Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

>> その他の白品種

Kirkland Signature Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.

コストコでプロセッコを発見。コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーですが、なんと600円台です。特売ですかね、アメリカじゃ6.99ドルらしいですから、それより安い。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco Superiore DOCG)っていうのも普通のプロセッコよりちょっといいやつじゃないでしょうか。これは早速お試しです。

IMG_4869
コストコのカークランド・シグネチャーを試す際に苦労するのが、作り手がどこかということです。裏ラベルにヒントが書いてあるので、それを手掛かりに調べます。今回は「Distributed by C.V.B.C. & C. Spa」とあります。「Distributed」ですから作り手自体ではないかもしれませんね。場所はヴェネツィアの近くの「Fossalta di Piave」という町と書いています。わかりました。C.V.B.C. & C. Spa = Casa Vinicola Botter Carlo & C. Spa のようです。つまりは、ヴェネツィアにある大手エクスポーターのボッテール社。あれれ、ボッテール社って以前ネロ・ダーヴォラを試した時に見ましたね。

公式ページはこれです。

コストコのカークランド・シグネチャーが載ってるわけがありませんが。

一応ボッテール社を訪問しておきます。
Botter01
ヴェネチアから車で30分。小さな町の大きな工場って感じです。大手ですからね。

一応、ボッテール社の扱ってる「Prosecco Asolo DOCG Superiore」というのを見てみました。おそらく同じものじゃないかと。あまり大した情報はなかったです。
・グレラ 100%
プロセッコですからタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られます。

グレラ(Glera)はプロセッコの主要品種ですが、2009年まで Prosecco と呼ばれてました。
Prosecco03
コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネのプロセッコがDOCGに昇格(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)したのが2009年で、同時にプロセッコという品種の名前がグレラに変えられました。プロセッコという有名になった名称を「土地」に縛りつけるため、品種の名前の方を変えてしまうとは…イタリア、恐るべし。

さて、プロセッコをおさらいするのに、いつものサイトから地図を拝借。
Prosecco04
プロセッコDOC自体は、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州に渡り非常に広範囲ですね。このあたりは他にもいろんなDOCがあるので、プロセッコのみに限ったこういう地図は見やすいです。

しかし、細かく見ていくと、サブゾーンやらスペリオーレやらがあって非常に複雑になってます。上下関係でまとめると、こんなピラミッドで図示できるようです。
Prosecco02
今日の Asolo Prosecco Superiore 以上がDOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita=原産地呼称保証付き統制ワイン)になります。アーゾロ・プロセッコ・スペリオーレDOCG(Asolo Prosecco DOCG)は、2009年に Montello–Colli Asolani DOC から独立してDOCGになっています。その名残で、Colli Asolani Prosecco とも呼ばれていましたが2014年に廃止され Asolo Prosecco に統一されました。また、Montello–Colli Asolani DOC からは2011年に赤のみが Montello Rosso / Montello DOCG としてDOCG化しています。なので以上の3つはアーゾロ(Asolo)の町周辺の同じエリアが対象になります。

Superiore」があったりなかったりも気になりますが、規定ではプロセッコにはスパークリングじゃない白ワインもありまして、DOCGのプロセッコがスパークリングの場合に「Superiore」がつけられることになっています。ところが、ほとんどがスパークリングであるプロセッコにおいては、DOCGにはほぼ必ず「Superiore」がついてしまうわけです。(笑)

コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)がとてもややこしい。スペリオーレ(Superiore)が白(スティルワイン)や微発泡(Frizzante)の場合(ほとんどないんですが…)つけられないのは前述のとおりですが、ヴァルドッビアデーネ(Valdobbiadene)のコミューンで作られた場合、コネリアーノ(Conegliano)を省いてもいいんです。また、逆も同じ。コネリアーノ産はヴァルドッビアデーネを省いても構いません。
さらに、サブゾーンが2つ。カルティッツェ(Cartizze)とリヴェ(Rive)です。リヴェは12のコミューンと31の小区画から成り範囲が大きいです。カルティッツェは必ず「Superiore di Cartizze」という表記をつけないといけません。
しかし、いったい何パターンあるんだ、プロセッコ! やはりイタリアはカオスです~。

さて、性懲りもなくGoogle Map転記をして理解を深めますよ~。
Prosecco05
地形とエリアの相関が見たいという興味と、これをやらないと頭に入らないという個人的な事情が原動力です。(笑)
Prosecco Treviso DOC や Prosecco Trieste DOC はカッコ付きになってますが、サブゾーンであって単独のDOCではないという意味です。

また、コネリアーノ・ヴァルドッビアデーネDOCG(Conegliano Valdobbiadene Prosecco DOCG)のエリアは、その美しい丘陵地帯がユネスコ世界遺産に認定されたそうです。
Prosecco01
2019年7月に認定されています。ユネスコのサイトに写真がたくさん載ってます。なかなかゴイゴイスーです。


ラベル平面化画像。
IMG_4834


さあ、抜栓。
IMG_4866
ミュズレもカークランド・シグネチャー仕様です。

Alc.11%。(pH:4.02、Brix:6.3)
クリスタルシルバーイエロー(笑)
IMG_4868

グレープフルーツ、ライムの香り。
辛口アタック。
青リンゴの味わいですね。
苦味成分が全体を引き締めてくれます。
これ、かなりうまいと思います。
700円でお釣りがくるとは思えない…。


*****


Kirkland Signature
Asolo Prosecco Superiore D.O.C.G.
Vino Spumante Extra Dry
WWWポイント 80点



WhiteWhiteWine01

Domaine Condamine de l’Evêque G.Bascou Picpoul de Pinet 2019

ラングドックのピクプール・ド・ピネ AOC(Picpoul de Pinet AOC)です。赤ワインが主体のラングドックにおいて白ワインのみが認められた珍しいAOCで、品種はピクプール100%というわかりやすい特徴があります。またひとつ「知識としては知ってるけど飲んだことないワイン」を見つけてしまいました。こりゃあ、試しておかないといけません。

