Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

メルロー

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande Réserve de la Comtesse 2011

メドック格付け第2級、ポイヤックのシャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande)です。ファーストは随分前に試してますが、本日は家飲み、順当に(笑)セカンドをお試しです。その名を「伯爵夫人のリザーヴ(Réserve de la Comtesse)」といい、その伯爵夫人の肖像もラベルにあり、ファーストの「金」の装飾に対し「銀」でコーディネートされています。どちらかというと個人的にはこっちの方の雰囲気が好みです。(笑)

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もともとシャトー・ピション・ロングヴィル(Château Pichon Longueville)と呼ばれたこのシャトーの歴史は17世紀に遡りますが、1850年に当主ジョセフ・ドゥ・ピション・ロングヴィル男爵(Baron Joseph de Pichon Longueville)の死をきっかけに相続のため分割された結果として、Château Pichon Longueville Baron(Baron=男爵)と Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande(Comtesse de Lalande=ラランド伯爵夫人)に分かれることになります。1855年の格付け時にはすでに分割されていたわけですが、両方とも2級になって良かったですね。(笑)

シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドの方は、実際は3人の姉妹が相続しており、ワイン造りに一番関心を持っていた次女がラランド伯爵に嫁いだことで、シャトー名にコンテス・ド・ラランド(ラランド伯爵夫人)をつけるに至っています。
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エチケットにも肖像があしらわれていますが、このお方がラランド伯爵夫人なんでしょうかね。(画像はシャトーの公式インスタグラムから拝借)ずいぶんおきれいな方とお見受けします。(笑)

公式ページは工事中です。2年前にファーストを試した時も工事中でした。おいおい。

公式インスタグラムに誘導していますが、写真ばかりで知りたい情報が取れません。
仕方がないのでネット情報に頼ることになります。
・カベソー 43%
・メルロー 49%
・プチヴェルド 8%
もともとメルローの比率の高いシャトーですが、2011年のセカンドは若干ですがメルローがカベソーを逆転してしまっています。普通はファーストと同じくカベフラもブレンドされているんですが、2011年はそれもなしですね。
樽熟はたぶん新樽率40%のバリックで12ヶ月と思われます。
ちなみに、パーカーおじさんは今日のワインに87点をつけています。微妙ですね…。


シャトー訪問。ポイヤックはよく行ってますから(Google Mapで)もうお馴染みです。
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シャトー道路(県道D2号線)を隔てて斜め向かいが兄弟シャトーのピション・ロングヴィル・バロン。すぐ右隣がシャトー・ラトゥールの入り口です。

公式インスタグラムは写真ばかりで大した情報はないのですが、よくよく見るとシャトー所有畑の地図が載ってました。画像は6分割だったのでつなぎ合わせるのに難儀しましたがこれです。
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ジロンド川の方面にはほとんどなく(シャトー・ラトゥールなんでしょうね。)、やはり元は一つのシャトーということで、シャトー・ピション・バロンの背後に広がっています。

例によって、これをGoogle Map上に重ねてみます。やはり臨場感が違います。(笑)
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あれれ? 一部、サン・ジュリアンにはみ出てますよ。いいのかな?

地図には十字架のついた小屋のイラストがあったので探してみました。
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ありました。これですね。ちょうどこの小屋より向こうがポイヤックです。手前側も所有畑ですが、行政区分ではサン・ジュリアンになります。しかし、きれいな畑です。遠くにシャトーも見えます。

最後にいつもの地図でポイヤックの格付けシャトーをおさらいしておきましょう。
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ポイヤックは名だたる第1級が3つもあります。第2級は元シャトー・ピション・ロングヴィルの2つですね。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみ。あとは第5級が12もあります。どれが3級か4級かとかで混乱しないので、ポイヤックは割と覚えやすいかもしれません。まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
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エチケットからはわかりませんが、シャトーは2007年に買収され、現在はあのシャンパーニュのルイ・ロデレール社長、フレデリック・ルゾーさんの所有になっています。


さあ、抜栓。
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キャップシールも銀!

コルク平面化。
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専用デザイン&横ミレジム。さすがです。

Alc.13%。(pH:4.60、Brix:7.3)
濃いガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー。
スギの樽香、黒鉛。
辛口アタック。
割と生き生きした酸は健在です。
そのせいか厚みは弱く感じます。
複雑味や繊細なテクスチャーはあるんですけどね。
弱いというより、上品という形容がいいかもしれません。
酸のおかげでしょうか、若干早めに余韻は退散。

十分おいしいんですが、重厚なポイヤックを期待すると少々肩透かしかも。
メルロー多めと無関係ではないと思うので、このシャトーの個性でしょうね。


*****

Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande
Réserve de la Comtesse 2011
Pauillac
RRWポイント 91点


L'Enchanteur de Vray Croix de Gay 2015 Pomerol

ポムロールをいただきましょう。シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)のセカンドワインではありますが、ちゃんとポムロールです(笑)。2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得したといいますからレベルは高いはずですよ。

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「2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得した」というと、前に試したラランド・ド・ポムロールのシャトー・シオラック(Château Siaurac)もそうでした。エチケットのデザインもよく似ていますが、調べると醸造はシャトー・シオラックでやってるようです。裏ラベルのURLがなんとシャトー・シオラックのもの(www.siaurac.com)でした。オーナーが同じですから、畑は違えど、実質は同じシャトーってことになりそうですね。

