Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

ピノ・グリ/ピノ・グリージョ

Borgo Conventi Collio Pinot Grigio 2019

コストコで見つけたコッリオDOC(Collio DOC)のピノ・グリージョ。過去から、ピノ・グリ、ピノ・グリージョには今ひとつピンと来ていない自分ですが、税込998円の価格にやられて購入してしまいました(笑)。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のDOCですが、東の端、スロヴェニアとの国境沿いのエリアです。やはりここでもピノ・グリージョが多いんでしょうね。

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コストコにしては珍しく作り手がすぐわかりました。テヌータ・ボルゴ・コンベンティといい、スロヴェニアとの国境に近いゴリツィア県の美しい村、ファッラ・ディゾンツォ(Farra d'Isonzo)に1975年に設立されました。ワイナリーの名前は14~16世紀にかけて栄えたこの地域の修道院に由来しています。現在、敷地面積は約30haあり、 コッリオDOCとフリウリ・イゾンツォDOC(Friuli Isonzo / Isonzo del Friuli DOC)のワインを生産しています。2001年にフォロナリ家(Folonari)がワイナリーを取得して運営をしているようです。

なかなか出自のしっかりしたワインですが、コストコ店頭ではこんな感じです。
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公式ショップでは13ユーロで売っています。やはりコストコ価格はバグってますね。こうして見ると一見大量販売の安ワインにしか見えないですが、悪くないワインと思われます。どこでどんな風に売っていても本質を見極める目を持ちたいものですね。


公式ページはしっかりしていて情報豊富で助かります。コストコの供給元とは思えません(笑)。

ワイン紹介もデータシート完備。

・ピノ・グリージョ 100%

ブドウは皮の浸軟を避けるためすぐに圧搾されるそうです。熟成は冬の間にシュールリーで行い、春に瓶詰めして出荷という感じで、フレッシュなうちに楽しむ早飲みタイプのようですが、今日いただくのは2019ですから4年寝かしてますね(笑)。
コッリオDOC(Collio DOC)は赤・白OKで、85%以上で品種が表示できます。テヌータ・ボルゴ・コンベンティはピノ・グリージョ他、リボッラ・ジャッラ(Ribolla Gialla)、ソーヴィニヨン・ブラン、フリウラーノ(Friulano)の白とメルローの赤をコッリオDOCで出しています。

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)は当然ながらピノ・グリ(Pinot Gris)のイタリア語名です。
Pirovano03
2016年の統計では全世界で合計48,570haのピノ・グリージョが栽培されていますが、イタリアはその内の18,831haを占め、実に40%近くにもなります。

原産国であり本家のフランスはたった2,867haで90%がアルザスに集中しています。お隣のドイツは6,713haとフランスの倍ほどありますが、それでもイタリアの足元にも及びません。その他の多い国と言ってもアメリカの7,462haとオーストラリアの3,652haが続くぐらいで、圧倒的にイタリアがピノ・グリージョ王国と言えるでしょう。そしてその85%が Delle Venezie DOC のエリア(ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノ / トレント自治県 ≒ IGP Trevenezie)に集中しているのは以前の記事で見たとおりです。


テヌータ・ボルゴ・コンベンティを訪問してみます。
Borgo-Coventi
テヌータ・ボルゴ・コンベンティはスロヴェニアとの国境に近いゴリツィア県のファッラ・ディゾンツォ(Farra d'Isonzo)という村にあるんでしたね。ストビューでは門内に入れませんでしたが、なぜか中には天文台が併設されています。不思議…。

コッリオDOC(Collio DOC)のエリアを俯瞰して位置関係を見てみましょう。
Collio_DOC
コッリオDOCはゴリツィア(Gorizia)の町が中心なので、コッリオ・ゴリツィアーノDOCCollio Goriziano DOC)とも呼ばれます。ゴリツィア(Gorizia)ほか、Capriva del Friuli、Cormòns、Dolegna del Collio、Farra d’Isonzo、San Floriano del Collio、San Lorenzo Isontino、Mossaといったコムーネが対象エリアになります。ゴリツィアはゴリツィア県の県都である都市ですが、スロヴェニアとの国境を挟んで隣接するスロヴェニア側のノヴァ・ゴリツァ(Nova Gorica)という町と双子都市の関係にあります。

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のDOC/DOCGをGoogle Mapで見てみましょう。
Friuli-Venezia03
今日の作り手のボルゴ・コンベンティの所在も記入しています。地図中に示した通り、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州には4つのDOCGと、12のDOCがあります。主だったところをまとめます。