IMG_4853
作り手は、ピクプール・ド・ピネAOCのエリアの近く、ネジニャン・レヴック(Nézignan-l'Évêque)という町にある、コンダミーヌ・レヴック(Domaine Condamine de l’Evêque)というところらしいことはわかりました。ギレム・バスクー(Guilhem Bascou)さんがオーナーで、G.Bascou が法人名になっているようです。35年前にお父様がブドウ園を購入してワイナリーを始め、ギレムさんが引き継いで15年だそうです。
ワイナリーとしてのプロフィールはだいたいわかりましたが、今日のワインのネックに、近くにあるポメロル(Pomérols)の町のワイン協同組合の名前「Les Costières de Pomérols」が入っています。どうやら瓶詰めはそこでやってるのかもしれません。つまりは、かなり小規模の作り手ということなんでしょう。

案の定、公式ページはなし(笑)。facebookは発見しましたが、ほぼ個人アカウントの内容。
仕方がないのでその組合のサイトに載っていたピクプール・ド・ピネの情報を頼ります。

・ピクプール・ブラン(Piquepoul Blanc) 100%
低温浸漬、シュールリー(Sur Lie)。樽はなしです。

今日の品種ピクプール(Picpoul)、本名ピクプール・ブラン(Piquepoul Blanc)です。
Picpoul04
非常に古くからの品種で、14世紀には「Picapoll Nigri」の記述があり、現在の Piquepoul Noir が認識されていたことがわかります。ピクプール・ブラン(Piquepoul Blanc)とピクプール・グリ(Piquepoul Gris)はピクプール・ノワール(黒品種)から突然変異で発生しています。なので、黒・白・グリ共に遺伝子情報は共通しています。
AOCシャトーヌフ・デュ・パプで認められた13種類のブドウの1種類がピクプールで、黒・白・グリが含まれていたのを思い出しますね。


一応、作り手訪問。結構しっかりしたお屋敷です。
Picpoul03
協同組合に頼っているとすれば、ここに醸造施設はないんでしょうか?


INAOの地図でピクプール・ド・ピネ AOC(Picpoul de Pinet AOC)の範囲を確認。
Picpoul01
トー湖(Étang de Thau)とエロー川(Hérault)に挟まれた以下の6つのコミューンです。
・Pinet
・Pomérols
・Castelnau-de-Guers
・Montagnac
・Mèze
・Florensac

これをGoogle Map上に重ねます。
Picpoul02
今日の作り手の所在も記入しています。AOCのエリアからはちょっと外れていますね。

いつものラングドック・ルシヨン網羅地図でAOCの位置関係を見ておきます。
Languedoc_Roussillon
しかし、ラングドックのAOCはたくさんあって、なかなか一筋縄ではいきませんね。Coteaux-du-Languedoc → Languedoc のような名称変更(2007年~)もするし…。

ラングドック・ワインの公式ページなるものがあって、そこではこれらAOCを以下のように分類していました。クリュやグラン・ヴァンの選定基準が今ひとつわかりませんが、上記「ラングドック・ルシヨン Google Map 転記地図」と照らし合わせてお楽しみください。(笑)

<Crus du Languedoc>
・AOC Corbières-Boutenac
・AOC La Clape
・AOC Minervois-La Livinière
・AOC Pic-Saint-Loup
・AOC Terrasses-du-Larzac

<Grands Vins du Languedoc>
・AOC Cabardès
・AOC Clairette-du-Languedoc
・AOC Corbières
・AOC Faugères
・AOC Fitou
・AOC Limoux
・AOC Malepère
・AOC Minervois
・AOC Muscat-de-Frontignan
・AOC Muscat-de-Lunel
・AOC Muscat-de-Mireval
・AOC Muscat-de-Saint-Jean-de-Minervois
AOC Picpoul-de-Pinet
・AOC Saint-Chinian

<Appellation Régionale>
・AOC Languedoc

<Dénominations Régionales>
・AOC Languedoc Cabrières
・AOC Languedoc Grès de Montpellier
・AOC Languedoc La Méjanelle
・AOC Languedoc Montpeyroux
・AOC Languedoc Pézenas
・AOC Languedoc Quatourze
・AOC Languedoc Saint-Christol
・AOC Languedoc Saint-Drézéry
・AOC Languedoc Saint-Georges-d'Orques
・AOC Languedoc Saint-Saturnin
・AOC Languedoc Sommières
・AOC Saint-Chinian Berlou
・AOC Saint-Chinian Roquebrun

ラングドック・ワイン公式のこのページから、各AOC個別の詳細ページに飛べますので概要を知るには十分です。


エチケット平面化画像。
IMG_4756
住所がポメロル(Pomérols)になってます。共同組合のあるところです。


さあ、スクリュー回転。
IMG_4850
キャップのデザイン、まんま協同組合(Les Costières de Pomérols)のものです。

これがその協同組合のピクプール・ド・ピネです。騎馬のマーク、同じでしょ。
Picpoul05
ブドウは持ち込みなのかもしれませんが、商品仕様はほぼ同じですね。

Alc.13%。(pH:4.16、Brix:6.2)
かすかに緑がかったゴールドイエロー。
IMG_4852

青リンゴ、レモン。
辛口アタック。
爽やかなラムネのようなうまさです。(笑)
かすかな苦味もいいアシストをしてくれています。
なかなかいいですね。

ピクプールの語源は「Piquepoul = lip biter(唇を噛むもの)」だそうで、
その酸味が特徴といいますが、それほどの酸はなかったです。


*****


Domaine de la Condamine de L’Evêque
G.Bascou Picpoul de Pinet 2019
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

Marangona Lugana DOC 2017 Marangona

ガルダ湖はアルプスにも近い北イタリアのリゾート地。豊かな自然に恵まれた美しい湖水地帯の保養地で有名です。湖の東側はヴェネト州で、ヴェローナ周辺のDOC、バルドリーノ、ヴァルポリチェッラ、ソアヴェと随分試してます。今日はガルダ湖の西側、ロンバルディア州にやってきました。その中でも白ワインのDOC、ルガーナ(Lugana DOC)をいただいてみようと思います。

IMG_4806
マランゴーナはガルダ湖の南の湖畔、ロンバルディアとヴェネトの州境のロンバルディア州側にある地元の作り手で、1600年代からの古い農家でしたが、1973年にワイナリーを立ち上げました。ルガーナDOCの中心に、樹齢10~50年の古木を植えた30haの畑を所有し、地元のテロワールを反映したクオリティの高いワインを生産しています。

