Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

ネッビオーロ

Antico Monastero Barolo 2016

安売りスーパーのロピアが京都初出店でヨドバシの地下にできました。ワインが充実してるというので混んでるの覚悟で行ってきました。オープンセールでオーパス・ワンが半額になってましたがそれでも3万円超えなのでパス。他を見渡すと、このバローロが半額になっていたので購入というわけです(笑)。ネットで見ると他でも半額のところがあったので少々ガックリですが、輸入元のオーバーシーズの上代 6,000円というのが当てにならないってことでしょうか。

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調べると作り手は、ルカ・ボジオさんが1967年に創業したボジオ・ファミリー・エステーツ(Bosio Family Estates)ということですが、裏ラベルにはベルコッレ(BelColle)のヴェルドゥーノ(Verduno)にあるワイナリーで作ったとあります。ベルコッレはボジオがバローロに持つワイナリーのようです。

ボジオ・ファミリー・エステート(Bosio Family Estates srl)の公式ページは、扱ってるいくつかのブランドの総合サイトになっています。

主力は本家「Bosio」で、本体というか実態というか、独立した別サイトになっています。

ワイナリーの場所はバルバレスコ地区の近くの Santo Stefano Belbo のコムーネにあります。

で、ベルコッレ(BelColle)というのが傘下のブランドになるんですが、ここはバローロ地区のヴェルドゥーノ(Verduno)というコムーネにある、れっきとしたワイナリーです。

今日のワインはここで作ったというわけですが、Antico Monastero なるワインは載っていません。仕方がないのでインポーター情報に頼りますが、バローロはDOCGで規定がありますから想像はつきます。

・ネッビオーロ 100%

ブドウはリュット・レゾネで栽培されています。オークの大樽にて36ヶ月の熟成だそうです。バローロDOCGの規定は木樽で18ヶ月を含む合計38ヶ月の熟成ですから、+2ヶ月は瓶詰後に放置プレーなのでしょう(笑)。


バローロのエリア、ヴェルドゥーノ(Verduno)にあるベルコッレを訪問します。
Belcolle01
周囲の畑を見下ろせる丘の上のいい感じの立地です。


バローロDOCGの全体像をGoogle Map上で俯瞰して見てみましょう。
Barolo_DOCG_NEW
新作地図です。どんどん正確で細かくなってきています(笑)。ベルコッレの場所も印しておきました。ヴェルドゥーノ村です。ご確認を。バローロは以下の11のコムーネにまたがります。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Roddi(ロッディ)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
Verduno(ヴェルドゥーノ)

これら11村はバローロのサブゾーンとなっており、バローロDOCGの名と共に表記ができます。更に、170の MeGAs(Menzioni Geografiche aggiuntive=additional geographical definitions)があり、狭域の畑名だったりするわけですが、これらも表記が可能です。Bussia、Cannubi、Bricco Boschis とかいったやつです。有名なのありますよね。


ラベル平面化画像。
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表には伝説のような解説が英語で書いてあるのに裏ラベルのワインの解説はイタリア語です。輸出向けなんだか、何なんだか(笑)。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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さすがバローロ、DIAM10使用はいいですね。

Alc.14.5%。
エッジオレンジ気味に透けるガーネット。
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黒ベリー、スパイス、イチジク、ブレットぽいのも。
辛口アタック。
酸がきれいに現れます。
タンニン分も最初から舌に絡みますが、
味わいはまろやかでふくらみがあります。
バランス抜群な感じがします。
余韻で酸が同伴するんですが上手なエスコートと言えるでしょう。
バローロの面目躍如といったところです。


*****


Belcolle
Antico Monastero
Barolo 2016
RRWポイント 92点


Terre da Vino Rosa dell’Olmo Barolo 2017

リカマンでとってもお安いバローロが売ってたのでお試しです。バローロDOCGとしては激安でしたが、DOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。てな理屈をこねながら裏ラベルを見ると、作り手は「T.D.V. S.P.A.」とあります。これは…以前に試した激安バローロの「Terre da Vino」じゃあるまいか。(笑)

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やはり作り手は以前に試したテッレ・ダ・ヴィーノ社でした。1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられたワイナリーです。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるとのことで、2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
今日のワインそのものは載っていないのですが、バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょう。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
TerredaVino01
バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
TerredaVino02
まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
TerredaVino03
まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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前に試したバローロはインポーターが重松貿易でしたが、これはリカ―マウンテンの都光になってますね。さあ、インポーター違いで供給商品の差をつけるでしょうか。そこが問題ですね。


さあ、抜栓。
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コルクはこの模様x2なので平面化はしません。

Alc.14%。
透け透けガーネット。褐変気味です。
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黒ベリー、イチジク、スパイス。
辛口アタック。
酸があとから付いて来ます。
ちょっと軽めの味わいに感じるのはこの酸のせいかな。
一定レベルの構造感、複雑味はキープしてます。
ちょっと愛想のないネッビオーロですが、
ネッビオーロとして楽しめます。

