Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

グルナッシュ/ガルナチャ

Famille Perrin Vinsobres Les Cornuds 2017

南部ローヌではジゴンダスはじめ、ヴァケラスラストーケランヌなど、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)からの昇格組は試してきていますが、ヴァンソブル(Vinsobres)というのはまだでした。南部ローヌの盟主ファミーユ・ペランのヴァンソブルを発見しましたのでお試しといきましょ。

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ファミーユ・ペランは南部ローヌに5代続く名前の通りの家族経営の作り手です。シャトー・ド・ボーカステルを所有してることでも知られていますね。南部ローヌの主要な産地に計300haの畑を持ち、上等なやつからお手頃なものまで幅広くラインアップしてくれてるのがありがたいです。また、カリフォルニア(パソ・ロブレス)でもタブラス・クリークを展開しています。実に手広い。


公式ページは多岐にわたるラインナップがうまくまとめられています。

今日のヴァンソブルも「Les Crus」のシリーズの中にあります。ミレジム毎にデータがあり、残念ながら2013年以降更新がないようですが、ダウンロードできるデータシートが2018年でした。ここだけ更新しているのね。(笑)
また、ローヌあるあるですが、セパージュの%が書かれていませんのでネット情報から。
・グルナッシュ 50%
・シラー 50%
AOCヴァンソブルの規定では、グルナッシュ50%以上、シラー、ムールヴェードルを合わせて25%以上となっていますので、今日のはシラー最大限配合って感じですね。シラーがポイントなのか、シラーだけ木製のタンクで醸され、グルナッシュはステンレスタンクです。MLFが終了後にブレンドされ6ヶ月熟成されます。


作り手訪問。ファミーユ・ペランはオランジュ(Orange)郊外にあります。ストリートビューではこの門から先に行けませんので、こんな写真で失礼します。Perrin01
本体はシャトー・ド・ボーカステルにあるようですが、ファミーユ・ペランのテイスティングルームやセラーはここのようです。

南部ローヌをGoogle Map上で俯瞰して位置関係を確認します。
Rhone_Sud_Meridional_V
ファミーユ・ペランは黄色四角で示しました。ヴァンソブルは他のAOCからは少し離れていますね。記号で示していますが、ヴァンソブルVinsobres)は赤のみのAOCです。(2006年昇格。公式ページ

ラストー(Rasteau)やボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)も赤のみの表示になっていますが、これらは元々、酒精強化ワインの一種であるヴァン・ドゥ・ナチュレルVDNVin Doux Naturel)と呼ばれる天然甘口ワインがベースにあるAOCのため注意が必要です。

ボーム・ド・ヴニーズBeaumes de Venise)のVDNは、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ(Muscat de Beaumes de Venise)という名で1945年からのAOCです。赤のボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes de Venise)が単独のAOCとなったのが2005年とずっと後です。それまでは赤を出してもAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(AOC Côtes-du-Rhône Villages)だったわけです。

ラストーRasteau)は、1944年からVDNのAOCとしてAOCラストーが存在しています。赤はAOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ラストー(AOC Côtes-du-Rhône Villages Rasteau)だったものが2010年に単独AOCラストーに昇格しました。ここは同じAOCラストーの名前なので要注意。

少々脱線しましたが、ヴァンソブルにズームインです。
Perrin02
ヴォークリューズ県(Vaucluse)に挟まれたドローム県(Drôme)にあります。今日のワイン名が「レ・コルニュ(Les Cornuds)」なので探してみたら小さな集落がありました。このあたりの畑からなんでしょうね。


INAOの地図で AOC Côtes du Rhône Côtes du Rhône Villages の範囲の違いを確認。
Bouchene03
AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)まで包含していることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。地図にある95のコミューンが該当するそうです。

前から何度か使っているこの地図で AOC Côtes du Rhône Villages 関連をおさらいします。
Rhone_Sud_B
AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ対象の95のコミューンの内、25のコミューンは16のエリアに分かれ「Villages」のあとに地名を名乗ることができます。その16の地名がこの地図の右側に書いてあります。この地図では18ありますが、2010年単独AOC昇格のラストー(Rasteau)と2016年昇格のケランヌ(Cairannne)が抜けて現在は16となっています。列記しましょう。

・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan

以上、16あります。ああ、しんど。将来、またこの中から単独AOCに昇格していくんでしょうかね。また、Côtes du Ventoux、Côtes du Luberonが、2009年にそれぞれAOC Ventoux、AOC Luberonに改称され、2010年には Coteaux du Tricastin も Grignan-les-Adhémar に改称されているのもついでにチェックです。

最後に「AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュいち抜けた組」を時系列でまとめます。

1971年 AOC ジゴンダス(AOC Gigondas)
1990年 AOC ヴァケラス(AOC Vacqueyras)← Côtes-du-Rhône-Villages Vacqueyras
2005年 AOC ボーム・ド・ヴニーズ(AOC Beaumes de Venise)
2006年 AOC ヴァンソブル(AOC Vinsobres)
2010年 AOC ラストー(AOC Rasteau)← Côtes-du-Rhône-Villages Rasteau
2016年 AOC ケランヌ(AOC Cairanne)← Côtes-du-Rhône-Villages Cairanne


エチケット平面化画像。
IMG_4744
ネックのミレジムのシールは平面化が大変です。


さあ、抜栓。
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コルクは「Famille Perrin」2回繰り返しだけなので平面化は割愛。

Alc.14.5%。(pH:4.37、Brix:8.0)
濃いガーネット。
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黒ベリー、チェリー、コショウ、シダ。
旨味感じる辛口アタック。
複雑味、コク、いいですね。うまいローヌ感むんむん。
フレッシュさを表現する柔らかな酸も隠し味で効いてます。
タンニンは感じないほどで、淡く薄くふわっと広がります。
余韻はさすがに軽めながら、じんわり楽しめました。