公式ページはイタリア語オンリーで超シンプル。facebook見ると海外にも結構売り込んでるのに。

とりあえずデータシートはあるのでよかったですが。
・トゥルビアーナ 100%
樹齢20~30年のブドウを手摘み収穫、全房を使うようです。ステンレスタンクで発酵、そのままシュールリーで3~4ヶ月の熟成をします。

さあ、問題はルガーナDOCの主要品種、トゥルビアーナTurbiana)です。
VerdicchioNON
トゥルビアーナは地元の呼び名で、トレッビアーノ・ディ・ルガーナTrebbiano di Lugana)とも呼ぶそうです。ソアヴェでトレッビアーノ・ディ・ソアヴェTrebbiano di Soave)と呼ぶものと同じとされ、どちらもマルケ州の代表品種ヴェルディッキオVerdicchio Bianco)と同一というDNA鑑定結果が出ているようです。

しかし、ルガーナDOC公式サイトConsorzio Tutela Lugana D.O.C.)を見ると、「トゥルビアーナは長い間ヴェルディッキオの親戚とされてきて、混乱することもありましたが、最新の研究により、アロマにおいても、生育、栽培、醸造の観点からも異なる品種であることがわかっています。」と、別物であることを高らかにうたっています。(それもなんと日本語で。英語、ドイツ語、日本語のサイトがあります。フランス語はいらんの? 笑)
「とにかく、おらがトゥルビアーナは違う品種なんじゃい!」という地元愛のなせる業でしょうか。他にも「最近の科学的なテストで違う品種と判明した」とするサイトがありましたが、どちらも出典が不明なので今ひとつ説得力に欠けます。「ワイン自体の味わいも違うんだから違うんだ」とかも書いていて、とにかく違う品種であってほしいわけですね。(笑)


さあ、作り手訪問です。ガルダ湖のほとりの畑がきれいな地帯にあります。
Maragona00
ヴェネト州との州境の際々にあって、ぎりぎりロンバルディア州側にある感じです。

公式ページに所有畑の所在地図があったので、それを頼りに所有畑越しに望みます。
Maragona0
一部、所有畑がヴェネト州に入ってるのがわかります。税金とかどうなってるんでしょう。

ネットで拾ったこの地図で、ルガーナDOCとその周辺を見ていきます。
Maragona01
Bardolino DOC や Bianco di Custoza DOC は前に見てますので今回はスルー。
Lugana DOC は、San Martino della Battaglia DOC と同じエリアになってますね。これは品種の違いで、ルガーナDOCはトゥルビアーナが主要品種(90%以上という規定)なのに対し、サン・マルティーノ・デッラ・バッタリアDOCはフリウラーノ(Friulano)が主要品種(80%以上という規定)です。ルガーナDOCが1967年、サン・マルティーノ・デッラ・バッタリアDOCが1970年制定ですから、ルガーナが少し先輩です。

また、Riviera del Garda Classico DOC というガルダ湖左岸のエリアが、ルガーノDOCと重なっていますが、こちらは、Groppello(30%以上)、Barbera(25%以下) 、Marzemino(25%以下)、Sangiovese(25%以下)からの赤・ロゼか、Riesling / Welschriesling(=Riesling Italico)の白からなります。

もともとガルダ湖の周囲全部(ロンバルディア州もヴェネト州も)をカバーするガルダDOC(Garda DOC)というのが1996年にできるのですが、ヴェネト州側は Bardolino や Bianco di Custoza のみならず、Soave のエリアまでカバーしていたので、地元の生産者はそっちの地元DOCで作りますよね。
ロンバルディア州側はというと、もともと現在の Riviera del Garda Classico DOC エリアにあたるところに Riviera del Garda Bresciano DOC というのがあり、ガルダDOCのサブゾーンであったクラッシコ(Garda DOC Classico)とヴァルテネシDOC(Valtènesi DOC)を吸収した上で、2017年に Riviera del Garda Classico DOC という今の名前に変更されたという経緯があります。
ヴァルテネシ(Valtènesi)は Riviera del Garda Classico DOC のサブゾーンとして残っており、グロッペロ(Groppello)ベースの赤(リゼルヴァあり)やキアレットのDOCとなっています。
そして、驚くことに、ガルダDOCというのは以上以外という括りで、いまだ存在してるといいますから、まさにカオスです。またここでイタリア・カオス説の片鱗を見ました。
疲れたので、Garda Colli Mantovani DOC は触れません。(笑)


恒例なのでGoogle Map転記をしておきます。まあ、重ねただけですが…。
Maragona03
マランゴーナの所在を記しています。ガルダ湖の南、州境のあたりです。よく見るとわかりますが、ルガーナDOCは少しヴェネト州にまたがっています。大部分はロンバルディア州なんですが2つの州にまたがってると、よく特徴として言われます。


ラベル平面化画像。
IMG_4608
メッチャ下の方に貼ってある感じ。撮影しにくいっつ~の。おかげでインポーターシールは余裕でその上に貼ってありました。合格。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_4805
キャップにマーク入り。ギザギザのないこんなタイプでした。

Alc.12.5%。(pH:3.74、Brix:6.2)
薄いイエロー。
IMG_4803

シトラス、青リンゴ。
適度な酸が乗った辛口アタック。
味は軽めで、酸がきれいというか気持ちいいです。
ジューシーなのはこのせいですね。
ミネラル感もあまりなく、
ひたすら酸が心地よいまま爽やかに過ぎていく感じ。
味はあるんですが、やっぱり軽いかな~。


*****


Marangona
Lugana DOC 2017
Marangona
WWWポイント 77点



WhiteWhiteWine01

Sensi Vegante Vernaccia di San Gimignano DOCG 2019

有名な赤ワインばかりのトスカーナ州にて、唯一の白ワインのDOCGであるヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノVernaccia di San Gimignano DOCG)。これはお試ししないとと手に取りましたが、発見したのがコストコであり、もろヴィーガンっぽいネーミングのビオワインであることが少々気になります。(笑)

IMG_4707
センシィは1890年まで遡る歴史のある家族経営ワイナリーで、現当主マッシモ・センシィさんの代で事業を拡大、品質の高いワインを世界に安定供給しているんだとか。