ただ、以前に試した同じ作り手のバローロの印象からすると、
「ちょっと落ちた?」と思ってしまいます。



*****

Terre da Vino
Rosa dell’Olmo
Barolo 2017
RRWポイント 89点


Pelissero Langhe Nebbiolo 2017

これ、ランゲ・ネッビオーロなんですが、バルバレスコの作り手がバルバレスコの畑の若木のブドウをダウングレードして出しているものになります。なので、「ほぼバルバレスコ」がお手頃価格でいただけるというわけです。何を隠そうお手頃でレベルの高いセカンドラベルとか大好物ですから(笑)、こういうのにありつけるのはうれしいです。

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ペリッセロは1960年にバルバレスコ地域のトレイゾに創業した家族経営の作り手です。もともとこの地で栽培農家を営む家系ですが、5haの自社畑からの元詰めでスタートし、三世代にわたりワイナリーとして発展し、現在では42haにもなりますが、「全ての仕事は自社で行う」を貫徹しているそうです。

公式ページはランゲやバルバレスコの紹介など内容充実しています。
Logo01
ワイン紹介でも、今日のワインはバルバレスコの若木でバルバレスコとして醸造されないネッビオーロを使っているとのことで、ネッビオーロの鮮度特性を最大限に引き出すようにしているとか。
・ネッビオーロ 100%
トレイゾ、ネイヴェ、バルバレスコの3つのコムーネ(すべてDOCバルバレスコ対象地域)の若木(15年まで)からのネッビオーロで、マセラシオンも短めにしているとのこと。熟成は、一部(20~30%)をバリックで、残りを50hlの大樽で8~9ヶ月、瓶詰め後2ヶ月となっています。
若くてフレッシュなネッビオーロの特徴を生かすというポリシーで作られるということではありますが、この熟成期間ですと、バルバレスコで出そうとすると引っかかってしまうということもあるでしょうね。
バルバレスコDOCの規定では、樽熟9ヶ月を含む26ヶ月の熟成が必要です。樽の9ヶ月はほぼクリアしていますが、あと1年半ほどリリースできないのはきついですよね。なので、DOC規定にこだわらないワインもラインアップとして出していくのはグッドアイデアだと思います。オーナーご自身もピッコロ・バルバレスコ(=ベイビー・バルバレスコ)なんて呼んでいるそうです。うまいことやりますな~。


ペリッセロを訪問します。
Pelissero01
トレイゾの集落のすぐ北、少し小高い丘の上です。ストビューは10年前の写真で、まだ新しい施設を建造中でした。上空写真ではすでに立派なのが出来上がっています(笑)。


バルバレスコDOCのエリアを俯瞰して位置関係を見てみますよ。
Barbaresco_Pelissero
バルバレスコは1966年にDOC認証され、1980年にDOCGになっています。トレイゾ(Treiso)、ネイヴェ(Neive)、バルバレスコ(Barbaresco)の3つのコムーネとアルバ(Alba)の一部が対象エリアになります。サブゾーンとして、66の MeGAs(Menzioni Geografiche Aggiuntive = additional geographical definitions)が付記できるようになっています。地図の右側に列記しました。

今日のワインはランゲ・ネッビオーロDOC(Langhe Nebbiolo DOC)ですが、ピエモンテ州の南側の広範囲になり、当然ながらバルバレスコを包含します。2つのエリアを重ねてみました。
Barbaresco_Langhe
ランゲDOCは、赤・白・ロゼがあり、赤・白は認められた主要品種を85%以上使うと品種名を付記できます。それが今日のランゲ・ネッビオーロDOCっていうことですね。

詳しくはランゲ地区DOCの公式サイトをご確認ください。

Italian Wine Central と共にいつもお世話になってるサイトです。


ラベル平面化画像。
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シンプルです。上位モデルも同様ですから、見劣りはしません。裏ラベルなし。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14%。(pH:3.78、Brix:7.4)
褐変気味のガーネット。若いのに貫禄ありますね。
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黒ベリー、チェリー。
還元臭?かすかながらですが。
酸味から来る辛口アタック。
タンニン分も絡んだ複雑な味わいを見せます。
ただし、酸・タンニンの苦味は少々主張が強めかも。
余韻で落ち着いてくるので、二度楽しめるような感じがします。

ただただ軽く仕上げずに、いろいろやってる気がします。
やはりバルバレスコの子供を目指してる感じです。


*****


Pelissero
Langhe Nebbiolo 2017
RRWポイント91点


Teo Costa Barbaresco Lancaia 2017

今日はネッビオーロな気分。お手頃なバルバレスコを開けましょう。と、ネットでこれの価格を見ると 6,578円。けっしてお手頃ではない値段です。あれ? そんなに高かったっけと思って購入時のレシートを確認すると、2,000円ほど(2,800円のセール価格30%OFF)で買ってます。海外は40ドルくらいなので、やはりこの購入価格が何かの間違いだったのでしょうか。とにかく安く買えたことはありがたいです。(笑)

