Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

■ 赤ワイン品種 ■

Château Beau-Site 2003 Saint-Estèphe

シャトー・ボー・シット(Château Beau-Site)というサン・テステフのワインです。特売だったので飛びついたんですが、2003年というなかなかのバックヴィンテージなのも熟成が進んでいて面白そうです。エチケットにはクリュ・ブルジョワ・スペリュール(Cru Bourgeois Supérieur)とありますので(当時は)そこそこのレベルであったことが伺えます。

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「美しい場所」を意味するシャトー・ボー・シットは、19世紀半ばには既に非常に高く評価されていたようなんですが、1855年の格付け時にサンプルを提出しなかったため格付けから外れてしまったなんて本当かどうかわからない情報がありました。(笑)

で、今日のワインは「Cru Bourgeois Supérieur」と表示されていますが、これはかつて公式の格付けとして存在した「Cru Bourgeois」の上位クラスになります。特に優良なワインには「Cru  Bourgeois Supérieur」と 「Cru Bourgeois Exceptionnel」という上位格付けが与えられていました。しかしながら、2007年に運用が不適切であるとの理由で「Cru Bourgeois」は公式の格付けではなくなり、使用が禁止されます。2009年に政府より使用許可が下り「Cru Bourgeois」の名称は再び使われ始めています。ただし、反対する生産者もあり、かつて上位格付けだったところも含め加盟していないシャトーも多く存在するようです。今日のシャトー・ボー・シットも現在は表示してないようです。これが2015年のエチケットです。シンプルになりましたね。
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シャトー・ボー・シットは、1955年にボルドー大手ネゴシアンのボリー・マヌー(Borie-Manoux)社のオーナー、カステジャ(Castéja)家が取得して現在に至ります。ボリー・マヌー社はシャトー・バタイエ(Château Batailley)やシャトー・ランシュ・ムーサ(Château Lynch-Moussas)他も所有していて、これらワインの流通は自社で独占的にやっています。


公式ページは存在はしますが、ワイン情報含めほぼ情報なし。


ボリー・マヌー社(Borie-Manoux)のサイトの1ページになってるって感じですからね。

ネット情報を総合するとこんな感じです。
・カベソー 70%
・メルロー 30%
熟成は新樽率50%のオーク樽で12~15ヶ月。


さあ、サン・テステフのシャトー訪問。う~ん、前の道からは雑木でシャトーが見えません。
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格付け第3級シャトー・カロン・セギュールのすぐお隣でした。

サン・テステフを俯瞰してシャトーの位置関係を見てみます。
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メドック格付け61シャトーのうち、サン・テステフには5つしかなく、
2級にモンローズとコス・デストゥルネルの2つ。
3級はカロン・セギュールのみです。
4級にラフォン・ロシェ。5級にコス・ラボリ。
合計5つになります。


エチケット平面化画像。
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インポーターシールが隠しているのはバーコード(と、Alc.13%、750ml表示)のみ。


さあ、抜栓。ゲッ! コルク折れてしまいました! 1/3はボトル内に落としました。
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2003年くらいでコルクがそんなに脆くなるとは思えないんですが。コルクの破片が中に入らないようにとスクリューをいつも完全に貫通させないんですが、それがいけなかったようです。

Alc.14%。(pH:4.51、Brix:7.0)
濃い濃いガーネット。エッジは褐変。
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黒ベリー、ドライフルーツ、黒鉛。
柔らかな樽香は黒糖風味にも感じます。
辛口アタック。
酸味がしっかりベースにありますね。
味の立体感、構造感はなかなか立派。
テクスチャーはビロードのごとし。
タンニンは限りなくシルキー。
余韻もたおやかに続きます。
久々に熟成ボルドーを堪能させていただきました。


*****

Château Beau-Site 2003
Saint-Estèphe
RRWポイント 93点


Karl Haidle Spätburgunder Trocken Stubensandstein 2018 Württemberg

カール・ハイドルというドイツはヴュルテンベルク(Württemberg)の作り手のシュペートブルグンダー(Spätburgunder)、すなわちピノ・ノワールです。VDP.の Gutswein の等級マークがついていますが、店頭では隣に同じ作り手の Erste Lage のものも置いてました。一瞬迷いましたが、平常運転、お手頃のグーツヴァインの方を選びました。はてさて、吉と出るか凶と出るか…。

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カール・ハイドル(Karl Haidle)は、カール・ハイドルさんが1949年にシュトゥットガルトに近いレムス渓谷(Remstal)で設立したワイナリーです。0.5haで始めた畑は現在19haにもなり、この地で協同組合ではなく個人でワイナリーを成功させた先駆者とされているようです。現在は2代目のハンスさん、3代目のモリッツさんが運営をしています。

公式ページは、ワイナリー紹介、畑紹介などなかなか充実の内容でした。
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ワイン紹介は、今日のワインのデータシートがリンク切れのようで残念。
・ピノ・ノワール 100%
オークの大樽とバリックの併用で熟成させるようですが期間がわかりません。

今日のワインは VDP. のグーツヴァイン(Gutswein)の等級となっていますが、VDP.(ファーデーペー、Verband Deutscher Prädikatsweingüter)の格付けについておさらいをしましょう。
ドイツの QbA や Prädikatswein の等級は甘さが基準で品質自体がわかりにくいこともあり、VDP.(ドイツ高品質ワイン醸造家協会)が1910年に独自に審査・認定を始め、畑に格付けをしています。テロワール重視のフランス式と考えればわかりやすいです。
キャップシールに VDP. ロゴ(鷲のマーク)が入り、以下の等級が表記されます。

