コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)はいろいろと試していますが、今日のモンタニー(Montagny)というのは実はお初になります。ここは白のみのAOCということで、赤がなかったのが今まで注目できていなかった原因のような気がします。加えて以前にGoogle Map上に描いたコート・シャロネーズの地図をよく見るとモンタニーが切れてしまっています(笑)。今回、この地図も描き直そうと思います。

IMG_9459
作り手はローラン・コニャールさん。モンタニーの中心地となるビュクシー(Buxy)の村でブドウ栽培農家に生まれていますが、1997年に自身のブドウ畑を取得しワイン作りを開始。2006年には5.5haになった畑で本格的なワイナリーとします。現在はモンタニー、メルキュレに18haの畑(内、モンタニー・プルミエ・クリュが6.4ha)を持ち、ドメーヌをビュクシーの町の中心部にあるシャトー・ド・ビュクシー(Château de Buxy)に構えています。

公式ページは必要十分な情報あり。トップページのご本人の満面の笑顔が素敵です(笑)。

ワイン紹介はデータシート付で好感持てます。

・シャルドネ 100%

ブドウはAOCモンタニー対象の4つのコミューンの内のひとつモンタニー・レ・ビュクシー(Montagny-les-Buxy)の1級畑からです。畑名がないのは以下の3つの1級畑のブレンドだからのようです。(「&Co」の意味は分かりませんが。笑)

・Vignes Saint-Pierre
・Champ Toizeau
・Les Chaumelottes(Charmelottes)

手摘み収穫。50%のブドウは樹齢70年超です。新樽率10%以下のフレンチオーク樽(500L)で11~12ヶ月の熟成をしています。

ローラン・コニャールのシャトー・ド・ビュクシーがこれだと思われます。
Dom.CognardMontagny01
ビュクシー(Buxy)の市街地の真ん中です。Google Mapでは「ビュキー」と書いてあるのが不思議です。

ビュクシーの中心地には12世紀の要塞が今も残っており文化遺産になっています。
la-Tour-Rouge
その要塞の城壁の中にローラン・コニャールのシャトー・ド・ビュクシーはあるようです。写真の建物は「赤い塔(la Tour Rouge)」と呼ばれており中にはレストランが入っています。そんなところでモンタニーのワインをいただきながら食事がしてみたいものです。


モンタニー(Montagny)のAOC地図で今日の1級畑(3つありましたね。)を探しましょう。
Montagny00
Vignes Saint-Pierre、Champ Toizeau、Charmelottes の3つ、すぐに見つかりました。色を濃くしてあるので地図上でご確認ください。単一畑といっていいぐらい1ヶ所にまとまっていました。ローラン・コニャール(黄色の四角で示しています。)から歩いても30分とかからない距離です。

さあ、畑の場所を突きとめたので実際に行ってみましょう。(Google Mapで、ですが。笑)
Montagny_1er_Crux3
この上空写真は上で見たAOC地図のグレーの四角で囲った部分になります。今日の3つの畑に該当する部分はハイライトしてあります。1級畑らしい起伏のある斜面のいい感じのところです。ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)のモンタニーの看板が見えますね。

で、モンタニーってどこやねん?にお答えするのが今回描き直したこの地図です。
Cote_Chalonnaise_Cognard
コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)は、コート・ドールの南端からの続き、アリゴテのみのAOCブーズロン(Bouzeron)に始まり、マコネまでに5つのコミュナルAOC(村名AOC)があります。リュリー(Rully)、メルキュレ(Mercurey)、ジヴリ(Givry)までは赤・白両方のAOCで、1級畑もあります。さらに南側のモンタニー(Montagny)は白(シャルドネ)のみのAOCです。もちろん今日のワインで見たような1級畑があります。

また、地図上にはそれぞれのAOC内のコミューンの境界とそれぞれの名前も描き込んであるんですが、つまりはそれぞれ複数のコミューンが対象になってますのでここでまとめておきます。

 <Bouzeron> Bouzeron、Chassey-le-Camp
 <Rully> Chagny、Rully
 <Mercurey> Mercurey 、Saint-Martin-sous-Montaigu
 <Givry> Dracy-le-Fort、Givry、Jambles
 <Montagny> Buxy、Jully-lès-Buxy、Montagny-lès-Buxy、Saint-Vallerin

コート・シャロネーズの西側は、Bourgogne Côtes du Couchois という地理的呼称付きAOCブルゴーニュのエリアになっています(2000年認定)。標高が200~300mありますから、オート・コート・ド・ボーヌ(Hautes Côtes de Beaune)の南側という捉え方が正しいかもしれません。地図には描き込めていませんが以下の6つのコミューンが対象になります。

 ・Couches
 ・Dracy-lès-Couches
 ・Saint-Jean-de-Trézy
 ・Saint-Maurice-lès-Couches
 ・Saint-Pierre-de-Varennes
 ・Saint-Sernin-du-Plain

コート・シャロネーズ全体も同じく Bourgogne Côte Chalonnaise という地理的呼称付きAOCブルゴーニュです。コート・ド・ボーヌ(Côte de Beaune)によく似た土壌と言われています。長さ25km、幅7kmに渡る広大なエリアですが、一応対象コミューンを列挙しておきます。

Aluze、Barizey、Bissey-sous-Cruchaud、Bissy-sur-Fley、Bouzeron、Buxy、Cersot、Chagny、Chamilly、Chassey-le-Camp、Chenôves、Culles-les-Roches、Dennevy、Dracy-le-Fort、Fley、Fontaines、Genouilly、Givry、Jambles、Jully-lès-Buxy、Mellecey、Mercurey、Montagny-lès-Buxy、Moroges、Remigny、Rosey、Rully、Saint-Boil、Saint-Clément-sur-Guye、Saint-Denis-de-Vaux、Saint-Désert、Saint-Gilles、Saint-Jean-de-Vaux、Saint-Léger-sur-Dheune、Saint-Mard-de-Vaux、Saint-Martin-du-Tartre、Saint-Martin-sous-Montaigu、Saint-Maurice-des-Champs、Saint-Vallerin、Santilly、Sassangy、Saules、Sercy、Vaux-en-Pré


エチケット平面化画像。
IMG_8679


さあ、抜栓。
IMG_9455

コルク平面化。
IMG_9456
ノマコルクのような合成コルクですが、ミレジムを横に打ってあるのは珍しいかも。

Alc.13.5%。
深いゴールドイエロー。
IMG_9457

青リンゴ、梨、ブリオッシュ、ナッツ。
辛口アタック。
生き生きした酸はフルーティさを演出していますが、
けっして軽くはなく、味の芯はしっかりしていてコクありの世界が広がります。

こういうのは冷やし過ぎない方が味わい深いですね。
常温に近づくまでゆっくり飲みながら堪能させてもらいました。


*****


Laurent Cognard & Co
Montagny 1er Cru & Co 2018
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01