公式ページはさすがしっかりしたのがあります。

ところが今日のビオワインのシリーズが載ってないんですよね。

困ったなと思ってると、Sensi Organic Wines というビオワイン専門の公式ページを発見。
Sensi02
今日の「Vegante」なるシリーズも載ってるんですが、キヤンティのみでヴェルナッチャ~がありません。DOCGの規定では Vernaccia di San Gimignano を85%以上使うことになっています。


このヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノという品種ですが、これまたイタリアのDOC規定のいい加減なとこなのですが、いろんな種類のヴェルナッチャ~というブドウが各地で認められています。で、これらすべて全くの別品種というから驚きです。同じ系統でさえないそうです。
Vernaccias
亜種ではありましたが、ランブルスコマルヴァジーアなんかもいっぱいありましたね。ほんとイタリア、土着品種がたくさんあるのは結構なのですが、正直カオスです。(笑)

主だったヴェルナッチャ~と名乗るDOC/DOCGをまとめた画像を拾いました。
Vernacciass
Vernaccia di San Gimignano DOCG は Vernaccia di San Gimignano が85%以上ですし、
Vernaccia di Oristano DOC は Vernaccia di Oristano 100% なので、微妙に間違ってますが。


作り手訪問と行きましょう。ランポレッキオ(Lamporecchio)という町にあります。
Sensi01
キヤンティのエリアですね。さすがに敷地、施設、でかいです。

今日のヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノDOCGはサン・ジミニャーノ(San Gimignano)のコムーネ周辺で、センシィからは車で1時間ほど南下したところにあります。
SanGimignano
美しい塔が立ち並んでいることでよく知られており、1990年には「サン・ジミニャーノ歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されています。行ってみたいですね~。

ネットで拾ったトスカーナ州の地図で位置関係を見ておきましょう。
Toscana_Map_N
Vernaccia di San Gimignano DOCG 見つかりましたか。キヤンティ・クラッシコの西側です。1966年に早々とDOCになっており、最初のDOCのひとつです。1993年にDOCGに昇格して今に至ります。
因みに、同じゾーンで San Gimignano DOC というのが1996年にできています。これはヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ以外の白(マルヴァジーア、トレッビアーノ)と赤ワインが対象です。

このトスカーナのDOC/DOCG地図を例によってGoogle Mapに重ねてみました。
Toscana_Map_O
センシィの場所も印をつけましたので、元の地図と見比べて全体を把握しておきましょう。


ラベル平面化画像。
IMG_4524
ユーロリーフのビオワイン。ヴィーガンワインとも書いてます。ワイン名が「Vigante」(=ヴィーガン)ですからね。ヴィーガンだと清澄で卵白など動物性のものを使いません。そもそも無濾過・無清澄のようですが。

インポーターシールは頑張って3ヶ国語で書いてある解説を丸隠しでした。
IMG_4523
きれいに剥がせなかったし、三菱食品さん、恨みますよ。


さあ、抜栓。
IMG_4708
キャップは「SENSI」のロゴのエンボスです。

コルク平面化。
IMG_4705
未来のコルク、ノマコルクです。

Alc.13%。(pH:4.26、Brix:6.1)
薄めのイエロー。
IMG_4706

白い花、洋梨…香りは少ないです。
酸味が乗った辛口アタック。
その後、酸は出しゃばらなくていいのですが軽い味わいです。
瓜のような、スイカの白いところのような薄い味わい(笑)。
かすかな苦味様の感じが救いです。

これはヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノの実力か、
ビオ、ヴィーガンのせいなのか…。


*****


Sensi Vigne e Vini
Vegante
Vernaccia di San Gimignano 2019
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

Vignarco Orvieto Classico DOC 2018

ウンブリア州のオルヴィエトDOC(Orvieto DOC)の白ワインです。やまやの店頭でゲットしてますが、イタリアはまだまだ謎が多いので、こういうのを見つけては試してみようと思って頑張ってやってます。しかし、こういうDOCをいちいち調べるのは骨が折れます。(笑)


IMG_4371
ラベル上に何の記載もありませんが、調べてみると、やはりウンブリア州オルヴィエトの近くにある作り手でした。パラッツォーネ(Azienda Agricola Palazzone)と言い1960年代にドゥビーニ家が始めた家族経営のワイナリーです。


公式ページはまあ平均点な感じ。しかし今日のワインが載ってません。(笑)

同じ「Vignarco」という名前のシリーズはあるんですが、ピノグリージョ100%で Umbria IGT になってます。なんで王道の Orvieto Classico DOC のワインが載っていないんでしょう。困るなぁ。仕方ないのでネット情報から。
・プロカニコ 50%
・グレケット 30%
・Verdello、Drupeggio、Malvasia 合わせて20%
発酵・熟成はステンレスタンクのみのようです。「Superiore」は5ヶ月の熟成が必要ですが、今日のはノーマル。「Classico」というのはサブゾーン扱いで、オルヴィエト周辺の歴史的な地域産の場合に名乗れます。今日のはそれですね。 

さあ、課題はこれら品種ですね。(笑)
セパージュを見る限り、プロカニコ(Procanico)とグレケット(Grechetto)が主要品種ですね。Orvieto DOC の規定ではこの2種で最低60%を構成しないといけません。Orvieto DOC は1971年制定の古くからのDOCで、もともと Muffa Nobile(貴腐ワイン)と Vendemmia Tardiva(遅摘み)の甘口ワインが主流でしたが、これらも品種規定は同じです。最近は今日のワインのような辛口が主流になってきているようです。

プロカニコProcanico)って現地名で、実はトレッビアーノ・トスカーノTrebbiano Toscano) のことでした。フランスのユニ・ブラン(サンテミリオン)のことでしたね。
Procanico
しかしながら、ウンブリアで言うプロカニコは粒の小さめの亜種とする説明もありました。