ヴァンソブル、いいじゃないですか。
ヴィラージュ昇格組はどこもおいしいという法則できました。


*****

Famille Perrin
Vinsobres Les Cornuds 2017
RRWポイント 94点


Les Mastels Réserve 2018 AOC Languedoc Saint-Saturnin

Saint-Saturnin Coteaux-du-Languedoc AOP なんてエチケットに書かれていますが、裏ラベルではちゃんと Languedoc Saint-Saturnin AOP となってます。AOC Coteaux-du-Languedoc というのは2007年に AOC Languedoc に名称変更され、旧名称は2012年までは併用可だったと記憶しています。2018年に使っちゃダメですよね。旧ラベルが余ってたのかな?(笑)ここらへんも後でおさらいします。しかし、このワインのチョイスはお勉強用ではありませんで、いわゆるワインくじのハズレであります。年末年始、やはり縁起ものですから、ちょこちょこ手を出してしまいました。しばらくこういうハズレ消費が続くかもしれません…。(笑)

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作り手は「Fonjoya」と名乗ってますが、70年以上の歴史のある2つの協同組合が2018年末に合併したものです。ひとつはサン・サトゥルマン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」と、もうひとつがサン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町の「Caveau de Saint Félix」です。
「Fonjoya」のネーミングは、ラングドック方言(オック語の一種)の「Font(泉)」+「Joia(喜び)」の造語だそうです。「ラングドック(Langue d'oc)」自体が「オック語」っていう意味ですからね。

公式ページは合併した時に立派なのを作ったんでしょうね。よく出来ています。

ただし、今日ワインずばりが載っていません。AOC Languedoc Saint-Saturnin のものがいくつかラインアップされてるのでそのうちのどれかなんだと思います。この手の作り手のラベルデザインや名称はコロコロ変わりますからね。ラングドック・ペイドックあるある。
このワインを引いたくじはリカマンのものでしたので、リカマンのデータを見ると…。
・メルロー 91%
・カベフラン 8%
・マルベック 1%
なんて、まことしやかに書いてますが、これはありえません。
AOC Languedoc Saint-Saturnin の規定(他の Languedoc~や Saint-Chinian~なんかも大体同じです。)によるとこうなります。

・グルナッシュ、ムールヴェードル、シラーの主要3品種(GMS)で60%以上。
(Lladoner Pelut=Garnacha Peludaを加えた4種とするAOCも多いです。)
・ムールヴェードル、シラーは単独または合わせて25%以上。
・1品種が75%を超えないこと。
・補助品種はカリニャン、サンソー。
・カリニャンを含む場合、グルナッシュは20%以上。
・サンソーは30%を超えないこと。

この規定、矛盾なく成立するのか不安になるぐらい複雑ですが、カベソーやメルローなどの人気の国際品種を使うとAOCが名乗れず、すぐにIGPペイドックになってしまうのが理解できます。
よって、リカマンの情報はまったくの出鱈目ということになります。ネット情報では今日のワイン、比率は不明なれど Grenache、Syrah、Carignan、Mourvèdre から成るとありました。上の規定と照らし合わせると…やっぱり比率はわかりません。(笑)


恒例の作り手訪問。サン・サトゥルマン・ド・リュシアン(Saint-Saturnin-de-Lucian)の町の「Cave de Saint-Saturnin」の方から。市街地すぐ横のかなり大きな施設。
Fonjoya01
こちらが元々 AOC Languedoc Saint-Saturnin の範囲内にあり、今日のワインもこちらで醸してると思われます。

ついでなので、合併の相手であるサン・フェリックス・ド・ロデ(Saint-Félix-de-Lodez)の町の「Caveau de Saint Félix」の方にも行ってみます。車で10分ほどの距離ですね。
Fonjoya02
こちらは AOC Languedoc Saint-Saturnin の範囲を外れますので、AOC Terrasses-du-Larzac
 という広域のAOCが主力になっているようです。AOC Languedoc Saint-Saturnin は、このAOC Terrasses-du-Larzac に内包される関係にあります。

どういうことかというと、こういうことです。遂に完成した「ラングドック・ルシヨン Google Map 転記地図」で確認してみましょう。Fonjoyaの場所に印をつけています。
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念願のラングドック・ルシヨン網羅をしていますから、地図がデカすぎますね。

地図上部(ニーム~モンペリエ~ベジエ~ナルボンヌ)を拡大して見ます。
Fonjoya001
AOC Languedoc Saint-Saturnin が AOC Terrasses-du-Larzac に内包される関係わかりましたでしょうか。AOC Terrasses-du-Larzac って飛び地みたいのがあって結構広範囲ですね。

INAOの地図が色付きでわかりやすいです。「ラングドック~なんちゃら」に絞った地図です。
Fonjoya002
AOC Terrasses-du-Larzac は緑色の部分。AOC Languedoc Saint-Saturnin は8番です。Google Mapは自作ですから自分はわかりやすいのですが、普通の方々はこのINAOの地図の方が見やすいんでしょうね。(笑)

しかし、ラングドックのAOCはたくさんあって、なかなか一筋縄ではいきませんね。Coteaux-du-Languedoc → Languedoc のような名称変更もするし…。
ラングドック・ワインの公式ページなるものがあって、そこにはこれらAOCを以下のように分類していました。わかるようなわからないような微妙な感じですが、我が「ラングドック・ルシヨン Google Map 転記地図」と照らし合わせてお楽しみください。(笑)

<Crus du Languedoc>
・AOC Corbières-Boutenac
・AOC La Clape
・AOC Minervois-La Livinière
・AOC Pic-Saint-Loup
AOC Terrasses-du-Larzac

<Grands Vins du Languedoc>
・AOC Cabardès
・AOC Clairette-du-Languedoc
・AOC Corbières
・AOC Faugères
・AOC Fitou
・AOC Limoux
・AOC Malepère
・AOC Minervois
・AOC Muscat-de-Frontignan
・AOC Muscat-de-Lunel
・AOC Muscat-de-Mireval
・AOC Muscat-de-Saint-Jean-de-Minervois
・AOC Picpoul-de-Pinet
・AOC Saint-Chinian

<Appellation Régionale>
・AOC Languedoc

<Dénominations Régionales>
・AOC Languedoc Cabrières
・AOC Languedoc Grès de Montpellier
・AOC Languedoc La Méjanelle
・AOC Languedoc Montpeyroux
・AOC Languedoc Pézenas
・AOC Languedoc Quatourze
・AOC Languedoc Saint-Christol
・AOC Languedoc Saint-Drézéry
・AOC Languedoc Saint-Georges-d'Orques
AOC Languedoc Saint-Saturnin
・AOC Languedoc Sommières
・AOC Saint-Chinian Berlou
・AOC Saint-Chinian Roquebrun