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テオ・コスタは1800年代の終わりにアントニオ・コスタさんが、ロエロ(Roero)地方、カステッリナルド・ダルバ(Castellinaldo d'Alba)に設立した家族経営のワイナリーです。ロエロの 3ha の畑から始まり、現在はモンフェラート、ランゲ(バローロ、バルバレスコ含む)に合計 80ha の畑を所有しています。

この画像は公式facebookページから。かなりの頻度で更新されていて好感が持てます。
facebook-1
トレイゾにバルバレスコの畑を持ってるそうです。そこの写真かな? 2018年が最新ヴィンテージってことでしょうね。ちなみにバローロの畑はノヴェッロにあるそうです。


公式ページは「家族経営~」って感じですが内容は充実。

バルバレスコの畑はトレイゾの南西に面した丘にあるそうです。そこで5年を費やしてこの「ランカイア」を作ったとのこと。
・ネッビオーロ・ランピア 100%
ネッビオーロには大きく4つの品種(クローン)があるとされていますが、その品種名(ネッビオーロ・ランピア)で書いてあるのは珍しいですね。熟成はオークの大樽で24ヶ月、ボトルで6ヶ月です。Barbaresco DOCG の規定では、木樽9ヶ月を含む計26ヶ月ですからクリアしています。

さあ、テオ・コスタが使っていると主張する「ネッビオーロ・ランピア」とは何ぞや?
Nebbiolo-Lampia
ネッビオーロには大きく以下の4つの品種(クローン)があるとされています。

●Nebbiolo Bolla(かつて一般的だったが減少傾向)
●Nebbiolo Lampia(現在最も普及しているクローン)
●Nebbiolo Michet(ネッビオーロ・ランピアがGFLVウイルスによって変異)
○Nebbiolo Rosé(形態学的に非常に異なる)

2004年のDNA分析では、最初の3つは遺伝的に同一であることが証明されています。ネッビオーロの親子関係は不明で、少なくとも片親は絶滅していると考えられます。ピエモンテやロンバルディアの数ある土着品種(Brugnola、Freisa、Nebbiolo Rosé、Negrera、Neretto di Bairo、Pignola Valtellinese、Rossola Nera、Vespolina)のどれかがもう片方の親で、残りの品種もネッビオーロの子孫に当たるそうです。なので、ネッビオーロはピエモンテやロンバルディアの品種の祖(Lead Variety)と考えられています。


カステッリナルド・ダルバ(Castellinaldo d'Alba)のテオ・コスタを訪問です。
TeoCosta01
前に試してる Cravanzola も同じ村にありますね。アルバ(Alba)の町から北へ車で20分といったところです。

バルバレスコをGoogle Map上で俯瞰し、テオ・コスタとの位置関係を見ます。
Barbaresco2
畑の場所は、トレイゾ(Treiso)の南西向きの斜面ということしか分かりませんので、トレイゾの場所を確認して、だいたいの雰囲気を想像しておきましょう(笑)。(公式ページのギャラリーかフェイスブックの写真を見るのをお勧めします。)


ラベル平面化画像。
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写真は在りし日のコスタ家でしょうか。


さあ、抜栓。
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とんでもなくロゴ入り。

コルク平面化。
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DIAM5採用。しかし、こうロゴが詰め詰めだと少し気色悪い…。

Alc.14.5%。(pH:3.80、Brix:7.4)
クリアな透け感のガーネット。エッジは褐変気味。小粒な涙がはっきり。
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黒ベリー、ダークチェリー。
鰹節か藁のような素朴な風味もかすかに。
辛口アタック。
酸はこなれて貫禄があります。
複雑味、滋味、繊細さ、
熟成ネッビオーロの全てを兼ね備えています。
バローロよりは「か細い」(と僕が思っています)、
バルバレスコのアイデンティティも表現できています。
余韻で鄙びた村の風景が浮かび上がり、
フィニッシュで満足感に浸れます。

お値段以上(笑)のお味でした。
もう少し寝かせられるポテンシャルも感じました。


*****


Teo Costa
Barbaresco Lancaia 2017
RRWポイント94点


Nebbiolo di Carema Carema DOC 2016

ピエモンテ州北部のローカル白品種エルバルーチェ(Erbaluce di Caluso DOCG)を探求していた時、その北側にすごく小さなカレマCarema)というDOCがあるのに気づきました。ネッビオーロ主体のロッソのみのDOCだそうです。この辺りはゲンメDOCGやガッティナーラDOCGの周辺にもネッビオーロ主体のDOCがたくさんありますが、こんなとこにもありました。最近とてもネッビオーロが気になります。カレマDOCをお取り寄せして一気に深掘りすることにしましょう。

