オーストリアで最も多い白ワイン用の品種はグリューナー・フェルトリナー。ずいぶん前にも試してますので知ってはいるはずですが、思い出しがてら飲んでみようとやまやで適当に選んできたものです。とってもお手頃価格でした。オーストリアの白ワインは全体の70%を占めますから、赤もいいですが、やはり白を攻めましょう。
作り手はアイニッヒ・ツェンツェン(Einig-Zenzen)というドイツはモーゼルから出てきた国際的なワイントレーダーです。買い付けて輸出してるだけですから「作り手」とは言わないかもですね。元はモーゼルのワイン農家で1636年に創業しており、歴史ある家族経営の作り手の如く現在は13代目が運営しているとのこと。ワイン商となったのは創業後間もなくで、まずはドイツの他オーストリアからワインを買い付け輸出することを始めています。そういう意味では今日の安いグリューナー・フェルトリナーにも歴史の重みを感じてきました(笑)。
公式ページは割と内容豊富でラインアップも紹介していますが今日のワインは見つからず。
日本語版サイトもあります。世界を股にかけている感じがします。
やはり今日のオーストリアのグリューナー・フェルトリナーは載ってませんね。
・グリューナー・フェルトリナー 100%
よってこれ以上の情報はなし。品種を見ていくとしましょう。
グリューナー・フェルトリナー(Grüner Veltliner)がこれです。
原産国はオーストリアとすることが多いですが、VIVCを見るとなぜかイタリアになっています(!?)。
グリューナー・フェルトリナーは、おそらくザンクト・ゲオルゲン / サン・ジョルジャン(St. Georgen)x サヴァニャン・ブラン(Savagnin Blanc)の自然交配から生まれたようです。
父方のサヴァニャン・ブラン、いわゆるトラミナー(Traminer)は説明が非常にややこしいのここでは割愛しますが、ゲヴュルツトラミネールの記事の時に詳しく解説しています。
母方の方の親はというと、2000年にブルゲンラント地方(Burgenland)のザンクト・ゲオルゲン(Sankt Georgen)で非常に古いブドウの木が発見され、2007年に行われたDNA分析でこれがグリューナー・フェルトリナーの母品種であることが判明しました。この品種は発見された場所にちなんでザンクト・ゲオルゲンと名付けられています。まぎれもないオーストリア原産なのでグリューナー・フェルトリナーもオーストリア原産でFAだと思うんですが、VIVCが間違ってないかい?
ちなみにですが、名前に「フェルトリナー」とつくブドウ品種は約12種類あります。
大抵は「XX色のフェルトリナー」というように色に関係したネーミングです。そもそも、グリューナー・フェルトリナー(Grüner Veltliner)自体が「グリーンの」フェルトリナーですからね。そして、それらのほとんどは、グリューナー・フェルトリナーと無関係(あるいは遠い関係)なんだそうです。
グリューナー・フェルトリナーはオーストリアで1950 年代以降急速に普及し、主要な品種になりました。面積は14,423ヘクタールでブドウ畑の総面積の約3分の1を占めます。地域的には今日のワインのブルゲンラント(Burgenland)よりニーダーエスターライヒ(Niederösterreich)の方が最大の生産地になっています。特にヴァインフィアテルDAC(Weinviertel DAC)に多いようです。
オーストリアワイン公式ページの地図データページから州別地図を拝借し加筆しました。
オーストリアは9つの連邦州(Bundesländer)から成ります。ワインの生産は東側の4つの州に集中しています。今日のワインのブルゲンラントはブルゲンラント州(Burgenland)の広域の産地になります。
それらの中に DAC(Districtus Austriae Controllatus)という原産地呼称がある関係です。
これも同じところから拝借した地図ですが、畑の分布も示されており素晴らしいです。各DAC名称の文字はこちらで加筆したものです。実は、前回調べた時にヴァッハウ(Wachau)がDAC化しているのに驚いたのも束の間、ヴァーグラム(Wagram)とテルメンレギオン(Thermenregion)もDAC化していることがわかりました。これで有名産地のほぼ全部がDAC化したことになります。
ラベル平面化画像。
さあ、スクリュー回転。
オーストリアワインはキャップが必ず国旗のカラーリングです。
作り手はアイニッヒ・ツェンツェン(Einig-Zenzen)というドイツはモーゼルから出てきた国際的なワイントレーダーです。買い付けて輸出してるだけですから「作り手」とは言わないかもですね。元はモーゼルのワイン農家で1636年に創業しており、歴史ある家族経営の作り手の如く現在は13代目が運営しているとのこと。ワイン商となったのは創業後間もなくで、まずはドイツの他オーストリアからワインを買い付け輸出することを始めています。そういう意味では今日の安いグリューナー・フェルトリナーにも歴史の重みを感じてきました(笑)。
公式ページは割と内容豊富でラインアップも紹介していますが今日のワインは見つからず。
日本語版サイトもあります。世界を股にかけている感じがします。
やはり今日のオーストリアのグリューナー・フェルトリナーは載ってませんね。
・グリューナー・フェルトリナー 100%
よってこれ以上の情報はなし。品種を見ていくとしましょう。
グリューナー・フェルトリナー(Grüner Veltliner)がこれです。
原産国はオーストリアとすることが多いですが、VIVCを見るとなぜかイタリアになっています(!?)。
グリューナー・フェルトリナーは、おそらくザンクト・ゲオルゲン / サン・ジョルジャン(St. Georgen)x サヴァニャン・ブラン(Savagnin Blanc)の自然交配から生まれたようです。
父方のサヴァニャン・ブラン、いわゆるトラミナー(Traminer)は説明が非常にややこしいのここでは割愛しますが、ゲヴュルツトラミネールの記事の時に詳しく解説しています。
母方の方の親はというと、2000年にブルゲンラント地方(Burgenland)のザンクト・ゲオルゲン(Sankt Georgen)で非常に古いブドウの木が発見され、2007年に行われたDNA分析でこれがグリューナー・フェルトリナーの母品種であることが判明しました。この品種は発見された場所にちなんでザンクト・ゲオルゲンと名付けられています。まぎれもないオーストリア原産なのでグリューナー・フェルトリナーもオーストリア原産でFAだと思うんですが、VIVCが間違ってないかい?