<DOCG>
Colli Orientali del Friuli Picolit DOCG
(2006年、Picolit 種の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)
Lison DOCG
(2010年、Friulano 種の白のみ Lison-Pramaggiore DOC より独立してDOCG化。)
Ramandolo DOCG
(2001年、Verduzzo Friulano 種100%の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)
Rosazzo DOCG
(2001年、Friulano 種主体の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)

<DOC>
Carso / Carso-Kras DOC
(1985年、DOC認定。)
Collio Goriziano / Collio DOC(今日のワイン)
(1968年、DOC認定。)
Delle Venezie DOC
(2017年、3州にまたがる IGT Delle Venezie がDOC化。Pinot Grigio ~が主。)
Friuli / Friuli Venezia Giulia DOC
(2016年、Friuli Venezia Giulia 州全体をカバーして成立。)
Friuli Annia DOC
(1995年、DOC認定。)
Friuli Aquileia DOC
(1975年、DOC認定。)
Friuli Colli Orientali DOC
(1970年、DOC認定。Colli Orientali del Friuli Picolit、Ramandolo、Rosazzo 各DOCGが派生。)
Friuli Grave DOC
(1970年、DOC認定。)
Friuli Isonzo / Isonzo del Friuli DOC
(1974年、DOC認定。)
Friuli Latisana DOC
(1975年、DOC認定。)
Lison-Pramaggiore DOC
(1985年、1971年成立の Tocai di Lison DOC〈後の Lison DOCG〉を取り込みDOC化。)


ラベル平面化画像。
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裏ラベルはコストコシール一体型。コストコで売る気満々の気合が入ってます(笑)。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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DIAM5を採用。

Alc.13.5%。
淡いイエロー。
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黄桃。香りはかなり少なめ。
辛口アタック。
きれいな酸でいい予感がします。
ミネラル感もある爽やかな風味です。
はっさくぽいかな。
軽くサクッと行けます。

ピノ・グリージョにしてはかなり好きな感じ。
コストコでは当たりの部類だと思いますよ。


*****


Tenuta Borgo Conventi
Collio DOC
Pinot Grigio 2019
WWWポイント78点



WhiteWhiteWine01

Kirkland Signature Pinot Grigio 2021 Friuli Grave

コストコで見つけたフリウリ・グラーヴェDOC(Friuli Grave)のピノ・グリージョ。過去から、ピノ・グリ、ピノ・グリージョには今一つピンと来ていないんですが、税込598円の価格にやられて購入してしまいました(笑)。フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州と言えばデッレ・ヴェネツィエ DOC(Delle Venezie)の時に見たようにヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノと合わせてイタリア中のピノ・グリージョの85%が集中している地域です。

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コストコのPBワインで困るのが真の作り手(生産委託先)を突き止めることです。裏ラベルに「A.D.V. Fossalta di Piave 元詰め」とあったので素直にググってみました。するとあっさり「ADV Fossalta di Piave」というおそらくネゴシアンのようなワイン製造会社がヒットしました。ADV フォッサルタ ディ ピアーヴェは、その名の通り、ヴェネト州のフォッサルタ・ディ・ピアーヴェ(Fossalta di Piave)という町にあるプロセッコ(Prosecco)を主に扱っている会社のようです。

公式ページはこれなんですが、住所が載っておらず、Google Mapで探しても見当たりません。

どこかに委託して生産しているのか、純粋なネゴシアンしかしていないのかもしれません。

・ピノ・グリージョ 100%

Friuli Grave DOCは赤・白・ロゼ・スパークリング(Spumante)と何でもありで、規定もアルコール度数が10.5%以上くらいしかありません。品種を表示する場合は95%以上占めないといけないので、今日のワインもおそらく100%なんだと思われます。

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)は当然ながらピノ・グリ(Pinot Gris)のイタリア語名です。
Pirovano03
2016年の統計では全世界で合計48,570haのピノ・グリージョが栽培されていますが、イタリアはその内の18,831haを占め、実に40%近くにもなります。

原産国であり本家のフランスはたった2,867haで90%がアルザスに集中しています。お隣のドイツは6,713haとフランスの倍ほどありますが、それでもイタリアの足元にも及びません。その他の多い国と言ってもアメリカの7,462haとオーストラリアの3,652haが続くぐらいで、圧倒的にイタリアがピノ・グリージョ王国と言えるでしょう。そしてその85%が Delle Venezie DOC のエリア(ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノ / トレント自治県)に集中しているのは前述のとおりです。