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作り手はCantina dei Produttori Nebbiolo di Carema。「カレマのネッビオーロ」というド直球な名前ですね。1960年にカレマ村の10人の作り手のグループによって設立されました。Carema DOC ができたのが1967年ですから、その前からネッビオーロ推しで頑張ってきたんでしょうね。なにせその名も「カレマのネッビオーロ」ですからね。(笑)
現在、協同組合として101人のメンバーがいるそうです。2013年にはセラーが改装され、古いスラヴォニアン・オークの大樽(1,000hl)は新しいものに交換されています。今日のワインは2016ですから、3年落ちの大樽で熟成ってことでしょうか。


公式ページは、やはりですがカレマDOCについて詳しく書かれています。

ワイン情報もデータシート完備でしっかりしています。
・ネッビオーロ 100%
カレマDOCの規定通り、2年(24ヶ月)の熟成をしており、そのうち12ヶ月は例のスラヴォニアン・オークの大樽(1,000hl)での熟成です。

「カレマのネッビオーロ」を訪問します。建物は改装されてきれいですね。
Nebb_Carema01
なんだかヴァッレ・ダオスタ州との州境に近いせいか、アオスタ渓谷の雰囲気がありますね。

カレマ村(Carema DOCの範囲)周辺をGoogle Mapで見てみます。
Nebb_Carema02
カレマ村って州境ギリギリにあるんですね。ヴァッレ・ダオスタDOCのサブゾーン、ドナス(Donnas)の極近でした。なるほど、雰囲気が似てるわけです。

ピエモンテ州全体の地図で位置関係を見てみましょう。
Piemonte001
小さな「Carema」は見つかりましたか?ほぼヴァッレ・ダオスタ州です(笑)。

四角で囲った部分の拡大地図。この辺り北ピエモンテの主要DOC/DOCGが密集してます。
Carema02
カレマDOCを取り囲む広域の Canavese DOC というのは、ネッビオーロ含む赤・ロゼも可能ですが、どちらかというと白、それもエルバルーチェのDOCです。しかしその周辺はカレマDOC同様のネッビオーロありきのDOCが密集しています。必要ネッビオーロ含有率と樽熟期間に焦点を当ててまとめてみます。

Carema DOC(ネッビオーロ:85%以上、樽12ヶ月含む24ヶ月の熟成)

Colline Novaresi DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 <Colline Novaresi DOC は以下を内包します。>
 ・Ghemme DOCG(ネッビオーロ:85%以上、樽18ヶ月含む34ヶ月の熟成)
 ・Boca DOC(ネッビオーロ:70~90%、樽18ヶ月含む34ヶ月の熟成)
 ・Sizzano DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽16ヶ月含む22ヶ月の熟成)
 ・Fara DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽12ヶ月含む22ヶ月の熟成)

Coste della Sesia DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 <Coste della Sesia DOC は以下を内包します。>
 ・Gattinara DOCG(ネッビオーロ:90%以上、樽24ヶ月含む35ヶ月の熟成)
 ・Bramaterra DOC(ネッビオーロ:50~80%、樽18ヶ月含む22ヶ月の熟成)
 ・Lessona DOC(ネッビオーロ:85%以上、樽12ヶ月含む22ヶ月の熟成)

なんだかネビネビしてワクワクするゾーンですね(笑)。バローロ、バルバレスコを擁するランゲ・エリアよりネビネビしてる気がします。

このあたりの情報はピエモンテ北部「Alto Piemonte」のサイトが詳しいです。

アルト・ピエモンテ…このあたりのネッビオーロを極めたいですね。


ラベル平面化画像。
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シールの貼り方はどうかと思いますが、こういうワインを輸入してくれるのは偉いです。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13%。(pH:3.95、Brix:6.6)
褐変のごくごく薄色のルビー。
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黒ベリー、プラム、リコリス。
酸味が割としっかりとある辛口アタック。
熟成感ある深みを感じます。
タンニンの収斂性を喉越しで受けながら、
余韻はず〜んと重みありです。
最後に酸が収まっていれば、ヤバいレベルのうまさですよ。


*****

Cantina Produttori
Nebbiolo di Carema
Carema DOC 2016
RRWポイント 92点


Antichi Vigneti di Cantalupo Agamium Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017

バローロやバルバレスコだけがネッビオーロじゃないと、Gattinara DOCG のスパンナや、Valtellina Superiore DOCG のキアヴェンナスカ、Vallée d’Aoste DOC のピコテンドロなど、あちこちのネッビオーロを試してきましたが、ガッティナーラDOCGのお隣にある、ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)を忘れていました。早速お取り寄せしようと探したところ、結構なお値段がしてお高い(笑)。そこでゲンメの畑から作られるものの、熟成期間がDOCGの規定に足りないので「Colline Novaresi DOC」でリリースされるという「なんちゃってゲンメ」を見つけました。これなら懐に優しいです。(笑)