ちなみにですが、名前に「フェルトリナー」とつくブドウ品種は約12種類あります。
大抵は「XX色のフェルトリナー」というように色に関係したネーミングです。そもそも、グリューナー・フェルトリナー(Grüner Veltliner)自体が「グリーンの」フェルトリナーですからね。そして、それらのほとんどは、グリューナー・フェルトリナーと無関係(あるいは遠い関係)なんだそうです。
グリューナー・フェルトリナーはオーストリアで1950 年代以降急速に普及し、主要な品種になりました。面積は14,423ヘクタールでブドウ畑の総面積の約3分の1を占めます。地域的には今日のワインのブルゲンラント(Burgenland)よりニーダーエスターライヒ(Niederösterreich)の方が最大の生産地になっています。特にヴァインフィアテルDAC(Weinviertel DAC)に多いようです。
オーストリアワイン公式ページの地図データページから州別地図を拝借し加筆しました。
オーストリアは9つの連邦州(Bundesländer)から成ります。ワインの生産は東側の4つの州に集中しています。今日のワインのブルゲンラントはブルゲンラント州(Burgenland)の広域の産地になります。
それらの中に DAC(Districtus Austriae Controllatus)という原産地呼称がある関係です。
これも同じところから拝借した地図ですが、畑の分布も示されており素晴らしいです。各DAC名称の文字はこちらで加筆したものです。実は、前回調べた時にヴァッハウ(Wachau)がDAC化しているのに驚いたのも束の間、ヴァーグラム(Wagram)とテルメンレギオン(Thermenregion)もDAC化していることがわかりました。これで有名産地のほぼ全部がDAC化したことになります。
全DAC含むワイン産地を列挙しておきましょう。
<Niederösterreich[Lower Austria](ニーダーエスタライヒ)>
・Weinviertel DAC(ヴァインフィアテル)
・Kamptal DAC(カンプタール)
・Kremstal DAC(クレムスタール)
・Traisental DAC(トライゼンタール)
・Carnuntum DAC(カルヌントゥム)<2019年DAC化>
・Wagram DAC(ヴァーグラム)<2021年DAC化>
・Wachau DAC(ヴァッハウ)<2020年DAC化>
・Thermenregion DAC(テルメンレギオン)<2021年DAC化>
<Wien[Vienna](ウィーン)>
・Wiener Gemischter Satz DAC(ヴィーナー・ゲミシュター・サッツ)
<Burgenland(ブルゲンラント)>
・Leithaberg DAC(ライタベルク)
・Neusiedlersee DAC(ノイジードラーゼー)
・Mittelburgenland DAC(ミッテルブルゲンラント)
・Eisenberg DAC(アイゼンベルク)
・Rosalia DAC(ロザリア)
・Ruster Ausbruch DAC(ルスター・アウスブルッフ)
<Rustの貴腐ワイン。30° KMW以上のTrockenbeerenauslese。2020年DAC化>
※KMW=Klosterneuburger Mostwaage(グロスターノイブルク・モスト・ヴァーゲ):100グラムの果汁(モスト)に対し1グラムの糖として計測される果汁糖度の単位。
※KMW=Klosterneuburger Mostwaage(グロスターノイブルク・モスト・ヴァーゲ):100グラムの果汁(モスト)に対し1グラムの糖として計測される果汁糖度の単位。
<Steiermark(シュタイヤーマルク)>
・Südsteiermark DAC(ズュートシュタイヤーマルク)
・Vulkanland Steiermark DAC(ヴルカンラント・シュタイヤーマルク)
・Weststeiermark DAC(ヴェストシュタイヤーマルク)
<Bergland(ベルクラント)>(上記以外の産地みたいな感じ)
・Kärnten(ケルンテン)
・Oberösterreich(オーバーエスタライヒ)
・Salzburg(ザルツブルク)
・Tirol(チロル)
・Vorarlberg(フォアアールベルク)
知らないうちにDACが増えてました。最新情報は常にチェックが必要ですね。
ラベル平面化画像。
表ラベルにオーストリアワイン(Wein aus Österreich)とだけありますが、裏ラベルでブルゲンラント産のクヴァリテーツワイン(Qualitätswein=クオリティーワイン)ということがわかります。ラントヴァイン(Landwein=カントリーワイン)よりは上、DAC(原産地統制ワイン)よりは下という位置づけです。
さあ、スクリュー回転。
オーストリアワインはキャップが必ず国旗のカラーリングです。
Alc.12%。
濃いめのイエロー。
黄桃、グレープフルーツ、ごく微かにペトロールあります。
夏みかん風の酸がいきなり広がる辛口アタック。
少し水臭い夏みかんといった雰囲気。
味わいに引っかかりのないあっさり系ですね。
始終最初の酸を味わいながらフィニッシュします。
ちょっと魅力に乏しい味でした。
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Weinkellerei Einig Zenzen GmbH
St. Urban
Grüner Veltliner 2021
Burgenland
Grüner Veltliner 2021
Burgenland
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