なので、公式ページはシオラックのものしかありません。

そして案の定、シオラックのワインしか載っていません。以下裏ラベル&ネット情報。
・メルロー 100%
新樽率15%のオーク樽で 11ヶ月の熟成です。


シャトー訪問は、シャトー・シオラック訪問ってことで。
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公式ページの空撮映像からスクショしました。Google Mapでもここが Château Vray Croix de Gay ということになってます。しかし、ラランド・ド・ポムロールもきれいですな~。

シャトー・シオラックの場所と、ラランド・ド・ポムロール、ポムロールの位置関係を確認。
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シオラックはコミューンで言うとネアック(Néac)側になります。サンテミリオン他、リブルヌ周辺もついでにおさらいおしておきましょう。

ところで、今日のシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイの畑はポムロールにあるわけでして、それは一体どこなんだってことです。Google Mapでも引っ掛かりませんし、ネット情報でもはっきりしたことが書いていません。唯一見つけた情報が「ペトリュスとトロタノワの隣の2つの砂利のパーセル」であるということです。ちょっとこれで捜索してみましょう。
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ペトリュスとトロタノワに印をつけましたが、このあたり有名シャトーがひしめき合っていて、「隣の2区画」なんて言われても特定不可能ですね。「Châteaux La Croix de Gay」というのがペトリュスの近くにあるんですが、これは別物で、このシャトー名が先に登録されたためにシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)は「Vray(e)=本当の」をつけることになったそうです。「新加勢大周」の世界ですね。(笑)


エチケット平面化画像。
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イラストには十字架と遠くにポムロール教会らしきものが見えます。ペトリュスとトロタノワの間のあたりなんでしょうね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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十字架がシンボルなのは理解しますが、そこはミレジムを打ちましょうよ。

Alc.14%。(pH:4.67、Brix:7.8)
濃いガーネット。
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ブラックベリー、ブルーベリー。
スギ、シダの樽香は上品な感じ。
酸味がクールな辛口アタック。
構造感、深み、貫禄がありますが、
フルーティな軽さも併せ持ってますね。
タンニンは大人しいくらいの穏やかさ。
余韻はあっさりですが、絶妙なバランスが奏功してます。
最後に少々残る甘みに気づきました。

とてもおいしいではありますが、
シャトー・シオラックのセカンドの方が若干上回ってました。
樽を使ってないのにね。


*****


L'Enchanteur de Vray Croix de Gay 2015
Pomerol
RRWポイント 94点


Château Le Virou Sublimus 2016 Blaye-Côtes de Bordeaux

「わ、同じワイン持ってる!」って人が全国に何十人もいらっしゃると推察します。赤ワインくじのハズレですから(笑)。通常価格は6,000円とのことですから、そんなに悪いもんじゃないんでしょうが、ハズレ消費という後ろ向きのモチベーションなので、抜栓といってもいつものワクワク感がないのはちょっと悲しいかな。いえいえ、これでおいしけりゃワインの神様の一期一会の思し召しに感謝なのであります。

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シャトー・ル・ヴィルーはブライ・コート・ド・ボルドーのアペラシオンにありますが、かつてはカトリックの修道士が所有していたといい、歴史が1640年にまで遡ります。なんだかんだあって、2013年に現所有者のピエール・ジャン・ララケ(Pierre Jean Larraqué)さんが取得し、高品質なワインを産みだしてるそうです。実は前にシャトー・ヴェルヌーというメドックのワインを試していますが、そこもこのピエール・ジャン・ララケさんの所有。なかなかおいしかったです。と言うっか、これもワインくじのハズレだったのでした。(笑)


公式ページPierre Jean Larraqué のサイト内になります。

ワイン情報はしっかりしていて、データシートも完備。
・メルロー 90%
・カベフラ 10%
右岸らしいセパージュです。熟成は400Lの樽で24ヶ月です。


シャトー訪問。ブライの町から東へ車で15分ぐらいの所。
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ストビューで近寄れなかったので、公式ページの写真を拝借。


ブライ・コート・ド・ボルドーBlaye-Côtes de BordeauxAOC(2009年制定)は前にも見ていますが、Côtes de Bordeaux が後ろにつくAOCが他にもいくつかあって、これらは肩寄せ合って「コート・ド・ボルドー軍団」を組んでいます(笑)。その、コート・ド・ボルドー軍団の公式サイトはこれ。以下の地図に示された、コート・ド・ボルドー(Côtes de Bordeaux)と名の付くAOCの合同サイトです。
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それぞれ少々離れていますが、マイナーな産地が一緒になって、名前に「ボルドー」が入るようにした、マーケティングのための結びつきという感じですね。(笑)
なんとこの軍団には日本語サイトもあります。並々ならぬマーケティング努力を感じます。

AOC Blaye Côtes de Bordeaux 単独の公式サイトというもあります。


そこには、AOC対象地域と畑の分布のわかる地図がありました。
Blaye01
INAOのサイトにも地図はなかったので、これは助かります。

これを例によってGoogle Mapに転記します。
Virou01
今日のシャトー・ル・ヴィルーの所在にも印をつけましたのでご確認を。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルにあるURLにはなぜか繋がりません。

インポーターシールは包み紙の上から貼ってました。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シンプルですがちゃんと横にミレジム入り。

Alc.15%。(pH:4.27、Brix:7.3)
濃い濃いガーネット。
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スギっぽい、きつめの樽香から来ました。
黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、鉛筆の芯。
辛口アタック。
深み、厚み、しっかりしたストラクチャーです。
舌触りはシルキーなテクスチャーを感じます。
収斂性はかすかながら喉元を心地よくくすぐる感じ。
余韻も貫禄の続き方をしてくれます。
エッ? これは素晴らしい。傑出してますね。