Gutswein(グーツヴァイン)・・・地域名ワイン
Ortswein(オルツヴァイン)・・・村名ワイン
Erste Lage(エアステ・ラーゲ)・・・1級畑ワイン
Grosse Lage(グローセ・ラーゲ)・・・特級畑ワイン
 この特級畑からの辛口ワインには、特に、
Grosses Gewächs(グローセス・ゲヴェックス)・・・“Grand Cru”
 と表記され、Qualitätswein trocken が併記されます。

今日のワインは Gutswein(地域名ワイン)。同様に Qualitätswein trocken が併記されてます。


ワイナリー訪問。ロゴマークにある建物が畑の真ん中にありました。
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ワイナリー自体はこの畑のすぐ麓にあります。丘の上の建物はイーブルク城 (Y-Burg)といって建てられたのは1300年頃といいます。なんだかんだあって18世紀頃に壁だけが残るまで破壊されたそうです。この建物を取り囲む畑はカール・ハイドルの畑なので、イーブルク城もワイナリーの所有なんでしょうね。マークに使ってるくらいですから。

公式ページに所有畑の地図があったので Google Map にインポーズします。
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最初の写真に写ってる畑全部なんですね。この地図の範囲外にもまだ所有畑はありました。

今日のワインは地域名ワインで、ヴュルテンベルク(Württemberg)が産地です。ドイツの(13ある)生産地のひとつでありまして、場所としてはバーデンの東側に広がっています。
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この地図にも書かれていますが、ヴュルテンベルクには大きく4つのベライヒ(Bereich)があります。以下の4つになります。

Kocher-Jagst-Tauber(コッハー・ヤークスト・タオバー )
Württembergisch-Unterland(ヴュルテムベルギッシュ・ウンターラント )
Remstal-Stuttgart(レムシュタール・シュトゥットガルト)
Oberer Neckar(オーベラー・ネッカル )

また、地図外ですが、少し離れたボーデン湖畔にも飛び地のベライヒがもう2つあります。湖の北岸東側で Württembergischer Bodensee(Nonnenhorn、Wasserburg、Lindau)と Bayerischer Bodensee(Kressbronn周辺)といいます。ボーデン湖周辺はややこしい…。

今日のワインは Remstal-Stuttgartレムシュタール・シュトゥットガルト)のベライヒになりますが、見にくい地図なので、Google Mapに転記してワイナリーの所在を確認します。
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シュトゥットガルトの東側ですね。シュトゥットガルトはバーデン・ヴュルテンベルク州の州都であり、ネッカー川が町を流れる大都市です。ベンツやポルシェの本社と博物館があったりします。

ワイン産地としてのヴュルテンベルクのカギとなるのがやはり川です。上の地図にも書き込みましたが、川だけに着目するとこんな具合に流れています。
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ネッカー川(Necker)はマンハイムでライン川と合流しますので、ライン川の支流ということになりますが、ヴュルテンベルクの主要な4つのベライヒを貫く大きな川です。


ラベル平面化画像。長~い一枚ものです。
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ユーロリーフが付いてますね。ヴィーガンワインのようです。
インポーターシールが隠しているのはバーコードだけでした。セーフ。


さあ、スクリュー回転。
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Ortswein(オルツヴァイン)以下はスクリューキャップ仕様のようです。キャップにはエンボスのマークが入っていてカッコいいですが。

Alc.12%。(pH:4.11、Brix:6.2)
ルビー。
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ラズベリー、ストロベリー、チェリー。
青み、茎っぽさもかすかに感じます。
辛口アタック。
大人しめの酸はいい感じですが、
味の芯は弱めで酸に負けています。
すると後味でもその酸は引きずるんですよね。

ライトなピノとしてよしって感じなんですが、
やっぱりもう一つ上のグレードが良かったのでしょうか。
(笑)


*****

Karl Haidle
Spätburgunder Trocken 
Stubensandstein 2018
Württemberg
RRWポイント 88点


Miguel Torres Chile Santa Digna Carmenére Gran Reserva 2019

日本カルメネール振興協会の活動日です。これは昔から飲んでるやつなんですが、このブログでは未掲載のミゲル・トーレス・チレのカルメネールと参りましょう。ん!? カルメネールの表記が「Carmenére」とアクサンテギュ付きになっています。このパターンはありえません。裏ラベルはエノテカが貼り替えたやつですが、ここも間違っています。さては、エノテカが間違えたか?

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以前、カルメネールの発音と綴りについて考察をしています。アクサンテギュとアクサングラーヴの有無の違いでおおよそ3パターンあり、使われる表記はまちまちです。

(1) Carménère(カルメネール)
(2) Carmenère(カルムネール)
(3) Carmenere(スペイン語読みをするとカルメネーレ)

カルメネールはもともとボルドーの品種ですから、フランス本国に倣えばいいんですが、肝心のI.N.A.O.(Institut National des Appellations d'Origine)が(2)の「Carmenère」を正としているようなんです。フランスのブドウ品種サイトも昔は「Carménère」表記だったものがどんどん「Carmenère」に変わってきているようです。「Carménère」はシノニム扱いになってるところも多いです。
チリではまだまだ「Carménère」表記をするところがありますが、本国の影響か「Carmenère」が増えてきているようです。ご存知のように、個人的にはアクサンテギュとアクサングラーヴの両方ついた、「カルメネール」としっかり読める(1)Carménère を押しています。(笑)

で、本日の問題は、「Carmenére」というおそらく間違いであろう表記です。フランス語の正字法に従うと、アクサンテギュがついた後に、子音+無音の「e」が来ていますので、ここはアクサングラーヴでないといけません。これをわかっていると何とも気持ちの悪い表記に映ります。