ピノ・グリージョは、ピノ・ノワールの突然変異体と言われています。もしくはピノ・ブランの変異種の可能性もあるそうです。そもそもピノ・ブランもピノ・ノワールの突然変異体で、そのピノ・ブランもピノ・グリからの変異の可能性もあるようです。
PGM
ややこしいですが、ピノ・ファミリー、とにかく元々はピノ・ノワールから始まってるということです。(笑)


フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のDOC/DOCGをGoogle Mapで見てみましょう。
Friuli-Venezia03
今日の作り手がいると思われるフォッサルタ・ディ・ピアーヴェ(Fossalta di Piave)の町の場所も記入しています。確かにプロセッコをやるには打ってつけの場所ですね。

地図中に示した通り、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州には4つのDOCGと、12のDOCがあります。主だったところをまとめます。

<DOCG>
Colli Orientali del Friuli Picolit DOCG
(2006年、Picolit 種の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)
Lison DOCG
(2010年、Friulano 種の白のみ Lison-Pramaggiore DOC より独立してDOCG化。)
Ramandolo DOCG
(2001年、Verduzzo Friulano 種100%の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)
Rosazzo DOCG
(2001年、Friulano 種主体の白のみ Friuli Colli Orientali DOC より独立してDOCG化。)

<DOC>
Carso / Carso-Kras DOC
(1985年、DOC認定。)
Collio Goriziano / Collio DOC
(1968年、DOC認定。)
Delle Venezie DOC
(2017年、3州にまたがる IGT Delle Venezie がDOC化。Pinot Grigio ~が主。)
Friuli / Friuli Venezia Giulia DOC
(2016年、Friuli Venezia Giulia 州全体をカバーして成立。)
Friuli Annia DOC
(1995年、DOC認定。)
Friuli Aquileia DOC
(1975年、DOC認定。)
Friuli Colli Orientali DOC
(1970年、DOC認定。Colli Orientali del Friuli Picolit、Ramandolo、Rosazzo 各DOCGが派生。)
Friuli Grave DOC(今日のワイン)
(1970年、DOC認定。)
Friuli Isonzo / Isonzo del Friuli DOC
(1974年、DOC認定。)
Friuli Latisana DOC
(1975年、DOC認定。)
Lison-Pramaggiore DOC
(1985年、1971年成立の Tocai di Lison DOC〈後の Lison DOCG〉を取り込みDOC化。)

Lison DOCG、Lison-Pramaggiore DOC については州を越えてヴェネト州の方にもまたがっていますので、Delle Venezie DOC を表した地図でヴェネト州のDOC/DOCGと一緒に眺めます。
VENETO_FRIULI_DOC_delle_Ven
ちなみに Prosecco DOC はヴェネト州中部~西部からフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州全域に渡る広域のDOC。グレラ(Glera、2009年まで「Prosecco」と呼ばれた品種の名称変更)を使ったスパークリングが主流ですがスティルの白もあります。


ラベル平面化画像。
IMG_9762
安定剤(アカシア)入りです。何を安定させたいんでしょうね(笑)。


さあ、スクリュー回転。
IMG_9772

Alc.12.5%。
薄いイエロー。
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金柑。白い花。香りは少ないです。
辛口アタック。
スッキリした酸とかすかな苦味が絡んで、
バランスいい味わいが演出されています。
昔感じたピノグリの嫌味はないですね。
軽くサクッといただけました。


*****


Kirkland Signature
Pinot Grigio 2021
Friuli Grave
WWWポイント77点



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Domaine Neumeyer Edelzwicker “J” 2019 Vin d’Alsace

アルザスの白ブレンド、ジョンティ(Gentil)というのを前に試した時に、同じく白ブレンドでエーデルツヴィッカー(Edelzwicker)というのもあることは承知していましたが、リカマンの店頭でそれに出くわしてしまったもので、これは試してみなくてはならんだろうということで買い求めました(笑)。それぞれの違いも確認しながら、アルザスの品種について触れてみましょう。

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ドメーヌ・ヌーメイヤー(ドイツ語読みなら「ノイマイヤー」)は北部アルザスのバ・ラン県(Bas-Rhin)モルスアイム(Molsheim)で1925年から4世代続く作り手です。
日本のインポーターはワインキュレーション(京橋ワイン)というところなのですが、そこが2012年からコラボワインとして日本料理に合うエーデルツヴィッカーのブレンドワインを生産依頼しているものが今日のワインなんだそうです。なので、ワイン名の「“J”」とは「Japan」の頭文字であり、現オーナー、ジェロームさん(Jérôme Neumeyer)のイニシャルでもあるそうです。また面白いワインに出くわしましたね。

