Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

 -- ブルゴーニュ

Bouchard Père & Fils Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018

前にも2015年を試しているブシャール・ペール・エ・フィスです。特に好みなわけでもありません。たまたま特価で売っていたので手を出してしまった的な…(笑)。どちらかというと、過去に本や漫画(漫画ソムリエ 第6巻 Vintage 45:不正)で読んだブシャール・ペール・エ・フィス社が1987年に起こした不祥事の印象で避けていたくらいです(笑)。

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1731年もの昔にミシェル・ブシャールによってボーヌに設立されたブシャール・ペール&フィスは、ブルゴーニュで最も古い作り手の1つであり、コートドールで最大の地主の1つでもあります。(現在、所有畑130haの内、74haが1級畑、12haが特級です。)
そんな偉大なドメーヌがしくじったのが1987年の不正事件です。フランスでは法律で禁止されている補糖と補酸の併用を行っていたことが発覚。その上、補糖の量自体も法律の制限量を上回っており、さらには原産地表示以外のブドウも使っていたというから驚きです。そして事件当時の経営者が吐いた言葉が、「みんなやってるのに何でワシだけパクられるねん!」だそうです。(笑)
案の定、その後会社は傾き、1995年にシャンパーニュ・アンリオを所有するジョゼフ・アンリオ氏に身売りをすることになります。しかし、アンリオ氏が経営を引き継ぐと、畑から醸造からあらゆる面に改革が行われ、現在のブシャールの品質は向上し、再び世界に名が知れ渡るドメーヌに返り咲いているということです。
ただ個人的には、そういうネガティブな話は印象に残るものでして、なんとなくいや~な感じを感じながらの抜栓となっちゃうんですよね。(笑)

公式ページは大ドメーヌの風格でしっかりしてますよ。

今日のAOCブルゴーニュもちゃんとデータシートまであります。
・ピノ・ノワール 100%
ただし、畑の場所はわかりません。シャブリからボジョレーまでのどこかです(笑)。買いブドウ(マスト)か買いワインだとはっきり書いています。熟成は10~15%だけフレンチオーク樽で、残りはステンレスタンクで9~10ヶ月だそうです。まあ、レジョナルですからこんなもんでしょう。

ただ、ひとつ気になるのは、裏ラベルの添加物の「安定剤アカシア)」の表示。たまに安ワインの表示で見かけますが、調べると現物はこの写真のような樹脂だそうです。(オエッ…笑)
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アカシア属アラビアゴムノキの樹皮から採るそうで、「アカシア」の代わりに「アラビアガム」と表示されることもあります。自然由来ですし、禁止されているわけでもなく、乳化剤や安定剤として広く使われているもののようです。例えば、アイスクリームやガムシロップ。あと、清涼飲料水の類、特にコーラはこれなしには成分が均一に混ざらないそうです。まさに安定剤なわけですね。
しかし、待てよ? たいていのワインはこんなもの入れずに作ってますよね。やはりこれは真っ当な作り方を端折って、それなりの味わいを作為的に作り出そうとして入れるもんなんでしょうね。

添加物の安定剤、ペイ・ドックの安いワインでも見かけますが、自分の経験上として過去の記録を調べてみると、なぜか南アフリカが特に多かったです。これは「アラビアガム」の例。
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De Wetshof という作り手では「安定剤(CMC)」とあります。
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CMCは Carboxymethyl Cellulose(カルボキシメチルセルロース)のことで、天然パルプ由来のセルロースを加工して作られた増粘安定剤だそうです。これも無害なんでしょうが、真っ当なワイン造りではないところで、とろみや粘りを出そうとしてるわけですよね。今日のブシャール同様、何となく釈然としません。そうそう、調べていて気がついたんですが、南アフリカは他国では見られない「酸味料」という謎の添加物の表示も多かったです。要注意ですね。

今日はなんだかすごく脱線(笑)。恒例の作り手訪問はしておきましょう。
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ボーヌの鉄道駅から市街へ向かって歩いて5分。旧市街の外郭に到達してすぐのところですね。なんとお向かいがアルベール・ビショーでした。


エチケット平面化画像。
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「安定剤(アカシア)」が燦然と輝いています(笑)。


さあ、抜栓。
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キャップシールなんかはカッコいいですよ。

コルク平面化。
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汎用品ですが、DIAMのいくつだろう? 3? 5?(笑)

Alc.12.5%。(pH:4.42、Brix:7.1)
しっかり色づいてるルビー。
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フランボワーズ、チェリー、ベリーの酸味の香り。
辛口アタック。
控えめで程よい酸味と複雑さも感じる味があります。
軽さはありますが、フレッシュ感として解釈可能。
後味で少々水臭い気がするんですが、
総論としてなかなかうまくまとまっています。

昔飲んだ2015年よりずっといいですね。
これが「安定剤(アカシア)」の効果なんでしょうか?
(笑)


*****

Bouchard Père & Fils
Bourgogne Pinot Noir La Vignée 2018
RRWポイント 90点


Domaine Philippe Charlopin Bourgogne Côte d’Or 2017 Cuvée Prestige

ブルゴーニュを代表する生産者のひとつであるドメーヌ・フィリップ・シャルロパン・パリゾ(Domaine Philippe Charlopin-Parizot)であります。ジュヴレ・シャンベルタンが本拠地ですが、8つのグラン・クリュ、35のアペラシオンのワインを作る名門ドメーヌ。過去、村名はいくつか試してますが、今日は「AOC Bourgogne Côte d’Or」をいただきます。これは2017年に新しく認められたAOCで、ただの広域と侮るなかれというやつでしたね。シャルロパンは早速2017年ヴィンテージからこの「~コートドール」に名称変更しています。

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1977年に家業の畑たった1.5haから始めたフィリップ・シャルロパンは、かのアンリ・ジャイエから指導を受けた一人ですが、そのお陰なのか今では珠玉のグラン・クリュ含む25haに大発展し高評価を得ています。そう言えば店頭でシャルロパンのシャブリも見かけましたね。手広い。