さて、作り手のミゲル・トーレス・チレは、名前からわかるようにスペインの大手トーレス(Familia Torres)が1979年にチリに進出して立ち上げたワイナリーです。チリに目を付けた海外勢では一番乗りだったようです。公式ページはさすがにしっかりしています。

ワイン紹介もデータシートあり。
・カルメネール 100%
あれれ、データシートはちゃんと「Carménère」となってました。しかし、写真はやっぱり「Carmenére」となっています。おそらくミゲル・トーレスの中の人がラベル上で間違えたようですね。エノテカさんの間違いじゃないようです。エノテカさん、疑ってスミマセン。(笑)
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この写真、ミゲル・トーレスの畑の看板ですが、大文字で書いてアクセント記号をつけてないです。こんなだからラベルでミスをすることになるんですかね。(笑)
熟成は、全量の50%のみ3年落ち以上の樽を使い6ヶ月だそうです。グラン・レセルバというもののローレンジではありますね。


いやあ、カルメネール、表記含めいろんな意味で謎めいてるミステリアスな品種です。
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その数奇な歴史や、チリで混同されてきたメルローとの違いなどは過去記事で何度か触れています。そこでも引用していますが、日本酒類販売がナティバというカルメネールのワインの専用サイトを作ってまして、ここのカルメネールの解説がとても素晴らしいので一度ご覧になってください。ここでは系統にだけ触れておきます。2013年に実施されたDNA分析によると、カルメネールという品種の親子関係はこのようになります。

カルメネール= (母) ムラル x (父) カベルネ・フラン

ムラル(Moural)はフランス原産の品種です。このようにカルメネールの親として登場はしますが、現在栽培はされていないようです。チリでカルメネールと混同されていたメルローはというと…

メルロー= (母) マグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント x (父) カベルネ・フラン

そ~ら、片親(父)が同じカベフラです。混同されたくらいですから血は争えないですね(笑)。このマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラント(Magdeleine Noire des Charentes)というのもフランス原産の古い品種で現在は栽培はされていません。しかし、コ(Côt)すなわち、マルベック(Malbec)の母親もこの品種なのでいろいろお世話になってはいます。(笑)
ついでにカベソーもおさらいしておきましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨン= (母) カベルネ・フラン x (父) ソーヴィニヨン・ブラン

でしたね。ここではカベフラは母となりました。世界で人気の品種ですから、DNA分析が流行りになってきて真っ先に調べられ親子関係が判明したのがカベソーだったそうです。


ミゲル・トーレス・チレを訪問しておきます。これは入り口。敷地は右方に広がってます。
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パンアメリカン道路(チリハイウェイ)5号線沿い、マウレ州、クリコーの町の郊外です。ホテルやワイン・レストランなんかが併設されており興味深いです。

マウレ州を俯瞰するGoogle Mapで位置関係を見ておきます。
TorresChile02
ミゲル・トーレス・チレの所在(黄四角)も書き込みました。クリコーの町を最初に探してみてください。今日のワインはDO(Denominación de Origen)セントラル・ヴァレー(Valle Central)なのでマイポまで含む広域になります。よって畑は特定できませぬ。

ミゲル・トーレス・チレの公式ページの所有畑の紹介ページにこんな地図がありました。
Chile_Torres
チリの全産地に畑を持ってるのかと思ったら、チリの代表的な産地を紹介しているだけでした。ミゲル・トーレス・チレの所有畑は、やはりクリコーやマウレ中心でした。イタタ・ヴァレーはいいとして、なんだかすごく南方にも畑を持っていて、寒すぎてブドウが育つのか心配になります。


ラベル平面化画像。
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う~ん、やっぱり「Carmenére」が気になる(笑)。スペイン人らしい間違いと言えばそうなんですが。


さあ、抜栓。
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キャップにはシンボルマーク(リャマ? アルパカ?)。

コルク平面化。
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Alc.13.5%。(pH:4.53、Brix:7.3)
少し赤味の濃いガーネット。
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黒ベリー、スモーキーな香り…カフェ、ダークチェリー。
シダっぽいのは樽香かな。
辛口アタック。
珍しくソフトな酸を感じますね。
まろっとまろやかながら厚みのあるストラクチャー。
喉越しから余韻で、ほどよいタンニンの収斂性を楽しめます。

上等感はないですが、十分おいしいです。
カルメネールとしても合格点。


*****


Miguel Torres Chile
Santa Digna Cruz de los Andes
Carmenére Gran Reserva 2019
RRWポイント 92点


Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

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作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
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バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
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まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
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まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
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無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
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ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
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黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


Bouchard Père & Fils Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018

前にも2015年を試しているブシャール・ペール・エ・フィスです。特に好みなわけでもありません。たまたま特価で売っていたので手を出してしまった的な…(笑)。どちらかというと、過去に本や漫画(漫画ソムリエ 第6巻 Vintage 45:不正)で読んだブシャール・ペール・エ・フィス社が1987年に起こした不祥事の印象で避けていたくらいです(笑)。

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1731年もの昔にミシェル・ブシャールによってボーヌに設立されたブシャール・ペール&フィスは、ブルゴーニュで最も古い作り手の1つであり、コートドールで最大の地主の1つでもあります。(現在、所有畑130haの内、74haが1級畑、12haが特級です。)
そんな偉大なドメーヌがしくじったのが1987年の不正事件です。フランスでは法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行っていたことが発覚。その上、補糖の量自体も法律の制限量を上回っており、さらには原産地表示以外のブドウも使っていたというから驚きです。そして事件当時の経営者が吐いた言葉が、「みんなやってるのに何でワシだけパクられるねん!」だそうです。(笑)
案の定、その後会社は傾き、1995年にシャンパーニュ・アンリオを所有するジョゼフ・アンリオ氏に身売りをすることになります。しかし、アンリオ氏が経営を引き継ぐと、畑から醸造からあらゆる面に改革が行われ、現在のブシャールの品質は向上し、再び世界に名が知れ渡るドメーヌに返り咲いているということです。
ただ個人的には、そういうネガティブな話は印象に残るものでして、なんとなくいや~な感じを感じながらの抜栓となっちゃうんですよね。(笑)

