Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

ワイン論評

ワインの関税

チリワインは関税が安い。
漠然とわかっていますが今一度整理してみます。

日本とチリは、EPA(Economic Partnership Agreement)、
経済連携協定によってワインの関税撤廃を目指しています。
2007年に締結し12年かけてゼロにすることになっていて、
来年、2019年4月には晴れてゼロになります。やったー!

現在は、「2.3%もしくは125円/リットルの低い方」を適用です。
EPAを結んでいないヨーロッパ(EU)は、
「15%もしくは125円/リットルの低い方適用。
ただし、67円/リットルを下回る場合は67円適用。」となっています。

EUの15%は結構ですよね。
そこで気になるのが、
「同じ値段のチリワインとフランスワインを買った場合、
関税金額分フランスワインは安物を買っていることになるのでは?」
という素朴な疑問です。

そこで細かく計算をしてみました。
ImpTax01

やまやの原価率が82.6%だとWEBで見たので、
ザクっと80%で計算。
(ちなみにエノテカは53.1%だそうで、やまやさんは良心的ですね。)
ワンコイン500円から1万円までのワインを想定して関税を計算。
チリとEUの関税差を比較してみます。

するとどうでしょう。
ワンコインの58円は大きいですね。
(まあ、フランス産のワンコインはあまりないですが。)
1,000円の75円も10%もないですが、ちょっと気になりますね。
2,000円で57円差。
5,000円以上のワインではほぼ同額で差がありません。
結論、「EU産は安物だけ避ければあとは大差なし」です。


一応、チリの関税が撤廃されたらどうなるか。
ImpTax02

さすがにゼロは差がつきますね。
しかし、それでも100円以下の差ってことです。

家飲みワインを買う庶民感覚でいくと、
まあ気にしなくていいレベルだと思います。
チリ vs. フランス対決する場合でも、
価格ハンデは最大100円くらいですから。


「カルメネール」の発音と綴り

チリワインのカルメネールばかり飲んでいると気づくことがあります。
エチケットの表記・綴りがまちまちなのです。
3つのパターンがあります。

(1) Carménère
(2) Carmenère
(3) Carmenere

もちろん、カルメネールはもともとボルドーの品種ですから、
フランス語読みすればいいのですが、

(1)は、2音節目のeにアクサンテギュなので「エ」と発音します。
  3音節目のアクサングラーヴは、末尾に無音のeがあるとき、
  その直前のeにつけて「エー」と発音します。
  よって「カルメネール」となり、僕もこう呼んでいます。
(2)は、3音節目のアクサングラーヴのみ。
  するとフランス語では「カルムネール」に近くなると思います。
(3)は、何もなし。もしくは大文字表記。どう読んでも自由でしょう。(笑)


Car


本家フランスが(1)であれば、それに合わせてすべて解決なのですが、
フランスにおいてA.O.C.ワインを取り決めたりする公的な機関のI.N.A.O.
(Institut National des Appellations d'Origine=国立原産地名称研究所)が、
(2) の「Carmenère」と表記しているそうなんです。
すると、スペイン語が母国語のチリでは、そういうフランスの権威に影響され、
次第に「Carmenère」表記が増えてきたんじゃないかと思うんです。
(1) の「Carménère」は「Carmenère」のシノニムという扱いの専門家もいるようです。

僕の専門はスペイン語ですので、フランス語の詳しい事情はわかりませんが、
アクセント記号が多い方がオリジナルじゃないのと思ってしまいます。(笑)

当のチリのワイナリーでは何と発音しているのかというと、
スペイン語読みの「カルメネーレ」と言ってそうですが、
各サイトのインタビュー動画なんかを注意深く聞くと、
フランス語を尊重してか「カルメネール」と最後のeを発音しない人が多いです。


Car2


もうチリの代表品種として認知されてきた昨今ですから、
フランス語とスペイン語の発音が「カルメネール」で両立する、
「Carménère」表記を正式としたらいいのになと僕は思っています。
でも、「Carmenère」表記のチリワインはどんどん増えているのですが…。

そうそう、余談ですが、僕はスペイン語が専門かつ、ワイン歴のルーツはチリ
(もしくはメキシコ)ですので、ワイン用語が少しスペイン語寄りです。
エノロジスト(醸造家)はエノロゴ、
ヴァラエタル(単一セパージュ)はバリエタル、
といった具合です。

