アルゼンチンのトロンテス。2018年のソムリエ二次試験のテイスティングワインとして出題されて驚きましたが、なんと今年のワインエキスパート呼称資格の二次試験でまた出たんですってね。甲州なんかが頻出するのはわかりますが、日本ソムリエ協会はなぜこんなにトロンテス押しなのか理解に苦しみます。とにかくもう一度お試しして考察してみましょう。(笑)

お試しのために上等なトロンテスをお取り寄せしたわけではなく、そこら辺のスーパーかなんかでたまたま見つけたやつです。(笑)作り手のサンタ・アナは1891年創立というアルゼンチンでは最古参のところですが、現在は世界第5位の販売量というペニャフロール・グループ(Grupo Peñaflor)傘下に入っています。実は、ソムリエ二次試験にトロンテスが出た後にエル・エステコのトロンテスを一度試してますが、その El Esteco社もペニャフロール・グループ傘下でした。さすが大グループです。
ペニャフロール・グループ社の公式ページにサンタ・アナの紹介はありますが、サンタ・アナ自体のホームページが存在しないようです。仕方がないのでインポーターページから。
・トロンテス 100%
これぐらいしかわかりませんでした。(笑)
トロンテス(Torrontés)は、ほぼアルゼンチンでしか栽培されていないアルゼンチンの土着品種です。ご存知アルゼンチンの白ワインの代表選手ですね。

スペインの修道士が新大陸に持ち込んだ、クリオージャ・チカ(Criolla Chica)とマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria)の自然交配種と言われています。(2003年のDNA分析による。)クリオージャ・チカはアルゼンチンでの呼び名で、別名リスタン・プリエト(Listán Prieto)とも呼ばれますが、チリでパイス(País)、北アメリカでミシオン(Misión)と呼ばれる品種と同じものです。過去、スペインのガリシア地方にある同名のトロンテスとの関係が疑われましたが、このDNA鑑定により否定されています。
実はトロンテスには3つの亜種が存在します。これら3種類は同じ味わいではなく品質に差があるといいますが、どれをどれだけ使ってもワインには「トロンテス」とだけ表示されます。

トロンテス・リオハノ(Torrontés Riojano)が他の2種より芳香や果実味に優れ、一番品質が高いとされます。よって、ワインにはトロンテス・リオハノが主体で使われ、トロンテス・サンフアニーノ(Torrontés Sanjuanino)や、トロンテス・メンドシーノ(Torrontés Mendocino)は、トロンテス・リオハノともブレンドされる形でピスコやブランデーの原料となるようです。しかしながら、ワインのラベルには「トロンテス」としか表示されませんから、何をどれだけ使ったのか知る由もありませんし、トロンテスのワインと一口に言っても、その味に非常にばらつきがありそうなことは想像がつきますね。そもそもこんな性格が不確実な品種をテイスティングの試験に出していいもんでしょうか? まったくもって日本ソムリエ協会の意図は計りかねます。(笑)
これだけトロンテスを推すんだから、きっと教本には深〜いトロンテスの解説があるんだろうと確認してみると、例によって誤認情報含めてお粗末なものでした。いまだにスペイン原産だとか書いてあるし。(笑)
補足情報ですが、それぞれの品種の生産量を調べたらこんな数字がありました。
・トロンテス・リオハノ(Torrontés Riojano)77%
・トロンテス・サンフアニーノ(Torrontés Sanjuanino)17%
・トロンテス・メンドシーノ(Torrontés Mendocino)6%
まあ、ほとんどトロンテス・リオハノってことなんでしょうけどね。しかし、先のDNA分析では、トロンテス・メンドシーノだけ片親のクリオージャ・チカ(Criolla Chica)が確定しなかったそうです。やはりこの3種は一括りにできなさそうです。
そうそう、サンタ・アナを訪問しておきます。

