スペイン、DOバルデオラス(Valdeorras)からのゴデージョ(Godello)です。以前にゴデージョは試してるんですが、それがかなり美味しかったのでついつい見つけると気になってしまいます。前のはDOモンテレイ(Monterrei)でした。同じガリシア州のDOですが、おさらいも含めゴデージョ比較と行きましょう。

IMG_9588
作り手はビルヘン・デ・ガリル(Virgen del Galir)といって、DOバルデオラスのエリア、オーレンセ県シル川(Río Sil)のほとりにあります。実は4年ほど前に同じ作り手のメンシーア(Mencía)を試して記事を書いていましたのでお初ではありませんでした。2018年にリオハの大手クネ(C.V.N.E.=Compañía Vinícola del Norte de España)グループの傘下に入ったためか、その歴史については詳しく書かれていません。2002年設立で、そんなに古い所でもありませんが。

公式ページは傘下だけあって親元クネと体裁が似通っていますが情報は必要十分です。

ワイン紹介はデータシート付き。

・ゴデージョ 100%

手摘み収穫。発酵前2日間の低温浸漬。除梗あり。破砕なし。自然酵母使用。ステンレスタンクで3ヶ月のシュールリーでの熟成期間を経ます。

日本では「ゴデーリョ」と書いてたりしますが、正しい発音はゴデージョ(Godello)です。
Godello
ガリシア州のシル川(Río Sil)のほとりが原産と考えられるこの地方のローカル品種です。隣のポルトガルでも「Gouveio」という名前で栽培されています。2013年に実施されたDNA分析では、おそらくSavagnin Blanc(Traminer)と Castellana Blanca の間の自然交配とみられます。Castellana Blanca はよく知りませんが、この辺りでは、Treixadura、Torrontés、Loureira…など白ブドウだけでも結構な種類のローカル品種があります。(トロンテスはアルゼンチンのそれとは別物です。)


ビルヘン・デ・ガリルを訪問。オーレンセ県の山間の集落(Entoma)にあります。
VirgendeGalir01
2002年創立ですから、さすがに施設は新しそうです。シル川(Río Sil)が近いですね。HPにはご丁寧に所有畑の所在がわかりやすいイラストで示されていました。
VirgendeGalir
川沿い・山間のテロワールが感じられるいい地図ですね。


ネットで拾った地図でガリシア州を俯瞰。周辺DOとの位置関係を確認。
VirgendeGalir02
ガリシアはリアス・バイシャスに気を取られがちですが、内陸にもいろいろと特徴的なDOがあります。ビルヘン・デ・ガリルの場所も示しておきました。

例によって、これらDOをGoogle Map上に転記したものがコレ。
Galicia
DOバルデオラス(Valdeorras)は隣のカスティージャ・イ・レオン (Castilla y León)州に隣接しています。加えてカスティージャ・イ・レオン州のDOビエルソ(DO Bierzo)とも地続きになります。なのでDOビエルソも描き込んでおきました。この2つのDOはどちらも赤ならメンシーア(Mencía)、白ならゴデージョ主体でよく似ています。


ラベル平面化画像。
IMG_8908
Oringin(原産地)のスペイン語である「Origen」が「Orixe」となってます。これはスペイン北西部の方言、ガリシア語の表記ですね。DOバルデオラス公式ページもガリシア語表示できます。

インポーターシール(三国ワイン)は裏ラベルを隠していませんでしたが別撮りで。
IMG_8909


さあ、抜栓。
IMG_9583

コルク平面化。DIAM3を採用です。
IMG_9585

Alc.13.5%。
しっかりイエロー。キラキラしています。
IMG_9586

梨のシャーベット、ライム。
甘やかな酸の辛口アタック。
黄桃、洋梨の味わいがあります。
少しフルーティさがくどい気はするんですが、
何も風味がしないのよりはずっといいと思われます。

ただ、前に試したゴデージョが美味しかった記憶が強く、
そこそこいけるのに凡庸に感じてしまいます。


*****


Virgen del Galir
Maruxa Godello 2020
Valdeorras Denominación de Orixe
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01