チリの産地の「Valle」(谷、盆地)も本当は「バジェ」と言いたいのですが、
とりあえず「ヴァレー」と頑張って英語読みしています。(笑)

Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」ではない。

「Grand Vin」という言葉があります。
フランス語で「グラン・ヴァン」と読み、
「偉大なワイン」と訳されています。
英語では「Great Wine」と言ってますね。

明確な定義はないようですが、
有名一流シャトーから無名の安ワインまで多用している表現のようです。
しかし、やはりボルドーの5大シャトーのラベルなんかは堂々としたもんですね。


GranVin


本物の高級ワインを「偉大なワイン」と言われると、
妙にありがたく感じるものですね。

しかしながら、「偉大なワイン」は非常に高価であることが多いです。
本来、飲んで楽しむはずのワインが、
とても手が出ないお値段になっていることはよくあります。
いくら偉大でも口にすることができなければあまり意味がありません。


CHMX-2


このブログで、僕はちょくちょく「偉いワイン」という言葉を使ってます。
これは「偉大なワイン」とは違う意味で使ってまして、
たいてい「お手頃価格なのにめっぽうおいしい」という場合に使います。
おいしいんだけど、おいそれとこの値段は出せないというような場合は、
「これは偉いワインではない。」となります。

偉いワイン」と呼ぶには、Value for Moneyのバランスが大切ですが、
「そこそこうまいし、この値段なら文句は言えないな」的な妥協の産物ではいけません。
(僕基準で)「かなりいけてるうまさ」が最重要なのです。
・・・値段は安いに越したことはありませんが。(笑)

結局、このブログの目的も、毎日とっかえひっかえワインを試すのも、
この「偉いワイン」に巡り合うためなんですね。


カルメネール研究

常々、手当たり次第にチリワインを飲んでいるだけでなく、
カルメネールについて調査・研究をしています。(笑)
イタリアで作られているカルメネールをいただいたのも、
これら研究の一環です。

フランスでも少量ながら栽培されているというので、
いろいろとネットを使って調べてみました。
すると、ボルドー全体のカルメネールの栽培面積はたった41ヘクタールらしいです。
格付け5級のシャトー・クレール・ミロンがその内0.6ヘクタール持っていますが、
ここは1945年から植えているそうで、すでに70年超の古木になっています。
(しかしながら、このシャトーの作付面積では1%にしかなりませんが。)


ClercMilon


ということで、カルメネール研究の一環として、
クレール・ミロンの2012年をAmazonでポチってしまいました。(笑)
どんなお味が?と試したいところですが、
カルメネールは1%しか入っていません。

・カベソー 60%
・メルロー 29%
・カベフラ 9%
・プチヴェルドー 1%
・カルメネール 1%
という具合です。この2012年モノは、
パーカーポイントが92点となかなか評価も良いんですが、
飲み頃が2017年から2035年とのことで、
もう少し寝かしておきたくなりますね。

クレール・ミロンの公式サイトをつぶさに見ると、
ブレンドにカルメネールを加え出したのが2003年のヴィンテージからです。
その間、2006年と2008年にはカルメネールが使われていません。
おそらくですが、晩熟でひ弱なカルメネールは、
フランスでは年によって日照時間など足りず、
ある特定の年には充分成熟できなかったことが考えられます。
(チリではこういう気候や生育条件をまったく気にせず、
カルメネールがガンガン育つんですから、
まさにチリうってつけの品種と言えます。)

ちなみに2009年のヴィンテージから登場したここのセカンドラベル、
「Pastourelle de Clerc Milon」もカルメネールを1%ブレンドしています。
ただ、その後のヴィンテージではカルメネールは入っていません。


PDClercMilon


さて、ボルドーに全部で41ヘクタールのカルメネールがあるわけですから、
他のシャトーも植えているところがあるはずです。

これまた、ネットで調べてみますと、
格付け2級のシャトー・ブラーヌ・カントナックが2007年から、
カルメネールの作付けを始めたとのこと。
まだ自畑の0.5%しかないようですが、
2011年からブレンドにも使っています。
2011年のヴィンテージで0.5%、2015年で1%を使用。
あと、セカンドラベルの「Baron de Brane」でも、
2014年のヴィンテージで0.6%使用しています。
残念ながら、この前飲んだセカンドラベルはカルメネールなしです。
美味しかったけど。