AOCアルザスにはエーデルツヴィッカーEdelzwicker)という白ブドウのブレンドにつけられる名前があります。これはブドウの種類・パーセンテージに決まりはなく、別々に醸造してブレンドする必要もなく混醸が可能です。また、ミレジム(ヴィンテージ)を表示する義務もありません。そういうカジュアルで自由度の高いワインで日本料理に合うものを作るってなかなかのグッド・アイデアじゃないかと思います。

同じAOCアルザスの白ブレンドで、ジョンティGentil)を名乗ると、既定の品種(リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール)を50%以上使わないといけません。それ以外のブドウも、シルヴァーナー、シャスラ、ピノ・ブランだけと決まっています。また、エーデルツヴィッカーのように混醸は許されておらず、必ず別々に醸造してブレンドする必要があります。ミレジム(ヴィンテージ)も表示する義務があり、リリース前に試飲され承認を受けないといけません。アルザス伝統のワインでもあるジョンティ(Gentil)の方がワンランクもツーランクも上ということにはなりますが、自由度という点で今日のワインがエーデルツヴィッカーなのは合点がいきます。

公式ページはよく出来ています。所有畑の解説やワイン紹介も充実しています。

しかし、当たり前ですが、公式ページには今日の日本向けコラボワインは載っていません。

・ピノ・グリ
・オーセロワ
・ミュスカ

なので、セパージュは京橋ワインのサイトを参考にします。毎年少しずつ割合が変わるとのことですが、2019は上記の3種類だそうです。メインの品種はピノ・グリ。 次にオーセロワが比率の多さで続き、 アクセントでミュスカをブレンドしているとのこと。

裏ラベルには、確かに日本のインポーター、ワインキュレーションの要望に応え、日本料理に合うようにブレンドしたと書いてあり、「ミュスカ、オーセロワ、ピノ・グリの5種を選んでブレンドした」と書いてあります。…お、おい!5種じゃなくて3種の間違いでしょ!
元々5種使っていた時のテキストを流用してこうなったんでしょうか。過去にブレンドしていた残りの2種はシルヴァネールとピノ・ブランだったようです(笑)。

ピノ・グリ(Pinot Gris)はフランス原産でピノ・ノワールの突然変異になります。
Pinot-Gris
AOCアルザスでは4種の高貴品種のひとつで、フランスのピノ・グリの90%がアルザスで栽培されます。ただ世界最大のピノ・グリ生産国はピノ・グリージョのシノニムで有名なイタリアです。(全世界の40%近くがイタリアです。)

オーセロワ(Auxerrois)。フランス原産の白ブドウ品種です。
Auxerrois
2013年のDNA分析によると、グエ・ブラン(Gouais Blanc)xピノ(Pinot)の自然交配と思われ、多くの同様の交配種の1つになります。なんとシャルドネ、アリゴテ、ミュスカデ(Melon de Bourgogne)も同じ交配です。
また、オーセロワというシノニムを持つ全然別の品種がたくさんあるので気をつけないといけません。有名なのはマルベック(Malbec=Côt)ですね。そもそも黒ブドウですし、フランス南西地方で「Auxerrois」というシノニムで呼ばれますが、アルザスのオーセロワとは無関係です。シャルドネもオーセロワというシノニムを持ってますし、ミュスカデ(Melon de Bourgogne)は Auxerrois Gros と呼ばれたりします。

ミュスカはミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン(Muscat Blanc à Petits Grains)…
Muscat-Blanc-a-Petits-Grain
なのですが、アルザスではマスカット・オットネル(Muscat Ottonel)も同じく「Muscat」と表示して使っていいんですよね。アルザス公式サイトによれば、ほとんどの場合これら2つの品種のブレンドだとしています。

ここで、AOCアルザス(AOC Alsace)で認められている品種をまとめておきましょう。

・シルヴァネール(Sylvaner=Grüner Silvaner ジルヴァーナー)
・ピノ・ブラン(Pinot Blanc)
・ピノ・ノワール(Pinot Noir)
・ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)(GC)
・リースリング(Riesling)(GC)
・ミュスカ(Muscat)(GC)
・ピノ・グリ(Pinot Gris)(GC)
・シャスラ(Chasselas)
・オーセロワ(Auxerrois)
・サヴァニャン・ロゼ(Savagnin Rose)