公式ページは大ドメーヌの風格でしっかりしてますよ。

今日のAOCブルゴーニュもちゃんとデータシートまであります。
・ピノ・ノワール 100%
ただし、畑の場所はわかりません。シャブリからボジョレーまでのどこかです(笑)。買いブドウ(マスト)か買いワインだとはっきり書いています。熟成は10~15%だけフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで9~10ヶ月だそうです。まあ、レジョナルですからこんなもんでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、裏ラベルの添加物の「安定剤アカシア)」の表示。たまに安ワインの表示で見かけますが、調べると現物はこの写真のような樹脂だそうです。(オエッ…笑)
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アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
しかし、待てよ? たいていのワインはこんなもの入れずに作ってますよね。やはりこれは真っ当な作り方を端折って、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。

添加物の安定剤、ペイ・ドックの安いワインでも見かけますが、自分の経験上として過去の記録を調べてみると、なぜか南アフリカが特に多かったです。これは「アラビアガム」の例。
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De Wetshof という作り手では「安定剤(CMC)」とあります。
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CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害なんでしょうが、真っ当なワイン造りではないところで、とろみや粘りを出そうとしてるわけですよね。今日のブシャール同様、何となく釈然としません。そうそう、調べていて気がついたんですが、南アフリカは他国では見られない「酸味料」という謎の添加物の表示も多かったです。要注意ですね。

今日はなんだかすごく脱線(笑)。恒例の作り手訪問はしておきましょう。
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ボーヌの鉄道駅から市街へ向かって歩いて5分。旧市街の外郭に到達してすぐのところですね。なんとお向かいがアルベール・ビショーでした。


エチケット平面化画像。
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「安定剤(アカシア)」が燦然と輝いています(笑)。


さあ、抜栓。
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キャップシールなんかはカッコいいですよ。

コルク平面化。
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汎用品ですが、DIAMのいくつだろう? 3? 5?(笑)

Alc.12.5%。(pH:4.42、Brix:7.1)
しっかり色づいてるルビー。
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フランボワーズ、チェリー、ベリーの酸味の香り。
辛口アタック。
控えめで程よい酸味と複雑さも感じる味があります。
軽さはありますが、フレッシュ感として解釈可能。
後味で少々水臭い気がするんですが、
総論としてなかなかうまくまとまっています。

昔飲んだ2015年よりずっといいですね。
これが「安定剤(アカシア)」の効果なんでしょうか?
(笑)


*****

Bouchard Père & Fils
Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018
RRWポイント 90点


さぬきワイナリー Sauvageonne Savoureuse 2018 香大農 R-1

我が家の地下セラー(キッチン床下収納とも言う)から、Kagawa University(香川大学)と書かれたワインを発見。これは、四国の「さぬきワイナリー」を訪れたときに買い求めてあったものです。そこのシャトー志度というフラッグシップらしきワインで撃沈し(笑…おそらく欠陥)、抜栓をためらってるうちに忘却の彼方へ行ってしまってたようです。しかし、ちょっと調べると「香大農 R-1」という品種含め生い立ちの面白そうなワインです。抜栓といきましょう。

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作ってるのも売ってるのも「さぬきワイナリー」なんですが、香川大学農学部が開発した「香大農 R-1」という品種100%で作ったこのワインは、れっきとした香川大学ブランドなんだそうです。品種やワイン名、そしてこの認証シール(ネックについてます)にいたるまで香川大学が商標登録し、さぬきワイナリーが商標使用料を支払って製品化しているそうです。
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ブランド化したい意思は強く感じますが、ちょっと印刷が荒い?(笑)

さぬきワイナリーをさっと見ておきましょう。公式ページはショップ兼用で普通な感じ。

当然ながらワイン情報はショップページにしかなく貧弱。なので、今日のワイン情報はネット情報(特に香川大学)が頼りです。

さぬきワイナリーは立地含めて訪問するには素晴らしいところです。
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ただし、ワインのラインアップや直営ショップは第三セクター然としていて今ひとつワクワク感はないんですよね(笑)。


さて、「香大農 R-1」ですが、香川大学農学部が交配によって生み出した品種で、1989年ごろに研究が始められ、農林水産省に種苗登録が完了したのが2006年です。
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香川県の高温期というのがブドウの成熟期に重なっていて、もともと着色不良の問題があり(夏期に高温多湿の日本ではだいたい同じでしょうが)、その対策として、栽培法の工夫のような対処療法ではなく、根本対策としての新品種育成という発想に至ったのが開発のきっかけだそうです。日本原産の野生品種の中で、アントシアニンの含量が多く濃い果皮色のものを選定し、沖縄・奄美地方に自生する野生ブドウの「リュウキュウガネブ(Vitis ficifolia var. ganebu)」に着目したとのことで、これを母親に、高級温室ブドウである「マスカット・オブ・アレキサンドリア(Vitis vinifera 'Muscat of Alexandria')」を父親にして育種されました。
結果、ポリフェノールの含有量が多く、特にアントシアニンが豊富でワインの色が非常に濃い割に、飲み口が軽く(渋みを好まない日本人向きだそうで…?)仕上がっています。総ポリフェノール量はカベルネ・ソーヴィニヨンの2倍もあるそうです。また、写真のように果粒が小さく生食用に向かなかったことで、ワイン専用に絞り込まれたこともこの品種を運命づけたようです。