BraneCantenacCarm


しかし何故、今、ボルド―の絶滅品種、カルメネールなんでしょうね。
過去のボルドー主要品種であったそのブドウへの思いや、
何らかの意味があるんだと思わずにはいられません。

そのほか、僕の知るところでは、
シャトー・ル・ピュイがあります。
AOC Côtes de Bordeauxのワインでカルメネールを1%使用。
作付けもおそらく1%でしょう。


ChLeuPuy


ここはメルロー主体(85%)にカベフラ、
そこにカルメネール1%をブレンド。
やっぱり1%ではありますが、いずれは試してみたいですね。

その他にも、ボルドーには脈々とカルメネールが息づいているんでしょうね。
いつの世にか、また主要品種のひとつに躍り出たりすると面白いのに。


ワインの表現について(2)

以前に、ワインの表現が難しいと書きました。
そんな匂いはぜんぜんしないのに、
なんでテイスティングノートには、
誇らしげにフランボワーズだとか、
ブラックベリーとか書けるんだろうと常々疑問でした。

しかしながら、
自分もブログ上である程度表現しないと、
記録としてもあんまり意味がないな~と思い始め、
ちょっとテイスティングの自主学習をしてみました。

と言っても、WEBで解説記事を読んだり、
Amazonでテイスティング関連の書籍を中古で
(なんと、1円とか100円とかでいっぱい出てます。)
買いあさって読んでみただけですが。

そうすると、おぼろげながら悟ってきました。
特に赤ワインの香りを表現するベリー系の表現は、
ある意味、分かる人同士の記号のようなものであって、
「この系の匂いはみんなでカシスと言いましょう。」的な、
みんなのコンセンサスの上に成り立っているんだな~ということです。

だとしても、
「この品種からよく発せられるこの香りはダークチェリーと言うんだ。」
というようなことは学習していかないといけません。
結局、いっぱい飲んで経験値を上げないといけないようです。(笑)
ただ今までのように漫然と飲むだけではなく、
「これはこの香り」というように意識的に関連付けをする習慣が必要です。
しかたがないので、訓練用に飲みまくりましょうか。(笑)

そして、まず着手したのがベリー系の香りを知ることです。
機械的にベリーの名前とワインを関連付けて覚えてもいいんでしょうが、
(おそらく当のベリーの匂いを知らない人たちはこうしているはず。)
そもそもそのベリーの匂いを知りたいという欲求がわいてきました。


FullSizeRender


ブルーベリーはポピュラーなので何でもござれで売ってます。
(逆によく知ってる匂いなので確認の必要はなかったのですが。)
ラズベリーのジャムを入手するのは手こずりました。(そして高かった。)
カシスやブラックカラントのジャムはわりとスーパーなんかでも置いてます。
輸入食材店でもなかなかなかったのが、なんとブラックベリー。
結局、茨城県産のブラックベリージャムを通販でゲット。
世の皆さんは、絶対普段からブラックベリーの香りなんかご存知ないと、
これで確信しました。
ダークチェリーのジャムは、
ヨーロッパ出張のホテルの朝食で置いていたものを失敬してきました。

写真後ろのHARIBOは激マズと言われるリコリス味のお菓子です。
これもヨーロッパでゲット。
でもなんのことはない、要は僕の嫌いなアニスの匂いでした。
「リコリスのアロマが…」なんて言えるとカッコいいかなと思ったもので。
(笑)

しかし、アニス臭のワインなんて出会ったことがないけどな~。


ワインの表現について

このブログを書き始めて、ちょっと困ったことがありました。
それは飲んだワインの特徴をうまく表現する方法です。
まあ、一人で飲む分には「おいしい」「うまい」で事足りてますし、
人に伝える必要があまりなかったですからね。(笑)