※ AOCアルザス・グラン・クリュ(AOC Alsace Grand Cru)は 51の特級畑(lieux-dits)からのもので、使える品種がアルザスの高貴品種とされる、Riesling、Gewürztraminer、Pinot Gris、Muscat の4種でないといけない決まりがあります(上記の (GC) 印)。例外として、シルヴァネールがゾッツェンベルク(Zotzenberg)・グラン・クリュのみで認可されています。


ドメーヌ・ヌーメイヤーを訪問します。
Domaine-Neumeyer
ストラスブール(Strasbourg)から車で30分ほどにあるモルスアイム(Molsheim)の町中にあります。ドメーヌ・ヌーメイヤーはモルスアイムにあるグラン・クリュ、ブリュデルタール(Bruderthal)の畑も所有しています。

アルザス全体をGoogle Mapで俯瞰して位置関係を見ます。画像大きいので注意。
Alsace_General_-Map
モルスアイム(Molsheim)はストラスブールにも近い北部にあります。バ・ラン県(Bas-Rhin)ですね。

せっかくなので、ドメーヌ・ヌーメイヤーが所有するというモルスアイムのグラン・クリュ、ブリュデルタール(Bruderthal)の畑を確認しておきましょう。歩いても10分の近さです。
Bruderthal_GC
ストビューで畑の真ん中に降り立つと、結構な斜面にあるのがわかります。


エチケット平面化画像。
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ヘタウマな花の絵があしらわれていますが、ワインキュレーションの担当者が描いたイラストがそのままエチケットに採用されているそうです(笑)。これが(↓)オリジナルみたいです。
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インポーターシールは裏ラベルを隠していません。
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さあ、抜栓。
IMG_9798

コルク平面化。
IMG_9796
DIAM5ですね。

Alc.14.5%。(アルコール…濃い。)
濃いゴールドイエロー。
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黄桃、パイン。
微甘感じる辛口アタック。
シトラス飲料のような風味があります。
微苦味が複雑味を演出しています。
爽やかな夏の雰囲気かな。
やはり喉元に熱いアルコール感が来ます。
濃い味の白っていいですね。


*****


Domaine Gérard Neumeyer
Edelzwicker “J” 2019
Vin d’Alsace
WWWポイント79点



WhiteWhiteWine01

Weingut Schloss Proschwitz Grauburgunder Trocken 2018 Sachsen

半額セールだったこともあるんですが、ドイツの13あるワイン産地の最東端、旧東ドイツのザクセン(Sachsen)のワインというのに引かれてポチりました。最小の生産地域というのもありますが、地元の消費もありなかなか珍しいみたいですね。品種は栽培北限に近いこともあり、ミュラートゥルガウ、リースリング、ピノ・ブランが有名なようですが、お手頃だったという理由で(笑)Grauburgunder(=ピノ・グリ)を選びました。

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作り手は、シュロス・プロシュヴィッツ醸造所(Weingut Schloss Proschwitz)。プリンツ・ツア・リッペ家(Prinz zur Lippe)が所有し、850年ものワインの歴史があるザクセン州で最も古い家族経営のワイナリーです。第二次世界大戦後(1945年~)旧東ドイツ政府が接収してしまいますが、ベルリンの壁が崩壊し東西ドイツが統一されると、1990年にワイナリーを買い戻して多額の投資で再興させたそうです。Schloss Proschwitz の畑はVDP. の特級畑(Große Lage)になっていて、今では旧東ドイツを代表するプレミアムワインの生産者というわけです。

公式ページは、テイスティングツアーやゲストハウスもやってることもあり情報豊富。


ただし、ワイン情報はこちらのショップページにしかありません。

現地価格13ユーロになってますね。半額セールで喜んでいましたが、さらに安い。日本の通常価格は4倍ぐらいになってる計算です。ワインあるあるですが、現地価格は調べてはいけません。(笑)
・グラウブルグンダー(ピノ・グリ) 100%
VDP. の Ortswein ですから「村名ワイン」ってことです。残念ながら醸造関連の情報はありませんでした。