グレケットGrechetto)も説明が少々厄介です。
Grechetto
なぜかイタリアのDOCの規定では単に「グレケット」としか書かないんですが、実は以下のようにいくつか種類があり、別の品種なんだそうです。(ただし、2004年のDNA分析では Grechetto di Orvieto と Grechetto di Todi には親子関係は認められたそうです。)
・Grechetto di Orvieto (Grechetto Bianco、Grechetto Gentile、Grechetto Spoletino)
・Grechetto di Todi(Pignoletto)
・Grechetto Rosso (Grechetto Rosa)(黒ブドウです。)
ややこしすぎる! しかし、これがイタリアなんだなぁ。(笑)
(残りの品種、Verdello、Drupeggio、Malvasia は割愛。笑)


さて、パラッツォーネを訪問しておきます。ホテルも併設してるようです。
Umbria02
その名もオルヴィエトの町から西に車で10分ほど。Orvieto Classico DOC の対象地域なのは想像がつきますね。

恒例のGoogle Mapでウンブリア州を俯瞰して、Orvieto DOCの位置関係を見ます。
Umbria01
左に貼った地図が素晴らしい。(Orvieto DOCの公式サイトから拝借しました。)域内の生産者の所在も書いてあるし、サブゾーンの Orvieto Classico DOC の対象地域もバッチリわかりました。今日の作り手、ちゃんとクラッシコのエリア内にありますね。


ラベル平面化画像。
IMG_4329
シンプルでいいんですが、透明な裏ラベルは撮影に難儀します。(笑)


さあ、スクリュー回転。
IMG_4369

Alc.13.5%。(pH:4.00、Brix:6.7)
濃い目ですね。小麦色がかったイエロー。
IMG_4367

梨、花梨、白桃…。
辛口アタック。
酸は結構ありますが穏やかでいいです。
軽めの白い果実の風味ながら、
苦味様の複雑な後味が残るのはいいアクセントです。
なかなかおいしいと思います。


*****


Azienda Agricola Palazzone
Vignarco
Orvieto Classico DOC 2018
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

De' Notari Frascati Superiore DOCG 2019

首都ローマのあるラツィオ州からのワインです。ラツィオのワインはずいぶん前に Est!Est!!Est!!! di Montefiascone を飲んだっきりですね。今日のワインは Frascati Superiore DOCG と、DOCG(Denominazione di Origine Controllata e Garantita=原産地呼称保証付き統制ワイン)認定されていますので、お手頃価格ではありましたが悪くはないでしょう。


IMG_4203
作り手は、ローマに隣接するフラスカティの町に1972年に設立されたサン・マルコという家族経営のワイナリー。今日のワインの De' Notari というのは、サン・マルコの別ブランドのようです。

公式ページは De' Notari のものがあるんですが、内容ほぼなし。
DeNotari01

こちらの San Marco の公式ページに今日のワインの紹介があります。
DeNotari02
Frascati Superiore DOCG の規定と共に見ていきたいと思います。まずセパージュ。
・Malvasia del Lazio 50%
・Malvasia di Candia 15%
・Bellone 20%
・Trebbiano Toscano 15%
マルヴァジーアはたくさんの亜種があり、その総称をマルヴァジーアと呼ぶようですが、このDOCG規定では、マルヴァジーアを(Malvasia del Lazio と Malvasia Bianca di Candia を合わせて)70%以上使うことになっています。あれれ?2つ足しても65%しかないですね。
また同じく規定では、Bellone やTrebbiano Toscano などは合わせて30%以上になってはいけません。これも35%になりアウトです。おそらくですが、Malvasia di Candiaの15%と、Belloneの20%は逆なんじゃないかと思います。
熟成については記述はありませんでしたが、熟成の規定はこのDOCGにはないのでわかりませんね。このDOCGには上級の「Riserva」がありますが、それは12ヶ月の熟成が義務付けられています。

これが Malvasia del Lazio です。地元では Malvasia Puntinata と呼ばれています。
MalvasiaLazio
2011年のDNA分析では Muscat d'Alexandrie(Muscat of Alexandria)と Schiava Grossa との交配とされましたが、その後、試験体が間違っていたとかで、謎のままになってるようです。

これが Malvasia (Bianca) di Candia です。
MalvasiaCandia
2008年のDNA分析ではガルガネガと何らかの品種の自然交配と出たらしいです。

これが Bellone
Bellone1
おそらく非常に古い起源のようですが親子関係などは不明です。

Trebbiano Toscano
TrebbianoT
フランスのユニ・ブラン(サンテミリオン)のことですが原産はイタリア。


フラスカティ(Frascati)の町にあるサン・マルコを訪問します。
DeNotari03
左側の建物は併設のレストラン。中はなかなかお洒落な感じでした。

ラツィオ州を俯瞰して、フラスカティ(Frascati)を確認しましょう。
Lazio01
左下にインポーズした地図を見ると、ラツィオ州のDOC/DOCGがわかります。
フラスカティ(Frascati)はローマに近接したごく狭いエリアですが、DOCGが2つもありますね。ただし、Cannellino di Frascati DOCG というのは同じマルヴァジーアを使った甘口白ワインで、2011年に Frascati Superiore と共に Frascati DOC からDOCGに昇格したものです。


ラベル平面化画像。
IMG_4134
ユーロリーフのビオワインですね。また、裏ラベルにある ”CRIO 12” というのがこのワインの名前のようです。そんなの表ラベルにも書いてほしいですね。


さあ、抜栓。
IMG_4198

コルク平面化。
IMG_4199
普通~の汎用品。

Alc.12.5%。(pH:3.86、Brix:6.0)
淡いイエロー。
IMG_4200

青リンゴ、洋梨、マスカットっぽいです。
上品な酸味が目立つ辛口アタック。
味わいも青リンゴ系かな。
酸はかすかな苦味のベールにも思えてきます。
おかげで深みが増してきたような…。

得体の知れないマルヴァジーア、個性的ではあります。
しかし、特徴があるのはいいことです。


*****


Cantine San Marco
De' Notari
Frascati Superiore DOCG 2019
Crio 12
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

タケダワイナリー ブラン 2018

またまた山形のタケダワイナリーですが、今度は白です。以前試したマスカベAの赤と似ていますが、山形県上山市のふるさと納税の返礼品でいただいたワインが赤・白セットだったわけです。「ワインの郷かみのやま」からお届けと書いてあるのを見て「上山」を「かみのやま」と読むと初めて知った関西人が、改めて山形ワインと親しみたいと思います。(笑)