IMG_0335


自分はソムリエでもありませんし、
巷のワイン評で見かける小洒落た表現を正直理解していませんでした。

特に香りの表現で、
チェリーはいいとして、カシスやブラックベリーなんかを
皆さん普段から食しておられるのだろうかと常々疑問を持っていました。
(チェリーも洋モノは日本人の想像しているものとは違いますし…)
ラズベリーなんかは、アメリカじゃお菓子類のフレーバーでは
チェリーと並んで代表格でしたので自分は好きですが、
日本じゃラズベリー(味)なんてほとんど見かけません。
ましてや、フランボワーズなんてフランス語でおっしゃる方は
どれだけラズベリーの香りに精通しておられるのでしょうか。
あとは、バラやスミレに始まり、コショウ、シナモン、ナツメグ。
バニラやコーヒー、チョコレート。
そんな独得な香りの強いものに例えらえるような強力な匂いの
ワインに出会ったことはないのでうまく例えられるわけないんですよね。

次に味ですが、
大抵が重口のフルボディーのものを選んで飲んでいますので、
「甘味」を論じることはあまりないと思います。
「酸味」はわかっていたつもりでしたが、心地よい酸味があることを
ブルゴーニュのテイスティングツアーのピノ・ノワールで再認識しました。

「渋み」、これですよね、問題は。
「タンニン」と言ってしまえばそれまでですが、
これも心地よい(ほどよい)渋みと、刺すような嫌な渋みがあります。
後者を「きぶい」と関西では言うのですが、
ネガティブなタンニンの評価に積極的に使っていこうと思います。
できれば日本のワイン通の間で流行らせたいワードです。(笑)
でも「タンニン」の風味は本当に奥深いです。
タンニンの語源となった「タナ」種のワイン飲み比べをしたのも、
このタンニンなるものの追求です。


タナ-2


「余韻」という要素も大事ですね。
おいしければおいしいほど、後味の残り方で評価は高まります。
おいしいんだけど、味わいがサッと波が引くように消えると、
結果、少々残念という感じになります。


結局は、こういった表現に絶対的指標はなく、
個々人がどこに基準を置くかで評価の表現は変わってくる気はします。
しかしそれでは、このブログとしては記録としての意味が薄れます。

とにかく、少しづつですが、
世に言うテイスティングコメントを会得したいと思っています。
自分メモ用の色合いが濃いブログですので、
あとで自分が見返したときに有用であると思うので…。


チリワインを追い続ける訳

19世紀前から、ボルドー、ブルゴーニュ他ほとんどのヨーロッパの品種が、
ワイン作りに最適の新天地としてチリに持ち込まれていました。
その後、フィロキセラ禍で壊滅したヨーロッパから逃れた優秀なエノロゴ(醸造家)も、
優秀なワインづくりを再開するために希望の新大陸にやってきました。
(フィロキセラ:ブドウネアブラムシ。19世紀、アメリカから欧州に渡り、
大流行した害虫。ブドウの根に寄生して欧州品種に対しては親木を枯らしてしまう。
アメリカで自生している野生種のブドウはこのフィロキセラに耐性がある。)


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そして、ヨーロッパに残されたワイン産地がフィロキセラの害を除去するため、
泣く泣くアメリカのブドウの野生種に接ぎ木して元の品種を再生しましたが、
自根で栽培された本来の品種の味を再現できなかったのは想像に難くありません。

当時、アメリカ産の野生種の台木にヨーロッパ純血種を接木するのは
悪魔の所為と猛反対する声も大きかったと聞きますが、
素人でも100%同じ味が守れるかという問いには簡単に答えが想像つきますよね。

ブルゴーニュでは1887年まで公式にこの接木を禁止していた事実から、
オリジナルの味は再現できないというのは明らかだったのでしょう。
かのロマネコンティも最後まで自根のピノ・ノワールで頑張ろうとしたそうですが、
1945年についに断念、接ぎ木方式を開始し現在に至ります。


しかし、チリだけは、奇跡が起こりました。
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地勢的な条件が幸いし、
世界で唯一チリのみがフィロキセラにやられなかったのです。
東はアンデス山脈、西は太平洋、北はアタカマ砂漠、南は南極大陸、
四方をこれ以上ないという自然のバリアーが守ってくれたのです。