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作り手はアンティキ・ヴィニェティ・ディ・カンタルーポといいます。「アンティキ・ヴィニェティ(Antichi Vigneti)」とは「古代のブドウ園」と言う意味で、オーナーの一族アルルンノ家がブドウ栽培をしていた記録は16世紀初頭までさかのぼるそうです。1969年にゲンメDOC(Ghemme DOC)が出来ると、前オーナーのカルロ・アルルンノさんは、ブドウ園を植え替えて拡張し新しいセラーも建てました。そうして1977年に「Antichi Vigneti di Cantalupo」としてワイナリーを立ち上げます。1981年より醸造学を学んだアルベルト・アルルンノさんが引き継ぎ、この年、最初のゲンメをリリースしています。ゲンメがDOCGに昇格したのはそれから随分後の1997年です。ゲンメ最古参の作り手という訳です。半端ない歴史を感じますね。

公式ページは良くできますが、英語表示がないとか、ワインの説明が貧弱なのが惜しいところ。

インポーター(テラヴェール情報も交えながら…。
・ネッビオーロ(スパンナ) 100%
同じピエモンテ州でもゲンメやガッティナーラなど北の方ではスパンナ(Spanna)と呼ばれています。ゲンメの自社畑の若木からだそうで、ステンレスタンクで12ヶ月の熟成後、900Lと3,000Lのスラヴォニア大樽に移して12ヶ月熟成をしています。これでもゲンメDOCGの規定に足りないということですから、その規定を見てみます。

ゲンメDOCG(Ghemme DOCG)
・スパンナを85%以上使うこと。(ブレンドされるのは、Uva Rara、Vespolina。)
・樽18ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計34ヶ月の熟成。
・リゼルヴァ(Riserva) は、樽24ヶ月、ボトル6ヶ月を含む合計46ヶ月。

相当長い熟成ですね。バローロも結構長いんですが、いい勝負です。
・バローロ:樽18ヶ月含む合計38ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽18ヶ月含む合計62ヶ月。

因みにバルバレスコは短め。
・バルバレスコ:樽9ヶ月含む合計26ヶ月。
・同リゼルヴァ:樽9ヶ月含む合計50ヶ月。

今日のワインのコッリーネ・ノヴァレージ DOC(Colline Novaresi DOC)だと、ゲンメを含むさらに広域が対象になり、85%以上で「ネッビオーロ」の品種が表示できます。熟成の規定もありません。
実は今日のワイン名のアガミウム(Agamium)は「ゲンメ」の古い呼び名だそうで、それとなく「ゲンメ」なんだってことを主張しているようです。(笑)


ゲンメの町の外れにある作り手訪問。
Cantalupo01
裏山は畑っぽいですね。


ピエモンテ州北部のDOC/DOCGを調べてたら、その公式ページというのを発見。

北部地域をまとめて「Alto Piemonte」と呼んでます。うまいこと言いますね。

わかりやすい地図も載っていたので、拝借して加工してみました。
Cantalupo02
セージア川(Fiume Sesia)を挟んでゲンメとガッティナーラが向かい合ってます。それぞれ広域の Colline Novaresi DOC と Coste della Sesia DOC に含まれる関係です。その他DOCも含め書き出してみます。

Colline Novaresi DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Ghemme DOCG(ネッビオーロ:85%以上、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Boca DOC(ネッビオーロ:70~90%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Sizzano DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟16ヶ月の規定あり。)
 ・Fara DOC(ネッビオーロ:50~70%、樽熟12ヶ月の規定あり。)

Coste della Sesia DOC(赤・白・ロゼ、赤はネッビオーロ:50%以上)
 ・Gattinara DOCG(ネッビオーロ:90%以上、樽熟24ヶ月の規定あり。)
 ・Bramaterra DOC(ネッビオーロ:50~80%、樽熟18ヶ月の規定あり。)
 ・Lessona DOC(ネッビオーロ:85%以上、樽熟12ヶ月の規定あり。)

おおっ、北ピエモンテってスパンナ(ネッビオーロ)王国だったんですね。またまたネッビオーロの課題が増えたような気がします。(笑)

ピエモンテ州北部って、実はロンバルディア州のミラノにすごく近いです。
Cantalupo04
特にミラノのマルペンサ国際空港が目と鼻の先にあります。この空港、イタリア北部の玄関口ですが、ここからだとミラノ市街よりゲンメの方が近い。(笑)


ラベル平面化画像。
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裏ラベルに、Sesia Val Grande UNESCO Global Geopark(セージア・ヴァル・グランデ・ユネスコ世界ジオパーク)とあります。そこの土地からのブドウってことでしょうか。因みにセージア渓谷は2013年にユネスコ世界ジオパークに認定されています。