IMG_4080
もともと山形の大地主だったタケダワイナリーの武田家は、1920年(大正9年)に当時としては珍しいワイン(ブドー酒)を作り始めたそうです。代々フランスで修行し、いち早くカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネなど欧州品種の導入も成功させ、現在に至るようですが、今日いただくのは北米品種のデラウェアとなっております。(笑)


公式ページはデザインもいい感じで、なかなか読み応えもあります。

シャトー・タケダ他、上級キュヴェはなかなか素晴らしいラインアップですが、今日の「タケダワイナリー」というのは2018年発売の新商品だそうで、ボトムレンジなんだそうです。だから…。
・デラウェア 100%
というわけですね。(笑)当然のように樽熟成などなしです。


生食用でお馴染みのデラウェアです。一番の産地は山梨じゃなく、山形なんですってね。
Delaware
ワイン用のデラウェアってのがあるのかと思いましたが、同じものをジベルリン処理しないくらいなので「種あり」になるぐらいの差だそうです。種は味わいに影響するので、この差は大事かもしれません。あとジベルリン処理しないと生育が1ヶ月ほど遅くなるんだそうです。へぇ~。

アメリカ原産のデラウェア(Delaware)の名前ですが、東海岸にあるデラウェア州のデラウェアではなく、オハイオ州コロンバスの近くにあるデラウェアという町の名前から来ています。1794年にアメリカに入植したスイス人のPaul Henri Mallet-Prevostさんが、ニュージャージー州で交配させて作り出したという話があります。ポールさんはBenjamin Heathという人に木を分けてあげるのですが、1837年にそのベンジャミンさんがオハイオ州へ引っ越しし、その時そのブドウの木を持って行ったようで、ご近所のAbraham Thompsonさんにまた木を分けてあげます。エイブラハムさんはなぜかそのブドウを気に入り、1855年にマサチューセッツ園芸協会に送って「オハイオ州デラウェア・シティのブドウ」として紹介しました。その後、全米各地に「デラウェア」として広まっていきました。…と、来歴は調べた限り、こんな感じなんですが、日本のサイトでは、1855年にオハイオ州デラウェアで発見されたとか、命名されたとか、いい加減な情報になってるようです。(笑)ここに書いた情報が正しければ、1855年よりはるか以前にニュージャージー州で誕生していたことになります。因みに、日本に入ってきたのは、1872年(明治5年)頃です。

2015年のDNA分析で、デラウェアは、Vitis AestivalisVitis Labrusca の交雑種と Vitis Vinifera を掛け合わせたということが確認されたそうです。これが、Paul Henri Mallet-Prevostさんの仕業ってことですね。どうりでデラウェアにはラブルスカ種の特徴であるフォクシー・フレーバーがない(少ない)わけです。


山形市のすぐ南側の上山市にあるワイナリー訪問。さすが立派。
Takeda01
東北最大級の遊園地リナワールドや東北に2つしかないコストコのひとつが近くにあります。いいところです。(笑)

山形県を俯瞰して見ます。おいしい山形HPから拝借したワインマップも添えて。
Takeda02
蔵王のふもと、山形盆地にワイン産地が集まっていますね。寒暖の差が激しく、降雨量も少ないというブドウ栽培にはうってつけの条件なんだそうです。


ラベル平面化画像。
IMG_3929
シンプルでいいデザインです。YAMAGATAとは書いてますが、GI表示(Geographical Indication)ではないですね。GI山形の地理的表示保証制度の指定を受けたのは今のところ日本酒だけですから。


さあ、抜栓。
IMG_4077
スクリューキャップながらエチケットと同じ鳥マーク入り。

Alc.11%。(pH:3.74、Brix:6.0)
かすかに赤味帯びたイエロー。デラウェアの果皮はピンクですからね。名残りかな。
IMG_4079

黄桃、梨、マスカットも。
しっかりした美味しそうないい香り。
酸味が際立つ辛口アタック。
酸味が目立つからか味が薄っぺらく感じます。
ゲロまずではないんですが、つまらない感じ。
やはりマスカベA同様、
日本はデラウェアのワイン作ってる場合じゃない気がします。
(笑)


*****


タケダワイナリー
ブラン 2018
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

Santa Ana Classic Torrontés 2017

アルゼンチンのトロンテス。2018年のソムリエ二次試験のテイスティングワインとして出題されて驚きましたが、なんと今年のワインエキスパート呼称資格の二次試験でまた出たんですってね。甲州なんかが頻出するのはわかりますが、日本ソムリエ協会はなぜこんなにトロンテス押しなのか理解に苦しみます。とにかくもう一度お試しして考察してみましょう。(笑)


IMG_4069
お試しのために上等なトロンテスをお取り寄せしたわけではなく、そこら辺のスーパーかなんかでたまたま見つけたやつです。(笑)作り手のサンタ・アナは1891年創立というアルゼンチンでは最古参のところですが、現在は世界第5位の販売量というペニャフロール・グループ(Grupo Peñaflor)傘下に入っています。実は、ソムリエ二次試験にトロンテスが出た後にエル・エステコのトロンテスを一度試してますが、その El Esteco社もペニャフロール・グループ傘下でした。さすが大グループです。


ペニャフロール・グループ社の公式ページサンタ・アナの紹介はありますが、サンタ・アナ自体のホームページが存在しないようです。仕方がないのでインポーターページから。

・トロンテス 100%
これぐらいしかわかりませんでした。(笑)

トロンテスTorrontés)は、ほぼアルゼンチンでしか栽培されていないアルゼンチンの土着品種です。ご存知アルゼンチンの白ワインの代表選手ですね。
T0
スペインの修道士が新大陸に持ち込んだ、クリオージャ・チカ(Criolla Chica)とマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria)の自然交配種と言われています。(2003年のDNA分析による。)クリオージャ・チカはアルゼンチンでの呼び名で、別名リスタン・プリエト(Listán Prieto)とも呼ばれますが、チリでパイス(País)、北アメリカでミシオン(Misión)と呼ばれる品種と同じものです。過去、スペインのガリシア地方にある同名のトロンテスとの関係が疑われましたが、このDNA鑑定により否定されています。

