リカマンの店頭で1000円でお釣りがくるとってもお手頃なリースリングを発見。過去そこそこいいリースリングは飲んできていますが、こんなのも試してみないといけませんね。原産地表示を見ると「Landwein Rhein」となっています。「ラントヴァイン」ということは、いわゆる g.g.A.(geschützte geografische Angabe)、EU法でいう IGP に相当するものですね。

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レー・ケンダーマンは1920年にモーゼル地方にてカール・レー氏がワイン商を立ち上げたことから始まり、現在はラインヘッセン、フランケン、ラインガウ、モーゼル、ナーエなどワイン銘醸地に自社畑を持つに至ったドイツ有数のワイン生産者なんだそうです。(インポーター情報
ただ、今日のワイン、「Selected by Reh Kendermann」と書いてますから、買ってきただけで作ってさえいない感じはします(笑)。

これが店頭での写真。ただでさえ安いのに「広告の品」になってました(笑)。
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これでゲロまずでなけりゃ儲けもんですよ。


公式ページはやはり大手企業の風格。いろんなブランドで出してますね。

当然のように今日のワインは影も形もなく載っていません。

・リースリング 100%

店頭POPでリースリング100%とタイプがやや甘口というのはわかりました(笑)。あと裏ラベルで「安定剤(メタ酒石酸)」というのが添加されているのがわかりました。アカシア(アラビアガム)やCMC(カルボキシメチルセルロース)の安定剤はよく見ますが、メタ酒石酸というのは初めてです。調べると他の安定剤と違い、日本の食品衛生法ではワイン以外の食品への使用が禁止されています。なんだかコワい…。


レー・ケンダーマンの拠点はいくつもあるようですが本拠地はここのようです。
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地域的にはラインヘッセンなんでしょうが、ライン川の畔、ラインガウのリューデスハイムの対岸になります。しかし、巨大な工場然とした建物ですね。


今日のワインの「Landwein Rhein」はどこなのか調べてみますが、あまり詳しい情報がなく、とにかくライン川流域全体が対象のようです。ドイツを貫く大河ですから相当な広範囲ですよ。
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「Landwein Rhein」というのは、13ある特定生産地域ではなく、広域の原産地が指定されたラントヴァインLandwein)の一つで、所謂 g.g.A.geschützte geografische Angabe)、EU法でいう IGP に相当するものです。全部で26ありますので以下に挙げておきます。

・Ahrtaler Landwein
・Badischer Landwein
・Bayerischer Bodensee-Landwein
・Brandenburger Landwein
・Landwein Main
・Landwein der Mosel
・Landwein Neckar
・Landwein Oberrhein
Landwein Rhein
・Landwein Rhein-Neckar
・Landwein der Ruwer
・Landwein der Saar
・Mecklenburger Landwein
・Mitteldeutscher Landwein
・Nahegauer Landwein
・Pfälzer Landwein
・Regensburger Landwein
・Rheinburgen Landwein
・Rheingauer Landwein
・Rheinischer Landwein
・Saarländischer Landwein
・Sächsischer Landwein
・Schleswig-Holsteiner Landwein
・Schwäbischer Landwein
・Starkenburger Landwein
・Taubertäler Landwein

一方、13ある特定生産地域は、いわゆるEUワイン法の AOP の位置づけになるんですが、アンバウゲビートAnbaugebiet)、g.U.geschützte Ursprungsbezeichnung)と呼ばれます。ご参考までに地理的呼称範囲(テロワール)による格付けに変わった(2021年)新ドイツワイン法を(自分なりに)図示したものを貼っておきます。g.g.A.や g.U.の位置づけがわかると思います。

Germany_Wein_Classification
新法では、ベライヒ名もしくは集合畑名を名乗る場合は、Bereich(ベライヒ)もしくは Region(レギオン)をつけなくてはならないようです。以降、村名、単一畑名と範囲が狭まるほど上位ランクということになります。さらに単一畑の中には1級や特級畑が設定されます。
これら新法の適用は移行期間が5年間あり、2026年のヴィンテージからは拘束力が発生します。また、Kabinett ~ Trockenbeerenauslese といった既存の呼称はこの新法の影響は受けずに残るようです。とにかく今は過渡期のようなので気をつけながらドイツワインの表示は見ていかなくてはなりませんね。


ラベル平面化画像。
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スクリュー回転。
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Alc.9.5%。低っ。
透け透けクリアゴールド。
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ライム。
しっかりペトロール香があります。
リースリングには間違いないです。
酸味キリッとした微甘口アタック。
果実を直に食べているような味わいです。
酸は始終主張するんですが個性としてOKかな。
酸っぱい夏ミカンを食べた後のような後味(笑)。

まあ普通のリースリングと方向性違うのでこの評価ですが、
なんだかんだで結構楽しめました(笑)。


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Reh Kendermann
Crafted collection Riesling 2021
Landwein Rhein
WWWポイント76点



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