インポーターシールはこれ。
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スペースがあるのになぜオリジナルに被せるかな~。


さあ、抜栓。
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犬か狼かわかりませんが、シンボルマーク入り。

コルク平面化。
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コルクにも同じマーク。DIAM5採用です。

Alc.13.5%。(pH:4.43、Brix:7.1)
エッジがかすかにオレンジのガーネット。
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ラズベリー、カシス、紅茶。
辛口アタック。
甘やかな酸がかすかに乗ってはいます。
軽めながらタンニンも効いてますね。
味にちゃんと厚みを感じ悪くないです。
喉越し、余韻といいバランスが続きますが、
最初の甘やかな酸は結構最後まで残ります。

ネッビオーロの新しいパターンとして楽しめました。
でも、やっぱり本物のゲンメをいただく必要がありますね。(笑)


*****


Antichi Vigneti di Cantalupo
Agamium
Colline Novaresi DOC Nebbiolo 2017
RRWポイント 89点


Orlando Abrigo Langhe Nebbiolo 2014 Settevie

オルランド・アブリゴというトレイゾ村にあるバルバレスコの作り手です。ここのバルバレスコにパーカーおじさんは92~94点を何度もつけており実力は高そうです。しかしながら、今日お試しするのはラベルもおしゃれなエントリーラインのランゲ・ネッビオーロ。しっかりネッビオーロらしさが出てればOKなんですが。

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1964年にオルランド・アブリゴさんが設立したとなっていますが、それ以前、1949年(13歳の時)にオルランドさんは父を亡くし代々のブドウ畑を受け継いでいます。しかしまだ若干13歳。畑は小作人に任せ、オルランドさんが勉強を積んで一人前になるのを待つ必要があったということのようです。オルランドさんは以降バルバレスコでワイン造りに打ち込み、1973年に最初のバルバレスコDOCをリリースします。バルバレスコDOCは1966年に制定され、DOCGに昇格したのが1980年。まさにバルバレスコ創成期に生まれ、共に成長してきた作り手と言えるでしょう。現在は息子のジョバンニ・アブリゴさんが引き継ぎ事業を拡大していってるそうです。

公式ページはあっさりした内容ですが今風でちゃんとしています。

ただし、個々のワイン紹介は貧弱な感じ。ネット情報を交えながら…。
・ネッビオーロ 90~95%
・バルベーラ 5~10%
ランゲDOCの規定では85%以上で品種が表示できます。なので今日のはランゲ・ネッビオーロです。熟成はバリックとトノー(900L)併用で12〜15ヶ月のようです。

ピエモンテ州はバルバレスコのエリア、トレイゾにある作り手訪問。
OrlandoAbrigo01
敷地内へストビューで入れなかったので公式ページにあった写真を拝借。矢印の建物は2012年竣工の新しいセラー。斜面の地形を利用したグラビティ・フローの最新式です。真ん中の建物はゲストハウスになっていてホテル業も併設でやってるそうです。

バルバレスコの正確なエリアをGoogle Map上に示しました。
OrlandoAbrigo02
すると、今日のオルランド・アブリゴの所在はギリギリ域内です。所有のバルバレスコの畑はもっと北側にありますからご安心を。ただし、今日のワインはランゲですから、トレイゾの畑のブドウを主体にTrezzo TinellaやRoretoといった域外のものをブレンドしてるようです。

1994年制定のランゲDOCの範囲はバローロ、バルバレスコを内包する広大なエリアです。
Monferrato_Langhe02
全部で54のコムーネがランゲDOCの対象になっています。品種も国際品種含めいろいろ使え、赤・白・ロゼ・甘口となんでもござれです。


ラベル平面化画像。
IMG_4758
「Settevie」というワイン名ですが、ワイナリーの所在の古い地名なんだそうです。


さあ、抜栓。
IMG_5171
キャップシール、コルク、一応ワイナリー名入りです。コルクはこのマークx2回繰り返しだなので平面化はしません。

Alc.13.5%。(pH:4.45、Brix:7.3)
エッジ褐変気味のガーネット。
IMG_5174

黒ベリー、ダークチェリー、濡れ木の樽香あり。
酸を予感させる香りです。
かすかなブレットもあるような…。
やはりですが、大人しめの酸を感じる辛口アタック。
これはブレンドしてるバルベーラの影響でしょうか。
複雑味もあるんですが若干軽い味わいです。
ネッビオーロらしさは出てるんですが、
余韻にかけて軽さというか浮わついた感じになります。
バルバレスコの重みは期待してはいけないですが、
やはりフルーティさ、軽飲み、早飲みを目指してそうですね。
これはこれでレンジからして意図通りと思います。


