Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

カルメネール

Miguel Torres Chile Santa Digna Carmenére Gran Reserva 2019

日本カルメネール振興協会の活動日です。これは昔から飲んでるやつなんですが、このブログでは未掲載のミゲル・トーレス・チレのカルメネールと参りましょう。ん!? カルメネールの表記が「Carmenére」とアクサンテギュ付きになっています。このパターンはありえません。裏ラベルはエノテカが貼り替えたやつですが、ここも間違っています。さては、エノテカが間違えたか?

IMG_5051
以前、カルメネールの発音と綴りについて考察をしています。アクサンテギュとアクサングラーヴの有無の違いでおおよそ3パターンあり、使われる表記はまちまちです。

(1) Carménère(カルメネール)
(2) Carmenère(カルムネール)
(3) Carmenere(スペイン語読みをするとカルメネーレ)

カルメネールはもともとボルドーの品種ですから、フランス本国に倣えばいいんですが、肝心のI.N.A.O.(Institut National des Appellations d'Origine)が(2)の「Carmenère」を正としているようなんです。フランスのブドウ品種サイトも昔は「Carménère」表記だったものがどんどん「Carmenère」に変わってきているようです。「Carménère」はシノニム扱いになってるところも多いです。
チリではまだまだ「Carménère」表記をするところがありますが、本国の影響か「Carmenère」が増えてきているようです。ご存知のように、個人的にはアクサンテギュとアクサングラーヴの両方ついた、「カルメネール」としっかり読める(1)Carménère を押しています。(笑)

で、本日の問題は、「Carmenére」というおそらく間違いであろう表記です。フランス語の正字法に従うと、アクサンテギュがついた後に、子音+無音の「e」が来ていますので、ここはアクサングラーヴでないといけません。これをわかっていると何とも気持ちの悪い表記に映ります。


さて、作り手のミゲル・トーレス・チレは、名前からわかるようにスペインの大手トーレス(Familia Torres)が1979年にチリに進出して立ち上げたワイナリーです。チリに目を付けた海外勢では一番乗りだったようです。公式ページはさすがにしっかりしています。

ワイン紹介もデータシートあり。
・カルメネール 100%
あれれ、データシートはちゃんと「Carménère」となってました。しかし、写真はやっぱり「Carmenére」となっています。おそらくミゲル・トーレスの中の人がラベル上で間違えたようですね。エノテカさんの間違いじゃないようです。エノテカさん、疑ってスミマセン。(笑)
TorresChile03
この写真、ミゲル・トーレスの畑の看板ですが、大文字で書いてアクセント記号をつけてないです。こんなだからラベルでミスをすることになるんですかね。(笑)
熟成は、全量の50%のみ3年落ち以上の樽を使い6ヶ月だそうです。グラン・レセルバというもののローレンジではありますね。


いやあ、カルメネール、表記含めいろんな意味で謎めいてるミステリアスな品種です。
Carmenere01
その数奇な歴史や、チリで混同されてきたメルローとの違いなどは過去記事で何度か触れています。そこでも引用していますが、日本酒類販売がナティバというカルメネールのワインの専用サイトを作ってまして、ここのカルメネールの解説がとても素晴らしいので一度ご覧になってください。ここでは系統にだけ触れておきます。2013年に実施されたDNA分析によると、カルメネールという品種の親子関係はこのようになります。

カルメネール= (母) ムラル x (父) カベルネ・フラン

ムラル(Moural)はフランス原産の品種です。このようにカルメネールの親として登場はしますが、現在栽培はされていないようです。チリでカルメネールと混同されていたメルローはというと…

メルロー= (母) マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント x (父) カベルネ・フラン

そ~ら、片親(父)が同じカベフラです。混同されたくらいですから血は争えないですね(笑)。このマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント(Magdeleine Noire des Charentes)というのもフランス原産の古い品種で現在は栽培はされていません。しかし、コ(Côt)すなわち、マルベック(Malbec)の母親もこの品種なのでいろいろお世話になってはいます。(笑)
ついでにカベソーもおさらいしておきましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨン= (母) カベルネ・フラン x (父) ソーヴィニヨン・ブラン

でしたね。ここではカベフラは母となりました。世界で人気の品種ですから、DNA分析が流行りになってきて真っ先に調べられ親子関係が判明したのがカベソーだったそうです。


ミゲル・トーレス・チレを訪問しておきます。これは入り口。敷地は右方に広がってます。
TorresChile01
パンアメリカン道路(チリハイウェイ)5号線沿い、マウレ州、クリコーの町の郊外です。ホテルやワイン・レストランなんかが併設されており興味深いです。

マウレ州を俯瞰するGoogle Mapで位置関係を見ておきます。
TorresChile02
ミゲル・トーレス・チレの所在(黄四角)も書き込みました。クリコーの町を最初に探してみてください。今日のワインはDO(Denominación de Origen)セントラル・ヴァレー(Valle Central)なのでマイポまで含む広域になります。よって畑は特定できませぬ。

ミゲル・トーレス・チレの公式ページの所有畑の紹介ページにこんな地図がありました。
Chile_Torres
チリの全産地に畑を持ってるのかと思ったら、チリの代表的な産地を紹介しているだけでした。ミゲル・トーレス・チレの所有畑は、やはりクリコーやマウレ中心でした。イタタ・ヴァレーはいいとして、なんだかすごく南方にも畑を持っていて、寒すぎてブドウが育つのか心配になります。


ラベル平面化画像。
IMG_4871
う~ん、やっぱり「Carmenére」が気になる(笑)。スペイン人らしい間違いと言えばそうなんですが。


さあ、抜栓。
IMG_5049
キャップにはシンボルマーク(リャマ? アルパカ?)。

コルク平面化。
IMG_5047

Alc.13.5%。(pH:4.53、Brix:7.3)
少し赤味の濃いガーネット。
IMG_5050

黒ベリー、スモーキーな香り…カフェ、ダークチェリー。
シダっぽいのは樽香かな。
辛口アタック。
珍しくソフトな酸を感じますね。
まろっとまろやかながら厚みのあるストラクチャー。
喉越しから余韻で、ほどよいタンニンの収斂性を楽しめます。