ハズレだとか、ブライだとか偏見はいけませんね。
全国のこのワインをお持ちの方、安心してください。(笑)


*****


Château Le Virou
Sublimus 2016
Blaye-Côtes de Bordeaux
Pierre Jean Larraqué
RRWポイント 97点


Domaine de Chevalier La Petite Lune 2015

やまやで買ったAOCボルドーのワインですが、エチケットにはドメーヌ・ド・シュヴァリエ(Domaine de Chevalier)/ ベルナール家とあり、裏ラベルを見てもドメーヌ・ド・シュヴァリエの元詰めとなっています。ドメーヌ・ド・シュヴァリエはペサック・レオニャンのグラーヴ格付けシャトーで、赤・白共に格付けされている6シャトーのひとつです。AOCボルドーですから、サードワインかそれ以下だと思いますが、デザイン含めなんとなく気合が入ってそうです。試してみましょう。


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ドメーヌ・ド・シュヴァリエは1953年にグラーヴの格付けをされているわけですから昔から評価が高かったことは想像できます。1983年に大手酒造メーカーを所有していたベルナール家がここを取得します。現当主のオリヴィエ・ベルナール氏というのがかなりのやり手のようで、ボルドー最大の生産者協会組織であるUGCB(ユニオン・デ・グラン・クリュ・ボルドー)の会長でもあるそうです。以下の画像を見てください。今日のワインを仕掛けたのもこのお方のようですよ。

ボトルのネックについていたPOPです。(開いて撮影しています。)
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ネット情報も加味して要約すると(笑)、オリヴィエ・ベルナール氏が、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのコンサルであるステファン・ドゥルノンクール氏に「ボルドーのあんまり有名でないところのテロワールを活かしてワインを作りたいな~。いっちょ、ええボルドー作ったって~や。」と頼んだような感じです。(笑)

もう一つこのワインで特筆すべきは、「La Petite Lune(小さい月)」という名前や、エチケットの月をあしらったデザインです。これは、これまたオリヴィエ・ベルナール氏が最高の辛口ボルドー・ブランを作るためにソーテルヌで始めた「Clos des Lunes」のプロジェクトのコンセプトを継承しているのが見てわかります。これはただのAOCボルドーやサードワインなんかじゃなさそうですよ…。

ドメーヌ・ド・シュヴァリエの公式ページはこれ。

しかし、今日のワインが載ってるわけもありません。

一応、グラーヴ地区レオニャンにあるドメーヌ・ド・シュヴァリエを訪問。
DomChevalier
入り口からかなり奥まったところにあり、ストビューでは入れません。周りが自社畑に囲まれた非常にきれいな建物が奥にあります。

前述のように、ソーテルヌに新しいシャトーを2011年から始めています。その名を「Clos des Lunes」といいます。ここは辛口白のみのところですが、今日のワインのコンセプトはここから来てると思われます。公式ページはこちら。

しかし、ここにも今日のワインは載っていません。プチ・リュンヌって名前なのにね。

一応、ここも訪問してきましょう。
ClosLunes
ソーテルヌのど真ん中、シャトー・ディケムに隣接するというすごい立地です。


と言うわけで、ワイン情報はネットに頼ります。
・メルロー 70%
・カベフラ 30%
ボルドー右岸っぽいセパージュですね。コンサルのステファン・ドゥルノンクール氏がセレクトしたブドウを(アントル・ドゥ・メールあたりと思われ)実際にドメーヌ・ド・シュヴァリエのチームが醸造してるそうです。


今日のワインはドメーヌ・ド・シュヴァリエそのものではありませんが、一応訪問はしたので(笑)ドメーヌ・ド・シュヴァリエの所在をいつもの地図に追記しておきます。
DomChevalierG
グラーヴ格付けシャトーもまだまだ攻略しないといけませんね。課題多し。


エチケット平面化画像。
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デザインのテイストは「Clos des Lunes」のものと酷似しています。


さあ、抜栓。
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なんとキャップシールにもミレジムが入っています。このデザインも Clos des Lunes 譲りです。

コルク平面化。
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プチ・リュンヌ専用品、かつ横にミレジム入り。

Alc.13.5%。(pH:4.36、Brix:7.1)
濃いガーネット。
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カシス、ブルーベリー、スパイス。
華やかながら軽めの香り。
辛口アタック。
重々しくないですが、味の厚み・構造感はしっかりしてます。
かすかな酸が果実味も与えてます。
余韻もあっさりして、すべてが軽めなんですが、
全体が絶妙のバランスで作られてる気がします。
そういうのって「うまい!」って思うんですよ。


*****

Domaine de Chevalier
La Petite Lune 2015
RRWポイント 92点


Lou Dumont 天地人 紅の豚 Pay d’Oc 2018

達筆の毛筆の書。一見、「どこぞの焼酎の地酒かいな?」と思ってしまいますが、よくよく見ると「紅の豚」と書かれ、落款はトトロ風のデザイン。そう、これはジュヴレ・シャンベルタンの日本人醸造家仲田晃司氏のルー・デュモンスタジオジブリのコラボレーションのワインであります。


