リカマンで売っていたフランスの安いワインなんですが、品種が「Souvignier Gris」となっています。スーヴィニエ・グリ? ソーヴィニヨン・グリ(ソーヴィニヨン・ブランの色変異種)とは違うようです(笑)。また変なのを見つけてしまいました。こんなのは試さずにはいられません。アトランティーク IGP(Atlantique IGP)がボルドーあたりの地理的保護表示なのは何となく知っていましたが、これも確認しておきましょう。
作り手は、ヴィニュロン・ド・トゥティアック(Vignerons de Tutiac)というボルドーの4つのワイン生産協同組合を束ねる会社のようです。50年の歴史があり、ボルドーの16のAOCをカバーしているそうです。500の生産者がメンバーで畑の総計は5,400ヘクタールにのぼるとのこと。
公式ページは「我がボルドーの代表なり」と言わんばかりの写真が踊っています。
やはりですが、今日のワインはショップページにも見当たりません。
・スーヴィニエ・グリ(Souvignier Gris) 100%
多分こうでしょう(笑)。その他の情報はありません。せめて裏ラベルにでもこの謎の品種の説明ぐらい欲しかったところです。
さあ、スーヴィニエ・グリ(Souvignier Gris)を見ます。果皮色がロゼの「グリ」です。
ドイツのフライブルグにあるブドウ栽培研究所のノルベルト・ベッカー博士(Norbert Becker:1937~2012年)が1983年に交配して生み出した品種です。博士曰く「カベルネ・ソーヴィニヨン x ブロナー(Bronner)」の交配としていましたが、DNA分析の結果、「セイヴァル・ブラン(Seyval Blanc) x ツェーリンガー(Zähringer)」の交配だと判明しました。「博士、全然違いますやん!」と言いたいところですが既に亡くなられています(笑)。
耐寒性がある上、カビ類にも耐性があり、各種病気に対する抵抗力が強いため優れた品種と呼べそうです。2018年にオーストリアで高級ワイン用ブドウ品種として発売され、主にシュタイヤーマルクで広まっています。
フランスにいつどうやってどれだけ入ってきたかはわかりませんでしたが、2017年4月19日に「Catalogue des Variétés de Vigne(ブドウ品種カタログ)」に正式に登録されたそうです。IGP Atlantique の規定を調べたんですが、昔の規定にはなかった Souvignier Gris が最新版(2023年4月)にはちゃんと載ってました。最新(2023年8月)のAOCボルドーの規定も見てみると、条件付きですが、Alvarinho、Floréal、Liliorila、Sauvignac といった品種と一緒に Souvignier Gris も補助品種の仲間入りをしています。
ヴィニュロン・ド・トゥティアックの本拠地を訪問してみました。
ジロンド川の右岸、川岸のブライ(Blaye)の町から内陸へ車で30分くらいのところです。ジロンド川の対岸はサンテステフ(Saint-Estèphe)~ポイヤック(Pauillac)あたりになります。ヴィニュロン・ド・トゥティアックの拠点はボルドー中にいくつもあるようですが、ここが一番大きく本部のようになっています。
INAOの地図でIGP アトランティーク(IGP Atlantique)の範囲を確認します。
シャラント・マリティーム県(Charente-Maritime)、シャラント県(Charente)、ジロンド県(Gironde)、ドルドーニュ県(Dordogne)、及び、ロット・エ・ガロンヌ県(Lot-et-Garonne)の一部が対象エリア。
AOCボルドーを内包します。というか、AOCボルドーはジロンド県のみなのです。地図に赤で影をつけておきました。この部分がAOCボルドーになります。ずいぶん差がありますね。AOCボルドーにAOCコニャック(AOC Cognac)のエリア(シャラント・マリティーム県、シャラント県)を加えて、さらにドルドーニュ県とロット・エ・ガロンヌ県の南西地方(Sud-Ouest)も足したのが IGP アトランティーク(IGP Atlantique)というわけです。
IGP アトランティーク(IGP Atlantique)をやっぱりGoogle Map上で見てみます。
AOCボルドーの範囲と主だった地名を書き込んでおきました。ヴィニュロン・ド・トゥティアックの本拠地の所在もわかりますね。
エチケット平面化画像。
「Respire(息をする)」という名前に花と虫のイラスト。自然派な感じを出していますが、誇らしげに貼ってあるマークには「殺虫剤の残留成分ゼロ」とあります。当たり前やん(笑)。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