公式ページは正直古くさいデザイン。情報も決して多くないですが、あるだけマシですね。

ワインごとの情報がないのでネットで探ります。
・ピノ・ノワール 100%
新樽率10%で10~14ヶ月という情報がありました。また、畑は、ジュヴレ・シャンベルタン村、マルサネ村、そしてわずかにクーシェ村に広がる合計3haの畑からとのこと。


作り手訪問。ジュヴレ・シャンベルタンですが少し外れの方。県道974号線沿いです。
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お向かいがフーリエですね。

ジュヴレ・シャンベルタンの地図上で見るとこのあたりです。(黄四角)
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ジュヴレ・シャンベルタンは村名畑が県道974号線の東側まで広がっており、AOC Bourgogne に相当する広域畑(レジョナル)はさほど多くはないです。とは言え、今日のワイン、それにマルサネ、クーシェを混ぜて3haという手掛りだけでは、どこだかさっぱりわかりません。(笑)

そのマルサネ(マルサネ・ラ・コート)とクーシェの位置関係を見ておきます。
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白い線は行政区分ですが、AOCジュヴレ・シャンベルタンはブロションにはみ出てますし、AOCマルサネがシュノーヴやクーシェまで含むだとか、AOCフィサンは一部ブロション側にはみ出してるとか、行政区分通りスキッといかないので正しい範囲は適宜覚えましょう。(笑)


今日のメインエベント、AOCブルゴーニュ・コートドールAOC Bourgogne Côte d’Or)です。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象の地域はAOCブルゴーニュとはずいぶん違います。まずは、その対象範囲を見てみましょう。例によってINAOの地図を見ます。
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左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲を示す地図になります。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュ(左側の地図)がグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されましたね。

この範囲をGoogle Map上に重ねてみます。赤線で囲った部分です。
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シュノーヴからマランジュまで、まさにコートドール(=コート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ)の全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体です。それでも基本は県道974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れていますね。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールがこれら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたってことになります。なので、オート・コートの部分は外れるわけで。
つまり、AOCブルゴーニュ・コートドールは、今までにもあった、地理的呼称DGCDénomination Géographique Complémentaire)がついたAOCブルゴーニュと同じ扱いで、地域名AOCブルゴーニュでありながら、その中の特定のエリアに限定するものということです。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュDénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に調べてください(笑)。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois
AOC Bourgogne Côte d’Or

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。
この中じゃ、オート・コート以外ではコート・シャロネーズと Montrecul(Montre-Cul)くらいしか飲んでませんね。課題多し…。


エチケット平面化画像。
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2016年まではご覧の通り、ただのAOCブルゴーニュでした。
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今まで飲んだ他のAOCブルゴーニュも、AOCブルゴーニュ・コートドールが名乗れるものが多かったと思います。順次名称変更が進むんでしょうかね。

そうそう、インポーターシールは剥がしましたが、こんな具合でした。
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オリジナルのラベルは上から貼られることを想定してるデザインですかね。


さあ、抜栓。
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コルクはドメーヌ名入りですが、ここに写ってるだけなので平面化はしません。

Alc.13%。(pH:4.37、Brix:6.8)
クリアですがしっかり色づいたルビー。アンリ・ジャイエ譲りの完全除梗ですからね。
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フランボワーズ、フレーズ、煮詰まった滋味の風味あり。
完全除梗ながら茎っぽい青さもかすかに香ります。
辛口アタック。
酸は弱めながら味の輪郭をアシストしています。
複雑味もしっかりありウットリしますね。
喉越しから余韻と、いいバランスを流れの中で感じられます。

出ましたね。いい仕事する酸のパターンです。
2017年が良年だからでしょうか。かなりハイレベル。


*****

Domaine Philippe Charlopin-Parizot
Bourgogne Côte d’Or 2017
Cuvée Prestige
RRWポイント 93点


J.L. Raillard Bourgogne Les Paquiers 2018

ヴォーヌ・ロマネのジャン・ルイ・ライヤールをお試しです。インポーターの売り文句では「DRCで40年間働いていた母と、同じく37年間働いていた父を両親に持つ男、ジャン・ルイ・ライヤール。ライヤール自らもDRCで働いた経験を持ち、毎年DRCの瓶詰めに立会い、試飲をする権利も持っています。」なんて書いてます。なんだかすごそうで、そうでなさそうで不思議な表現です。DRCを持ち出されると弱い民を狙い撃ちしてるのかもなんて邪推してしまいます。まあ、お試しするのは平常運転でAOCブルゴーニュなんですが、それも含めて調べてみます。

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1968年から元詰を始めたドメーヌ・ジャン・ルイ・ライヤールは、栽培面積がわずか1.4ヘクタール、総生産量5,000本前後という、他のヴォーヌ・ロマネのドメーヌに比べて極めて小規模なドメーヌです。ライヤールが最もこだわりを持っているのは設立当初から行っている全房発酵のワイン造りなんだそうです。うん、DRCっぽい。(笑)

予想はしていましたが、やはりドメーヌの公式ページはないようです。
仕方がないので、基本的にはインポーター情報を頼りに見ていきます。

今日のワインは、エチケットにも記載があるようにヴォーヌ・ロマネ村のAOCブルゴーニュ畑「レ・パキエ」からだそうで、とにかく素性がはっきりしているのはいいことです。
・ピノ・ノワール 100%
栽培面積わずか0.35haで育まれる平均樹齢54年のブドウを手摘みで収穫。畑とセラーで2度に渡る選果の後、100%除梗…。ええっ? 全房発酵にこだわってるんじゃないの~?
村名やプルミエ・クリュは除梗なしなんですが、AOCブルゴーニュだけは100%除梗するんだそうです。なぜだか理由は書いていません。なんだかちょっとだけ残念です。(笑)
熟成は新樽率20%で14ヶ月だそうです。