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ルー・デュモンは、岡山県出身の仲田晃司氏がブルゴーニュに興したネゴシアン&ドメーヌ。1995年に単身渡仏し、フランス語を勉強しながらワイン作りの修行をした後、2000年にニュイ・サン・ジョルジュからスタートしたそうです。2003年にはジュヴレ・シャンベルタンに醸造所を構えています。
今日のワインは、スタジオジブリのプロデューサーであり、書家としても活躍中の鈴木敏夫氏のラジオ番組に仲田氏が出演した際、映画「紅の豚」の大ファンである仲田氏のために、鈴木氏が特別に書き下ろした書をラベルにしたものだそうです。数あるジブリ作品の中から「紅の豚」とは、チョイスがいいですね。(当時のラジオ番組ポッドキャストで聞けます。興味深し…。)


公式ページはお洒落でカッコいいんですが、Flashベースでこの先心許ないですね。

載ってるワインは当然のようにブルゴーニュのみ。ペイドックのコラボものが載っているわけありませんでした。(笑)インポーターのヌーヴェル・セレクションによると、仲田氏のご友人が醸造長を務めるブルゴーニュのネゴシアンがペイドックで作っているワインだそうですね。
・メルロー 70%
・シラー 20%
・カベソー 6%
・カベフラ 4%
というセパージュ。「メルロー60%、シラー20%、カベフラ10%、グルナッシュ10%」とするサイトが多いですが、インポーター情報を優先しておきます。ステンレスタンクで発酵後、約半年間熟成とのこと。


前も一度来てますが、ジュヴレ・シャンベルタンのルー・デュモンを訪問しておきます。
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今日のワインはペイドックであり、ここで醸したものでもないのですが。(笑)
県道974号線にも近い市街地。ご近所も名だたるドメーヌがひしめいています。いい場所です。


今日のワインは、ペイドックの作り手や畑の追求のしようがないので、ブルゴーニュ、ジュヴレ・シャンベルタンを確認しながら、ペイドックIGPとの位置関係を確認してみましょう。
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下の地図はINAOのサイトから拝借した IGP Pays d'Oc の対象範囲を示す地図です。ジュヴレ・シャンベルタンから、例えばエロー県のモンペリエまでですと車で5時間といった距離です。


今日はお勉強はこれぐらいにして、ワインを飲もうとポルコ・ロッソが申しております。
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飲まねぇ豚はただの豚だ。」…だそうで。おっ、早速「紅の豚」を開けてるんですね。(笑)
(劇中では白ワインですが、今日の赤ワインに変更させてもらいました。ボトル形状が違うとか、ホテル・アドリアーノのサーモンのムニエルに赤は合わないとか、細かいことは言わない。笑)


エチケット平面化画像。
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ラベル右下の落款は、宮崎駿氏によるデザインなんですってね。
しかし、鈴木敏夫氏、達筆ですね~。


さあ、抜栓。
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キャップシールはルー・デュモンのマーク(LD)入り。
「カッコいいとは、こういうことさ。」(笑)

コルク平面化。
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これは汎用品ですね。

Alc.13%。(pH:4.13、Brix:6.9)
ガーネット。
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カシス、ブルーベリー。フルーティな香り。
マセラシオンカルボニック香?
酸味からの辛口アタック。
軽めの味わいなので、
難しく考えずにスルスルいけますが、ふと考えると、
あまり特筆すべき実体も見当たらない。
セパージュはがっつりペイドックって感じですが、
重くない味わいを酸でうまく仕上げてあるのは、
なんとなくブルゴーニュに通じるものを感じます。

折しもボジョレーヌーヴォーの季節。
当たりのボジョレーのような味と評します。(笑)


*****


Lou Dumont
天地人 紅の豚 Pay d’Oc 2018
RRWポイント 84点


Château Macquin 2016 Saint-Georges-Saint-Émilion

サン・ジョルジュ・サン・テミリオンをお試しです。サン・ジョルジュ・サン・テミリオンAOCは、いつもボルドー右岸のAOC地図を描いていて気になっていた非常に小さなサン・テミリオンの衛星AOCで、わずか200haほどの畑に20ほどの生産者しかいないそうです。イオンリカーの店頭でたまたまこのAOCが目に付いて速攻ゲットとなりました。


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シャトー・マカンは、1885年にアルベール・マカン(Albert Macquin)さんが約30haの土地を取得して始まったそうです。現在は3代目になるデニスさん(Denis Corre-Macquin)がワイン醸造学を学んだ上で引き継いでいます。シャトーの歴史を見ると、サン・テミリオンのプルミエ・グラン・クリュ・クラッセBであるシャトー・パヴィ・マカン(Château Pavie Macquin)の親戚のようですね。ということは、創始者のアルベール・マカンさんというのは、フィロキセラ禍対策で接木する方法を考案したあのアルベール・マカンさんということですね。ゴイゴイスー。


公式ページを見つけるのに難儀しました。Flashベースで古くさいし、URLも変…。(笑)


https://chateau-macquin.com/というURLも発見。内容は乏しく非公式サイトと書いてます。

ただ、Flashベースの古くさい方は情報はそこそこ豊富で(所在確認にも)助かりました。
セパージュは裏ラベルにありました。
・メルロー 80%
・カベソー 10%
・カベフラ 10%
新樽率33%(毎年1/3更新)で12~18ヶ月の熟成だそうです。


シャトー訪問ですが、Google Mapが指し示す場所は全く間違っており、公式ページの「シャトーへの行き方」の説明でなんとか突きとめました。(笑)サン・テミリオンを出発して、バルバンヌ川にかかる小さな赤い橋を渡ると、目印の二本のヒノキがシャトーの入り口に立っています。
Macquin00
しかし、ストビューではこのヒノキをくぐって小径へは入れず。(笑)公式ページあったデニスさんと奥様と愛犬が一緒に写った写真を貼っておきます。