フィロキセラ禍以前に持ち込まれたヨーロッパ主要品種は、
現在に至るまですべて自根で育てられチリで生き続けています。
オリジナル品種を自根で育てた本来の味を出せるワインはチリにしかないのです。
これは隣のアルゼンチンだってできていません。

カベソーもメルローも、ピノ・ノワールもみんな自根なんですよ。(※)
そして、ボルドー、ヨーロッパから姿を消した幻のカルメネールまで。
世間の皆様も、チリワインをいつまでも安物ワイン扱いせずに、
この事実を、チリワイン自身の味で、自分の味覚と想像力を使って、
めいめいで確認してみてほしいものです。(笑)

ワインのガイドなんかを読んでいると、
たまにチリワインの品種の特徴として、本来のものより味が濃い目だとか、
フランス本国の繊細な味とはちがって大味だというような表記を目にします。

そんな時、
「なにか勘違いしてやいませんか?」
と思わずつぶやきたくなるのです。


(※)
(実際には、チリでも他の病害対策や樹勢コントロールなどの理由で
意図的に接木しているところもあるようです。
昨今では優秀な台木もいろいろ改良されて出てきています。)


* * * * * *


さて、いつものウンチクはこれぐらいにして、
「自根」という決定的な要素以外にチリワインを「特別」にしているポイントを考えてみます。


<手摘み>
チリのワイナリーも大手資本が付いたり、大企業化して、観光業も手掛けたりしています。
当然ワインづくりも近代化していいものを大量に作れるようになっています。
しかし、労働力の安さもあって、大手ワイナリーでもブドウの収穫は手摘みにこだわっています。
ヨーロッパも新世界も大抵機械摘みが主流になっている中、これは貴重です。
枝や葉っぱ、土やゴミ、こんなものが混醸されたら味は落ちますからね。
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<テロワール及び地理的条件>
なんといってもチリのワイン産地のブドウ畑の風景は好きです。
絶対おいしいワインができるはず、と思わせます。
これが僕が思うテロワールです。
(このブログで時々リンクするチリの有名ワイナリーのサイトを
覗いてみてください。どこも美しい畑の映像を自慢していますよ。)
「世界あちこちのワイナリーや畑に行きたい病」の本質は、
このテロワールの体感にあります。
そして、チリには、地中海性気候と切り立ったアンデス山脈のお陰で、
山中から海岸沿いまでの高度差と気候差の間には、
必ずそれぞれのブドウの品種にベストマッチな環境が存在するという
大きなアドバンテージがあるのです。
root1
Viña VentisqueroのRoot:1のサイトから)


<ドイツ系移民>
これはネットで探してもどこにも書いていないんですが、
南米への入植者はスペインはじめ、フランスやイタリアからと思いますが、
ワイナリーのチリ人から聞いたところでは、ことのほかドイツ系の移民が
チリには多かったというのです。
ワインづくりに従事したドイツ系の方々も多く、
それがチリワインに「勤勉さ」という特徴を与えたという話です。
うそかホントか、みたいな話ですが、僕はなんとなく信じられます。
doitu


<カルメネール>
何度もいろんな機会に書いています、
チリにしかない、かつてボルドーの主要品種であった幻の品種です。
これがいただけるのが何と言ってもチリワインの魅力です。


IMG_4131


さあ、この3本、日本でもおなじみのブランドですね。
どれもワンコイン(500円)で売られていて驚異の安さです。
しかし、この3ブランド、いずれもカルメネールのバリエタルをラインアップしています。

タルで長期熟成した高級ワイン風の風味付けは期待できませんが、
カルメネール単品種でこの味のワインが生み出せることに気づくと、
この品種の底力を思い知ることになります。

ちなみに左から、

・Alpaca / Carmenère(Santa Helenaの輸出用ブランド)
・Gato Nego / Carmenère(San Pedroの看板最多販ブランド)
・FRONTERA / CARMENERE(Concha y Toroのバリエタルレンジ)

どうせ買うなら、カベソーじゃなくてカルメネールにしませんか?