早速ドメーヌを訪問です。Google Mapで検索すると、ジャン・ルイ・ライヤールさんの自宅の方に行き着いてしまいますが、ドメーヌ自体はヴォーヌ・ロマネ集落のど真ん中にありました。
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2019年10月のストビューですが、何やら樽を外に並べて作業中ですね。このお向かいがグロ・フレール・エ・スール(Domaine Gros Frère & Sœur)で、右隣の方にはメオ・カミュゼ(Méo-Camuzet)があります。DRCはというと角を曲がって歩くこと200mの距離です。スーパースターが揃ったすごい街角にあるんですね。


今日のAOCブルゴーニュの畑、レ・パキエ(Les Paquiers)を確認します。AOCブルゴーニュの畑名まで載ってる地図はやはりこれですね。(Luc Corporation様サイトより拝借)
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黄色、赤枠で示したところです。当然ながら県道D974号線のこっち側です。左上にインポーズした地図にも書いていますが、この畑、ジャン・ルイ・ライヤールさんの自宅の真ん前です。

さあ、この位置関係をGoogle Map上で見てみましょう。(この地図は上が北です。)
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AOCブルゴーニュの畑とは言え、ヴォーヌ・ロマネ村名の畑を挟んだ向こう側は名だたるグラン・クリュが並んでいる位置関係。只者ではないAOCブルゴーニュかもって気がしてきます。(笑)

そして、恒例の「畑の境界に立ってみました」シリーズです。
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う~ん、写真じゃわかりませんが、差はそんなにないと信じたい。破れ、テロワールの幻想!


エチケット平面化画像。
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シンプルですが、なんだかDRCのデザインを意識してません?(笑)

裏ラベルはなく、このインポーターシールのみでした。
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さて、抜栓。
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コルク平面化。
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ドメーヌ名、ミレジム、基本はしっかりしています。DIAM5を採用です。

Alc.13.2%。(pH:4.43、Brix:6.9)
エッジは透けますが、しっかり色着いたルビー。やはり全房感はないですね。
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涙はくっきりしてますが細かいです。
フランボワーズ、フレーズ。
かすかな佃煮香と茎っぽさがあります。
辛口アタック。
深み、深遠さを感じる味わい。
酸はそれにさらに立体感を与えてくれてる感じがします。
その後、上品な苦味がまとめにかかり、抜群のバランスで余韻へ突入。
喉元のアルコール感も心地よいです。
まだまだ寝かせられそうな雰囲気がありますが、今でも全然楽しめます。

まさに…エレガント…。
この作り手、だてにDRC一家なわけじゃなさそうです。(笑)


*****

Jean Louis Raillard
Bourgogne 2018
Les Paquiers
RRWポイント 95点


Bonneau du Martray Corton-Charlemagne Grand Cru 2008

ボノー・デュ・マルトレイのコルトン・シャルルマーニュをお試し。所有畑11.9haは全てグラン・クリュで、そのワインのほとんど(9.5ha)がモンラッシェと並び最高峰の白ワインと称えられる特級畑コルトン・シャルルマーニュといいます。そんな弩級ワイン、当然のごとくバイザグラスの試飲です。しかし、ほんと半年ぶりくらいです、都会に繰り出してのテイスティングは…。

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ブルゴーニュの生産者の中での特級畑のみを所有するのは、このボノー・デュ・マルトレイとDRCだけだそうですね。2000年から有機農法、2004年からはビオディナミをスタートし、 2011年には100%ビオディナミになってるんだそうです。すんごいビオワインでもあるってわけです。
2017年には、なんとカリフォルニアのカルトワイン、スクリーミング・イーグルに買収されています。

公式ページは、さすが一流といった貫禄がありますね。

ワイン紹介も、特級コルトン・シャルルマーニュと特級コルトン(赤)の2種類だけですからシンプルです。
・シャルドネ 100%
データシートも完備なんですが、残念ながら2010年以前が載っていません。樹齢40~60年のブドウ。100%除梗。樽は大樽とありますが熟成期間ははっきり書いてませんね。


ドメーヌ訪問。ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses)の集落内です。
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コルトンの丘が目と鼻の先。当然、所有畑もすぐ近くってことでしょう。


ボノー・デュ・マルトレイの所有畑を確認する前に、コルトン・シャルルマーニュとコルトンのおさらいをしておきましょう。以前も描いていますが改めてGoogle Map上に描き直してます。
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後ほど詳細のAOC地図は載せるとして、ここでは特級(Grand Cru)のコルトン・シャルルマーニュ(Corton-Charlemagne)とコルトン(Corton)、1級(Premier Cru)のアロース・コルトン(Aloxe-Corton)に絞って、その範囲を示しています。まず、コルトン・シャルルマーニュの範囲(青色)がアロース・コルトン村だけでなく、ペルナン・ヴェルジュレス側とラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)側までハミ出してることをご確認ください。

コルトン・シャルルマーニュの範囲では、赤を作るとただのコルトンになってしまいます。 ボノー・デュ・マルトレイの所有畑は地図中の「En Charlemagne(ペルナン・ヴェルジュレス側)」と「 Le Charlemagne(アロース・コルトン側)」のコルトン・シャルルマーニュ対象の畑しかありませんので、この中で一部にピノ・ノワールを植えて敢えてコルトン(ルージュ)として出しています。

コルトンの丘に近い最上部がコルトン・シャルルマーニュという訳ですが、斜面を少し降りたその周りに白を作ってもコルトン・シャルルマーニュを名乗れずにただのコルトンになってしまう特級畑(赤色)が広がっています。この「ただのコルトン白」の特級畑はラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)側までハミ出ています。とはいうものの、コート・ド・ボーヌで唯一の赤の特級畑であり、赤・白両方認められてるというのもここだけ。やっぱり、すごいんです。