今日の「Fonjoya」の公式ページに自分のところのテロワールのイメージ図がありました。あまりにもザクっとしてて笑えましたが、それでいてわかりやすいのでここに貼っておきます。
Fonjoya05
複雑な土壌から構成され、自ら「テロワールのモザイク」と評しています。畑は高度200~350mの南向き斜面に広がり、Mont Baudille 山 (標高848m) と Rocher des Vierges 山 (標高536m) に端を発し高原に浸透した地下水が供給する水源や河川の恩恵があるそうです。

それぞれのAOCを代表する風景も載ってましたので拝借しました。
Fonjoya03

これも、AOC Terrasses-du-Larzac の写真だそうで。
Fonjoya04
テロワールのイラストと合わせて「ええ感じ」なのはよくわかりました。(笑)


エチケット平面化画像。
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謎なのは、表に Coteaux-du-Languedoc Saint-Saturnin AOP なんて旧名称で書かれ、裏ラベルではちゃんと Languedoc Saint-Saturnin AOP となっていることです。ミレジム表示は裏ラベルにしかないので、おそらくこの表ラベルは旧デザインの在庫がたくさんあったんだと邪推します。日本に売るなら構わないだろうってことでしょう。(笑)

インポーターシールは剥がしましたが、こうなってました。
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遠慮して貼ったんでしょうが、作り手の名前と、こともあろうかミレジムを隠しています。
アウトです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シンボルマークは「6」に見えますが、たぶん「F」と「J」なんだと思われ。

Alc.13%。(pH:4.47、Brix:7.4)
濃いガーネット。
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ブラックベリー、チェリー。
辛口アタック。
軽いです。
ワンコインほどではないですが、ひたすら軽い。
樽感なんかは期待していませんが、
嫌味な酸や雑味なんかも見当たらず、ただただ平凡。
タンニン分が薄っすらと収斂性を与えてくれるのが救いです。
水っぽいんですが飲みやすくはあります。

たぶん現地じゃ5ユーロくらいだと思います。
ワインくじのハズレとは言え、通常価格2000円はいかがなもんでしょう。


*****

Fonjoya Delta
Les Mastels Réserve 2018
AOC Languedoc Saint-Saturnin
RRWポイント 82点


Château Beauchêne Côtes du Rhône Premier Terroir 2017

シャトー・ボーシェーヌ(Château Beauchêne)というシャトー ヌフ・デュ・パプとコート・デュ・ローヌを作る南部ローヌの作り手ですが、前に Grande Réserve というのを試しています。ラインナップ上はローレンジでしたが、RRWポイントは92点と(笑)なかなかおいしかったので、もう少し上のレンジも試してみたいなと思っていました。というわけで、黒ラベルの「プルミエ・テロワール」なんて名前のついた少し上のレンジをお試しです。Grande Réserve の希望小売価格9.9ユーロに対し、Premier Terroir は12.95ユーロ。3割増しでおいしいはずです。(笑)


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17世紀からこの地に住むベルナール家が1794年に畑を入手しシャトー・ボーシェーヌの歴史が始まります。1971年現当主ミシェル・ベルナールさんの代になり家族経営でさらに拡大・発展させてるんだそうです。

公式ページは少々ショボめですが、ワイン情報はしっかりしてます。

セパージュは、グラン・レゼルヴがシラー・グルナッシュが均等に入っていましたが、このプルミエ・テロワールはがっつりグルナッシュ主体です。
・グルナッシュ 70%
・シラー 25%
・ムールヴェードル 5%
樹齢も30~50年だったものから、AOC Châteauneuf-du-Pape に隣接するという30~100年もの古木になっていて、期待が高まりますね。熟成も、フレンチオーク樽で6〜12ヶ月の部分熟成となっていて、全量ではなさそうですがしっかり樽熟成しています。


シャトー訪問。ストビューで近づけないのでアップされてた写真を拝借。
Beauchene01
敷地内もきれいに整備されてます。エチケットのイラスト通りの建物です。

位置関係をローヌ南部のAOCと共に確認します。シャトー・ボーシェーヌはオランジュ(Orange)の町のすぐ北側。オランジュ市街からも車で10分ほどの距離です。
Bouchene01
シャトー・ボーシェーヌは Châteauneuf du Pape、Côtes du Rhône、同Villagesに合計70haの畑を所有しています。他のAOCはありません。

INAOの地図でAOC Côtes du RhôneAOC Côtes du Rhône Villagesの範囲を確認します。
Bouchene03
AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌVallée du Rhône Nord / Septentrional)までかかっていることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌVallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。地図にある95のコミューンが該当するそうです。

前から何度か使っているこの地図でAOC Côtes du Rhône Villages関連を深掘りします。
Bouchene02
AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ対象の95のコミューンの内、25のコミューンは16のエリアに分かれ「Villages」のあとに地名を名乗ることができます。その16の地名がこの地図の右側に書いてあります。18ありますが、2010年単独AOC昇格のラストーRasteau)や2016年昇格のケランヌCairannne)が抜けて現在は16となっています。列記しましょう。
・Côtes-du-Rhône-Villages Chusclan
・Côtes-du-Rhône-Villages Laudun
・Côtes-du-Rhône-Villages Massif-d'Uchaux
・Côtes-du-Rhône-Villages Plan-de-Dieu
・Côtes-du-Rhône-Villages Puyméras
・Côtes-du-Rhône-Villages Roaix
・Côtes-du-Rhône-Villages Rochegude
・Côtes-du-Rhône-Villages Rousset-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Sablet
・Côtes-du-Rhône-Villages Séguret
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Gervais
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Maurice sur Eygues
・Côtes-du-Rhône-Villages Saint-Pantaléon-les-Vignes
・Côtes-du-Rhône-Villages Signargues
・Côtes-du-Rhône-Villages Valréas
・Côtes-du-Rhône-Villages Visan
以上、16あります。ああ、しんど。将来、またこの中から単独AOCに昇格していくんでしょうかね。また、Côtes du Ventoux、Côtes du Luberonが、2009年にそれぞれAOC VentouxAOC Luberonに改称されているのもついでにチェックです。


エチケット平面化画像。
IMG_3714
下位レンジ、グランド・レゼルヴの色違い黒バージョン。高級感あります。


さあ、抜栓。
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キャップシールに紋章。ボトルの浮き彫りと同じ紋章ですね。