さあ、Saint-Georges-Saint-Émilion AOCの位置関係を確認します。INAOのデータベースを見ると、確かに対象コミューンではありますが、モンターニュの村が示してあるだけ。不親切~。
K
サン・ジョルジュ・サン・テミリオンAOCは行政区分としてはモンターニュですが、その中のバルバンヌ川沿いの狭域が Saint-Georges-Saint-Émilion になり、その他が Montagne-Saint-Émilion となって、2つのAOCがモンターニュ村内にある、という関係です。

例によってGoogle Map上に示すとこんな感じになります。
Macquin01
シャトー・マカンの(正しい)場所も書き込みましたのでご確認を。

最後にいつもの地図でボルドー右岸のリブルネ(Libourne)地区のAOCを俯瞰。
Cotes01
サン・ジョルジュ・サン・テミリオンAOCは本当に小さいですね。


エチケット平面化画像。
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ジェームス・サックリング91点シールが誇らしげですね。裏ラベルもいろいろと情報があります。農薬不使用はいいとして、音楽を流すミュージックシステムを使用とな?病害対策で1日3回流すなんて書いてるようですが…よくわかりません。(笑)樽熟成は50%だけとも書いてますね。これは公式ページの情報にはなかったな~。

しかし、インポーターシールはこれを丸隠しでした。
IMG_4051
剥がすのも大変です。頼んますよ!


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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シャトー名はないですが、ミレジムはきちんと入っています。

Alc.14.5%。(pH:4.25、Brix:8.0)
ガーネット、粘性のある涙。
IMG_4105

黒ベリー、カシス、スパイス、ロースト香。
辛口アタック。
果実味をしっかり感じさせながら、
凝縮感のしっかりした味わいへ続く流れはいいですね。
酸もうまく効いてるお陰で、
厚みはあるんですが重々しくないです。
喉元に少々収斂性感じますが、あくまでまろやかなタンニン。
余韻もゆっくり楽しめました。

ある意味マイナーAOCなのでお手頃価格なんですが、
丁寧に作られた感があって貫禄もありました。

*****


Château Macquin 2016
Saint-Georges-Saint-Émilion
RRWポイント 94点


Jean-Claude Mas IIIB & Auromon 2015 Limoux

ラングドックにも、シュッドウエストのアラン・ブリュモンのように間違いのない作り手っていうのがいるはずです。たぶんこのジャン・クロード・マスもそんな作り手のひとつだと思われます。ラングドック中で手広くやってるようですが、今日はそのうちのAOCリムーの良さげなヤツを見つけたのでお試しです。お手頃価格でしたから、おいしかったら偉いワイン認定です。(笑)


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ジャン・クロード・マスさんは、エロー県のペズナ(Pézenas)の近くで1892年からブドウ栽培を始めたマス家の現当主で、ラングドック中の数々のワイナリーを取得し、各界から高評価を受ける高品質ワインを低価格で作り出しているそうで…偉い!
やっぱりですが、今日のワインもリアルワインガイド誌で「絶対的本物の旨安ワイン 極めつけのおすすめ30本 旨安大賞」に選ばれたんだそうです。(笑)

公式ページに所有ワイナリーを示すイラスト地図がありました。
PaulMas01
広範囲に渡って錚々たるものですね。


今日のワインは Domaine Astruc というリムーに所有するワイナリー(2002年取得)で作られるらしいのですが、なぜかこの公式ページではこのワインが紹介されていません。
PaulMas00
ワイン名の「IIIB」 はドメーヌ最上級を表すローマ数字の「Ⅲ」と樽熟成の「B(バリック)」からつけられているそうで、そんな上級ワインが載ってないのは不可解ではあります。
仕方がないので、例によってインポーター情報から。
・メルロー 80%
・シラー 15%
・カベソー 5%
総量の65%を7ヶ月の樽熟成(アメリカンオーク60%、フレンチオーク40%)、残り35%はステンレスタンクで熟成されます。


ワイナリー訪問。リムー市街から車で10分ほどに Domaine Astruc はあります。
PaulMas04
風情はないですが、なかなか敷地も大きく立派なところです。

オード県を俯瞰してAOCリムー(Limoux)に記入したドメーヌの所在を確認。
PaulMas02
AOC Limoux Rouge として AOC Limoux に赤が加わったのが2003年で、それまでは AOC Limoux Blanc というモーザック(Mauzac)、シャルドネ、シュナン・ブランを使う白ワインのAOCでした。もっとも、その前身として AOC Crémant de Limoux(Blanc / Rosé)、AOC Limoux Blanquette de LimouxAOC Limoux Méthode Ancestrale といった発泡性のワインがAOCとしてありました。赤はまだ歴史が浅いというわけです。

そうそう、ジャン・クロード・マスさんの本拠地はエロー県ペズナ(Pézenas)の近く。
PaulMas03
一応書き込みましたので見つかりましたか?モンペリエとベジエ(Béziers)の間あたりです。ここにある Château Paul Mas を拠点に Les Domaines Paul Mas を運営しているということなるようですが、とにかくややこしいですね。


エチケット平面化画像。
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上品な印刷のラベルは安物感がなくていいです。


さあ、抜栓。
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キャップシールは汎用ながら、コルクはジャン・クロード・マスさんサイン入り。