そのさらに周囲になる1級畑はコルトンではなく「アロース・コルトン」という村の名前になります。ペルナン・ヴェルジュレスとラドワにもその村名の1級畑が当然ありますから、当たり前じゃんかと思われるでしょうが、非常にややこしいことに、地図を見てお分かりのように、ラドワ・セリニー側にもアロース・コルトンという1級畑があるのです。 もうカルトクイズの世界です。ここらへんはINAOさん、わかりやすくしておいて欲しいところです。(笑)

これが公式サイトから拝借したボノー・デュ・マルトレイの所有畑を示した地図です。
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ペルナン・ヴェルジュレス側のアン・シャルルマーニュ(En Charlemagne)とアロース・コルトン側のル・シャルルマーニュ(Le Charlemagne)の畑のかなりの部分を所有しています。ル・シャルルマーニュの一部でピノ・ノワールの赤(コルトン)を作っていることもわかりますね。

アロース・コルトン(Aloxe-Corton)のAOC地図です。
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すでにおさらいした通りです。逆に一番わかりやすい。

ペルナン・ヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses)がこれ。
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アン・シャルルマーニュ(En Charlemagne)の畑は先ほど見た通り、白のコルトン・シャルルマーニュ(Corton-Charlemagne)と赤のコルトン(Corton)の特級畑。また、1級畑に一部、赤を作ると村名になってしまうところがありますね。

これがややこしいラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)です。
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ここに、困ったことにアロース・コルトンの特級から1級まで揃っています。ここはAOCの時は「ラドワ・セリニー(Ladoix-Serrigny)」ではなく「ラドワ(Ladoix)」のみで呼びます。さらに、赤を作ると村名になる1級畑の他、白を作ると村名になる1級畑もあります。もう勘弁して~。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルに出荷されたのが2019年の7月と書いてますね。10年以上寝かせてたってこと?


さあ、いただきましょう。
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キャップシール、カッコいいです。

Alc.13%。
蜜のようなゴールド。
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白い花、あんずのジャム。
辛口アタック。
酸も後からじんわり効いてきますが、
苦味様の複雑味と拮抗して、
何とも言えないハーモニーです。
青りんご…っぽい辛口の果実…も感じます。
キリッとした印象。
おいしいではありますが、
なんとも正体が掴みづらい。
パーカーおじさんは94点だそうです。(笑)


*****


Bonneau du Martray
Corton-Charlemagne Grand Cru 2008
WWWポイント 79点



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David Duband Bourgogne 2018

なんだか評判のいいダヴィド・デュバン。例によって「AOCブルゴーニュを試して作り手の実力を想像するの巻」です。統計的推定の世界では、得られた一部の情報・データをもとに、母集団の性質・傾向を推定するわけであります。そして導き出された答えはぼぼ間違いなし。そういう理論をベースに今日もまた違う作り手のAOCブルゴーニュをお試しです。(笑)

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当主のダヴィド・デュバンさんは1971年生まれで今は49歳ですか、まあまあ若い。ブルゴーニュの醸造家で注目度がNo.1といいますが、ドメーヌは1965年に父親のピエールさんが15haで始めたもので、共同セラーへの売りブドウをしていましたが、1991年に自身の名ダヴィド・デュバンで元詰めを始めます。1995年にピエールさんが引退してからも畑を拡張して進歩が目覚ましいようです。
インポーターの情報では、フランスで最も権威あるワインガイド「ル・ギィド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス(Le guide des meilleurs vins de France)」2015年版で、ブルゴーニュからは唯一ダヴィド・デュバンが3つ星に昇格したそうで。3つ星が最高位ですから、他にはルロワ、DRC、ルーミエ、コシュ・デュリ、ドーヴネ、アルマン・ルソー、ルフレーヴ、ポンソ、ラヴノー、デュガ・ピィなどなどが名を連ねているわけで、まあ世間的にも一流と認められたってことなんでしょう。


公式ページはカッコいいです。一流っぽい。(笑)

AOCブルゴーニュの情報もしっかりしてて好感が持てます。
・ピノ・ノワール 100%
畑はシャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニからで樹齢は40~60年のVVというから驚きです。(どうせ県道974号線の向こうなんでしょうが。笑)
40%が全房で醸されます。17日間の発酵の間、5~7回のルモンタージュ(ポンプオーバー)・ピジャージュ(パンチダウン)が行われます。ピジャージュは足でやるそうです(笑)。樽熟は、新樽30%、残り1~3年落ちのオーク樽で14ヶ月。その後大樽に移されて3ヶ月寝かされ、ろ過・清澄なしで瓶詰めです。なんだかAOCブルゴーニュでも贅沢にやってる感じですね。


ドメーヌ訪問。ちょっと辺ぴなシュヴァンヌ(Chevannes)という村にあります。
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このワイナリーとセラーは2007年に建てられ、2012年には事務所他、レセプション、テイスティングルームも増設されたそうです。

シュヴァンヌ(Chevannes)はAOCブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ(Bourgogne Hautes Côtes de Nuits)の対象20村の一つです。Google Map上で見るとこんなところ。
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ダヴィド・デュバンと今日のワインの畑、モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーも1枚に入れ込みました。位置関係を把握しておきましょう。ずいぶん離れた山の中ですね。(笑)

いつもの地図で(Luc Corporation様サイトより拝借)モレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーの畑の構成も見ておきましょう。AOCブルゴーニュの範囲をご確認ください。
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例によって県道D974号線が運命の分かれ道です(笑)。今日のワインもこの辺りのどこか…。


エチケット平面化画像。
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シンプルですが「David Duband」マークは目立ちますね。


さあ、抜栓。
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キャップは無印ですが(ネックには名前が入っています。)厚めのアルミで上品な感じがします。

コルク平面化。
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ここもシンプル~。DIAM5を採用です。