*****


Orlando Abrigo
Langhe Nebbiolo 2014
Settevie
RRWポイント 89点


Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

IMG_5042
作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
TerredaVino01
バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
TerredaVino02
まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
TerredaVino03
まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
IMG_0355
デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_5038
無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
IMG_5039
ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
IMG_5040

黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


Kirkland Signature Barolo 2015

バローロをいただくんですが、コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーです(笑)。今までは素通りしていたやつですが、最近キヤンティ・クラッシコリオハを試し、そんなに悪くなかったもので、これも試してみなきゃと相成りました。お値段は2,488円。微妙な感じですが本国アメリカでは$19.99のようですから、ドル建てで見ると安く感じます。(笑)


IMG_4343
問題は作り手です。キヤンティ・クラッシコやリオハは裏ラベルにヒントが書いてあって、生産委託先が判明したんですが、バローロは裏ラベルには全く手掛かりがありません。困ったなと思っていると、ネックに「Simone Tablino」というサインがあります。一か八かでググってみます。
すると、ロレンツォ・タブリーノというアルバにあるワインのコンサルのページがヒットします。この方の息子さんがネックのサインのシモーネ・タブリーノさんで、親子でワインのコンサルをやってるようです。で、重要な発見が、お父様のロレンツォ・タブリーノさんが1969年から2004年までセッラルンガ・ダルバの大手ワイナリー、フォンタナフレッダFontanafredda)で技術者として働いていたことです。そしてさらに、息子のシモーネ・タブリーノさんが2004年から引き継いでフォンタナフレッダで働いてらっしゃる! 現役じゃん。(笑)

すると次々と手掛りが繋がってきます。表ラベルには生産地でしょう「Serralunga d'Alba」とありますし、イラストの建物にも「Villa Reale in Serralunga」とあります。フォンタナフレッダ村(Villaggio Fontanafredda)とも呼ばれるフォンタナフレッダの敷地内へ入ってみます。
FontanafreddaGR01
ビンゴ! ラベルのイラストの建物はこれでしたね。クリソツです。ということで、コストコのバローロはフォンタナフレッダで間違いないという結論になりました。


公式ページにコストコのワインが載ってるわけもありませんが、一応リンクを貼っておきます。

データは不詳ですが、バローロDOCGの規定に沿うとこうです。
・ネッビオーロ 100%
合計38ヶ月の熟成(内木樽で18ヶ月)はやってるってことです。


フォンタナフレッダの公式ページにある周辺の中世風イラスト地図です。
Fontanafredda01
フォンタナフレッダと、セッラルンガ・ダルバ城のあるセッラルンガ・ダルバの町、バローロ村に旗が立ってます。(実際は所有畑の場所を示す旗ですが…。)

なかなか面白い地図なので、Google Mapにイラストと共に転記します。
FontanafreddaGR02
地図の左下にフォンタナフレッド村の拡大写真を入れています。今日のワインのラベルのイラスト「Villa Reale」はここに示したように敷地の奥の方にあります。


ラベル平面化画像。
IMG_4275
ジェームズ・サックリングさん92点のシールあり。


さあ、抜栓。
IMG_4340
超無印。コルクもこの番号だけなので平面化はなしです。

Alc.14%。(pH:4.16、Brix:7.7)
エッジにかけて透けるガーネット。粘性の涙は細かめです。
IMG_4341

辛口アタックの前に酸性のブレット風味が飛び込んできます。
まあ、バローロあるあるかもしれないので、良しとしましょう。
ブラックベリー、アプリコット、鉄、黒鉛。
辛口アタック。
やはり酸がありますが尖ってはいないのでOK。
しなやかなテクスチャーをもつ味は程よい複雑味をたたえています。
喉元に張り付く収斂性は演出として悪くはないです。
ただし、余韻で甘みに気づきながらも、
そのタンニン分がしつこく残る気がします。

値段なりですが十分楽しめるバローロだと思います。
ただし、フォンタナフレッダにしては今ひとつな感じはします。


*****


Kirkland Signature
Barolo 2015
RRWポイント 90点


Caves Cooperatives Donnas Vallée d’Aoste DOC Donnas 2013

何かおもしろいワインはないかと伊勢丹のワイン売り場を物色して発見。ヴァッレ・ダオスタDOC(Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOC)のサブゾーン、ドナス(Donnas)の名前が入ったワインです。このDOCが、アルプスの名峰に囲まれたイタリア北西のヴァッレ・ダオスタ自治州に当たることや、アオスタというのが州都であることなんかはなんとなく予備知識がありましたが、一番興味を引かれたのが、ブドウがピコテンドロネッビオーロのシノニム)だったことです。