上等感はないですが、十分おいしいです。
カルメネールとしても合格点。


*****


Miguel Torres Chile
Santa Digna Cruz de los Andes
Carmenére Gran Reserva 2019
RRWポイント 92点


Nahuen by Terrapura Gran Reserva Carmenere 2017 Colchagua Valley

日本カルメネール振興協会の活動日です。活動用に日頃からちょっといいカルメネールのバリエタルを探していますが、なかなか苦労しています。どの作り手もトップレンジにもカルメネールをラインナップしていたりするんですが、日本に入ってきてるのはお手頃ローレンジばかり。それもカベソーは入ってきていてもカルメネールだけなかったりします。まだまだ振興活動が足らないようですね(笑)。今日のコレは1000円台のとってもお手頃カルメネール。見慣れないブランドですが、「By TerraPura」となってます。

IMG_4887
インポーター、ヴィレッジ・セラーズの情報によると、このブランド、「ウンドラーガ・ファミリーのアルフォンソ・ウンドラーガと栽培醸造家であるホセ・ミゲル・オバルが2人のチリワイン産業界での経験を生かし、2006年に興したテラプラ(=ピュア・テロワールの意味)の後継ブランドです。」だそうです。
ここの情報によると、今日のカルメネールは、
・カルメネール 100%
フレンチオークで8~10ヶ月熟成となっています。

えっ、もうテラプラのブランドないんだと思ったら、こんな画像をネットで発見。
Nahuen01
どうやら、ほんとに「テラプラ → ナウエン」に変えちゃったようですね。

と思って、TerraPura の公式ページを探してみると、ブランドはいまだ健在です。

おまけに、Nahuen なんてかけらも載っていません。

裏ラベルに「8valleys」の製造とあり、「www.8valleyswines.com」のURLが載ってますが、こっちこそ、テラプラのことさえ載っていません。(笑)

う~ん、チリあるあるですが、メーカーの海外向けブランド戦略に翻弄されているようです。出荷先によってブランドを使い分けたり、別ブランド作ってみたりする方が、マーケティング的に非効率な気がするんですがね。


まあ、気を取り直してテラプラを訪問してみます。
Nahuen00
ストビュー(2015年のデータ)ではまだ存在していないので新しそうですね。これは公式ページの写真を拝借しました。パンアメリカンハイウェイ(チリハイウェイ)5号線沿い、レンゴとサン・フェルナンドの間です。

ラペル・ヴァレー(=コルチャグア+カチャポアル)の地図で場所(黄四角)を確認。
Nahuen02
ラペル・ヴァレーの範囲は、いわゆるリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O’Higgins)と重なるということです。


ラベル平面化画像。
IMG_4874
裏ラベルに熟成について書いてました。「フレンチオークに触れさせて10ヶ月」とのこと。出ました「オークチップ」ですね。樽なんてひと言も書いてません。「フレンチ」なのが救いでしょうか。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_4885
コルチャグア・ヴァレーなんて書いてますが汎用品ですね。コルクはこの「Chile Premium Wines」が2回繰り返しなだけなので平面化はしません。

Alc.13.5%。(pH:4.47、Brix:7.3)
濃いガーネット。
IMG_4886

黒ベリー、アメリカンチェリー。
黒糖・チョコかすかにありカルメネールを感じます。
酸も感じる辛口アタック。
軽めの中心ながら立体感はありますね。
酸は弱めですが始終居座るのはちょっとしつこいな。
カルメネールらしさは充分出ているとは思います。


*****


8Valleys
Nahuen by Terrapura Gran Reserva Carmenere 2017
Colchagua Valley
RRWポイント 88点


Viña Tarapacá Gran Tarapacá Carmenère Reserva 2017

不定期ではありますが、本日は「日本カルメネール振興協会」の活動日となっております(笑)。日本で入手可能なカルメネールも限られているので、なかなか目新しいものに出会いません。今日もお馴染みのビニャ・タラパカとなりました。いつもは「グラン・レセルバ」をいただいてますが、今日は少しランクが落ちて、ただの「レセルバ」です。どこまで落としてもおいしくカルメネールが味わえるのかということも課題の一つですので確認しておきましょう。

IMG_4652
1874年にイスラ・デ・マイポ(Isla de Maipo)に創業のチリワインの老舗です。2008年からサン・ペドロと共にVSPTワイン・グループを形成し、グループとしてコンチャイトロに次ぐチリ二番目のワイン輸出企業となっています。VSPTはおそらく「Viña San Pedro y Tarapacá」の略ですね。サン・ペドロもタラパカも安定のうまさがありますから、この組み合わせは最強です。

公式ページはよく出来ていて情報豊富です。
tarapaca0
今日のワイン、D.O. Valle Central(Central Valley)となっており、グラン・レセルバが D.O. Valle del Maipo(Maipo Valley)でしたから、ランクが落ちて広域になっているようです。
・カルメネール 100%
マイポ以外からのカルメネールも使いながらもオーク樽で6ヶ月熟成と、一定のレベルは確保していそうです。


何度も見ていますが、ビニャ・タラパカを訪問。ラベルのイラストにもなっているこの屋敷は庭園と共に1927年に建てられています。トスカーナ様式だそうで、タラパカのシンボルですね。
tarapaca01a
敷地、建物の全体の規模は結構あります。また、まわりを丘陵に囲まれた盆地全体が所有畑になっています。D.O. Maipo Valley の場合はここからになります。

ビニャ・タラパカは場所がイスラ・デ・マイポ(Isla de Maipo)ということで、デ・マルティーノ(Viña De Martino)のご近所です。その時の地図にビニャ・タラパカを追記しています。
tarapaca02
サンティアゴの市街やアンデス山脈の高峰が臨めるマイポ川沿いの広大な銘醸地。壮観であります。