Alc.13%。(pH:4.32、Brix:6.5)
透明感のある綺麗なルビー。細かくたくさんのハッキリした涙あり。
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フランボワーズ、アメリカンチェリー…のキャンディ(笑)。
40%の全房のお陰か茎感もかすかにあります。
辛口アタック。
酸は薄っすらとしてて、いい演出になってます。
キリッとした味はしっかりした厚みもあります。
酸の使い方含めAOCブルゴーニュとしては完璧なバランス。
そしてそれはフィニッシュまで崩れません。

やっぱり評判のいい作り手は、うまいですね。
あえて上のレンジを試さなくても、
AOCブルゴーニュで十分かもと思えてしまいます。


*****


David Duband
Bourgogne Pinot Noir 2018
RRWポイント 93点


Louis Jadot Bourgogne Blanc Couvent des Jacobins 2018

ブルゴーニュの超大手かつ名門、メゾン・ルイ・ジャドの白をいただきます。と言ってもAOCブルゴーニュですし、「おまけ」で付いていたルイ・ジャドのロゴ入りエコバッグが欲しかったのでゲットしてしまっただけなのですが…(笑)。最近は酒屋でもレジ袋をくれないので、ルイ・ジャドのエコバッグがあればワインを買った時に重宝しそうです。

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ルイ・ジャド社は1859年に創立、ブルゴーニュでも有数のネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)です。ネゴシアン・エルヴールとは、ネゴシアンが生産者から樽でワインを買い付け、熟成やアッサンブラージュを行って瓶詰めするものです。シャンパーニュで言うところの、ネゴシアン・マニピュラン(Négociant Manipulant, NM)ですね。なので、コート・ドールの特級畑もいっぱいやってますが、北はシャブリから南はボジョレーまで広大な範囲をくまなくカバーしてるというのも、とても大手らしい感じです。

で、おまけでワインに付いていたエコバッグがこれ。
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正直、ショボいですが(笑)、ワインを入れるのにはルイ・ジャド、いいんじゃないでしょうか。


公式ページは大手の貫禄があります。ルイ・ジャドがワインを出しているブルゴーニュ各地を上空からぐるぐる回れる効果(ページ)が何気にすごいです。一度ご覧あれ。

今日のAOCブルゴーニュ・ブランは当然のようにブルゴーニュ各地からのブドウをアッサンブラージュです。コート・ドールを始め、コート・シャロネーズ、マコンのヴィレ・クレッセ(なぜかここだけピンポイント。笑)からなんだそうで。
・シャルドネ 100%
伝統的な製法で醸され、熟成は自社製造(さすが!)のオーク樽とステンレスタンクの併用で8~10ヶ月だそうです。


ルイ・ジャドを訪問しますが、Google Mapが指し示すのがここです。
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ボーヌの郊外で、かなり大規模な施設になります。

本社はボーヌの町の中にありました。市街地で、看板も上がってません。
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今日のワイン、AOCブルゴーニュの名前になっている Couvent des Jacobins(ジャコバン修道院)というのが本社のすぐ隣にあります。1500平米の広さの地下セラーがこの隣接するジャコバン修道院の地下へとつながっているんだそうです。ということは、この修道院ってルイ・ジャドのもの?


今日のワインのブドウの出どころが、コート・ドール、コート・シャロネーズ、マコンのヴィレ・クレッセということなんで、ブルゴーニュ全図で確認しておきましょう。
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いつもと違うフリーマップを貼ってみました。あんまり出来は良くなさそうですが、全体を俯瞰するには、まあいいでしょう。ボジョレーが入ってないのが面白いですね。

マコンのヴィレ・クレッセ(Viré-Clessé)の位置をINAOの地図で確認しておきます。
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AOC Viré-Clessé は村名AOCで、地図のとおり対象のコミューンが以下の4つです。
・Montbellet
・Viré
・Clessé
・Laizé
ヴィレとクレッセだけじゃないのでご注意を。


エチケット平面化画像。
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さあ、抜栓。
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キャップシールにはエンボスで名前入り。

コルク平面化。
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ミレジム表示はなし。DIAM5を採用です。

Alc.13%。(pH:4.08、Brix:6.0)
イエローゴールド。
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シトラス、白桃、白い花。
樽はやはりかすかです。
甘夏のような酸がきつくない柑橘系の風味。
貫禄はないんですが、つまらない味ではないです。

ブルゴーニュ白の良さの最低限はクリアって感じでしょうか。
大分の中津からあげにめっちゃ合いました。(笑)


*****


Louis Jadot
Bourgogne Blanc
Couvent des Jacobins 2018
WWWポイント 79点



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Vincent Latour Bourgogne Pinot Noir 2017

ムルソーの老舗、ヴァンサン・ラトゥールのブルゴーニュ・ピノ・ノワールを試します。実はリカマンで特売になっていたんですが、一旦スルーして後日戻ると完売しており、にわかに気になりだしました(笑)。またまた後日行くと再入荷してましたので、思わずゲットしてしまいました。まだ特売継続中でしたし…。(笑)

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ヴァンサン・ラトゥールは1792年から続くムルソーの由緒あるドメーヌ。21代目のヴァンサン・ラトゥールさんが現当主で、2006年のヴィンテージのリリース後、評判の高い地元雑誌「Bourgogne Aujourd’hui」で今年のワインメーカーにノミネートされたりと頭角を現しだしました。2010年のヴィンテージから、ドメーヌ・ジャン・ラトゥール・ラビーユ(Domaine Jean Latour-Labille)という先代のドメーヌ名を自身の名前の「ヴァンサン・ラトゥール」に改名しています。


公式ページは手作り風で結構レトロな雰囲気(笑)。
VLatour01
テクニカルシートなど情報はしっかり載せようとしているようですが、AOCブルゴーニュの情報には残念ながら畑の場所は示してありませんでした。樹齢は35年超で、土壌は粘土石灰質、面積は0.42haの畑だということまで書いてあるんですがね。
・ピノ・ノワール 100%
除梗あり。4〜5日間の低温浸漬、25〜30日間のオープンバットでの発酵(1日にパンチダウン1回・ポンピングオーバー2回)。新樽率20%のオーク樽で12ヶ月の熟成です。600Lサイズの demi-muid という大きめの樽を使うそうです。通常の228Lサイズ(pièce)や新樽率多めでは繊細なアロマがマスクされてしまうのを嫌ってるみたいです。