コルク平面化。
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集成コルクながら、横にミレジム入り、シャトーのイラスト、よくできています。

Alc.14.5%。(pH:4.46、Brix:7.7)
濃いインキーなガーネット。
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黒ベリー、チェリー、スパイス。
辛口アタック。
酸がほどよく効いています。
果実味〜と感じていい具合です。
構造感のしっかりの味わいは期待通りです。
タンニンはごくかすかながら、
喉越しと余韻にいい苦味様の味わいを加えてくれます。

うん、とてもおいしいではありましたが、
3割増しというほどではなかったかな。(笑)


*****


Château Beauchêne
Côtes du Rhône
Premier Terroir 2017
RRWポイント 92点


Celler Piñol Raig de Raïm 2018 Garnatxa Blanca

スペイン・ワインのコーナーで、これでもかとカタルーニャ語が躍るラベルを発見。解説もスペイン語よりカタルーニャ語の方が先に書いてます。やはりカタルーニャ人は主張が強いな~。(笑)「Garnatxa Blanca」はガルナチャ・ブランカ(グルナッシュ・ブラン)でしょうね。この品種主体のはシャトーヌフ・デュ・パプの白を試した時以来ですね。お試ししてみましょう。


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サジェ・ピニョル(Celler Piñol)は1945年創業の家族経営ワイナリー。1995年から高品質なワインを自社詰めでリリースし高評価を得ているようです。


公式ページは今風でカッコいいですが、内容は簡潔であっさり目かな。
CP0
アメリカ式にショップ兼用となっていて、今日のワインも最新ヴィンテージの2019年しか載っていません。インポーターのモトックスの情報を交えながら…。
・ガルナチャ・ブランカ 90%
・マカベオ 10%
ステンレスタンクで発酵。熟成はインポーター情報ではシュールリーで1ヶ月となっていますが、公式ページには「熟成:なし」とはっきり書いています。(笑)

さあ、ガルナチャ・ブランカ(Garnacha Blanca)です。スペイン原産のガルナチャ、いわゆるガルナチャ・ティンタ(Garnacha Tinta)、グルナッシュ・ノワール(Grenache Noir)の色変異種です。しかし、突然変異とはいえ見事な「白」ブドウになるもんですね。
GrenacheBlanc
同じくグルナッシュ・ノワールから突然変異で生まれたグルナッシュ・グリ(Grenache Gris)という果皮がピンク・グレーのものもあります。シャトーヌフ・デュ・パプAOCではこれら3つをグルナッシュ1種と数え、合計13種のブドウが使用可でしたね。なので、ごく少ないですがシャトーヌフにはもあるわけです。

10%しか入ってませんでしたが、マカベオ(Macabeo)も見ておきましょう。
Macabeu
アイレン(Airén)に次いでスペインで2番目に多く栽培される白ブドウです。リオハではビウラ(Viura)と呼ばれます。シャレッロ(Xarel·lo)やパレジャーダ(Parellada)と共にスペインの泡、カバ(Cava)の基本品種でしたね。


さて、恒例ですがワイナリーを訪問しておきます。
CP1
所在はカタルーニャ州タラゴナ県にあるバテアというところ。バルセロナから海岸沿いのタラゴナの町まで車で1時間。そこからさらに1時間のカタルーニャ州の西の端って感じです。上がってる写真を見ると、この地下に立派なセラーがあるようですよ。「Celler」(サジェと発音するようです。)はカタルニア語でセラー(英語:Cellar)の意味なんですが、スペイン語ではこれに当たる単語がなさそうですね。Cava とか Bodega になるのかな。


今日のワインの DO Terra Alta をGoogle Map上で示そうと思いましたが、DO Terra Alta の公式ページというのを発見。そこにいい感じの地図がいろいろ載ってましたので拝借します。(笑)
Terra_Alta0
なんと域内のワイナリーの所在も示してあります。Celler Piñol は見つかりましたか?それぞれのワイナリーのテイスティングツアーの受け入れ情報が書いてあるようですね。ゴイゴイスー。

手抜きついでにこの地図も参考になるので貼っておきます。
Terra_Alta2
DO Terra Alta がカタルーニャ州のどの辺りかというのがわかります。

そうそう、近隣のDOとの位置関係も大事。これで確認しておきます。
Terra_Alta1
バルセロナから西の方に、DOペネデスやDOCaプリオラートが続きます。その先にあるのがDOテラ・アルタって感じでしょうか。カタルーニャ州の西の端ですが、がっつりカタルーニャ語を使うこともわかりました。(笑)

実は上の地図は、カタルーニャ州のすべてのDOを書き込んでいません。
Catalunya
その他のDOはこんなのがあるってことだけ見ておきましょう。(↑)


ラベル平面化画像。
IMG_4081
「Raig de Raïm」というワイン名、これもカタルーニャ語でして、英語で「Ray of Grape」(ブドウの光線)という意味です。同じシリーズでガルナチャ・ティンタ(Garnacha Tinta)の赤ワインもあります。こちらをパーカーおじさんも褒めてるようですね。


さあ、抜栓。
IMG_4126
キャップシールにはPにニョロニョロのシンボルマーク入り。

コルク平面化。
IMG_4127
ワイナリー名の繰り返し。ミレジム入れましょうよ。早飲みだからいいのかな?

Alc.13.5%。(pH:3.82、Brix:6.5)
明るいゴールドイエロー。
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リンゴ、梨、ハーブ、ペトロールっぽくも感じます。
辛口アタック。
オイリーな舌触り。
白い果実の味わいです。
ミネラル感か苦味か、奥行きを出す要素はありますね。
しっかり濃い目の味は安っぽくなくていいです。
やはり、元はグルナッシュってことなんでしょうか。


*****


Celler Piñol
Raig de Raïm 2018
Garnatxa Blanca
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Domaine La Ligière Vacqueyras 2019

またまたコストコのワインですが、南部ローヌの作り手らしく、同じ作り手のジゴンダスとヴァケラスとコート・デュ・ローヌの3種類が置いてました。価格的にも松竹梅な感じだったので、なんとなく真ん中の「竹」を選びました。(笑)つまり、ヴァケラス。そう言えば前に試したヴァケラスもコストコのワインだったのを思い出しました。