とは言うものの今日のワイン、D.O. Valle Central(Central Valley)の広域です。
Chile_Santiago_Alrededor
セントラル・ヴァレーはこの首都州(Región Metropolitana)のマイポ以南、リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)のラペル(コルチャグア+カチャポアル)、マウレ州(Región del Maule)のクリコー、マウレにまで渡ります。

こちらがマウレ州のDOを書き込んだ地図になります。上下2枚でながめて下さい。
Maule_Curico
右にインポーズしたチリの産地全体がわかる地図の「Central Valley Region」で全体像をご確認ください。マウレ州からのカルメネールを使っているかはわかりませんが、首都州を超えてラペルからのブドウを混ぜたらもうマイポは名乗れないですからね。おそらくそんな感じなんでしょう。


ラベル平面化画像。
IMG_3972
このレセルバ、「グラン・タラパカ」という名前ですが、最新ヴィンテージでは、ただの「タラパカ」になっています。グラン・レセルバより下のレンジで「グラン」が付くとややこしかったんでしょう。

インポーターシールは裏ラベルを隠さずに控えめに貼ってありました。
Tara01
タラパカ専用サイトも用意してあり、偉いインポーターさんです。


さあ、抜栓。
IMG_4650
キャップシールにはシンボルマークがあしらってあります。

コルク平面化。
IMG_4653
チリの地図? まあ、汎用品です。

Alc.13%。(pH:4.45、Brix:7.2)
赤味強めの濃いガーネット。
IMG_4651

黒ベリー、カシス、青野菜かすかにモカも。
カルメネールらしい香りです。
辛口アタック。
シルキーなタンニンが薄いベールのように誘った先には、
果実味と厚みが両立するいい具合の味を発見します。
おいしいんですが、価格相応の軽さもあります。
バランスよく軽めに仕上げた「軽めネール」ということで…。


*****


Viña Tarapacá
Gran Tarapacá Carmenère Reserva 2017
RRWポイント 92点


Santa Rita 120 Reserva Espacial Carménère 2017

久しぶりのサンタ・リタのカルメネールです。このブログをつけ出してからは初登場ですね。一応、日本カルメネール振興協会の活動の一環ではあるんですが、「特製スワリンググラス」がおまけで付いてくるというのに惹かれてゲットしてしまったというのが真相です(笑)。

IMG_4452
サンタ・リタは1880年創業とこれもかなりの老舗です。1988年にカルメン同様に大企業クラロ・グループ(Grupo Claro)の傘下になっています。チリのワインはこういう大資本の存在が欠かせないですね。

さて、これがおまけのスワリンググラス(右)。「120」のロゴ入りです。
IMG_4482
写真の左側がダイソーで売ってる100円の「薄グラス」。なぜこれを並べたかというと、この「薄グラス」をかなり気に入っていて、今回のおまけグラスに釣られたきっかけだったからです。
ステムのないワイングラスって感じですが、リムが薄いので高級グラスの飲み口が楽しめるんです。また、飲み残したワインを冷蔵庫に保管し2日目以降に飲む際、冷えすぎたワインを体温で温めるのに非常に都合がいい形状で重宝しています。
おまけとは言え、ワイン専用のスワリンググラスに期待してみましたが、実はすごく残念な結果となっています。まず、リムがコップのごとく分厚いのです。コップでワインを飲んでる気がします(笑)。やはり、薄いリムってワインには重要ですね。そして、難点がもう一つ。ダイソーの薄グラスは底が平たくてちゃんと立つんですが、120のスワリンググラスの方は勝手にスワリングするコンセプトなのか、底が丸くてグラグラしてしまいます。これはいただけません。スワリングぐらい自分のペースでやりますから(笑)。
このグラス、「120」のロゴと横線が入ってますが、この線まで注ぐと「120ml」なんですって。そんなの要りませんから~。(笑)


公式ページは大手らしく立派な作りです。データはミレジム毎にありますが内容は薄目。

今日のワインも2017年は載ってませんでした。2019年がこうです。
・カルメネール 85%
・シラー 15%
2018年はカルメネール100%となってますので、今日の2017年もモノセパージュかもしれません。熟成について詳述なし。樽はないでしょうね。普通、「Reserva」と付けば多少はやってるもんですが…。
サンタ・リタは最ローエンドに「3 Medallas」というシリーズがあって、これはほんとに安いバリエタルなので、120 Reserva Espacial はもう少しいいと思ったんですが、スペック的にはほぼローエンドと思われます。


ワイナリー訪問。トップページにあった空撮映像からキャプチャーしました。
SantaRita00
敷地が広く、ホテルやレストラン、博物館まであってなかなかの施設です。

マイポ・ヴァレー、ブイン(Buin)の町あたりからサンティアゴを俯瞰。
SantaRita01
カルメンやポルタル・デ・アルトがご近所さんなのがわかります。

例により、サンティアゴ周辺の産地を見ながらサンタ・リタの位置関係を確認。
SantaRita02
ブイン(Buin)にあるサンタ・リタ、発見できましたでしょうか。


ラベル平面化画像。
IMG_4064
裏ラベル、ばっちり隠されています。きれいに剥がせなかったのでオリジナルのラベルの写真はありません。ワイン名の元になった、120名のチリ独立戦争の兵士をサンタ・リタのセラーでかくまったという伝説が書かれていました。サッポロビールさん、頼みますよ~。


さあ、スクリュー回転。
IMG_4449
キャップにはエンボスの紋章が入っています。

Alc.13%。(pH:4.25、Brix:6.9)
濃いガーネット。
IMG_4450

黒ベリー、黒糖、モカ。
ピーマンもかすかにあり、確かにカルメネール。
辛口アタック。
クールな酸味にマスクされるも厚みは充分ある味。
カルメネールの個性をしっかり表現しながら、
ワンコイン・ワインのレベルは確実に脱していますね。