ドメーヌ訪問です。なかなか敷地は大きいです。
VLatour00
さすがムルソーの歴史の長い老舗です。集落のど真ん中にあります。コント・ラフォンやコシュ・デュリの方が外れにあるくらいですね(笑)。

今日は畑の場所もわからず広がりようがないので、ムルソーのAOC地図でお茶を濁します。
VLatour02
ドメーヌ位置を書き込みましたが、地図自体はヴァンサン・ラトゥールのHPに上がっていたものを使っています。所有畑がほとんどムルソー(一部サントーバン)なのでAOCブルゴーニュもこの辺りなんだとは思うんですが…。

フランソワ・ミクルスキの時に使った地図がAOCブルゴーニュの畑まで載ってますので、ヴァンサン・ラトゥールの位置を追記して再掲します。県道D974号線の両側に広がってる感じです。
VLatour03
(例によって地図はLuc Corporation様サイトより拝借しています。)


エチケット平面化画像。
IMG_4353
色味といい「L」のマークといい特徴的です。ネットで旧のエチケット(ドメーヌ・ジャン・ラトゥール・ラビーユ時代)を見るとオーソドックスなデザインでしたから、ドメーヌの名称変更と共にエチケットデザインも大胆に変更したってことですね。
インポーターシールが裏ラベルを隠してますが、下には青い帯にドメーヌ名が書いてあっただけなので、まあ、セーフとしておきます。(笑)


さあ、抜栓。
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キャップシールはエンボスのドメーヌ名入り。

コルク平面化。
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まったくの汎用品ですが、DIAM10とはちょっといいのをおごっています。

Alc.12.5%。(pH:4.31、Brix:6.2)
クリアなルビー。
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フランボワーズ、プラム、チェリー。
ゼラニウムっぽい香りも感じます。
辛口アタック。
かなり軽めの味わいなんですが、
しっかりした複雑味がバランス取ってくれてます。
酸は全然出過ぎずクール感を演出していていい感じ。
軽い…んですが、バランスとまとまりの妙と言いましょうか、
ドメーヌの実力が伺えるAOCブルゴーニュでした。


*****


Domaine Vincent Latour
Bourgogne Pinot Noir 2017
RRWポイント 92点


Domaine François Mikulski Bourgogne Côte d’Or Pinot Noir 2018

ボトルに直接チョークで書いたようなエチケットが印象的なムルソーの造り手、フランソワ・ミクルスキです。このドメーヌは1991年スタートと比較的新しいところですが、短い間にムルソーのトップ生産者に名を連ね評価は高いそうで。それよりこれ、AOC Bourgogne Côte d’Or です。2017年に新しく承認されたAOCで、昨年あたりから市場に出始めてるようです。このAOCもお初ですので、後ほど掘り下げましょう。


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当主は、ディジョン出身のフランソワ・ミクルスキさんなんですが、ボーヌで醸造学を学んだ後、カリフォルニアのあのカレラ(Calera)のジョシュ・ジェンセン氏のもとで修行したんだそうで。ジェンセン氏と言えば、DRCやドメーヌ・デュジャックで修行してカルフォルニアにカレラを設立したわけですから、なんだか回り回っていますね。(笑)
ミクルスキさんはその後、叔父のピエール・ボワイヨ氏に従事し、ボワイヨ氏が引退した後、メタヤージュ(折半耕作)により畑を引き継ぎ、自らのドメーヌを設立したということです。


公式ページはエチケットデザインに負けず劣らずのおシャレ系です。情報もしっかり。

ワイン情報もミレジム毎にコメントがあり、データシートも完備です。
・ピノ・ノワール 100%
カレラで修行したとは言え、除梗はするようです。熟成はオーク樽で10ヶ月。ボトルに詰める前にさらに2ヶ月タンクで寝かすとのこと。新樽率は明記がないですが、上級キュベでも20%なのでそんなに高くないでしょう。
畑はムルソー村のAOCレジョナル(地域名)の2区画からで、一方は樹齢90年、もう一方でも40年と言いますから結構な古木です。残念ながら場所は特定できなさそうです。


ムルソーにあるドメーヌ・フランソワ・ミクルスキを訪問。
Mikulski01
ムルソーの鉄道駅からムルソーの集落までは歩いて30分ほど離れていますが、その途中、ちょうど15分ぐらい歩いたところにあります。県道974号線沿いで非常に便利がいいんではないかと思います。コシュ・デュリがご近所さんですね。


さて、AOCブルゴーニュ・コートドール(AOC Bourgogne Côte d’Or)についてです。コートドールが付いただけと思うなかれ。実は対象の地域はずいぶん違ってきますから。まずは、その対象範囲を見てみましょう。例によってINAOのサイトから詳細地図を拝借します。
BCotedor02
左側が元来のAOCブルゴーニュの対象範囲の地図です。右側が今回のAOCブルゴーニュ・コートドールの対象範囲になります。AOCブルゴーニュ・コートドールは今までにもあった地理的呼称付きDénomination Géographique Complémentaire)のブルゴーニュと同じ扱いで、地域名AOCブルゴーニュの中の特定のエリアに限定するものです。
具体的には右の地図の「AOP Bourgogne DGC Côte d’Or」が示す範囲になるんですが、もともとのAOCブルゴーニュがグラン・オーセロワからボジョレーまで広範囲に渡っていたことからすると、ずいぶんと限定されましたね。