「香大農 R-1」のワインは、ソヴァジョーヌ・サヴルーズSauvageonne Savoureuse)という名前で香川大学が商標登録し、香川大学ブランド・ワインとして香川県内で販売されています。
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この一風変わったワインの名前は「芳しき野生の乙女」という意味のフランス語で、香川大学経済学部のフランス語の先生につけてもらったんだとか。香川県内で売るにはちょっと奇をてらい過ぎな気もします(笑)。それより品種名の「香大農 R-1」を何とかした方がいいと思います。あまりおいしそうにも、高級そうにも聞こえません。「マスカット・リュウキュウ K」とか「香大ピノ・ノアール(農 R)1」とか、いかがでしょう。(笑)


ラベル平面化画像。
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う~ん、もうひとつアピールしてこないデザインですね。


さあ、抜栓。
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コルク、不安なくらい短いです。キャップシールのこのマーク、さっきの大学の写真と同じ、そう、香川大学のマークです。(笑)

Alc.11%。(pH:4.33、Brix:6.1)
確かにすごく濃い色をしています。アントシアニンたっぷりって感じです。
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ブルーベリー、イチゴ。
フォクシー・フレーバーらしきものも微かに感じます。
半分はヴィティス・ヴィニフェラですから、
これはリュウキュウガネブ(Vitis ficifolia)から来るんでしょうか。
特徴的な酸を先に感じますがさほど強くないです。
しかし、その酸はその後も支配的に感じます。
なぜなら、それを受け止めてくれる味の実体が弱いから、のようです。
せっかくこんなに色が濃いんですから、
もう少し重めの味わいがあってもいいような気がします。

ただし、あまり期待していなかったことからすると、
予想以上にしっかりワインしています。


*****

さぬきワイナリー
Sauvageonne Savoureuse 2018
<ソヴァジョーヌ サヴルーズ(芳しき野生の乙女)>
「香大農R-1」
RRWポイント 81点


Murphy-Goode Winery Cabernet Sauvignon 2016 Alexander Valley Sonoma County

コストコで見かけるマーフィーグッドというソノマのワイナリーです。カリフォルニアAVAのローレンジもあるようですが、これは上のラインでソノマ・カウンティ、アレキサンダー・ヴァレーAVA(Alexander Valley AVA)になります。コストコの店頭では2,089円(税抜)でしたので、USドル換算で20ドルくらいでしょうか。現地では定価28ドルで出ていますので、やはりコストコ、お値打ち価格でご提供してますね。

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ティム・マーフィー(Tim Murphy)さんとデイル・グッド(Dale Goode)さんが毎週興じるサイコロゲームのさなか、ワイン愛の話に花が咲き、本物のワインを作ろうじゃんかと盛り上がったんだとか。そんなこんなでワイナリー立ち上げたのが1985年のことだそうです。

公式ページはショップ兼用、あんまり情報がないアメリカンな感じです。

畑名なんかは書いてありますが、ほぼほぼ情報なし。以下はコストコ情報です。
・カベルネ・ソーヴィニヨン 98%
・プチ・ヴェルド 2%
樽はしっかり使ってると思いますが、詳細は不明。


ワイナリー訪問しようとしましたが、Geyeserville, CA と書いてあるもののGoogle Mapではヒットしません。この写真はテイスティングルーム(の看板)らしいです。
Murphy01
どうやらワイナリーの実体がなさそうで、なんとなく嫌な予感。カスタム・クラッシュ(Custom Crush)かもしれないですね。カスタム・クラッシュとは、ワイナリーや畑を持たない作り手が、(買い)ブドウを持ち込んでワイン造りの設備(プレス、醸造、熟成、瓶詰め)を借りてワインを作るシステムです。流通量もそこそこありますし、パーカーおじさんやWine Enthusiastなんかでも評価記事があったりするレベルの作り手でもカスタム・クラッシュってあるんですかね。
一応、公式ページの求人欄がジャクソン・ファミリー・ワインズというところに繋がってました。ここがカスタム・クラッシュの請負先でしょうかね。

作り手所在不明ですが、ソノマ・カウンティーAVAの地図で位置関係を確認しておきましょう。
Murphy02
公式ページには所在としているガイザーヴィル(Geyserville)も書き込みました。まさにアレキサンダー・ヴァレーAVAの真っ只中です。少なくとも畑はそこに所有してるんでしょう。


ラベル平面化画像。
IMG_4954


さて、抜栓。
IMG_5016
キャップシールはマーク入り。いいぞ。

コルク平面化。
IMG_5017
ヴィンテージを打ってないのが残念。5年耐用のDIAM5採用です。

Alc.14.5%。(pH:4.59、Brix:8.0)
濃いガーネット。
IMG_5022

黒ベリー、胡椒、いい樽香がします。
辛口アタック。
クールな酸味はかすかですが、いいように効いてます。
構造感しっかりありますね。Big & Rich...
カリフォルニア特有の甘さはあれども強く感じないのが秀逸です。
 シルキーなタンニンも絶妙で、余韻も質の高さ感じさせます。

カスタムクラッシュだとしても、
「うまいもんはうまい」ということですね。


*****

Murphy-Goode Winery
Cabernet Sauvignon 2016
Alexander Valley Sonoma County
RRWポイント 95点


MontGras Antu Pinot Noir 2017 DO Valle de Leyda

チリですが、ちょっと上等そうなピノ・ノワールを発見しました。作り手はモングラス(MontGras)。アメリカにいた頃は、モングラスのカルメネールや、4種ブレンドの「クワトロ」なんていうワインがあちこちに売っていたのでよく飲んでいましたが、日本ではあまり見かけませんね。なかなかおいしいワインを造るところという印象なので楽しみです。