さすが、歴史のある老舗です。メンドーサ市街の中にあります。
ラベル平面化画像。

さあ、スクリュー回転。

1000円以下ですから無印はしかたがないです。


お試しのために上等なトロンテスをお取り寄せしたわけではなく、そこら辺のスーパーかなんかでたまたま見つけたやつです。(笑)作り手のサンタ・アナは1891年創立というアルゼンチンでは最古参のところですが、現在は世界第5位の販売量というペニャフロール・グループ(Grupo Peñaflor)傘下に入っています。実は、ソムリエ二次試験にトロンテスが出た後にエル・エステコのトロンテスを一度試してますが、その El Esteco社もペニャフロール・グループ傘下でした。さすが大グループです。
ペニャフロール・グループ社の公式ページにサンタ・アナの紹介はありますが、サンタ・アナ自体のホームページが存在しないようです。仕方がないのでインポーターページから。
・トロンテス 100%
これぐらいしかわかりませんでした。(笑)
トロンテス(Torrontés)は、ほぼアルゼンチンでしか栽培されていないアルゼンチンの土着品種です。ご存知アルゼンチンの白ワインの代表選手ですね。

スペインの修道士が新大陸に持ち込んだ、クリオージャ・チカ(Criolla Chica)とマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria)の自然交配種と言われています。(2003年のDNA分析による。)クリオージャ・チカはアルゼンチンでの呼び名で、別名リスタン・プリエト(Listán Prieto)とも呼ばれますが、チリでパイス(País)、北アメリカでミシオン(Misión)と呼ばれる品種と同じものです。過去、スペインのガリシア地方にある同名のトロンテスとの関係が疑われましたが、このDNA鑑定により否定されています。
実はトロンテスには3つの亜種が存在します。これら3種類は同じ味わいではなく品質に差があるといいますが、どれをどれだけ使ってもワインには「トロンテス」とだけ表示されます。

トロンテス・リオハノ(Torrontés Riojano)が他の2種より芳香や果実味に優れ、一番品質が高いとされます。よって、ワインにはトロンテス・リオハノが主体で使われ、トロンテス・サンフアニーノ(Torrontés Sanjuanino)や、トロンテス・メンドシーノ(Torrontés Mendocino)は、トロンテス・リオハノともブレンドされる形でピスコやブランデーの原料となるようです。しかしながら、ワインのラベルには「トロンテス」としか表示されませんから、何をどれだけ使ったのか知る由もありませんし、トロンテスのワインと一口に言っても、その味に非常にばらつきがありそうなことは想像がつきますね。そもそもこんな性格が不確実な品種をテイスティングの試験に出していいもんでしょうか? まったくもって日本ソムリエ協会の意図は計りかねます。(笑)
これだけトロンテスを推すんだから、きっと教本には深〜いトロンテスの解説があるんだろうと確認してみると、例によって誤認情報含めてお粗末なものでした。いまだにスペイン原産だとか書いてあるし。(笑)
補足情報ですが、それぞれの品種の生産量を調べたらこんな数字がありました。
・トロンテス・リオハノ(Torrontés Riojano)77%
・トロンテス・サンフアニーノ(Torrontés Sanjuanino)17%
・トロンテス・メンドシーノ(Torrontés Mendocino)6%
まあ、ほとんどトロンテス・リオハノってことなんでしょうけどね。しかし、先のDNA分析では、トロンテス・メンドシーノだけ片親のクリオージャ・チカ(Criolla Chica)が確定しなかったそうです。やはりこの3種は一括りにできなさそうです。
そうそう、サンタ・アナを訪問しておきます。

さすが、歴史のある老舗です。メンドーサ市街の中にあります。
ラベル平面化画像。

さあ、スクリュー回転。

1000円以下ですから無印はしかたがないです。
Alc.12.5%。(pH:3.85、Brix:6.6)
ゴールドイエロー。

甘いシロップ漬けの黄桃、白い花の芳香、グリーンのニュアンス。
黄・白・緑と色どりいろいろ賑やかな香りですね。
黄・白・緑と色どりいろいろ賑やかな香りですね。
甘み感じる辛口アタック。
梅のような酸味からそう感じた甘味のようです。
塩味もあるような…。
若干薄っぺらい味は、その酸をうまく受け止めてくれて、
全体像として膨らみを持たせてる印象です。
品種としてのポテンシャルは日本ソムリエ協会が押すほど感じませんが、
全くつまらないというものでもないというのが結論。(笑)
全くつまらないというものでもないというのが結論。(笑)