IMG_4014
Vignobles Famille Bernard という家族経営の作り手で、南部ローヌのボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes-de-Venise)にて1896年から農業を営み、1950年にブドウ栽培に完全に切り替え、現在に至ります。Domaine La Ligière として自社詰めの最初のリリースが2008年といいますから、新しいんだか古いんだか微妙ですが、現在は60haの畑から6つのアペラシオンのワインを送り出しているそうです。


公式ページは今風のいい感じですが、農場や宿泊施設の紹介と同居していて見にくし。

ワイン情報も探すのに難儀しましたが、データシートらしきものはありました。
ただ、内容がショボショボなのと、今ひとつ今日のワインと同じなのかが微妙です。
FicheTechnique
というのも、この写真のラベルを見ると、VACQUEYRASの下に畑名らしい表示がありますが、コストコでゲットしたものにはありません。おそらくコストコ用の別バージョンになるんでしょうね。ただ、AOCヴァケラスには変わりがないので、データもこれと大差はないと考えておきましょう。
・グルナッシュ 70%(樹齢50年)
・シラー 30%(樹齢20年)
手摘みによる選別収穫、除梗なし、天然酵母使用、30%だけ8ヶ月の樽熟成。清澄・ろ過なし、亜硫酸添加極少。と、こだわりの自然派な作りになっているようです。ユーロリーフのマークつきのビオワインですもんね。


作り手訪問。住所はやはりボーム・ド・ヴニーズ(Beaumes-de-Venise)です。
DomLagirier01
ただし、ほぼヴァケラスとの境界に近い所です。ここはAOCボーム・ド・ヴニーズもジゴンダスもやってますが、主力がAOCヴァケラスなのも頷けます。

南部ローヌを俯瞰して、他AOCとの位置関係を把握しましょう。
DomLagirier02
作り手の所在も書き込みましたが、ヴァケラス、ボーム・ド・ヴニーズ、ジゴンダスの中間くらいに位置していい感じですね。このあたりのAOCは1937年に Côtes du Rhône から出発し、ヴァケラス(AOC Vacqueyras)で言うと1955年に Côtes du Rhône Villages に昇格し、1967年に村名「Vacqueyras」を付けて名乗れるようになり、1990年に晴れて単独AOCを獲得するに至ります。このあたりはこのような出世魚のようなAOCが多いです。(笑)
因みに、AOC Beaumes-de-Venise も、2005年に Côtes du Rhone Villages Beaumes-de-Venise から単独AOCに昇格していますが、赤・白・ロゼが認められるヴァケラスと違い、赤のみのAOCになります。これは、この地域が1945年の前から AOC Muscat de Beaumes-de-Venise としてヴァン・ドゥ・ナチュレル(VDN、天然甘口ワイン)のAOCだったからかもしれません。


エチケット平面化画像。
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やっぱり、VACQUEYRASの下の不自然なスペース、気になるなぁ。(笑)
ありゃ?裏ラベルにムールヴェードルも入ってるようなことが書いてますね。う~ん、やはりコストコ特別ブレンドなんでしょうかね。
因みに、AOCヴァケラスのセパージュはこういう規定になってます。
<赤> グルナッシュ50%以上にシラーとムールヴェードル(合わせて20%以上)をブレンド。
<白> Grenache Blanc、Clairette、Bourboulenc、Marsanne、Roussanne、Viognier が使用可。ただし、どの品種も単独で80%を超えてはいけません。
<ロゼ> グルナッシュ60%以上にムールヴェードルとサンソー(単独もしくは合わせて15%以上)をブレンド。


さあ、抜栓。
IMG_4010
うん、まあ、汎用品ですね。

コルク平面化。
IMG_4011
Mise en Bouteille à la Propriété(所有者元詰め)表示のみ。

Alc.14.5%。(pH:4.32、Brix:8.0)
ガーネット。
IMG_4012

カシス、ブルーベリー、スパイス、青くさメトキシピラジン。
辛口アタック。
まろやかな味のかたまりは厚みも感じます。
果実味という酸がうまく効いてます。
少し薬っぽい風味が減点ながら、
シルキーなタンニンが導入部になり、
余韻もしっかりいいバランスが続き満足感が残ります。
1500円しないお手頃価格ですから、なかなか偉いワインです。


*****


Vignobles Famille Bernard
Domaine La Ligière
Vacqueyras 2019
RRWポイント 92点


Jeanne Delépine AOP Luberon 2019 by Michel Chapoutier

やまやで見つけた、お手頃 AOP(Appellation d'Origine Protégée)リュベロン。
昔、感動の旅をしたリュベロン。ついつい名前に惹かれてしまいます。(笑)
ジャンヌ・デレパン? 初めて見ますが「by Michel Chapoutier」の文字を発見。
シャプティエなら大ハズレはないでしょう。(笑)


IMG_3557
「Jeanne Delépine」というブランドをネットで調べますがヒットせず。
ラベルにURLも書いておらず、お手上げです。これは困りました。

シャプティエの公式ページも見てみますが、やはり載ってません。

AOCリュベロンなら、La Ciboise AOC Luberon というのがあるのみです。
参考にこのワインの情報を参照すると…
・グルナッシュ
・シラー
いつもながら比率は不明。コンクリートタンクで6ヶ月の熟成です。


AOC Luberon は、1988年に「Côtes du Luberon」としてAOC認定を受けますが、
2009年に「AOC Luberon」のみに改称されたんでしたね。
AOCの総本山、I.N.A.O.(Institut National des Appellations d'Origine)のサイトで、
AOCリュベロンの規定を確認しておきましょう。
AOC Luberon は、赤・白・ロゼがありますが、赤の規定だけ書いておきます。

 ・グルナッシュとシラーで60%以上。
 ・シラーは最低10%は入れないとダメ。
 ・サンソーとカリニャンはそれぞれ20%を超えてはダメ。

今日のワインもグルナッシュ主体にシラーのブレンドってことでしょうね。


さて、
これで終わってしまうとつまらないので、リュベロンについて考えてみます。
前にも書きましたが、個人的にリュベロンがローヌなのに納得がいきません。
ローヌ川の支流、デュランス川(La Durance)で区分けしてるようですが…。
Luberon00
これも前に見つけた地図ですが、珍しく南部ローヌとプロヴァンスが一緒になってます。
まあ、南仏という括りでいくと、アヴィニョンあたりから南仏感バリバリです。
で、雰囲気とか文化とか、そういうもので分けるならリュベロンは絶対プロヴァンス!
と勝手に思ってるわけです。(笑)