IMG_4982
モングラスは1993年にコルチャグア・ヴァレーで始まりました。エルナンとエドゥアルドのグラス兄弟が創設者&現オーナーです。コルチャグアにとどまることなくマイポ・ヴァレー(Alto Maipo)やレイダ・ヴァレー(Leyda Valley、San Antonio Valley)にも進出して成長目覚ましいようです。今日のピノ・ノワールはそのレイダ・ヴァレーからですね。

公式ページは今風のいい感じです。データシートも豊富に準備されています。

「Ninquén」というカベソーのフラッグシップがあり、その下がこの「Antu」というシリーズになっています。「Antu」とは原住民の言葉(マプチェ語)で「太陽」の意味だそうで。
・ピノ・ノワール 100%
レイダのピノ・ノワールなので、載っていた「Limited」というやつと基本同じだと思うのですが、今日のは Limited と書いておらず、ワインメーカーのサインも違っています。公式に載ってないワインもあるのかもですが、同じだとすれば、228Lと500Lのフレンチオーク樽で12ヶ月の熟成だそうです。


モングラスはコルチャグア・ヴァレー、パルミージャ(Palmilla)近くにあります。
MontGras00
残念ながらストビューで近寄れず、上空写真でお茶を濁します。コルチャグアの主要河川ティンギリリカ川(Río Tinguiririca)が近くを流れています。おっと、「コルチャグア」って地名がありますね。ショボすぎて町でさえなさそうですが、まさかここからコルチャグア・ヴァレーと名付けたんでしょうか。

ラペル・ヴァレー(コルチャグア+カチャポアル)のリベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)を俯瞰してモングラスの場所を確認。
MontGras02
モングラスはコルチャグアに畑を3ヶ所所有。サン・ホセ(900ha)、ニンケン(100ha)、プマンケ(2007年取得)です。カベソー、カルメネール、メルロー、シラーなんかはこの辺りからです。

今日のピノ・ノワールは少し離れた、サン・アントニオ・ヴァレーのサブリージョンになるレイダ・ヴァレー(Valle de Leyda)からになります。地図で示すとここ。バルパライソ州です。
MontGras03
アマラル(Viña Amaral)と呼んでるそうです。海岸から12kmしか離れておらず、いわゆる「コスタ(Costa)」に分類される海洋性の気候です。フンボルト海流の影響を受け冷涼な気候となり、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、そしてピノ・ノワールにうってつけだそうです。

Google Mapで大体の場所がわかったのでズームインしてみます。
MontGras01
ここに650haもの畑を開いているそうです。マイポ川の河畔で良さげな立地です。実際、標高や日照からくる影響のみならず、マイポ川流域の沖積堆積物、海洋堆積物からの石灰質、沿岸山脈に由来する花崗岩など、ありとあらゆる要素が絡み合い複雑なミクロクリマを形成しています。チリのテロワール、あなどるなかれですよね。


ラベル平面化画像。
IMG_4736
インポーターのヴァンパッションのサイトでは新生ドメーヌ 「ドメーヌ・デ・グラス」と紹介されています。そんなに新しくもない「モングラス」なんですけどね。


さあ、抜栓。
IMG_4979
キャップシールの太陽(?)マークはモングラスのシンボルのようですね。

コルク平面化。
IMG_4980
あまりたいしたことなかったですね。

Alc.14%。(pH:4.38、Brix:7.5)
しっかり色づいてる濃いめルビー。細かいながらキレのいい涙も。
IMG_4981

ラズベリー、チェリー、あんず。
茎っぽくもあり、熟成感のある複雑な香り。
辛口アタック。
穏やかないい酸に乗ってたどり着く味は、
ふくらみのあるなかなかな滋味です。
かすかな苦味様のタンニンがさらに立体感を与え、
余韻も最後まで楽しませてくれます。

何気にブルゴーニュ含め他国のバリ旨ピノと張り合えるうまさです。
チリのピノのポテンシャルを見た気がします。


*****

MontGras
Antu Pinot Noir 2017
DO Valle de Leyda
RRWポイント 94点


Famille Perrin Vinsobres Les Cornuds 2017

南部ローヌではジゴンダスはじめ、ヴァケラスラストーケランヌなど、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)からの昇格組は試してきていますが、ヴァンソブル(Vinsobres)というのはまだでした。南部ローヌの盟主ファミーユ・ペランのヴァンソブルを発見しましたのでお試しといきましょ。

IMG_4977
ファミーユ・ペランは南部ローヌに5代続く名前の通りの家族経営の作り手です。シャトー・ド・ボーカステルを所有してることでも知られていますね。南部ローヌの主要な産地に計300haの畑を持ち、上等なやつからお手頃なものまで幅広くラインアップしてくれてるのがありがたいです。また、カリフォルニア(パソ・ロブレス)でもタブラス・クリークを展開しています。実に手広い。


公式ページは多岐にわたるラインナップがうまくまとめられています。

今日のヴァンソブルも「Les Crus」のシリーズの中にあります。ミレジム毎にデータがあり、残念ながら2013年以降更新がないようですが、ダウンロードできるデータシートが2018年でした。ここだけ更新しているのね。(笑)
また、ローヌあるあるですが、セパージュの%が書かれていませんのでネット情報から。
・グルナッシュ 50%
・シラー 50%
AOCヴァンソブルの規定では、グルナッシュ50%以上、シラー、ムールヴェードルを合わせて25%以上となっていますので、今日のはシラー最大限配合って感じですね。シラーがポイントなのか、シラーだけ木製のタンクで醸され、グルナッシュはステンレスタンクです。MLFが終了後にブレンドされ6ヶ月熟成されます。