グラウブルグンダー=ピノ・グリ(Pinot Gris)=ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)。
Grauburgunder01
2016年の統計では全世界で合計48,570haのピノ・グリが栽培されていますが、イタリアがその内の18,831haを占め、実に40%近くにもなります。原産国であり本家のフランスはたった2,867haで90%がアルザスに集中しています。今日のワインのドイツはというと6,713haとフランスの倍ほどありますが、アメリカが7,462haとドイツの上をいってますね。なんとも微妙な品種な気がします。実は私の少ない経験上、ピノ・グリのモノセパージュには今ひとつピンと来てないんですよね。今日のドイツでその先入観が払拭されるといいんですが。

ワクワクして旧東ドイツの作り手訪問しますが、例によってストビューなし。
Sachsen00
Google Mapに上がってた写真を拝借しています。「Schloss(=仏:Château)」というだけあって、立派なシャトー風情がありますよ。ザクセンの産地はエルベ川(ドイツ語:Elbe)沿いに広がっていますが、今日の作り手もマイセン(Meißen)のすぐ北側の川沿いです。Map上にラベ川(Labe)とありますが、これはエルベ川のチェコ語読みで、水源がチェコの方だからそちらを優先しているようですね。エルベ川はドレスデン近くでドイツへ入り、ハンブルク経由で北海に流れ込んでいます。流域の7割はドイツなのでもうドイツ語で呼んだ方がいいと思いますが…。

ワイン産地ザクセン(Sachsen)には以下の3つのベライヒ(Bereich)があります。

・Bereich Meißen(マイセン)
・Bereich Elstertal(エルスタータル)
・Bereich Dresden(ドレスデン)

しかし、ドイツ系のサイトではドレスデンがない2つのみとなっています。3つとするのは日本アメリカのサイトが多いようです。なぜでしょうね。


ドイツの13あるワイン産地を俯瞰して位置関係を見てみます。
Sachsen01
東側の、ザーレ・ウンストルート(Saale-Unstrut)と今日のザクセンの2つが旧東ドイツの産地です。どちらもブドウの栽培北限に近いので、ミュラートゥルガウ、リースリング、ピノ・ブラン(Weißburgunder)が多く栽培されます。ザクセンですとこの3品種+グラウブルグンダーで全体の55%を占める感じです。また、ザクセンではゴールドリースリング(Goldriesling)という白品種がザクセン特産として作られています。この品種は1893年にアルザスで交配されたとされてますが、本国フランスでは現在ほとんど栽培されてないようです。何だかまた課題を発見してしまいました(笑)。


ラベル平面化画像。
IMG_5459
VDP. の Ortswein ですから「村名ワイン」ってことですが、Meissen(マイセン)とありますので、「村名」+「Qualitätswein trocken」の表示の形はクリアしてるんでしょうね。


さて、抜栓。いえ、スクリューキャップでした。
IMG_5527
シンボルマークとVDP. の鷲のマークもちゃんと入っています。

Alc.13.5%。(pH:3.85、Brix:6.4)
イエローゴールド。
IMG_5528

梨、白桃、ライム…。
甘やかさと穏やかな酸がわかるやや辛口のアタック。
まろやかでふくよかな味わいです。
柑橘系はあまり感じないですね。
かすかな苦味もあり、後味も好印象でした。

最高!とは言いませんが(笑)、
今まで飲んだピノ・グリ(グリージョ)よりはいいですね。


*****


Weingut Schloss Proschwitz
Prinz zur Lippe

Grauburgunder Trocken 2018
Sachsen VDP. Ortswein
WWWポイント 79点



WhiteWhiteWine01

Pirovano Grande Amore Pinot Grigio delle Venezie DOC 2019

カルディで売ってるピノ・グリージョです。Delle Venezie DOC なんですが、2017年に同名のIGPが昇格したものです。デッレ・ヴェネツィエDOCの公式サイトに書いてありますが、このDOCは「Pinot Grigio delle Venezie」としてピノ・グリージョをもっと推すためにDOC化されたようなもので、対象地域ではイタリアの全ピノ・グリージョの85%が栽培されているんだそうで。

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1000円ほどのお手頃ワインですから、作り手は大量に生産する大手なのはなんとなく想像がつきます。調べると当たらずとも遠からず、ミラノに近いところにある大手ではありましたが、4世代続く家族経営で、その歴史は面白いです。もともとは(19世紀中頃)プーリア州で靴屋をしていたアマディオ・ピロヴァーノさんが周りの農家から買ったワインを出していた居酒屋が始まりだそうです。居酒屋は繁盛しレストランになり、アブルッツォ州とピエモンテ州からもワインを買い付け、ワインの卸売りも始めて事業が広がっていきます。「Pirovano」としての創業は1910年となっていますが、この頃にはロンバルディア州に移ってきたんでしょうか、パヴィアに近い Oltrepò Pavese DOC のワイナリーを所有しているようです。