コルク平面化。
IMG_3944
ミレジムは横にちゃんと打ってありました。

Alc.14%。(pH:4.23、Brix:7.4)
ガーネット。
IMG_3945

黒ベリー、ブラックチェリー、黒胡椒。
ロースト効いた樽香もあります。
辛口アタック。
味の厚みはそこそこありますね。
すぐに収斂性のタンニンが喉元に絡んでくるのはいい感じです。
開いてくると次第に、複雑味やストラクチャーが感じられてきました。
かすかな酸も加勢して極上のバランスが完成したようです。
そして余韻へ突入。果実味も出てきました。
これがなかなか続いて満足度高し。偉いワインです。


*****


Jean Claude Mas
IIIB & Auromon 2015 Limoux
RRWポイント 94点


Hedges C.M.S 2016 Columbia Valley

前に試したワシントン州の作り手、ヘッジズ(Hedges)の Red Mountain というのが超絶おいしかったんですが、そこの普及ラインと思われる C.M.S というのを今日は試してみます。C.M.Sとは、Cabernet Sauvignon.Merlot.Syrah のことのようですね。おいしそうな名前です。(笑)


IMG_3827
Hedges は1987年創業の家族経営ワイナリーで、オーナーがトムとアン・マリーのヘッジズ夫妻です。トムさんはこのワイナリーの近くリッチランドという町の出身ですが、奥さんはシャンパーニュ出身のフランス人とのこと。ワイナリーを始める前には世界のワイン産地を二人で回ってるそうで、目線は世界なんでしょうね。


公式ページはよく出来ていますが、アメリカあるあるでワイン紹介はショップ兼用。

今日の C.M.S も載ってますが最新ヴィンテージの2017年のみでした。
しかし、セパージュ情報は裏ラベルにありましたので間違いはないです。
・メルロー 58%
・カベソー 30%
・シラー 12%
あれれ、メルロー主体ですね。すると C.M.S ではなく M.C.S じゃないの?(笑)
ブドウは Sagemoor Farms という栽培農家からの買いブドウに、Red Mountain の自社畑のブドウをブレンドしているとのこと。
40%がアメリカンオーク樽で発酵、MLF(マロラクティック発酵)まで行い、そのまま15~18ヶ月の熟成をされ、残りの60%がMLFまでタンクで行った後、フレンチオーク樽に移され熟成されます。ややこしいことをやってそうですが、おそらく買いブドウと自社畑で別のプロセスを踏むからなんでしょうね。


ヘッジズは、ワシントン州ベントン・シティにあり、周囲が自社畑です。Hedges01
ストビューでは敷地の中に入れず、入口+建物写真でお茶を濁します。
奥に見える丘が Red Mountain 山で、この辺り一帯が Red Mountain AVA になります。

前回見ていますが、ワイナリーの周辺が以下のような自社畑になっています。
Hedges03
今日のワイン C.M.S にブレンドされている畑が、Hedges、Bel’ Villa、Jolet、Les Gosses、Magdalena ということで、ほぼ全部の畑からですね。(笑)(Joletという畑は下側にあるんですが、この地図の外側です。)

買いブドウを供給してるのが、リッチランドとコロンビア川の向こう側にある Sagemoor Farms(Sagemoor Vineyards)という栽培農家になります。車で30分ほどの距離ですね。
Hedges03
ということで、自社畑のみなら Red Mountain AVA になるところ、今日のワインは広域の Columbia Valley AVA になるわけですね。

例によってワシントン州を俯瞰して Red Mountain AVA のヘッジズの位置を確認します。
Hedges02
シアトルのある Puget Sound AVA 以外は、カスケード山脈を挟んで内陸側、コロンビア川流域の、いわゆるコロンビア・ヴァレーAVAになります。その中に内包されて狭域のAVAがあるという関係になっています。(AVA=American Viticultural Area)
コロンビア川はカナディアンロッキーを水源にワシントン州を広範囲に流れ、Horse Heaven Hills AVA のあたりでオレゴン州との州境となり西へ向かい、オレゴン州最大の都市ポートランド(オレゴンの州都はセイラム - Salem)で Willamette Valley AVA から来たウィラメット川と合流し太平洋に注ぎ込みます。やはり川が銘醸地を知る鍵ですね。

AVAを見るには、こういうネットで拾った地図(PDFはここ)の方がわかりやすいですね。
Wash01
また、ワシントン州のワイン公式サイトというのもあるのでご参考まで。


ラベル平面化画像。
IMG_3759
ワイナリー名をヘッジズと書かず、CMS Wineryとしています。そこに書いてあるURLはヘッジズのサイトに繋がりますが…。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_3825
シンプル~。

コルク平面化。
IMG_3831
CMSx2のみ。ノマコルクっぽいけど表示はなし。

Alc.13.5%。(pH:4.16、Brix:7.4)
ガーネット。
IMG_3826

ブラックベリー、ブラックチェリー、黒糖、濡れ木。
うまく樽熟も効いてる香りです。
酸も感じる辛口アタック。
深み・厚みしっかりした味です。
若干の酸が微妙な感じなんですが、
メルロー、カベソーの風味が凝縮してる感じがします。
タンニンもほどよいですね。
ただし、本当にかすかなんですが、ちょっと気になる酸。
余韻も貫禄の長さなんですが…+酸。(笑)

トップエンドに遠慮した作りは意図的なのかもしれませんが、
位置づけとして、ちょうどいい感じの普及ラインに仕上げてあります。
しかし、ヘッジズ…やるな。このクオリティーは間違いないです。