IMG_4111
作り手は、ヴァッレ・ダオスタ州ドナスの町に1971年に創業した、その名も Caves Cooperatives Donnas という協同組合です。80軒の農家が属し、年間平均15万本の生産と規模はそれほど大きくはありません。
ドナス(Donnas)は、ヴァッレ・ダオスタDOC(Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOC)のサブゾーンになりますが、ドナスを名乗る場合、ネッビオーロを85%以上使わないといけない規定になっています。やはり一番ピエモンテ州に近いエリアだからなのか、古くからネッビオーロを栽培していたらしく、ドナスを代表するブドウということになっているようです。


公式ページは少々古い感じですが、内容はそこそこあります。
Donnas00
今日のワインはフラッグシップなのか真っ先に載ってます。ただ、ワイン情報は裏ラベルの方が詳しかったですが。(笑)
・ピコテンドロ(ネッビオーロ) 85%
・フレイザ、ネイレ 15%
25hlのオークの大樽で、少なくとも12ヶ月間熟成されるそうです。

ネッビオーロはこの地ではピコテンドロ(Picotendro)と呼ばれるようです。
「Pico=小さい」+「Tendro=柔らかい」という語源らしいです。かわいらしい名前ですね。
Nebbiolo01
ピエモンテ州でもクオーネ県以外ではスパンナ(Spanna)と呼んだり、ロンバルディアではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)と呼ばれていましたね。

Neyret(ネイレ)と合わせて15%入ってるというのが、このFreisa(フレイザ)。
Freisa01
ピエモンテ州でネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットに次いでお馴染みのローカル品種です。

Neyret(ネイレ)は色付けのためブレンドされるローカル品種です。
Neyret01
ヴァッレ・ダオスタDOCの、ドナスをはじめとするいくつかのサブリージョンで認められている品種だそうです。


ドナスの町の Caves Cooperatives Donnas を訪問します。ヴァッレ・ダオスタ州、アオスタ渓谷を貫いて流れるドーラ・バルテア川(Fiume Dora Bàltea)沿いにあります。
Donnas01
三角屋根の特徴的な建物です。レストランもやってるようです。周りの山の岩肌も壮観ですね。

ヴァッレ・ダオスタ州を俯瞰した上で、Valle d’Aosta / Vallée d’Aoste DOCとそのサブゾーンを俯瞰します。DOC名でわかるように地域的にイタリア語と共にフランス語も公用語です。
Donnas02
フランスとスイスの国境でモンブランやマッターホルンなどの名峰に囲まれてます。ワイン産地とサブゾーンはドーラ・バルテア川(Fiume Dora Bàltea)沿いに集中していますね。
ここで7つあるサブゾーンをまとめておきます。地図と照らし合わせてみてください。

(Blanc de) Morgex-La Salle(Prié Blancという品種100%の白かスパークリング)
Enfer d'Arvier(Petit Rougeという品種85%以上の赤のみ )
Torrette(Petit Rougeという品種70%以上の赤のみ )
Nus(現地でMalvoisieと呼ばれるPinot Grigio 100%の白、および、Petit Rougeという品種70%以上か、Vien de Nusという品種40%以上の赤のみ)
Chambave(Moscato Bianco 100%の白・甘口白、および、Petit Rougeという品種70%以上の赤のみ)
Arnad-Montjovet(ネッビオーロ70%以上の赤のみ)
Donnas(ネッビオーロ85%以上の赤のみ)--- 今日のワイン。

ヴァッレ・ダオスタDOCは1986年に、それまでにDOCであったDonnaz DOCとEnfer d’Arvier DOCを取り込む形で広域のDOCになっています。しかし、そのサブゾーンは制約がなかなか厳しいですね。


ラベル平面化画像。
IMG_3890
裏ラベル含め全部イタリア語表記ですが、DOC名だけ「Vallée d’Aoste」とフランス語の方を使ってます。何のこだわりでしょうか。裏ラベルにはドナス他、近辺の Bard、Perloz、Pont-Saint-Martinのコミューンの畑からとなっています。情報豊富な裏ラベルとそれを隠さないインポーターシールはいいですね。


さあ、抜栓。
IMG_4108

コルク平面化。
IMG_4109
一応、ワイナリー名は入ってます。

Alc.13%。(pH:4.20、Brix:7.1)
盛大に褐変のガーネット。クリア感あり。粘性の涙は細かいです。
IMG_4110

黒ベリー、カシス、黒オリーブ。
甘い香りに感じたと思うと、鞣し革のようなブレットも。
甘みにも感じるクールな酸味からの辛口アタック。
渋み成分のしっかりしたタンニンが舌上で広がり、
その上に存在感のある味が乗っかってきます。
2013年ですからね、熟成によるうまみが出てる感じです。
先ほどのタンニンにいざなわれた余韻にはうっとりします。

ロンバルディアのキアヴェンナスカもなかなか良かったですが、
ピエモンテ以外のうまいネッビオーロはここにもありましたね。


*****


Caves Cooperatives Donnas
Vallée d’Aoste DOC Donnas 2013
RRWポイント 93点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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