激うまとは言えませんが、
家飲みで満足できる最低ラインはクリアということで。


*****


Viña Santa Rita
120 Reserva Espacial
Carménère 2017
RRWポイント 89点


Viña Marty Pirca Carmenère Gran Reserva 2018

ビニャ・マーティのカルメネールをいただきます。日本カルメネール振興協会の活動日用にゲットしたんですが、ビニャ・マーティというのは新しくできたブティックワイナリーかなんかだと思っていたら、ちょっと前まではディオニソス・ワインズ(Dyonisos Wines)と呼ばれていたところなんだそうで。ディオニソス・ワインズと言えば、ムートン、オーパスワン、アルマビバを手掛けたトップワインメーカーがチリに立ち上げたワイナリーです。これはすごいかもよ。


IMG_4377
ビニャ・マーティ(Viña Marty)のCEO兼ワインメーカーの Pascal Marty さんは、2008年にチリに立ち上げたディオニソス・ワインズ(Dyonisos Wines)を2013年に自身の名前に変更します。コンサル業もやってるようですが、自分のワイナリーに賭ける意気込みが伝わってきますね。

このパスカル・マーティさんの経歴が実はすごいんです。出身はフランス側のカタルーニャ地方と言いますから、ルシヨン地方、ペルピニャンのあたりかと思います。ボルドーの醸造学校を1982年に卒業後、あのムートン(Château Mouton Rothschild)のバロン・フィリップ・ド・ロートシルト(Baron Philippe de Rothschild)に入社、ワインメーカーの責任者になります。14年間ムートンで腕を振るうんですが、その間にカリフォルニアに転勤し、ロバート・モンダヴィ(Robert Mondavi)との合弁のオーパスワン(Opus One)立ち上げの主要技術メンバーになります。
1996年にバロン・フィリップ・ド・ロートシルト本体を離れ、チリの子会社?バロン・フイリップ・ド・ロスチャイルド - マイポ・チレ(Baron Philippe de Rothschild, Maipo Chile SA)のCEO兼ワインメーカーに就任。この時同時に、ムートンと Concha y Toro の合弁であるチリきってのプレミアムワイン、アルマビバ(Viña Almaviva)の共同CEO兼ワインメーカーにも就任しています。社外出向でしょうかね。
2003年にはこのどちらも辞めてコンサル業に専念するようですが(2003年から Viña Cousiño Macul のトップエンド、Lota のコンサルをしています。)、この頃から自身のワイナリー立ち上げの準備をしていたそうです。そう、この希望の土地、チリで…。
そして、最初の話に繋がります。2008年ディオニソス・ワインズ(Dyonisos Wines)立ち上げ、2013年にビニャ・マーティ(Viña Marty)へ名称変更…。


公式ページはしっかりしてますが、ライナップ変更したのか今日のワインが見当たらず。

ディオニソス・ワインズのサイト(https://www.dyonisoswines.cl/)がまだ残っていて、こちらにはデータシート付で載っていました。
・カルメネール 100%
ユーズドのフレンチオーク樽で8ヶ月の熟成です。

ワイナリーを訪問しようと探すのですが、公式ページにもクリコー(Curicó)としか書いておらず、所在が不明。この写真は公式動画のスクショですが、テノ(Teno)にある畑のものです。
Marty01
畑で解説をしてるのがパスカル・マーティさんです。公式 facebookにいくつか動画が上がっています。コルチャグアの畑も出てきますが、ワイナリーだけは出てこない…。(笑)


インポーターラベル兼用の裏ラベルには今日のワインはカチャポアル・ヴァレーと書いていますが、カルメネールは過去からマウレ・ヴァレーのようですし、このインポーターのサイトのワイン紹介ページには、マウレ・ヴァレーのペンカウエからとなっています。
Maipo_Valley
だいたいビニャ・マーティ自体がコルチャグア・ヴァレーには畑を持っていますが、カチャポアルにはないですから、完全に誤情報ですね。

ワイナリーはクリコー(Curicó)のどこかにあるようです。マウレ・ヴァレーはクリコー・ヴァレーと合わせてマウレ州にあります。いつもの地図で位置関係を見ておきましょう。
Maule_Curico
今日のカルメネールは、マウレ・ヴァレーのサブリージョン、クラロ・ヴァレーのペンカウエ地区からと公式ページにはっきり書いてありました。あとはクリコー・ヴァレー(テノ・ヴァレー)の他、アルト・マイポ、コルチャグア、カサブランカ、レイダに畑を持っていて各品種に対応しています。


参考までにチリのワイン産地(DO)の一覧表(サブゾーン含む)を貼っておきます。
RegiónSubregiónZonaÁreaTérmino complementario
Región vitícola de AtacamaValle de Copiapó
Valle del Huasco
Región vitícola de CoquimboValle del ElquiLa Serena
Vicuña
Paiguano
Costa
Andes
Andes
Valle del LimaríOvalle
Punitaqui
Monte Patria
Río Hurtado
Costa
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Valle del ChoapaSalamanca
Illapel
Andes
Andes
Región vitícola de AconcaguaValle del AconcaguaZapallar
Quillota
Hijuelas
Panquehue
Catemu
Llay-Llay
San Felipe
Santa María
Calle Larga
San Esteban
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Valle de CasablancaCasablancaCosta
Valle de San AntonioCartagena
Algarrobo
Costa
Costa
Valle de LeydaSan Juan
Santo Domingo
Costa
Costa
Valle del Marga-MargaQuilpuéCosta
Región vitícola del Valle CentralValle del MaipoIsla de Maipo
Talagante
Melipilla
Alhué
María Pinto
Colina
Calera de Tango
Til Til
Lampa
Santiago
Pirque
Puente Alto
Buin
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Andes
Valle del RapelValle del CachapoalRancagua
Peumo
Coltauco
Requínoa
Rengo
Machalí
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Andes
Valle de ColchaguaParedones
Pumanque
Litueche
Lolol
Nancagua
Santa Cruz
Palmilla
Peralillo
Marchigüe
La Estrella
San Fernando
Chimbarongo
Costa
Costa
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Andes
Valle de CuricóValle del TenoVichuquén
Rauco
Romeral
Costa
Entre Cordilleras
Andes
Valle del LontuéSagrada Familia
Molina
Entre Cordilleras
Andes
Valle del MauleValle del ClaroEmpedrado
Curepto
Talca
Pencahue
San Rafael
San Clemente
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Valle del LoncomillaSan Javier
Villa Alegre
Parral
Linares
Longaví
Retiro
Colbún
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Andes
Valle del TutuvénCauquenesEntre Cordilleras
Región vitícola del SurValle del ItataPortezuelo
Coelemu
Chillán
Quillón
Costa
Costa
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Valle del BiobíoYumbel
Mulchén
Entre Cordilleras
Entre Cordilleras
Valle del MallecoTraiguénEntre Cordilleras
Región vitícola AustralValle del CautínPerquenco
Galvarino
Valle de OsornoOsorno
San Pablo
Purranque
La Unión
Futrono


