この範囲をGoogle Map上に重ねてみます。赤線で囲った部分です。
Cote_d'Or_Area
シュノーヴからマランジュまで、まさにコート・ド・ニュイ+コート・ド・ボーヌ=コートドールの全範囲。特級・1級畑を含む村名AOCの集合体です。それでも基本は県道974号線の東側(もともとのAOCブルゴーニュ)がメインになるんでしょうけど…。
山側のオート・コート・ド・ニュイ/ボーヌはこの範囲からは外れていますね。これらはそれぞれ単独で、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits / Beaune が名乗れますからね。AOCブルゴーニュ・コートドールがこれら「地理的呼称付きブルゴーニュ」の仲間入りをしたってことになります。

AOC Bourgogne Côte d’Or が仲間入りし、全部で14になった地理的呼称付きAOCブルゴーニュ(Dénominations Géographiques Complémentaires de l’AOC Bourgogne)を列挙します。(順不同)範囲・場所は書きませんので勝手に(笑)調べてください。

・AOC Bourgogne Côtes d'Auxerre
・AOC Bourgogne Chitry
・AOC Bourgogne Epineuil
・AOC Bourgogne Coulanges La Vineuse
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits
・AOC Bourgogne Hautes Côtes de Beaune
・AOC Bourgogne La Chapelle Notre Dame
・AOC Bourgogne Le Chapitre
・AOC Bourgogne Montrecul(Montre-Cul)
・AOC Bourgogne Tonnerre
・AOC Bourgogne Côte Saint-Jacques
・AOC Bourgogne Côte Chalonnaise
・AOC Bourgogne Côtes du Couchois

AOC Bourgogne Vézelay というのもありましたが、AOCブルゴーニュ・コートドール誕生と同じくして2017年に単独 AOC Vézelay に昇格しています。この中じゃ、オート・コート以外ではコート・シャロネーズと Montrecul(Montre-Cul)くらいしか飲んでませんね。課題多し…。

上のGoogle Map上にもドメーヌの所在は書き込みましたが、今日の作り手はムルソーで、畑もムルソー村内の区画ということはわかっています。(地図はLuc Corporation様サイトより拝借)
Mikulski02
この辺りは県道974号線のずいぶん西側で村名が終わってます。沖積土壌と言われる土砂の堆積の具合なんでしょう。レジョナル(AOCブルゴーニュ)は県道974号線の両側に広がってる感じ。

とにかく沖積層の真ん中辺りが一番厚くて良さそうですね。それがグランクリュです。
BCotedor01
この理屈が味わいに差をもたらし、ワインの格となるということは理解はしています。しかしレジョナル(Appellation Régionale)はそんなにダメダメなのかってことですよね。この図だと(4)ですね。見た感じやっぱダメダメか?(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_4160
透明なラベルは撮影に難儀します。


さあ、抜栓。
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う~ん、汎用品。(ネックにはドメーヌ名入ってますが。)

コルク平面化。
IMG_4320

Alc.12.5%。(pH:4.01、Brix:6.4)
フランボワーズ、チェリー。ビオだからかブレットっぽい臭いも?
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穏やかな酸なんですが、最初のブレットを引きずるような風味。
その酸がそうさせるのか、味わいも薄っぺらく感じてきます。
そんな酸の正体を気にしている間に、
盛り上がりなく余韻も過ぎて終わっていきます。

あれれ?
ちょっと物足りない?


*****

Domaine François Mikulski
Bourgogne Côte d’Or Pinot Noir 2018
RRWポイント 85点


Domaine Tollot-Beaut Bourgogne 2017

ドメーヌ・トロ・ボーは1880年代から5代に渡って続く名門ですが、ショレ・レ・ボーヌChorey-lès-Beaune)という少々マイナーな印象のAOCが本拠地です。特級・1級畑はなく村名のみで、そのほとんどが県道974号線の東側(たいていAOCブルゴーニュになる所です。)という例外的なAOCの村です。あ、といっても今日いただくのはショレ・レ・ボーヌ村名でさえなく、AOCブルゴーニュなんですけどね。(笑)


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1921年にはいち早くドメーヌ元詰めを始めていたというトロ・ボーは、24haの畑を所有するショレ・レ・ボーヌを代表する大ドメーヌになっています。所有特級畑は1.5haのみ。1級畑でも7ha余りと、残りは村名とAOCブルゴーニュの畑が大半だそうです。そういう意味では今日のAOCブルゴーニュも主力のひとつと言えるのかもしれません。


輸出が大半を占めフランス国内では手に入りにくいドメーヌらしいのですが、宣伝しなくても売れるからか公式ページがなさそうです。仕方がないのでインポーターの情報を貼っておきます。

・ピノ・ノワール 100%
手摘み収穫、基本的に100%除梗、伝統的な手法で醸造します。ACブルゴーニュの新樽率は20~30%だそうで、16~18ヶ月の熟成です。ブドウはAOCブルゴーニュながら、ショレ・レ・ボーヌ村の畑からだそうです。

ショレ・レ・ボーヌ村のドメーヌ・トロ・ボーを訪問します。
tollotbeau01
ドメーヌがある通りの名前はリュ・アレクサンドル・トロといい、ドメーヌを始めたご祖先の名前そのままです。それもそのはず、この方ショレ・レ・ボーヌの村長を務めていたそうです。トロ・ボーのボーはこの方の奥様の姓で、合わせてトロ・ボーの名前が完成します。


AOCショレ・レ・ボーヌの地図上にドメーヌの場所を記しました。
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今日のAOCブルゴーニュはショレ・レ・ボーヌ村の畑からということですが、村内でも村名ショレ・レ・ボーヌとそうでないところがありそうですね。

Google Mapに転記してショレ・レ・ボーヌ村を俯瞰、畑の分布を見てみましょう。
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県道974号線から離れたところは村名でなくなりますが畑は続いていますね。西側のコートから流れ出した土壌がどこまで堆積してるかでテロワールの差を決めているわけですが、ショレ・レ・ボーヌでは(ジュヴレ・シャンベルタンもそうですが)県道974号線の東側までそのいい土壌が続いてるということです。そしてそれが途切れるとAOCブルゴーニュとされるわけなんでしょう。