リュベロンがローヌである一番の根拠は、たぶんこれです。
デュランス川(La Durance)までがヴォクリューズ県であること。
Vaucluse
でも、あえて言います。リュベロンはプロヴァンスと捉えるべきです。
ピーター・メイルの『南仏プロヴァンスの12ヶ月』はリュベロンが舞台です。
リドリー・スコット監督の『プロヴァンスの贈りもの』(ピーター・メイル原作!)
もそうですね。リドリー・スコットはプロヴァンスにワイナリー持ってますし…。

プロヴァンス風情の小さな村々が点在するリュベロン地方を俯瞰します。
なんと、ローヌどころか、半分がAOCヴァントゥーのエリアにあります。
Luberon_mem01
これは、ヴァントゥーとリュベロンの境をカラヴォン川にしているためです。
実際リュベロン地方は、南側のリュベロン山脈(Massif du Luberon)と
北側のヴァントゥー山から続く山塊とに囲まれた盆地のようなところです。
真ん中に流れる川で分断してはいけませんね。

リュベロンを旅行した時、一番印象に残ってるのがグルトという小さな村。
ゴルドやルシヨンなど有名どころの集落の方が立体的で見栄えがするんですが、
そんなに有名でない小さな村がかえっていい雰囲気なんですよね。
そこにあるレストランも小さくてかわいらしく、夕暮れにロゼと共に食事…。
Luberon_mem02
これぞプロヴァンスなのであります…。(当時撮った写真をコラージュ)

参考までに、AOCリュベロンの公式サイトを貼っておきます。


そして、ローヌワインの公式サイト内にあるリュベロンのページ


このローヌのサイトにあった地図です。リュベロンはめっちゃローヌなんだそうで。
Luberon02
「プロヴァンスのめっちゃええところ」とご自慢のようです。おい!(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_3547
これ以上の情報がなく残念。


さあ、スクリュー回転。
IMG_3554
当然ながらの無印キャップ。

Alc.14%。(pH:4.04、Brix:6.9)
紫が若々しいガーネット。
IMG_3556

チェリー、カシス、酸味を感じる香りです。
辛口アタック。
言うほどの酸味はなく、ひとまず安心。
軽めの味の芯は仕方がないとして、バランスは悪くないです。
余韻は、軽さと酸味を再確認しながら、やはり早めに店じまい。

特筆すべきものはないんですが、
まあまあイケてるデイリーワインって感じで。(笑)


*****


Jeanne Delépine
AOP Luberon 2019
by Michel Chapoutier
RRWポイント 87点


Château Pesquié Le Paradou Grenache 2015

前回に続きAOCヴァントゥー(Ventoux)のパイオニア、シャトー・ペスキエ。
セカンドブランド的なお手頃ライン Le Paradou シリーズのグルナッシュです。
このシリーズは次世代を担う当主ポールさんの2人の息子が担当してるそうです。
(2003年から実質この2人がシャトー運営してるそう。パパはオーナーかな。)


IMG_3503
2人の息子(アレクサンドル&フレデリックさん)はこのプロジェクトを、
ヴァントゥーの南、リュベロンで始めたそうですが、AOC Luberon ではなく、
AOC表示のない Vin de France(2010年までの Vin de Table カテゴリー)
のワインとしています。一部はラングドックからのブドウも使っているようで、
AOC表示できないのは必然ではあるようですが、品質とコスパに特化し、
逆にAOCの威厳に頼らないワイン造りをしているということです。


公式ページはこれですが「Le Paradou」シリーズは載ってません。

「Le Paradou」シリーズは別サイトになってます。Winesページにリンクはあります。
前回の上級キュヴェのカンテサンス(Quintessence)はシラー主体でしたが、これは、
・グルナッシュ 100%
となってます。ステンレスとコンクリートのタンクで醸造、樽はまったくなしです。

パーカーおじさんは概ね高評価で、残念ながら今日の2015のデータはないんですが、
・2012 PP90
・2013 PP88
・2014 PP88
・2015 データなし
・2016 PP90
と、こんな感じなので、穴埋め問題だとしたら 2015 は88点か90点ですね。(笑)


Alexandre & Frédéric 兄弟は Famille Chaudière という名前で連絡先があり、
シャトー・ペスキエと同一なので、拠点は同じところなのでしょう。
Pesquie01
よく見ると Famille Chaudière という小さな看板が、
Château Pesquié の大きな看板の前に上がっています。


シャトーの位置を示した南北ローヌ特大地図も再掲しておきましょう。
Pesquie0A
今日のワインは Vin de France で、Ventoux は関係ないようですが、
グルナッシュのモノセパージュですし、ローヌ、ラングドックなど、
南フランスのテロワールは感じさせるはずです。

フランスのワイン産地全図(シンプル版)も上げておきましょう。
IMG_3313
上の南北ローヌ特大地図の範囲を赤い四角で示しました。


エチケット平面化画像。
IMG_3314
表には「Paradou」の意味の解説あり。このページに詳しく書いてます。


さあ、スクリュー回転。
IMG_3502
無印。

Alc.13.5%。(pH:4.04、Brix:6.5)
濃いガーネット。粘性の涙。
IMG_3504

カシス、黒糖、酸味っぽい香りも。
辛口アタック。
やはり早飲みテーブルワインの風情ですが、
そこそこ厚みのある味はなかなかです。
甘み、酸、タンニン分、それぞれ存在を確認できますが、
絶妙なハーモニーを成立させている気がします。
余韻ではさすがに愛想がなくなるかな。

このレンジに複雑味を求めるのは酷かな?
これが本来のグルナッシュの味ってことだと思います。


*****


Château Pesquié
Le Paradou Grenache 2015
RRWポイント 87点


Delas Ventoux 2018

ドゥラス(Delas)のAOCヴァントゥー(Ventoux)です。
ローヌのAOCはいろいろクリアしてきましたがヴァントゥーはまだでした。
コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)の表記も見かけますが、
2009年にヴァントゥー(Ventoux)のみに改名されてます。
南ローヌですから、グルナッシュ主体でしょうね。楽しみ~。