作り手訪問。ファミーユ・ペランはオランジュ(Orange)郊外にあります。ストリートビューではこの門から先に行けませんので、こんな写真で失礼します。Perrin01
本体はシャトー・ド・ボーカステルにあるようですが、ファミーユ・ペランのテイスティングルームやセラーはここのようです。

南部ローヌをGoogle Map上で俯瞰して位置関係を確認します。
Rhone_Sud_Meridional_V
ファミーユ・ペランは黄色四角で示しました。ヴァンソブルは他のAOCからは少し離れていますね。記号で示していますが、ヴァンソブルVinsobres)は赤のみのAOCです。(2006年昇格。公式ページ

ラストー(Rasteau)やボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)も赤のみの表示になっていますが、これらは元々、酒精強化ワインの一種であるヴァン・ドゥ・ナチュレルVDNVin Doux Naturel)と呼ばれる天然甘口ワインがベースにあるAOCのため注意が必要です。

ボーム・ド・ヴニーズBeaumes de Venise)のVDNは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ(Muscat de Beaumes de Venise)という名で1945年からのAOCです。赤のボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)が単独のAOCとなったのが2005年とずっと後です。それまでは赤を出してもAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)だったわけです。

ラストーRasteau)は、1944年からVDNのAOCとしてAOCラストーが存在しています。赤はAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ラストー(AOC Côtes-du-Rhône Villages Rasteau)だったものが2010年に単独AOCラストーに昇格しました。ここは同じAOCラストーの名前なので要注意。

少々脱線しましたが、ヴァンソブルにズームインです。
Perrin02
ヴォークリューズ県(Vaucluse)に挟まれたドローム県(Drôme)にあります。今日のワイン名が「レ・コルニュ(Les Cornuds)」なので探してみたら小さな集落がありました。このあたりの畑からなんでしょうね。


INAOの地図で AOC Côtes du Rhône Côtes du Rhône Villages の範囲の違いを確認。
Bouchene03
AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)まで包含していることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。地図にある95のコミューンが該当するそうです。

前から何度か使っているこの地図で AOC Côtes du Rhône Villages 関連をおさらいします。
Rhone_Sud_B
AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ対象の95のコミューンの内、25のコミューンは16のエリアに分かれ「Villages」のあとに地名を名乗ることができます。その16の地名がこの地図の右側に書いてあります。この地図では18ありますが、2010年単独AOC昇格のラストー(Rasteau)と2016年昇格のケランヌ(Cairannne)が抜けて現在は16となっています。列記しましょう。

・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan

以上、16あります。ああ、しんど。将来、またこの中から単独AOCに昇格していくんでしょうかね。また、Côtes du Ventoux、Côtes du Luberonが、2009年にそれぞれAOC Ventoux、AOC Luberonに改称され、2010年には Coteaux du Tricastin も Grignan-les-Adhémar に改称されているのもついでにチェックです。

最後に「AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュいち抜けた組」を時系列でまとめます。

1971年 AOC ジゴンダス(AOC Gigondas)
1990年 AOC ヴァケラス(AOC Vacqueyras)← Côtes-du-Rhône-Villages Vacqueyras
2005年 AOC ボーム・ド・ヴニーズ(AOC Beaumes de Venise)
2006年 AOC ヴァンソブル(AOC Vinsobres)
2010年 AOC ラストー(AOC Rasteau)← Côtes-du-Rhône-Villages Rasteau
2016年 AOC ケランヌ(AOC Cairanne)← Côtes-du-Rhône-Villages Cairanne


エチケット平面化画像。
IMG_4744
ネックのミレジムのシールは平面化が大変です。


さあ、抜栓。
IMG_4974
コルクは「Famille Perrin」2回繰り返しだけなので平面化は割愛。

Alc.14.5%。(pH:4.37、Brix:8.0)
濃いガーネット。
IMG_4975

黒ベリー、チェリー、コショウ、シダ。
旨味感じる辛口アタック。
複雑味、コク、いいですね。うまいローヌ感むんむん。
フレッシュさを表現する柔らかな酸も隠し味で効いてます。
タンニンは感じないほどで、淡く薄くふわっと広がります。
余韻はさすがに軽めながら、じんわり楽しめました。

ヴァンソブル、いいじゃないですか。
ヴィラージュ昇格組はどこもおいしいという法則できました。


*****

Famille Perrin
Vinsobres Les Cornuds 2017
RRWポイント 94点


Clos Buzao Pinot Noir Réserve 2018 Dealurile Munteniei

ルーマニアのピノ・ノワールを見つけたのでポチったんですが、1000円+税というお値段です。素性を調べるのもちょっと手こずりそうな予感。まあ、ルーマニアは経験上レベルがそこそこ高いので、当たりであること期待しつつルーマニアワインの総論でも調べましょうか。

IMG_4971
案の定、作り手の素性不明(笑)。裏ラベルに「Bottled by DMD at F11170 France」とあります。フランスのネゴシアンでしょうか、このポストコードはレサック・シュル・ランピ(Raissac-sur-Lampy)というカルカソンヌの近くの町です。やはり、Chai DMD というワイン流通業者のようです。

Chai DMD の写真があったので貼っておきます。ルーマニアじゃないですよ。(笑)dmd01
ネットのショップの情報では、『南仏ドメーヌのオーナー“ピエール・デグルット氏”が手がける。“ブルゴーニュ以外でピノが上手に育つのはここしかない”と、ピノ・ノワールの苗木を全てフランスから持ち込んで、ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン。』とあります。
「南仏ドメーヌ」ってどこな? ピエール・デグルット氏って誰な? …と、基本的なことがわからず情報的価値はほぼゼロです。(笑)