*****


Hedges Family Estate
C.M.S 2016
Columbia Valley
RRWポイント 94点


Château Machorre 2007 Bordeaux Supérieur

AOC ボルドー・シュペリウールの、ちょっと古めの2007年をいただきます。
お気づきの方もおられるかもしれませんが、普段はこんなワインを積極的に買い求めることはありません。どうせワインくじのハズレなんでしょうと思われた方、大正解です(笑)。でも、大ハズレではなく中当たりくらいかもしれません。


IMG_3796
なにせ、近所の京阪百貨店でやってる1本1,000円のワインくじですからね。当たればうれしいけど、ハズレてもそんなに痛手じゃありません。といっても、大ハズレで飲む気も起らないワインが手元に残るのは困りますが。(笑)

これがそのワインくじのチラシです。ボルドー赤ワイン限定。
IMG_3773
1等のクロ・デュ・マルキは出なかったですが、5等賞でした。全100本中、上から24本内に入ったわけですから上出来と言えるでしょう。(笑)

2007年の熟成ボルドー・シュペリウール。まだ少し興味はあります。ただし、インポーターの売れ残りワインでしょうから、情報豊富とはいかないのが困りもの。案の定、公式サイトのようなものは見つかりませんでした。インポーターのサイトでも作り手情報はほぼゼロでした。

ワインの情報だけはかろうじてあり、以下の通り。
・メルロー 60%
・カベソー 30%
・カベフラ 10%
醗酵はセメント・タンク。熟成は新樽率33%のフレンチオーク樽にて14ヶ月間。
ちょっと贅沢な樽使いです。ホントかな~。(笑)
エチケットに誇らしげなシールがありますが、この2007年がジルベール&ガイヤール(2015) で金賞を取ってるのは本当そうです。(笑)

と思ったら、立派な公式サイトを発見してしまいました。ちょっと目が節穴だったようで…。

ワイン情報はおおむねインポーターサイトの通りでした。15世紀にもさかのぼる歴史のあるところで、1992年に現在の所有者(Thiery SCEA、Marie Thieryさん)が取得したそうです。


シャトー訪問します。AOCボルドー(シュペリウール)といっても、その範囲は広大。情報少ない場所を突き止めるのは難儀しましたが、おそらくここです。(ストビューで近づけませんが。笑)
IMG_3793
ガロンヌ川沿いに遡り、AOCコート・デュ・マルマンデの手前ぐらいまで行った所です。

公式ページにシャトーの写真があったので貼っておきます。エチケットのイラスト通り。
Machorre01
メドック以外ではショボショボなシャトーが多いですが、ここは結構立派なシャトーでした。

AOCボルドーとAOCボルドー・シュペリウールの対象地域は同じです。
Machorre00
AOCボルドー・シュペリウールの方が、AOCボルドーよりも厳しい条件(例えば、樹齢20年以上、最低12ヶ月以上の熟成など)をクリアする必要があるなどの解説はありますが、はっきりしたことはINAOのサイトや官報も見るんですが、いまひとつ決定的な条件が見当たらないんですよね。不思議~。

AOCボルドー・シュペリウールの対象地域の地図をINAOのサイトから拝借します。
Machorre02
ボルドーとベルジュラックやコート・デュ・マルマンデなどとの境界は行政区分、すなわち県境になるようですね。


エチケット平面化画像。
IMG_3775
ちょっと印刷品質はアレですが、風格はありますね。
裏ラベルが少し汚れてますが…。

それはこのインポーターシールを剥がしたからです。
IMG_3774
剥がしにくいシールで作り手の名前や住所を隠すという不届き者の例です。


さあ、抜栓。
IMG_3791
汎用品なのは仕方なしですね。

コルク平面化。
IMG_3792
ミレジムが頭に打ってあるのは好感が持てます。

Alc.13%。(pH:4.20、Brix:7.3)
濃いガーネット。エッジはさすがに褐変です。
IMG_3795

黒ベリー、ナッツ、鞣し革。
熟成香がいい具合です。
辛口アタック。
くすんだ感じはなく果実味を残してうまく熟成した感じがします。
凝縮感ある味わいですが、中にメルローっぽい軽さも感じます。
傑出した感はやはり弱いんですが非常にバランスよくまとまっています。
タンニンも舌触りで収斂性の名残りをとどめますが極限までこなれてシルキー。
余韻も、軽め感もありつつのじんわり持続で楽しめました。
やはり、オリはけっこう出ています。

ボルドーの2007年は厳しかったからかもしれませんし、
シャトー自体の実力もあるでしょう。
しかし、これを1000円でゲットできたなら上出来です。(笑)


*****


Château Machorre 2007
Bordeaux Supérieur
RRWポイント 92点


Château Rousseau Pallard 2018 Côtes du Marmandais

このワイン、成城石井で「バイヤー注目の産地」のPOP付きで1,000円ほどで売ってました。
価格で選んだのではなく(笑)、AOC Côtes du Marmandais という南西地方の産地(未お試しAOCです!)とローカル品種のアブリューAbouriou)が40%もブレンドされてるというポイントに惹かれました。さあ、例によってお手頃ワインで産地・品種を深堀しますよ~。


IMG_3745
作り手は、やっぱりですが、Cave du Marmandais というコート・デュ・マルマンデのアペラシオンを代表する協同組合になります。2003年設立と新しいですが、1947年設立の Cave de Beaupuy と1956年設立の Cave de Cocumont の2つの協同組合が合併したのが2003年ということなので、歴史や実績はそれなりにありそうです。