IMG_2973
ドゥラスは創設が1835年という北ローヌ、タン・レルミタージュにある老舗。
当初は創設者2人の名を取って「Audibert et Delas」と呼んでいたそうですが、
1924年後継者のHenriとFlorentinのDelas兄弟が、Delas Frères(ドゥラス兄弟)
に改名をして、今もこれが会社名になっています。

1993年、なんとシャンパーニュのルイ・ロデレールを所有するルゾー家が、
ドゥラスを買収します。以降、ルイ・ロデレールが誇る卓越した技術と、
160年のローヌでの歴史を融合し、新たなローヌのスタイルを確立させ、
世界が注目のワイナリーへと進化を遂げているそう。(インポーター資料より…笑)


公式ページはルイ・ロデレール譲りか、おしゃれにできています。

ワイン情報もしっかり載っています。ただ、ローヌあるあるですが(笑)、
セパージュ%が載っていません。今日のも「グルナッシュ主体+シラー」とだけ。
どこかのショップサイトに「通常はこれぐらい」として載ってたのがこれ。
・グルナッシュ 80%
・シラー 20%
まあ、そんなとこでしょうね。(笑)
また、シラーは品種の特徴を生かすため、しばしば全房で仕込むとあります。
ブレンド後は空調の効いた部屋にあるステンレスタンクで6~8ヶ月熟成だそう。


タン・レルミタージュ(Tain-l'Hermitage)の街中にあるドゥラス訪問。
Ventoux00
敷地はそこそこ大きいですが、市街地なので何となく手狭そうです。


さて、
今日のワインはAOCヴァントゥー(Ventoux)なので例によって調べてみます。
前述の通り2009年コート・デュ・ヴァントゥー(Côtes du Ventoux)から改名。
(隣のAOC Luberonも同時期にAOC Côtes-du-Luberonから改名しています。)

AOC Ventouxの範囲ですが、ヴォークリューズ県(Vaucluse)の真ん中。
Ventoux02
AOC Luberonとの境はカラヴォン(Calavon)川になってますね。

え~い!結局、ネットの拾い物地図を貼って見ましょう。(笑)
Ventoux03
まだCôtes du Ventoux表記のままですね。しかし、Ventouxは広いですね。
ローヌは北と南を合わせると長いですが、それで見てもVentouxはでかい…。


さて、例によってGoogle Mapに書き込みします。
Tain-l'HermitageのDelas Frèresと今日のAOC Ventouxとの位置関係を確認。
Ventoux01
北ローヌ(Nord / Septentrional)と南ローヌ(Sud / Méridional)をカバー。
主要AOCの名前も書き込みました。あわせてご確認ください。


エチケット平面化画像。
IMG_2905
裏ラベルを隠さない、えらいインポーターシールです。


さあ、抜栓。
IMG_2969
ワイナリー名、紋章入りのキャップシールとコルク。

コルクを平面化するとこんな感じ。
IMG_2970

Alc.14.5%。(pH:3.69、Brix:7.0)
ガーネット。涙は形がありません。
IMG_2971

カシス、チェリー、黒糖、鉄。
甘みを感じますが、辛口アタック。
また、酸味とまでは感じないんですが、
フレッシュ感を出す要素がありますね。
やはりですが味は軽め。厚みは弱いんですが、
苦味様の複雑味が出てきていい具合になってきます。
余韻もタンニン成分をはっきり感じながら、しっかり楽しめます。

2015年と2017年にパーカーおじさんは90点をつけています。
なるほど、そこそこうまい、そんな感じです。


*****


Delas Frères
Ventoux 2018
RRWポイント 91点


E.Guigal Châteauneuf-du-Pape 2013

ある意味オーソドックスなギガルのシャトーヌフ・デュ・パプをいただきます。
このブログを始めてからでも2007年を試してますので今日のは2回目ですね。
どこの産地でも間違いない大手があるっていいですね。シャプティエなんかもいい。
無名なの含めいろんな作り手を試そうと常々思っていますが、たまには大手。(笑)


IMG_0073
ただ、ギガルのこのLa Collectionというシリーズ、ラベルデザインが野暮ったい。
ひと目でギガルとわかるからいいんでしょうが、色どりといい少々古くさい気が…。


公式ページは何気にリニューアルされてました。トップページはChâteau d’Ampius。
コート・ロティのローヌ川沿いに佇む古城を1995年にギガルが取得しました。

ワイン詳細がミレジム毎にちゃんと載っています。今日のセパージュは…
・グルナッシュ 70%
・ムールヴェードル 15%
・シラー 10%
・その他 5%
出ました「その他」。シャトーヌフではよくありますね。「不明」なんでしょうか。
オークの大樽(foudre)で2年の熟成です。

AOCシャトーヌフ・デュ・パプは13種類のブドウを使っていいのですが、
その13種の名前を以下に挙げておきます。

1)グルナッシュ:Grenache (Noir, Gris, Blanc)(黒・グリ・白)
2)シラー:Syrah(黒)
3)ムールヴェードル:Mourvèdre(黒)
4)サンソー:Cinsault(黒)
5)クレレット:Clairette (blanche, rose)(白・ローズ)
6)ヴァカレーズ:Vaccarèse(黒)
7)ブールブラン:Bourboulenc(白)
8)ルーサンヌ:Roussanne(白)
9)クノワーズ:Counoise(黒)
10)ミュスカルダン:Muscardin(黒)
11)ピクプール:Picpoul (blanc, gris, noir)(黒・グリ・白)
12)ピカルダン:Picardan(白)
13)テレ・ノワール:Terret noir(黒)

グルナッシュやピクプールは黒(Noir)も白(Blanc)も1種類で数えられてます。
このAOCの規定は、赤でも、白でも、何%でもいいというゆるゆるな感じですが、
これら以外、ローヌならありそうなヴィオニエやマルサンヌを使うとアウトです。
以上でわかるようにAOCシャトーヌフ・デュ・パプには少量ながらもあります。


再訪ですが、作り手訪問。コート・ロティのあるアンピュイ(Ampuis)です。
guigale0
こうなると、もう町ごとギガルって感じです。(笑)