しかし、その境界に立つと本当にその差はあるのかなと思ってしまいます。恒例の「畑の境界に立ってみました」シリーズです。(笑)さあ、どうです?
tollotbeau04
土壌までは画像からは見て取れませんが、見た感じはほぼ差がないようです。コルトンの丘が左奥に見えます。どっちもいいところなんじゃないでしょうか。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_3957
裏ラベルはなく、インポーターシールだけなので下に合体しておきます。


さあ、抜栓。
IMG_4247
キャップのエンボス、カッコいいですね。ボトルもネックが細くて不思議な形をしています。

コルク平面化。
IMG_4248
ドメーヌ名入り。まあ、普通。

Alc.13%。(pH:4.01、Brix:6.5)
透けますが暗めのルビー。
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フランボワーズ、ミントかゼラニウムの香りが特徴的。
辛口アタック。
しっかりと酸はあるんですが滑らかで刺さないのはいいです。
とろみのある味わいで奥行きを感じますね。
複雑な滋味もあり、これは余韻までしっかり続きます。
うん、やはりレベルが高そうな作り手です。

AOCブルゴーニュばかり試してるので偉そうなことは言えませんが、
酸の効き方が、新世界とは違うブルゴーニュの肝だな~と実感する今日この頃。


*****


Domaine Tollot-Beaut
Bourgogne 2017
RRWポイント 92点


Vincent Girardin Bourgogne Cuvée Saint-Vincent 2017

ヴァンサン・ジラルダン。「Emotion」なんていう洒落たエチケットのキュヴェを含め、結構あちこちで見かけますね。ラインナップもたくさんあり、かなりの大手なんでしょうか。今日はシンプルデザインのAOCブルゴーニュを入門編として、まずはお試しをば。

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ヴァンサン・ジラルダンは、サントネのジラルダン家の12代目ヴァンサンさんが1980年(19歳の時)親から引き継いだわずか2haの畑で始めたという所です。好評は得るのですが、生産量が増やせないことから、畑を買い増すのではなく、自分と同じ哲学を持つ要求の厳しいワイン生産者からブドウを購入するという形でラインナップを増やしていきました。自らをドメーヌだけでなく「Maison Vincent Girardin」とも呼んでいますが、いわゆる「ネゴシアン・ワインメーカー」なわけですね。


公式ページは今風のこじゃれた感じで、情報もそこそこありそうです。

今日のAOCブルゴーニュ、キュヴェ・サン・ヴァンサンもデータシート付でちゃんと紹介されています。
・ピノ・ノワール 100%
コート・ド・ボーヌの樹齢45年のブドウだそうで。部分的に除梗。少しは茎が入ってるってことですね。ちょっと大きめの500リットルのフレンチオーク樽(新樽率10%)で10ヶ月の熟成。


ムルソー村にあるというヴァンサン・ジラルダンを訪問。立派な佇まい。
VG01
ムルソーの鉄道駅のすぐ裏手、前に見たアンリ・ボワイヨのお隣さんでした。超駅チカ物件ですが、多数の有名生産者が居を構えるムルソー村の市街地までは歩いて30分ほどかかります。


さあ、今日のAOCブルゴーニュ、コート・ド・ボーヌCôtes de Beaune)からということですが、地図で見るとこれだけの広域です。コートドールの南側半分ですからね。
VG00
で、AOCブルゴーニュの区画はというと、コート・ド・ニュイでもそうでしたが、おおよそ県道D974号線の東側と相場が決まっています。

しかし、日本のインポーター稲葉のサイトを見ると「ポマール、ヴォルネイとサン・ロマンの境にあるオート・コート・ド・ボーヌの葡萄を使用」と書いてあります。コート・ド・ボーヌとは言いますが「オート」が付くと話は別です。県道のこっち側じゃなくて反対の山手になります。これがオート・コート・ド・ボーヌ(Hautes Côtes de Beaune)の区画を示した地図になります。
VG02
「ポマール、ヴォルネイとサン・ロマンの境」となると、地図上にも示しましたが、MeloiseyとNantouxのコミューンに該当しそうです。これ以上は追求できませんが、県道D974号線のこっち側の平坦な畑よりオート・コート・ド・ボーヌの方が畑としてのポテンシャルは高そうです。

一例ということではありますが、ナントゥー(Nantoux)にあるオート・コート・ド・ボーヌの畑に降り立ってみました。見た感じだけですが、なんか良くありません?(笑)
VG03
この辺りの畑だとして、あとは、なぜヴァンサン・ジラルダンがオート・コート・ド・ボーヌで出さないのかということですね。再度インポーターのワイン紹介を読むと「ブルゴーニュ・ルージュはどこでも造られるが、ハイクオリティのブルゴーニュ・ルージュを造るため」というようなことが書いてありました。そういうこと?(笑)


エチケット平面化画像。
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シンプルかつ表ラベルで完結しています。


さあ、抜栓。
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キャップシールはネックの所にVincent Girardinの名前が入ってます。

コルク平面化。
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「Grand Vin de Bourgogne」x2のみ。あっさり~。

Alc.13%。(pH:4.03、Brix:6.6)
クリア感あるルビー。粘性の涙は結構はっきりしてます。
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フランボワーズ、チェリー、茎感。
やはり完全除梗ではない雰囲気ですね。
かすかに佃煮香も。
酸かな ?クールな感じの辛口アタック。
薄っぺらくはないんですが、軽快な味と言っておきましょう。
最初の酸を迎え入れて絶妙なバランスを見せてくれます。
喉越しのかすかなタンニンはいい感じの苦味も感じさせ、
果実味も思い出させながら、あっさりした余韻も楽しめる…。
やはり、いいブルゴーニュでした。


*****


Vincent Girardin Bourgogne
Cuvée Saint-Vincent 2017
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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