<Wikipedia Anexo:Regiones vitícolas de Chile より>
スペイン語表記なのはご愛嬌。リンクはWikipediaのスペイン語のページにつながります。スペイン語が専門の自分用メモですので。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_4279
しかし、いい加減な裏ラベル情報ですね。トゥエンティーワンコミュニティさん、頼みますよ~。


さあ、抜栓。
IMG_4373
キャップシールもマーク付き。

コルク平面化。
IMG_4374
これはちょっとつまんないですね。

Alc.14.5%。(pH:4.27、Brix:8.0)
濃いインキーなガーネット。涙は色付きです。
IMG_4375

黒ベリー、チョコ、モカ、スパイス。
ピーマン臭はごくごくかすかに。
辛口アタック。
甘めの酸が薄いベールのようにうまく効いてます。
しっかりしたストラクチャーのある味わい。
重々しくなく果実味も感じます。
タンニンはあくまでシルキーでソフト。
絶妙バランスを崩さず長く続いて、余韻も楽しめました。

やはり、うまい。
価格(2000円ほど)を考えると「偉いワイン」です。
ムートン、オーパスワン、アルマビバの系譜を感じずにはいられません。


*****

Viña Marty
Pirca Carmenère
Gran Reserva
 2018
RRWポイント 95点


Viña Errázuriz Estate Series Carmenere 2018

本日は日本カルメネール振興協会の活動日ですが(笑)、前回からちょっと間が空いてしまいました。どうやら日本で手に入るカルメネールのネタが底を尽いてきたのかもしれません。今日のもおなじみエラスリスになります。エステート・シリーズという一番下のレンジですが、前に2016年を試しています。チリ本国には未だ日本へ輸出されてないカルメネールがいろいろあるようです。なんとかゲットしたいものです。またチリへ行くしかないか…。


IMG_4317
ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。


公式ページはちゃんと一流のワイナリー風情があります。(笑)

ワイン紹介もミレジム毎にデータシートも完備。
・カルメネール 100%
全量の70%をフレンチオーク樽で7ヶ月の熟成をするそうです。ローレンジですからこんなもんですね。過去のデータシートをさかのぼっていくと、2017年までは15%ほどシラーやプチシラーがブレンドされていますが、現在はカルメネール100%のようです。

カルメネールは過去から何度となく掘り下げていますが、一応写真を貼っておきます。
Errazuriz02
チリでは長らくメルローと混同され、1994年に再発見されるまで世の中から姿を消していたわけですが、外観や特徴はメルローとはあまり似ていなかったことは以前に検証しました。2013年の最新のDNA分析では、母:ムラル(Moural)と父:カベルネ・フラン(Cabernet Franc)の自然交配ではないかと言われています。メルローも父親はカベルネ・フランですから背格好は似てなくても(笑)異母兄弟としての共通点はどこかしらあったんでしょうね。因みに、母方のムラル(Moural)という品種は現在栽培されている地域がありません。


さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
Errazuriz00
この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
Errazuriz01
首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。

チリの産地をおさらいしておきます。
EmiChile
こういう地図はネットで拾ったものを加工して何度となく載せていますが、決定版ってなかなかないんですよね。やはり自分で描かなきゃだめか…?


ラベル平面化画像。
IMG_3959


さあ、スクリュー回転。
IMG_4314
キャップは一応エンボスで名前が入っています。

Alc.13.5%。(pH:4.27、Brix:7.6)
濃いガーネット。細かめの涙は色付きです。
IMG_4316

黒ベリー、ダークチェリー。
モカかビターチョコを感じるのもカルメネールの王道です。
ごくかすかにピーマンも。
辛口アタック。
甘みを微妙にたたえながら、
しっとりまったりの厚みある味につながっていきます。
味にもチョコのような香ばしさがあり、
ストラクチャーをしっかり感じます。
シルキーなタンニン。
甘々しい雰囲気の余韻も長くていいです。
ローレンジにしては上出来ではないでしょうか。


*****


Viña Errázuriz
Estate Series Carmenere 2018
RRWポイント 93点


San José de Apalta Carménère Reserva 2017

ビックカメラで見慣れないカルメネールが売っていたので、今日はこれをお試しして日本カルメネール振興協会の活動日としましょう。皆さんお気づきかもしれませんが、このブログではチリ絡みやカルメネールの評価が高く出る傾向があります。日本カルメネール振興協会会長としてカルメネールの評価が甘くなってるんじゃないかとお疑いかもしれませんが、さにあらず。全くもって他国のワインとも平等に判定しています。ただし、カルメネールを深く追求するあまり、完全に個人的に好みの品種になっていることは否定しません。(笑)


IMG_3994
San José de Apalta というこの作り手、 1970年に家族経営のワイナリーとしてコルチャグア・ヴァレーのアパルタ地区にてスタートしてるそうです。1994年に20年の経験をもとに大投資を行い方針転換し、高品質でプレミアムなワインに集中特化するようになったそうで、現在は輸出も含め成功を収めてるんだとか。自らをブティックワイナリーだとも言ってます。