公式ページにはイタリア全土からのワインがラインナップされてます。所謂ネゴシアンですね。

今日のワイン、「Grande Amore」なるものはプーリアの赤ワインしかなく、ピノ・グリージョは近しいものを参考にします。
・ピノ・グリージョ 100%
ブドウはヴェネト州からとあるだけで、醸造の説明はありませんでした。

ピロヴァーノを訪問してみます。ミラノ北、車で1時間の所でした。
Pirovano01
奥にはタンクも見えますが、全体は企業のオフィス+物流倉庫って感じです。


作り手に関してはこれ以上広がりようがないので、Delle Venezie DOC を見てみます。
Pirovano02
対象地域は、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレンティーノ(トレント自治県)となっており、3州にまたがる広大な範囲です。ピロヴァーノの所在も記入してるので、ロンバルディア州ミラノと合わせて位置関係ご確認ください。
このDOC、元は IGT Delle Venezie として1995年にできた IGT(Indicazione Geografica Tipica)で、2017年にDOC化しています。IGTとはEUワイン法でいうところの IGP(Indicazione Geografica Protetta)のことです。
前述のように Pinot Grigio delle Venezie DOC と表記してピノ・グリージョを前面に押し出すためにできたようなDOCです(ピノ・グリージョは85%以上の規定)。ただのビアンコ(Bianco)もあり、シャルドネ、フリウラーノ、ガルガネガ、ミュラー・トゥルガウ、ピノ・ブランなど主要品種を50%以上使う規定になっていますが、これはピノ・グリージョを栽培していない作り手を救済するために残されている設定と言え、大半をピノ・グリージョが占めます。
Delle Venezie DOC の成立に伴い、元のIGTは IGP Trevenezie として残されました。(3州にまたがるという意味でしょうか、「3つのヴェネツィア」って変な名前です。)対象範囲はDOCと全く同じですが、IGP Trevenezie には赤の設定があり、国際品種含めほぼ何でもOKとなっています(85%以上で品種表示も可能)。Delle Venezie DOC は白のみです。

最後に、DOC DELLE VENEZIE公式サイトをリンクしておきます。

ほぼ「Pinot Grigio delle Venezie」の専用サイトなのがわかると思います(笑)。

ピノ・グリージョ(Pinot Grigio)は当然ながらピノ・グリ(Pinot Gris)のイタリア語名です。
Pirovano03
2016年の統計では全世界で合計48,570haのピノ・グリージョが栽培されていますが、イタリアはその内の18,831haを占め、実に40%近くにもなります。
原産国であり本家のフランスはたった2,867haで90%がアルザスに集中しています。お隣のドイツは6,713haとフランスの倍ほどありますが、それでもイタリアの足元にも及びません。その他の多い国と言ってもアメリカの7,462haとオーストラリアの3,652haが続くぐらいで、圧倒的にイタリアがピノ・グリージョ王国と言えるでしょう。そしてその85%がDelle Venezie DOCのエリアに集中してるわけですから、「Pinot Grigio delle Venezie DOC」を推したくなる気持ちはよくわかります。(笑)

ピノ・グリージョは、ピノ・ノワールの突然変異体と言われています。もしくはピノ・ブランの変異種の可能性もあるそうです。そもそもピノ・ブランもピノ・ノワールの突然変異体で、そのピノ・ブランもピノ・グリからの変異の可能性もあるようです。
PGM
ややこしいですが、ピノ・ムニエ含め、とにかく元々はピノ・ノワールから始まってるということです。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_5043
おっと、安定剤使用です。アカシアガム? 普通、アカシアかアラビアガムと書きます(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_5105
キャップシールの「P」は頭文字でしょうか。

