弱いかな。
重いフルボディーがキツイ時にはちょうどいいバランスでしょう。
喉元でタンニン分確認しながら、果実味の軽快さがある余韻へ。


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Concha y Toro
Serie Riberas Gran Reserva
Cabernet Sauvignon 2018
Ribera del Ti
nguiririca
D.O. Marchigüe
Valle de Colchagua
RRWポイント 90点