公式ページは内容貧弱ですが、見た目よく出来ています。

困ったのは今日のワインが載ってないこと。このレセルバのシリーズがまるっぽ抜けているようです。グラン・レセルバは載ってますが、それもシリーズの簡単な説明だけ。仕方がないのでネットで情報集めます。
・カルメネール 100%
結局これしかわからず。樽使いとかは不明です。裏ラベルに12ヶ月熟成とあるので、そうなんでしょう。(笑)


ワイナリー訪問。カチャポアル・ヴァレーのランカグアの町から南へ車で20分、パンアメリカン道路(チリハイウェイ5号線)沿いにあります。
SanJoseDApalta01
ブティックワイナリーというには立派な施設です。(笑)


さて、今日のワインは「Valle de Rapel」、ラペル・ヴァレーとなっています。この地図でお分かりのように、コルチャグア・ヴァレーとカチャポアル・ヴァレーを合わせた総称がラペル・ヴァレーになります。問題は例によってどういった時に「ラペル・ヴァレー」を名乗るのかです。
SanJoseDApalta02
ラペルとコルチャグア、カチャポアルの関係は、「大括り」と「サブリージョン」の関係ですから、通りのいい方を使うということが考えられますが、最近はコルチャグア、カチャポアルとも名前が知られてきていますので、逆にラペルの方が押し出しは弱いかもしれません。
それでもあえてラペルという場合は、両方の地域からの混醸か、畑自体が両地域にまたがっているかになると思います。
サン・ホセ・デ・アパルタの場合は、調べると両地域に畑を持っていました。
・Zona de Rosario, Apalta(Valle de Colchagua):80ha
・Zona de El Carmen, Peumo(Valle del Cachapoal):120ha
他にも場所はわかりませんが、さらに4ヶ所、計190haもあるようです。なので、おそらくですが、コルチャグア・ヴァレーとカチャポアル・ヴァレーの両方からのカルメネールが使われて、ラペル・ヴァレーを名乗っているという気がします。
しかし、総合計390haの畑はもはやブティックワイナリーの域を超えていますね。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3893
ダイヤモンド型は面白いですね。プレミアム感あります。(笑)
裏ラベルにあるインポーターのサイトも見ましたが大した情報なし。


さあ、抜栓。
IMG_3990
キャップシールのエンボスかっこいいですね。コルクはこの「VSJA(Viña San José de Apalta)」マークが2回繰り返しだけだったので平面化はなし。

Alc.14.5。(pH:4.33、Brix:7.9)
ガーネット。粘性の涙。
IMG_3991

黒ベリー、プラム、モカ、かすかにピーマン。
カルメネール王道の香りです。
辛口アタック。
凝縮感、構造感しっかりある味わい。
果実味のアクセントも忘れていません。
喉元に軽い収斂性の気持ちのいいシルキータンニン。
余韻もたっぷりと楽しめました。
もう少し寝かせたらもっとうまくなりそうな気配ですが、
今でも十分完成されてるレベルです。

値段からしても超驚きのうまさです。
これだからカルメネール探求はやめられまへん。(笑)


*****


San José de Apalta
Carménère Reserva 2017 
Valle de Rapel
RRWポイント 97点


San Pedro Gato Negro Carmenère 2019

サンペドロのガトネグロの2019が出ていますが、ラベルデザインが一新されたようです。文字も黒猫ちゃんも大きくなって、ちょっと安っぽくなったような気がしますが、ワンコインですから仕方ないですね。いや、650円だったのでワンコインではなく値上げになったかも…。(笑)
とにかく今日は臨時「日本カルメネール振興協会の活動日」とし、久しぶりにガトネグロのカルメネールを頂いてみましょう。前回は3年前に2016を試していますが、ラベルデザイン以外に変化はあるのでしょうか…。


IMG_3884
San Pedro は1865年という昔にクリコー・ヴァレーに創業し、今やチリを代表するワインメーカーになっていますが、そのサンペドロが黒猫マークの Gato Negro を始めたのが1960年という、これまた60年も前になります。このネット記事なんかによると、おそらく世界で初めての、いわゆるクリッターワイン(Critter Wine、キャッチーな動物の絵柄がラベルに描かれているワイン)がガトネグロらしいです。カンガルーの絵柄で人気のオーストラリアのイエローテールが20年前かららしいので、ガトネグロはそれよりずっと昔のクリッターワインの先駆けというわけです。

参考に世界のワインブランドの最新ブランド力ランキングをご覧あれ。
GN01
世界21ヶ国の2万人の消費者から得たアンケートがベースのブランド認知度や人気度を示すもので、売上高とかではないようです。ガトネグロは上昇中の第6位。しかし、イエローテール強え~な~。


San Pedro の公式ページはこれなんですが、チリ中に広がる畑の紹介など情報豊富です。

ワイン紹介は、それぞれのラインアップの個別の専用サイトへのリンクになっています。

Gato Negroシリーズもいくつかあり、普通のガトネグロ(今日のワイン)はこのサイトです。

プロモーション用のサイトらしく、ワインの詳細情報はあまりありません。
よく探すと、ダウンロードページにテクニカルシートがありました。セパージュは…。
・カルメネール 90%
・カベソー 10%
カルメネール100%でなくブレンドなのは何となくうれしいですね。樽使いは書いていません。たぶんないでしょうけど。(笑)あと、産地もセントラル・ヴァレー(マイポ~マウレ)と、かなり広域になっています。

ガトネグロのレセルバ、9 Livesのシリーズはこのサイトです。


今回発見したんですが、単なる「Gato」というブランドが追加されています。プレミアムという上級版もあって、スクリューキャップでもないので、通常のガトネグロより上等なんでしょうね。


ということで、ことカルメネールに限って言えば、以下の3種類が日本未発売のようですね。日本カルメネール振興協会としては非常に残念で、是非とも導入いただきたいと切に願います。
New01
個別サイトの英語主体の体裁を見るに、アメリカをターゲットにしてるんでしょうね。アメリカのワインショップまわりたいです。


さて、サンペドロの拠点はたくさんありますが、本拠地はここです。
マウレ州クリコー(Curicó)の町から南へ車で20分、モリーナというところ。
SanPedro01
ショップもありますし、サンペドロが属するVSPTワイングループのオフィスもあります。