位置関係を北部ローヌの地図で確認します。
guigale1
コート・ロティにギガルあり。ただ、今日試すのは南部ローヌのシャトーヌフです。

南部ローヌの地図でシャトーヌフ・デュ・パプ他を見ておきましょう。
guigale2
ギガルは南部ローヌは本拠地ではないのですが、ローヌ全体をカバーしつつ、
シャトーヌフなんかへのこだわりはあったんでしょう。なぜなら…

シャトーヌフ・デュ・パプにあるChâteau de Nalysというシャトーを2017年に取得します。

シャトーヌフには並々ならぬ思い入れがあるのか、サイトもしっかりギガル化しています。
まあ、今日のワインは2013年ですから、ここから来てることはないのですが。(笑)

ついでなので一応訪問しておきます。
guigale3
ギガルの南部ローヌの拠点ということになるのでしょうか。


エチケット平面化画像。
IMG_0059-(1)
裏ラベル下のサインの所が汚れてますが、インポーターシールの剥がし跡です。

こんな貼り方だったんですよ。
IMG_0059-(1)
バーコードを隠したかったのはわかりますが、もう少し配慮が欲しいです。


さあ、抜栓。
IMG_0068
当たり前ですが、キャップシール、コルクともギガル専用品。

コルク平面化。
IMG_0070
シャトーヌフとも書いてないし、第一ミレジムがどこにもないです。
ちょっと残念な感じ。

Alc.14.5%。
濃いめのガーネット。エッジは若干クリア。
IMG_0071

黒ベリー、ダークチェリー、スパイス。
動物的...かすかなブレタノマイセスはお約束かな。
これぐらいならいいアクセントです。
辛口アタック。
若干酸味も乗っていましたが、
すぐに厚みのしっかりした味の実体に到達。
構造感は圧倒的なのに重々しくない。
なかなかのバランス。

しかし重々しいのが欲しい時もあるんですよね。
そういう意味では期待が大きすぎたかな。


*****


E.Guigal
Châteauneuf-du-Pape 2013
RRWポイント 90点


Clos de Nit Criança 2015 DO Montsant

やまやの店頭で目を引きました。ジャケ買いならぬラベル買いの1本です。
Clos de Nit…見るからにカタルーニャ語。CrianzaじゃなくてCriançaだし。
「夜の畑」って意味です。確かに星空の下に夜の畑が広がっているデザイン。
カタルーニャとすればDOペネデスかプリオラートかと思うとDOモンサンとな。
DO Montsant、これはお試しして調べるしかないですね。(笑)


IMG_2504
この手のは当たればおいしかったりするんですが、とにかく得体が知れない。
裏ラベルにはスペイン語で「Embotellado para COFAMA Vins i Caves」と表示。
「COFAMA向けに瓶詰め」って意味ですから、COFAMAは作り手ではないですね。


COFAMA Vins i Cavesの公式ページがこちら。

一応、ワイン紹介とデータシートはありますが内容が薄い。
セパ―ジュが「Garnacha, Cariñena and Syrah」では比率不明。ネット情報では、
・グルナッシュ(ガルナチャ)40%
・カリニャン(カリニェナ)40%
・シラー 20%
のようです。当然どれもDO Montsantでは使用が認められた品種です。
赤はグルナッシュ、カリニャン、テンプラニージョ、シラー、メルロー、カベソーが可。
しかし、調べていると品種がカタルーニャ語のシノニムで書いてあり戸惑います。
グルナッシュはGarnatxa、カリニャンはCarinyena、テンプラニージョはUll de Llebre。
Ull de Llebreなんかはスペイン語で言うとOjo de Liebre、「うさぎの目」の意味です。
シノニムついでに因みにですが、カリニャンはアラゴン州やリオハではマスエロ(Mazuelo)と呼ばれます。

さて、データシートには「熟成が6ヶ月」とだけあります。
クラスが「Crianza」ですので木樽での熟成が6ヶ月以上というのがわかります。
クリアンサは出荷までにトータル2年の熟成が必要です。後は瓶で寝かします。
(リオハではクリアンサでも木樽は1年熟成が必要です。ややこしや…。)
Reserva (レセルヴァ)は3年熟成、内木樽で1年という決まりです。
Grand Reserva (グラン・レセルヴァ)は計5年熟成、内木樽が2年です。
クリアンサの下にJoven(英語でYoung)もしくはSin Crianza(英語でWithout Crianza)
というのがあって、これは樽熟成をしないタイプを指します。
今日のClos de NitというワインはCrianzaとJovenの2タイプあるようですね。

よく調べると、作っているのはCellers Unióというカタルーニャの巨大協同組合ですね。
公式ページはこれです。186もの共同組合の総元締めって感じです。

畑の総面積は4,400haをカバー、自社ワイナリーも6つ所有だそうです。

このサイトに扱いのDOを示す地図がありました。わかりやすいので貼っておきます。
Nit01
DO MontsantはDOCa Prioratをグルっと取り囲んでいますね。
この地図ではDOC Prioratと書いてますが、正しくはDOCa(Denominación 
de Origen Calificada)です。カタルーニャ語ではDOQ(Denominació
d'Origen Qualificada)ですから混同してるのかもしれません。

しかし、DO Montsantは不思議な形です。まんま「C」ですね。
Nit02
今回はそういうわけで、作り手訪問も、畑拝見も叶いませんでした。


ラベル平面化画像。
IMG_2315
しかし、なんで「夜の畑」なんだろう?…と思っていると、
昼の畑(Clos de Día)」というシリーズも出してました。(笑)


DO Montsantの認定シールは別撮りしました。
IMG_2316
DO Montsantの公式サイトもありますが、なんとカタルーニャ語のみ。


さあ、抜栓。
IMG_2500
キャップシールは専用デザイン。コルクは汎用の集成コルクです。

ネックにはこんなPOPが付いて売っていました。
IMG_2505
あまりたいした情報ではないですね。

Alc.13.5%。
エッジは若干クリアなガーネット。
IMG_2502

ブラックベリー、ダークチェリー、スパイス。
上品な樽香に感じます。
酸味が乗った辛口アタック。
味の芯はありますが酸味のせいか塩味に感じます。
嫌いな風味じゃないんですが、もう少し酸が大人しければ…。

そんなに悪くないんですが、
もう少しうまいガルナチャを知ってるだけに、評価は渋くなりますね。


*****


Clos de Nit
Criança 2015
DO Montsant
RRWポイント 86点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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