実はトロンテスには3つの亜種が存在します。これら3種類は同じ味わいではなく品質に差があるといいますが、どれをどれだけ使ってもワインには「トロンテス」とだけ表示されます。
T

トロンテス・リオハノ
Torrontés Riojano)が他の2種より芳香や果実味に優れ、一番品質が高いとされます。よって、ワインにはトロンテス・リオハノが主体で使われ、トロンテス・サンフアニーノTorrontés Sanjuanino)や、トロンテス・メンドシーノTorrontés Mendocino)は、トロンテス・リオハノともブレンドされる形でピスコやブランデーの原料となるようです。しかしながら、ワインのラベルには「トロンテス」としか表示されませんから、何をどれだけ使ったのか知る由もありませんし、トロンテスのワインと一口に言っても、その味に非常にばらつきがありそうなことは想像がつきますね。そもそもこんな性格が不確実な品種をテイスティングの試験に出していいもんでしょうか? まったくもって日本ソムリエ協会の意図は計りかねます。(笑)

これだけトロンテスを推すんだから、きっと教本には深〜いトロンテスの解説があるんだろうと確認してみると、例によって誤認情報含めてお粗末なものでした。いまだにスペイン原産だとか書いてあるし。(笑)

補足情報ですが、それぞれの品種の生産量を調べたらこんな数字がありました。
・トロンテス・リオハノ(Torrontés Riojano)77%
・トロンテス・サンフアニーノ(Torrontés Sanjuanino)17%
・トロンテス・メンドシーノ(Torrontés Mendocino)6%
まあ、ほとんどトロンテス・リオハノってことなんでしょうけどね。しかし、先のDNA分析では、トロンテス・メンドシーノだけ片親のクリオージャ・チカ(Criolla Chica)が確定しなかったそうです。やはりこの3種は一括りにできなさそうです。


そうそう、サンタ・アナを訪問しておきます。
SantaAna01
さすが、歴史のある老舗です。メンドーサ市街の中にあります。


ラベル平面化画像。
IMG_4023


さあ、スクリュー回転。
IMG_4067
1000円以下ですから無印はしかたがないです。

Alc.12.5%。(pH:3.85、Brix:6.6)
ゴールドイエロー。
IMG_4068

甘いシロップ漬けの黄桃、白い花の芳香、グリーンのニュアンス。
黄・白・緑と色どりいろいろ賑やかな香りですね。
甘み感じる辛口アタック。
梅のような酸味からそう感じた甘味のようです。
塩味もあるような…。
若干薄っぺらい味は、その酸をうまく受け止めてくれて、
全体像として膨らみを持たせてる印象です。

品種としてのポテンシャルは日本ソムリエ協会が押すほど感じませんが、
全くつまらないというものでもないというのが結論。(笑)


*****


Santa Ana
Classic Torrontés 2017
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Marenco Piemonte Moscato 2019

コストコで見つけました。モスカートを使った甘口で微発泡とあるので、モスカート・ダスティDOCGかと思うとさにあらず。広域のピエモンテDOCとなってます。そういったところを探りながら食前酒としていただきましょうか。コストコだからお買い得に違いないと信じつつ…。(笑)


IMG_3962
今日の作り手マレンコは、1925年に遡る歴史があるようですが、1956年に事業を大きくしてストレーヴィ(Strevi)の町に現在のワイナリーを設立したそうです。アスティ(アスティ・スプマンテ、モスカート・ダスティ)以外もグラッパまでいろいろやってます。


公式ページはいい感じなのですが、今日のワインが載ってません。

やはりコストコ向けバージョンなんでしょうかね。モスカート・ダスティDOCGらしきピエモンテDOCというのもラインアップにはありません。インポーター情報を見ても大した情報はなし。
・モスカート 100%
モスカートは、いわゆるマスカット(Muscat)です。イタリアではモスカート・ビアンコとも。
Marenco021
スペインやポルトガルではモスカテル(Moscatel)でしたね。ヨーロッパ種(Vitis Vinifera)であり、ワイン用のみならず生食用としても古くから広く世界中で栽培されています。実際は長い年月を経てたくさんの品種に分かれているので、日本で言うマスカットはマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria)だったりしますし、今日のイタリアのモスカート・ビアンコはフランスで言う所のミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン(Muscat Blanc à Petits Grains)と同じです。マスカットではこれが一番古いとする解説もありますね。


小さなストレーヴィ(Strevi)の町にあるマレンコを訪問。
Marenco01
市街地の周辺は当然畑ばかりで、アスティの主要産地のひとつになってます。


今日のワインはアスティDOCGではありませんが、なぜピエモンテDOCになっているのかを知るためにも、アスティ(Asti DOCG)の定義を見ていきたいと思います。
・1967年にDOC認定され、1993年にDOCGに昇格。
・使用品種はモスカートのみ。(正確には97%以上となっています。)
・対象エリアは、ピエモンテ州南部のアスティ県、アレッサンドリア県、クーネオ県にある52村。
・スタイルは、以下の3種類があります。

 [ Asti Spumante ] スパークリングワイン、瓶内圧は3気圧以上になり甘さ抑えめ。
 [ Moscato d'Asti ] 微発泡の甘口ワインで瓶内圧は2.5気圧を超えてはいけません。
 [ Vendemmia Tardiva ] 遅摘みで極甘口に仕上げたスティルワイン。

Asti Spumante に対し、Moscato d'Asti は、いわゆるフリッツァンテ(Frizzante)ということです。どちらも通常シャルマ式で作られますが、瓶内二次発酵(Metodo Classico)で作っても構いませんし、実際そういう作り手もいるようです。

Asti DOCG には以下のサブゾーンがあり、地名のラベル表記が可能ですが、その場合微妙に規定が違います。
・ストレーヴィ(Strevi)今日の作り手の所在。Vendemmia Tardivaだけ認められていません。
・カネッリ(Canelli)モスカート100%の Moscato d’Asti のみ。
・サンタ・ヴィットリア・ダルバ(Santa Vittoria d’Alba)すべて可。
サンタ・ヴィットリア・ダルバだけ、なぜか飛び地のような所にあります。


