甲州は、日本らしいというか奥ゆかしいというか、派手な味わいではないのでついつい忘れがち(?)ですが、スパークリングにしたら面白そうとかねがね思っていました。各社から出ているようですが、大手マンズワインの「酵母の泡」シリーズの甲州をお試しといきましょう。

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マンズワインは親会社であるキッコーマンが1962年に山梨県勝沼に前身となる「勝沼洋酒株式会社」を設立したのが始まりです。発酵と醸造が得意技の醤油メーカーがワイン造りというのは理にかなってる気がします。「マンズ」の「マン」はキッコーマンの「マン」なんですって(笑)。
山梨県の勝沼ワイナリーに加え、長野県の小諸市にも1973年に自社の小諸ワイナリーを建てています。小諸ワイナリーでは欧州品種を中心に成功し、プレミアムワイン「ソラリス」シリーズはもっぱらここからになります。

公式ページは情報豊富でよくできています。各ワインのデータシートも完備です。

「酵母の泡」シリーズもその製法の「シャルマ方式」の解説付きです。

・甲州 100%

甲州は伝統的な棚仕立てで栽培されています。シャルマ方式とは、キューヴ・クローズ方式、密閉タンク方式ともいわれる発泡ワインの製法。泡を取り込むための発酵を、瓶内ではなく密閉タンクで行い、酵母による二次発酵の際に出る炭酸ガスをそのままワインに溶け込ませる製法です。(以上、HPよりコピペ。)

これが甲州。紫がかった淡いピンク色。美しい~。白ブドウというよりグリ(Gris)ですね。
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奈良時代から知られていたという、日本の在来種(山梨県の固有種)ではありますが、その起源は興味深いです。最新のDNA分析では欧州品種Vitis Vinifera)の交配種であることが判明しています。中国の野生種、トゲブドウと呼ばれるダヴィディ種(Vitis Davidii)と中央アジアで交雑していた可能性が高いとされていますが、遺伝的には3/4は欧州品種であるヴィニフェラ種を引き継いでいます。
日本に残る記録では、奈良時代に大僧行基が勝沼に大善寺(別名ぶどう寺)を建立した際に発見したというものや、1186年に山梨県勝沼の上岩崎にて雨宮勘解由(あめみやかげゆ)という人が発見したというものがありますが、いずれにしても相当昔にシルクロードを通って日本に入っていたんだと思われますね。(渡り鳥が種子を運んだ説もあり。)
2010年には甲州が日本固有種として初めてOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)に品種登録され、ワインラベルに「Koshu」と記載してEUへ輸出することが可能になっています。

マンズワイン・勝沼ワイナリーを訪問しましょう。
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規模も大きそうですし、なによりカッコいいですね。いつかリアル訪問したいものです。

山梨県を俯瞰して場所を確認。「勝沼エリア」は甲州市にあります。
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ここに拝借したのは、公式ページにあったマンズワインの産地の地図です。
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山梨県の勝沼ワイナリーと長野県の小諸ワイナリー。長野・山梨2本立てということ。


ラベル平面化画像。
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和洋折衷のデザインです。シャルマ方式・ブリュットと書いてあるのがいいですね。


さあ、抜栓。
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まあ、無印は仕方なし。

Alc.11%。
ほぼ透明、かすかすぎる黄色。
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泡立ちを動画で見ておきましょう。


柑橘系の香。でもごくごくかすかです。
吟醸香? 酵母の香りかな。
甘み思わすアタックは実は辛口。
ワインのソーダ割りのような薄さ(笑)。
次第にクールなコクも出てきて安心しますが。

やはり泡だと甲州の個性が生きる気がしますね。
スルスルッとソーダ感覚でいただくのもよし。


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マンズワイン
酵母の泡 甲州 Brut
WWWポイント76点



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