ボルドーを追わない訳

「この人、チリの安ワインばかり嬉々として飲んでるのね。」
と、揶揄されるボルドー信者の方もおられるでしょうね。

ワインを飲み始めたころ、
僕も漠然とボルドーが最高と思っていました。
結局、フランスのボルドーまで出かけて探求していました。

きっと格付けされたひと握りの高価なワインはおいしいんだと思います。
僕が手が出せた一番上等なボルドーワインは、
メドックの第一級 Premier Cru、シャトー・ラトゥールのセカンドラベル、
「LES FORTS DE LATOUR」です。


010020151


これでも何万円かはする庶民には縁遠いワインです。
開けたのは遥か昔。
おいしかったんだとは思いますが記憶に残っていません。(笑)


せめて…という思いで、
少なくともシャトー元詰め表記(Mis en bouteille au château)を頼りに
いくつものボルドーを試しました。

「うっ、きぶすぎる。」(きぶいは関西弁)と変な味にも耐えながら、
「きっと、これがボルドーなんだ。おいしいと思わないといけないんだ。」
と自分に言い聞かせていたことは実はしばしばでした。
高価ではないもの限定ですが(笑)、薄々ボルドーの実態に気づいてきました。

結局、それなりのAOCの村の畑を手に入れて、
ブドウを作って、醸造、瓶詰まですればシャトー詰めが名乗れます。
こんなのがごまんとあって、すべてが優秀なシャトーとは限りません。
シャトーと言っても立派なお城を持つ必要もないんです。

僕はこれらの経験上、
このレベルのボルドーは有名村名AOCのシャトー元詰めであっても、
かなりレベルの低いものがかなりの割合で存在すると思ってます。
おいしいものに出会うのはかなりのギャンブルです。


そんな頃に、(2001年9月)たまたま行ったチリで衝撃の事実を、
Cousiño Maculワイナリーを訪問した際に告げられることとなるのです。
そうしてすぐに、ボルドーを試す悲しい探求は終わりを迎えました。(笑)

(明日に続きます…)


「チリカベ」より「チリカル」

「チリカベ」という言葉があります。
「チリ」ワインの「カベ」ルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインが
コストパフォーマンスが良くおいしいので、
これを指して言うようになった言葉のようです。

しかし、僕はこの言葉が嫌いです。
確かに安くてもおいしいのは間違いありません。
でも、安易に「チリワインならカベルネ・ソーヴィニヨン」と
結びつけて語るのが困るのです。
今の日本に入ってくるチリワインも、そのせいかカベソーに
かなり偏り過ぎているようです。
どこのお店に行ってもカベソーしかなかったりします。

チリはどこのワイナリーも、メルローやシラーやピノ、
それこそ優秀なブレンドも出していますが、
何と言っても「カルメネール」に力を入れているのです。

やはり、チリを代表する、そして他の国が持たない品種、
カルメネールがもっと注目されるべきです。
カルメネールはカベソーのようにメルローとブレンドしなくても
香り・酸味・渋み(タンニン)などの理想的なバランスを演出できる
類稀なる品種です。
(きっとボルドーは歯ぎしりしているはず。笑)

それを妨げるのが、忌まわしき「チリカベ」という言葉なのです。

なので、僕は新しい言葉を流行らせたい。

「チリカル」

そう、もうおわかりですね。
チリのカルメネールのことです。

「やっぱ、チリカルだよね。」
こんな気取った野郎が巷にあふれるようになればと思っています。(笑)


* * * * *


もちろん、チリには優秀なカベルネ・ソーヴィニヨンもあります。


CSo


Cousiño Maculのプレミアムワイン「Finis Terrae」は、
カベソー65%、メルロー35%です。まさにボルドー。

San Pedroのプレミアム、「Cabo de Hornos」は、
カベソー100%。

(ブレンド比率はヴィンテージによって変わる場合が多いので、
上記はあくまで写真の2007年物の場合です。)

どちらも、お値段も味のレベルもすばらしく高いです。(笑)


最後に、過去に飲んだ「チリカル」のラベルでコラージュしました。
お値段2万円越えのカルメネール、Concha  y Toroの「Carmin de Peumo」、
Errazurizの「KAI」をはじめ、特に好きなものを集めてました。
眺めるだけでもうっとりです。(笑)


ChileCA


ついでに、ちょっと珍しい「チリカル」、
カルメネールのロゼです。
Viña ApaltaguaのTutunjianというブランドです。


TUTU


チリだけにイースター島のモアイ像が描かれています。


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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