Monferrato / Langhe の範囲を示したGoogle Map上に作り手の所在を示しました。
MoscatoDasti02
Monferrato のエリア南側の真ん中辺りですね。左側にインポーズした地図上に黄色でハイライトしたのが Asti DOCG(Asti Spumante、Moscato d'Asti…)のエリアです。見にくいですが(笑)、Monferrato のエリアの南側および Langhe 側に張り出していて、バルバレスコのエリアも含んでるのがわかりますでしょうか。

以下の Asti DOCG だけに絞った地図と見比べるとよくわかります。
MoscatoDasti01
3つのサブゾーンもわかりましたね。飛び地のサンタ・ヴィットリア・ダルバはポツンとロエロ地域のタナロ川沿いになります。しかし、ピエモンテ州の DOC/DOCG はややこしいですね。
結論として、今日のワインはモスカート・ダスティの要件を満たしていますし、モスカート・ダスティを想定して作られているのは間違いないですが、ピエモンテDOCになるということは、おそらく、域外のモスカートを使用してるんだと思います。チャンチャン。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3939
モスカート・ダスティの特徴でアルコールは5%しかありません。(規定は5~6.5%)


さあ、スクリュー回転。
IMG_3968
黄色がいい感じですが無印です。

Alc.5%。(pH:3.51、Brix:13.4)
糖度は当然高いです。淡いゴールド。
IMG_3961

マスカットの香り。(笑)
ラムネ、新しい石鹸のような香りも…。
マスカット味のラムネといった味わい。

食前酒としての役は果たしますが、
アルコール分も低いですし、
甘くて美味しい…ジュースでした。(笑)


*****


Marenco
Piemonte Moscato 2019
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Fontanafredda Gavi DOCG del Comune di Gavi 2019

たまたまガヴィを紹介する動画を見たせいで、試してみたくなりお取り寄せ。
お馴染みフォンタナフレッダですが、Gavi del Comune di Gavi になりまして、
「ガヴィ村のガヴィ」の意味。松阪市産の松阪牛みたいなもんでしょうか。(笑)


IMG_3535
Gavi は、赤もしくは赤・白の産地が多いピエモンテでは珍しい白のみのDOCG。
文献には972年にワイン作りの記述が残るという非常に歴史の古い産地です。

1950年代にガヴィの先駆者、La ScolcaGavi di Gavi を生み出します。
1970年代までにこのワインはカルトワインとして評判になり、1974年に、
Gavi DOC ができました。その後、1998年には DOCG に昇格、今に至ります。
本家というか、ルーツというか、ラ・スコルカのガヴィを試したいものですが、
割とお高い。なので、フォンタナフレッダで手を打ったというわけです。(笑)

Gavi DOCG はコルテーゼ100%が規定で、Cortese di Gavi DOCG とも言います。
GV4
ピエモンテ州アレッサンドリアが原産と言われ、定かではありませんが、
とにかくこの辺りでしか栽培されていません。
辛口白とスプマンテが認められており、それぞれ上級の Riserva があります。
辛口白の Riserva には1年の熟成(内6ヶ月は瓶内)の規定がありますが、
無印には規定がなく、基本早飲みのワインのようですね。


フォンタナフレッダの公式ページはお馴染みです。

今日のワインはシマシマ模様の「The Stripes」シリーズのうちの1本です。
・コルテーゼ 100%
除梗・破砕、白なので果皮は除去、ステンレスタンク(85%)と樽(15%)で発酵。
熟成はステンレスタンクで2~3ヶ月。

しかし、ブドウはガヴィ村からなのでセッラルンガ・ダルバは関係ないんですが、
お約束なのでバローロ地域のフォンタナフレッダの本拠地を訪問しておきます。
GV0
大手ですからね、バローロ以外も手広くやってるんですね。


やはりですが、Gavi DOCG の公式ページというものがあり、詳しい地図を発見。
GV3
周辺のガヴィのコムーネ以外も含め11ヶ村に認められたDOCGですが、
Gavi DOCG のあとに del Comune di~をつけてコムーネ名を記載できます。
なので今日のワインは Gavi DOCG del Comune di Gavi としてるわけですが、
ガヴィ村からできたワイン以外はわざわざ言いたくはないでしょうね。(笑)
(「Gavi di Gavi」という表記は今では使用不可だそうです。)

この Gavi DOCG の地図をGoogle Mapにインポーズしてみました。
GV1
Barolo や Barbaresco まで入れてランゲとの位置関係を理解します。
ガヴィDOCGはモンフェラットDOCの範囲に内包されています。

データシートには「ガヴィ村の Rovereto 周辺の畑から」とあったので、
ガヴィ村にズームイン。ロヴェレート教会の周辺の地域と思われます。
GV5
この近くに、例のガヴィ・ワインの発明者、ラ・スコルカもありました。
フォンタナフレッド製ですが、ワインの出どころは由緒正しい所のようです。

さて、
ガヴィの集落近くの丘の上にガヴィ要塞(Forte di Gavi)なる名所があります。
ここから集落が一望に見下ろせるので、その雰囲気を味わっておきましょう。
GV2
この要塞は12世紀ジェノヴァ中心に存在したジェノヴァ共和国が作ったそうですが、
972年のガヴィのワイン作りの記述というのは、このジェノヴァ共和国の文書でした。
つまりその時代からガヴィで作られたワインがジェノヴァで飲まれていたわけです。


ラベル平面化画像。
IMG_3505
透け透け白ワインはラベル平面化撮影に難儀します。


さあ、抜栓。
IMG_3532
フォンタナフレッダ名前入り。DOCG認証はネックに貼ってあります。

コルク平面化。
IMG_3533
サトウキビからできた樹脂で再生可能なノマコルクを採用。

Alc.12.5%。(pH:3.61、Brix:6.1)
緑がかったライトイエロー。2019、まだ若いですからね。
IMG_3534

梨、白桃。華やかでみずみずしい香りです。
甘みに感じるいい酸が乗った辛口アタック。
グレープフルーツのような柑橘系の味わい。
レモン味のお菓子を連想させる酸ですね。
こういう酸味はおいしくしてくれるのでうれしいです。

この、しゃりしゃりした梨を思わせる白ワイン。
すごく夏に合うと思います。いい白を見つけました。


*****


Fontanafredda
Gavi DOCG
del Comune di Gavi 2019
WWWポイント 80点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

メール:
saikin.photo の gmail.com

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