公式ページは今風。情報量も多そうです。

今日のワイン「シャトー・ルソー・パラール」のようにシャトー名がついているのは、個別の作り手によるもので、これはルソー・パラールの町のシモネー家(La famille Simonnet)によるものだそうです。シモネー家は18世紀からの農家で、野菜やタバコを主に栽培していましたが、1968年にポール・シモネーさんによりワイナリーに転向したのが始まりだそうです。
いろいろ情報が満載で、協同組合とはいえ、いい公式サイトですね。2018年の今日のワインのセパージュはこうでした。
・メルロー 67%
・アブリュー 33%(成城石井のPOPにあった40%じゃなかった。笑)
粘土石灰質土壌の畑からだそうですが、残念ながら醸造法の記述はありませんでした。

さあ、アブリューAbouriou)です。この辺り、ロット・エ・ガロンヌ県(Lot-et-Garonne)が原産の黒ブドウで、現在はAOCコート・デュ・マルマンデを特徴づけるローカル品種になってますが、2004年に研究と保存のための栽培が始まるまで絶滅の危機に瀕していたそうです。
Abouriou0
というわけで、AOCコート・デュ・マルマンデ他、南西地方のいくつかのアペラシオンで補助品種として使用が認可されたのが2016年とごく最近です。(その他は AOC Buzet、AOC Estaing、AOC Brulhois で補助品種として使用可です。)
INAOのサイトAOC Côtes du Marmandais (rouge) のセパージュの規定を確認してみましょう。(このAOCはロゼやソーヴィニヨン・ブラン主体の白もあります。)

<主要品種> カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー
<補助品種> アブリュー、コ(=マルベック)、フェール・セルヴァドゥ(Fer Servadou)、ガメ、シラー

主要品種は最大75%まで、補助品種は50%までと使用の制限があります。つまり補助品種は25~50%は必ずブレンドする必要があるということです。アブリューやフェールなんかがガッツリ入ってるっていうのはいいですね。(笑)

今日のワインの主要品種はメルローなので一応写真を眺めておきましょう。
Merlot0
実はアブリューは、2009年のDNA分析によって Magdeleine Noire des Charentes の子に当たることがわかっています。このマグドレーヌ・ノワール・デ・シャラントというのはメルローやマルベックの母方に相当する品種なので、今日のブレンドは「異母(異父)兄弟」品種のブレンドってことになりますね。なんだかよくわかりませんが興味深い。(笑)


AOC Côtes du Marmandais の場所は以前ベルジュラックの地図を描いたときに見ています。
Mezzo01
ベルジュラックの南側、Côtes de Duras に接していますね。また、ガロンヌ川をまたいだ両岸にひろがっていることも確認しました。

正確な地域の範囲や対象コミューンはINAOのサイトに詳細地図があります。
Marmandais01
ガロンヌ川沿いのマルマンド(Marmande)の町がこの地域の中心地です。

ここまでわかったら、いつものようにGoogle Mapに転記するしかないですね(笑)
Marmandais02
今日の作り手(Cave du Marmandais)は2つの共同組合が合併したのものだと書きましたが、それぞれの場所と外観写真を書き込んでいます。ガロンヌ川をはさんでますが、それぞれの所在のボーピュイ(Beaupuy)からコキュモン(Cocumont)の町までの間は車で20分ほどの距離です。所属の栽培農家が100軒、総畑面積が1,000haと、おそらく地域最大規模でしょうね。

今日のワイン、シャトー・ルソー・パラールは、ルソー・パラール(Rousseau Pallard)の町のシモネー家(La famille Simonnet)が作っていると判明してましたが、現地へ行ってもシャトーが建ってるわけでもなく、シモネー家の表札が上がってるわけでもなく(笑)、場所は特定できませんでした。なので、その辺りの畑をスクショしてお茶を濁しておきます。
Marmandais03

いい雰囲気です。もしかしたらシモネーさんちのアブリュー畑かもしれません。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_3708
裏ラベルにちゃんと「シャトー・ルソー・パラールの所有者シモネー家」ってありました。
でも元詰めは、所属の協同組合 Cave du Marmandais となってます。そりゃそうですよね。コキュモン(Cocumont)の町の方の醸造所だということもわかりました。
しかし、でっかい「RP」は一瞬ロバート・パーカーかと思ってしまいます。(笑)


さあ、抜栓。
IMG_3742

コルク平面化。
IMG_3743
集成コルクですが、Cave du Marmandais の名前・マーク入り。

Alc.13.5%。(pH:4.14、Brix:7.0)
ガーネット。
IMG_3744

甘い香りから来ます。酸味かな?
カシス、ブルーベリー、ミント、スパイス…。
クールな印象の辛口アタック。
なんとなくアブリューの品種の個性が出てるんじゃないでしょうか。
メルローらしい味の厚みはありますね。
それより何も出過ぎない絶妙なバランスがとても心地よいです。
酸はありますが、クールな全体像を底支えするのに徹している感じ。
結果的に果実味モリモリに感じてきました。
タンニンは、か細いくらいにソフト。
余韻はあっさりなんですが、フィニッシュ後になんだか満足感。(笑)

いい。ただのメルローとは違ってて、いいです。
アブリュー。覚えておきましょう。(虎舞竜みたい。笑)


*****


Cave du Marmandais
Château Rousseau Pallard 2018
Côtes du Marmandais
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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