『ルーマニアの銘醸地「デアルマーレ」で造られたワイン』とありますが、今日のワインは「Dealurile Munteniei IGP」となっています。(IGPが「Indication Géographique Protégée」とフランス語なのもご愛敬。)ネットの情報によると、10年くらい前のヴィンテージでは(そんな前からあるんだ…)確かに DOC Dealu Mare だったようです。DOC → IGPで、少し広域になったのでしょうか。

ルーマニアのワイン法では、原産地呼称のDOCDenumirea de Origine Controlată)と地理的表示のIGIndicaţie Geografică)で産地が格付けされており、EUの規定よりも厳しいなんて言われています。ルーマニアがEUに加盟したのが2007年と割と最近なんですが、基本はEUワイン法のAOP/IGPに準じてるんじゃないでしょうか。

ルーマニアには、DOCが33、IGが12あると言います。列挙してみましょう。
(アルファベットはルーマニア語表記のまま記します。読みづれぇ~。笑)

DOC(Denumirea de Origine Controlată):計33
(Denumiri de origine controlată → 複数形)
インデントしてあるのはサブゾーンです。

1. Târnave
Blaj
Jidvei
Mediaş
2. Alba Iulia
3. Sebeş - Apold
4. Aiud
5. Lechinţa
6. Cotnari
7. Iaşi
Copou
Bucium
Uricani
8. Bohotin
9. Huşi
Vutcani
10. Iana
11. Dealu Bujorului
12. Nicoreşti
13. Panciu
14. Odobeşti
15. Coteşti
16. Dealu Mare
Boldeşti
Valea Călugărească
Urlaţi
Ceptura
Tohani
Breaza
Merei
Zoreşti
17. Pietroasa
18. Ştefăneşti
Costeşti
19. Sâmbureşti
20. Drăgăşani
21. Banu Mărăcine
22. Segarcea
23. Mehedinţi
Severin
Corcova
Golul Drâncei
Vânju Mare
Oreviţa
24. Recaş
25. Banat
Moldova Nouă
Dealurile Tirolului
Silagiu
26. Miniş
27. Crişana
Diosig
Biharia
Şimleu Silvaniei
28. Murfatlar
Medgidia
Cernavodă
29. Babadag
30. Sarica Niculiţel
Tulcea
31. Adamclisi
32. Oltina
33. Însurăţei


IG(Indicaţie Geografică):計12
(Indicaţii geografice → 複数形)

1. Dealurile Transilvaniei
2. Dealurile Moldovei(もしくは)
Dealurile Hârlăului
Dealurile laşilor
Dealurile Huşilor
Dealurile Tutovei
Dealurile Covurluiului
Terasele Siretului
3. Dealurile Vrancei
4. Dealurile Munteniei
5. Dealurile Olteniei
6. Viile Carașului
7. Viile Timişului
8. Dealurile Zarandului
9. Dealurile Crişanei
10. Dealurile Sătmarului
11. Colinele Dobrogei
12. Terasele Dunării


今日のワインは、IG Dealurile Munteniei ですが、ワイン名が「Clos Buzao」といいます。おそらく「Buzao」という場所があるはずと調べると、どうやら現地語で「ブザウ(Buzău)」のようです。ムンテニア(Muntenia)地方の県とその県都に Buzău というところがありました。ムンテニア(Muntenia)地方は首都ブカレストを含むルーマニアの南部を占める地方です。

ブザウは DOC Dealu Mare の域内にあり、IG Dealurile Munteniei に含まれます。Dealurile Munteniei の意味は「ムンテニアの丘」ということですから、ムンテニア地方の山側部分に当たるようです。以上をこの地図で確認してみましょう。
Romania_Wine_Region
ブカレストの北側、IG Dealurile Munteniei(黄文字)は見つかりましたか? その中に DOC Dealu Mare があり、ブザウ(Buzău)もその域内にありましたね。


実はこの辺りの情報は、ルーマニアワイン専門商社のユーロアジアトレーディングのサイトが詳しいです。カタログPDFにルーマニア情報が満載です。読み方もカタカナでわかります。(笑)
Romania_Wine_Region_ET
最初からこれを上げとくべきでしたかね。(笑)

毎回やってますが、Google Map上でルーマニアの緯度を見ます。
dmd00
ルーマニアはフランスとほぼ同じ緯度にあり、フランスの銘醸地のエリアがほぼ同じ規模で東欧に展開している印象です。国土の中央にとぐろを巻くように走るカルパチア山脈を境に、山岳部と平
原部で気候が大きく異なるため、生産されるワインも多種多様なんだそうです。やはり興味深い国です。


ラベル平面化画像。
IMG_4741
インポーターの重松貿易のサイトへ行ってもこのワインの情報はありませんでした。


さあ、抜栓。
IMG_4968
まあ、汎用品ですね。コルクも短い。

コルク平面化。
IMG_4972
ブドウのイラストのみ。

Alc.12.5%。(pH:4.37、Brix:7.0)
しっかり色づいたルビー。
IMG_4969

ラズベリー、イチゴ。
ミンティーな風味に隠れ軽めながら佃煮香もあります。
辛口アタック。
酸はミルキーなくらいまろやかで控えめ。
そこそこの複雑味があって面白いです。
全体像は値段なりの軽さはあるんですが頑張ってると思います。
やはり、ルーマニアはいい線行ってますね。


*****

Clos Buzao
Pinot Noir Réserve 2018
Dealurile Munteniei IGP
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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