マウレ州を俯瞰するGoogle Map上でサンペドロの所在を確認します。
Maule_Curico01
右側にインポーズした地図で確認できますが、今日のワインの出どころであるセントラル・ヴァレー(Valle Central)は以下の産地を包括する広域になります。

Valle Central
 ・Valle del Maipo
 ・Valle de Rapel(= Valle de Colchagua + Valle del Cachapoal)
 ・Valle de Curicó
 ・Valle del Maule


ラベル平面化画像。
IMG_3836
裏ラベルの「他のガトーシリーズの赤ワインとは驚くほど異なった味わいが印象的」というコメントが気になります。他にはカベソー、メルロー、マルベック等ありますが、これらと驚くほど異なるとは思えません。どちらかというとカベソー寄りと思っています。公式サイトにもそんなこと書いてないんですが、なんだろう、インポーターの主観でしょうか。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_3882
ここにもちゃんと黒猫ちゃんがいます。

Alc.13%。(pH:4.07、Brix:7.0)
若干透けるガーネット。涙はわりとはっきりで細かいです。
IMG_3883

黒ベリー、モカ、黒糖。カルメネール感です。
辛口アタック。
苦味も含んだタンニンがしっかり主張します。
味わいに薄っぺらいところなく、複雑味も出てますね。
余韻はさすがにあっさりなんですが、
始終いいバランスが感じられて、フィニッシュで満足感が残ります。
これはカルメネール王道のうまさを上手に出せてると思います。

少々驚き。前に比べてめっちゃ良くなってます。
こうなるとカベソー他の2019も気になりますね~。


*****


San Pedro
Gato Negro Carmenère 2019
RRWポイント 92点


Baron Philippe de Rothschild Maipo Chile Escudo Rojo Carmenere Réserve 2018

本日は日本カルメネール振興協会の活動日。久々にエスクード・ロホといきましょう。
Escudo Rojo は、スペイン語で「赤い(Rojo)盾(Escudo)」の意味でありまして、英語では「Red Shield」となりまして、いわゆるボルドーの1級シャトーとして有名なラフィット・ロートシルトやムートン・ロートシルトのロートシルト(Rothshild)のことと同義なのであります。
(因みにロートシルトはドイツ語読み。英語でロスチャイルド、フランス語でロッチルドです。)


IMG_3739
で、チリにエスクード・ロホを展開するのが、バロン・フイリップ・ド・ロスチャイルド社でありまして、いわゆるムートンの方です。ポイヤックのシャトー・ムートン・ロートシルトクレール・ミロンダルマイヤックの他、ラングドックのドメーヌ・ド・バロナークを所有。ベンチャーであるナパのオーパス・ワンやチリのアルマビバをやってるのも、このムートンの方です。

シャトー・ラフィット・ロートシルトの方は、ドメーヌ・バロン・ド・ロートシルト(DBR社)という別系統のロスチャイルド家でありまして、自ら Domaines Barons de Rothschild (Lafite) のように(ラフィット)って表記してます(笑)。こちらはメドック格付け第4級のシャトー・デュアール・ミロンであったり、ソーテルヌ第1級のシャトー・リューセック、ポムロールのシャトー・レヴァンジルなどを所有。ラングドックのオーシエール(Château d’Aussières)もここです。チリならロス・バスコス。アルゼンチンのカテナとのベンチャーでカロテナ+スチャイルド)というのもやってます。
なんだかロスチャイルド同士で張り合ってるみたいでおかしいですね。


バロン・フイリップ・ド・ロスチャイルド社の公式ページはこれです。

傘下のシャトー、ワイナリーの紹介と共に、それぞれの専用サイトへのリンクがあります。

エスクード・ロホを出してるのが、その名も Baron Philippe de Rothschild Maipo Chile。社名そのままに+マイポ・チレとチリにかける意気込みが感じられる名前です。公式ページはこれ。

今日のカルメネールもヴィンテージ毎の解説が載ってます。
・カルメネール 100%
チリで品種を表示する場合は75%以上の使用が必要ですが、「うちは100%使ってます」と誇らしげに書いてあります。ブレンドの方が複雑でおいしい場合もあるので、自慢するほどのことではない気がします。(笑)
樽熟は1年落ちのオーク樽で6~8ヶ月だそうです。チリではこういう軽めの樽使いでも「Reserva/Réserve」と書く場合が多いです。「Gran Reserva」以下は特に樽を使うように決まりがあるわけではないためです。


さて、サンティアゴ郊外、マイポ川沿いのその名もマイポという町にあるバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チレを訪問します。
Rothschild_Maipo_Chile01
なかなか立派な施設です。周辺もきれいな畑が広がっています。

ただ、今日のカルメネールはコルチャグア・ヴァレーからとなっています。
公式ページにザックリとした地図で所有畑の説明がありました。
Rothschild_Maipo_Chile00
マイポの他、カサブランカ、コルチャグア、マウレの4ヶ所だそうです。

マイポ・ヴァレー周辺を俯瞰して、ワイナリーの所在を確認します。
Rothschild_Maipo_Chile02
マイポ・ヴァレーの境界は行政区分である首都州(Región Metropolitana)と同一です。

マイポ・ヴァレーのすぐ南側がコルチャグア・ヴァレーとなりますが、コルチャグア・ヴァレーとカチャポアル・ヴァレーは合わせてラペル・ヴァレーを構成しています。DOラペル・ヴァレーの表記もたまに見ますが、どういう場合にラペルになるのか実はよくわかりません。
Chile _Rapel_Valley
ティンギリリカ川流域がコルチャグア・ヴァレー。カチャポアル川流域がカチャポアル・ヴァレー。ちゃんと2つの川が合流するとラペル川という名前の川になります。ティンギリリカ川もコルチャグア川って名前だと完璧なんですが、少し残念。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3661
縦長のラベルは結構撮影が大変です。ビタミンCが入ってる(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_3736
ロスチャイルド家の5本の矢のマーク、ネック、キャップ、コルクにも入ってます。
ジェームズ・サックリングさんの92点シールが誇らしげです。