作り手は、ヴィニュロン・ド・トゥティアック(Vignerons de Tutiac)というボルドーの4つのワイン生産協同組合を束ねる会社のようです。50年の歴史があり、ボルドーの16のAOCをカバーしているそうです。500の生産者がメンバーで畑の総計は5,400ヘクタールにのぼるとのこと。
公式ページは「我がボルドーの代表なり」と言わんばかりの写真が踊っています。
やはりですが、今日のワインはショップページにも見当たりません。
・スーヴィニエ・グリ(Souvignier Gris) 100%
多分こうでしょう(笑)。その他の情報はありません。せめて裏ラベルにでもこの謎の品種の説明ぐらい欲しかったところです。
さあ、スーヴィニエ・グリ(Souvignier Gris)を見ます。果皮色がロゼの「グリ」です。
ドイツのフライブルグにあるブドウ栽培研究所のノルベルト・ベッカー博士(Norbert Becker:1937~2012年)が1983年に交配して生み出した品種です。博士曰く「カベルネ・ソーヴィニヨン x ブロナー(Bronner)」の交配としていましたが、DNA分析の結果、「セイヴァル・ブラン(Seyval Blanc) x ツェーリンガー(Zähringer)」の交配だと判明しました。「博士、全然違いますやん!」と言いたいところですが既に亡くなられています(笑)。
耐寒性がある上、カビ類にも耐性があり、各種病気に対する抵抗力が強いため優れた品種と呼べそうです。2018年にオーストリアで高級ワイン用ブドウ品種として発売され、主にシュタイヤーマルクで広まっています。
フランスにいつどうやってどれだけ入ってきたかはわかりませんでしたが、2017年4月19日に「Catalogue des Variétés de Vigne(ブドウ品種カタログ)」に正式に登録されたそうです。IGP Atlantique の規定を調べたんですが、昔の規定にはなかった Souvignier Gris が最新版(2023年4月)にはちゃんと載ってました。最新(2023年8月)のAOCボルドーの規定も見てみると、条件付きですが、Alvarinho、Floréal、Liliorila、Sauvignac といった品種と一緒に Souvignier Gris も補助品種の仲間入りをしています。
ヴィニュロン・ド・トゥティアックの本拠地を訪問してみました。
ジロンド川の右岸、川岸のブライ(Blaye)の町から内陸へ車で30分くらいのところです。ジロンド川の対岸はサンテステフ(Saint-Estèphe)~ポイヤック(Pauillac)あたりになります。ヴィニュロン・ド・トゥティアックの拠点はボルドー中にいくつもあるようですが、ここが一番大きく本部のようになっています。
INAOの地図でIGP アトランティーク(IGP Atlantique)の範囲を確認します。
シャラント・マリティーム県(Charente-Maritime)、シャラント県(Charente)、ジロンド県(Gironde)、ドルドーニュ県(Dordogne)、及び、ロット・エ・ガロンヌ県(Lot-et-Garonne)の一部が対象エリア。
AOCボルドーを内包します。というか、AOCボルドーはジロンド県のみなのです。地図に赤で影をつけておきました。この部分がAOCボルドーになります。ずいぶん差がありますね。AOCボルドーにAOCコニャック(AOC Cognac)のエリア(シャラント・マリティーム県、シャラント県)を加えて、さらにドルドーニュ県とロット・エ・ガロンヌ県の南西地方(Sud-Ouest)も足したのが IGP アトランティーク(IGP Atlantique)というわけです。
IGP アトランティーク(IGP Atlantique)をやっぱりGoogle Map上で見てみます。
AOCボルドーの範囲と主だった地名を書き込んでおきました。ヴィニュロン・ド・トゥティアックの本拠地の所在もわかりますね。
エチケット平面化画像。
「Respire(息をする)」という名前に花と虫のイラスト。自然派な感じを出していますが、誇らしげに貼ってあるマークには「殺虫剤の残留成分ゼロ」とあります。当たり前やん(笑)。
さあ、抜栓。
コルク平面化。
Alc.12.5%。
キラキライエロー。
レモン、青リンゴ。
甘やかな辛口アタック。
柑橘系の味を乗せた酸は生き生き。
ミネラル感もあり、味わいも青リンゴ系かな。
後味に微かに苦味残りますがそれもまたいいです。
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Les Vignerons de Tutiac
Respire Souvignier Gris 2021
Atlantique Indication Géographique Protégée
WWWポイント | 78点 |
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