コルク平面化。
IMG_3737
意外とシンプル。

Alc.14%。(pH:3.95、Brix:8.0)
濃いガーネット。Brix:8.0 は割と糖度高めです。
IMG_3738

黒ベリー。
コーヒーのモカ、黒糖感の香りがすごいです。
スパイス、香ばしい樽香も。
甘みをフッと感じる辛口アタック。
すぐに甘みは繊細な酸のせいと気がつきました。
厚み、構造感しっかりした味わいは貫禄があります。
やはり最初に感じた酸がフレッシュさを強調するんですが、
シルキーなタンニンの導入部ともに絶妙バランスの余韻が続きます。
これはカルメネールの王道の味を出せてますね。

とっても満足。
いい「日本カルメネール振興協会の活動日」になりました。


*****


Baron Philippe de Rothschild Maipo Chile
Escudo Rojo
Carmenere Réserve 2018
RRWポイント 94点


Viña Ventisquero Root:1 Carmenere 2017

本日は日本カルメネール振興協会の活動日。ビニャ・ベンティスケロのルートワンです。
このシリーズはお手頃で且つそつなくおいしい。過去から何度も試してますが、カルメールだけでもこのブログで3度目の登場になります。過去、2014年2016年をいただきました。今日は1つ進んで2017です。少しボトルデザインがかわったようですが、お味は…はてさて。


IMG_3646
このルートワン(根っこは一つ)というのは、フィロキセラ禍を受けなかった接ぎ木していないチリの自根のブドウのことを意味しています。ヨーロッパの人が聞いたらムッとしそうですが、基本はアメリカ向けから始まったようです。(笑)最近は日本でも出回ってますが、ひと昔前はアメリカでしか売ってなかったですから。

あまりでかでかと書いていませんが、Root:1Viña Ventisquero が出しています。ベンティスケロはチリの総合食品企業アグロスーパー・グループによって1998年に創設された新しいワイナリーで、規模はかなりのものです。いくつかのブランドを複数展開しています。

ビニャ・ベンティスケロの公式ページはこちら。

ここから傘下のブランドへのリンクが貼られています。

ルートワンは専用の公式ページがあります。

スペイン語に切り替えられないアメリカ向けのサイトになっています。
で、得てして、こういうサイトにはワイン情報がありません。(笑)
日本のインポーターサイトの情報を頼ります。
・カルメネール 85%
・シラー 15%
あと、産地がコルチャグア・ヴァレーの自社畑。樽使いはわかりません。


ビニャ・ベンティスケロ自体は、境界ギリギリなんですが、マイポ・ヴァレーにあります。
Ventisquero01
首都州(Región Metropolitana)とリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)の州境でマイポ・ヴァレーとラペル・ヴァレー(コルチャグア・ヴァレー)が切り替わります。

コルチャグア・ヴァレーとカチャポアル・ヴァレーが合わさってラペル・ヴァレーになります。
Chile _Rapel_Valley
ティンギリリカ川流域がコルチャグア・ヴァレー。カチャポアル川流域がカチャポアル・ヴァレー。ちゃんと2つの川が合流するとラペル川という名前の川になります。ティンギリリカ川もコルチャグア川って名前だと完璧なんですが、少し残念。(笑)

チリ全体での産地の位置関係はこんな地図で確認しましょう。
Chile03


ラベルではないのでボトル平面化画像。
ボトルに直接印刷されていても平面化して剥がしますよ。
IMG_3643
2016までは、根っこの両側にびっしりとフィロキセラ禍を受けなかった接ぎ木しないチリの自根のブドウの説明がありましたが、きれいさっぱりなくなっています。

これが2016年のボトルです。よく見ると「Rootstock: Original Ungrafted」(台木:接ぎ木なしのオリジナル)の表示も消えています。
Root1Carmenere2016
ことさらに自根を強調するのを控えたんでしょうか。それとも台木をするようになったんでしょうか。(チリでも病害対策や樹勢コントロールで台木を採用することが増えているそうです。)

せっかくなので、根っこの両側に書いてあったメッセージを訳しておきます。

『チリはワインの世界において正に類まれな地域です。独特の地形と気候の力によって、非常に希少なブドウが育つ地域になっているのです。そこでは、世界中のワイン生産者に汎用の台木への接ぎ木を余儀なくしたフィロキセラの害を受けなかった、ヨーロッパ種のオリジナルの台木が生き残っています。
チリは、東側を偉大なアンデス山脈に、西側を広漠とした広がりの太平洋に守られ、隔離された環境です。おかげで、真に純粋な形でブドウの木は本来の根っこと共に生き残ったのでした。この地形的な好条件は、チリの肥沃な中央地域に、最高の気候と土壌条件を与え、毎年一貫して傑出したブドウを生み出させるのです。
このルートワン・カルメネールは、我々のワイン生産のマイスターに手入れされた、接木されないオリジナルの根を持つ木から取れたブドウのみで丹念に醸造されます。このことにより、ワインは純粋な果実味と芳香を持っているのです。』

まあ、ざっとこんな意味がボトルにびっしり書かれていたわけです。
これらがなくなったのは、日本カルメネール振興協会としてはなんとなく残念な気持ちです。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_3652
キャップにルートワンのイラスト入り。

Alc.13%。(pH:4.08、Brix:7.3)
ガーネット。
IMG_3644

黒ベリー、カシス、青菜、モカ。
辛口アタック。
酸のクールな印象もありますが、
黒糖シナモン風の滋味ある味わいで、いい厚みです。
ごくごくかすかな収斂性のタンニンはシルキー。
酸味のせいで余韻があっさり終わる気がするものの、
重々しくない爽やかな果実味を演出していると考えましょう。
とにかくカルメネールの正しい表現だと満足しました。


*****


Viña Ventisquero
Root:1
Carmenere 2017
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

メール:
saikin.photo の gmail.com

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