コルク平面化。
IMG_5106
ノマクルク採用です。

Alc.12%。(pH:4.20、Brix:6.0)
薄い薄いイエロー。
IMG_5107

梨、花梨。
辛口アタック。
みずみずしい軽さ。
ライムっぽい酸もあります。

しかし、軽い。水臭いくらい軽いです。
安定剤(アカシアガム)ぶっ込んでこれですか。
ちょっと残念。


*****


Pirovano
Grande Amore Pinot Grigio
delle Venezie DOC 2019
WWWポイント 76点



WhiteWhiteWine01

Il Sole Bianco Pinot Grigio Friuli DOC 2019

Red Red Wine とは言うものの、「白ワインの聖地」なんて呼ばれるフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州Friuli-Venezia Giulia)のワインを試さなくてはと、ふと思い立ち、近所のワイン屋さんを物色。選択肢はいくつかありました。Friuli Colli Orientali DOC からのゲヴュルツ、ピノ・グリージョ、Ribolla Gialla というローカル品種の3種(同一メーカー)と、Friuli Grave DOC のソーヴィニヨン・ブラン、そして州全体の広域DOCになる Friuli DOC のピノ・グリージョ。しばし悩みましたが、結局一番お手頃価格のこれになりました。(笑)

IMG_4406
Friuli DOC は、Friuli Venezia Giulia DOC とも呼ばれ、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州全体が対象となる2016年にできた新しいDOCです。広域ということでお安いローエンドになるんでしょうが、使える品種や85%以上で品種名が表示できるなどの規定は個々の先輩DOCをおおよそ踏襲しています。国際品種を使った赤ワインも昔からOKです。

しかし…困るのがこのワインの作り手がはっきりしないこと。(笑)
裏ラベルには「Esse PI Spa」とあります。これ、インポーターのコルドンヴェール(イオンとやまやが共同出資しているインポーター)がよく扱ってるところですが、イタリアの登記情報のサイトでは「Casa Vinicola Sartori S.p.a.」のことだと書いています。
ilsole01
所在は、ヴェローナ近くのヴァルポリチェッラ地域のネグラールとなっています。ちょっとフリウリ・ヴェネチア・ジュリアからは離れていますが・・・。

公式ページはあるんですが、当然のように今日のワインは載ってませんし、イオンややまやで売ってるコルドンヴェールのワインもまったくのスルー。ほんとにここかしらと不安になります。
Satori01
一応、訪問だけしておきます。拠点のここから手広くやってると理解しておきましょう。
で、今日のワインの情報もないので、DOCの規定通りでいくと…
・ピノ・グリージョ 100%(規定では85%以上)
熟成はなし、といったところでしょう。そして、ユーロリーフのビオワインです。


さあ、気を取り直してフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州(Friuli-Venezia Giulia)を深掘りしておきましょう。イタリアの国境付近の州はどこもややこしい歴史を持っていますが、ここもご多分に洩れません。州の大部分を占めるのが「フリウリ地方」で、ポルデノーネ県(Pordenone)、ウーディネ県(Udine)、ゴリツィア県(Gorizia)の東北部から成ります。
Friuli-Venezia00
1866年にはこのフリウリはイタリアに帰属していますが、ゴリツィア県の残りと現在の州都トリエステを擁するトリエステ県(Trieste)から成る「ヴェネツィア・ジュリア」がイタリアに編入されるのは第一次世界大戦後を待つことになります。もっともユーゴスラビアとの国境が正式に確認されたのは1975年ですから、結構近代までややこしい地域だったわけです。(現在国境を接するのはスロベニア。笑)州の名前が長ったらしいのも、「フリウリ」+「ヴェネチア・ジュリア」だということがわかりましたね。そしてアルファベット表記の Friuli の後に付くハイフンは「+」の意味ということになります。

フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州をGoogle Mapで俯瞰します。DOC/DOCGの地図もインポーズしましたので地形図と見比べてください。州の北側大半は山地になっておりワインが作られていないことがわかります。また、スロベニアとの国境近くの方が銘醸地が多いようですね。
Friuli-Venezia
今日のワインの Friuli DOCFriuli Venezia Giulia DOC)は2016年にできた新しいDOCですが、要するに、それまでのフリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のDOC/DOCGを包括する全部入りのDOCが出来たってことになります。

それまでの広域の原産地保護の地理表示は「IGP(IGT)delle Venezie」というのがありました。これはなんと、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のみならず、ヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州(トレンティーノ側)まで含む3州にもまたがる範囲になります。
DelleVenezie
そしてこのIGP、2017年に「Delle Venezie DOC」という名称でDOCに昇格します。指定品種を50%以上使う条件と、特にピノ・グリージョは85%以上使うと品種名付きで「Pinot Grigio delle Venezie」と名乗れるという規定になっています。旧来の IGP delle Venezie は「IGP Trevenezie」に名称変更(Tre Venezie =3つのヴェネチアの意。)になり継続することになってます。なので、この新DOCとIGPは対象地域が同じになります。

で、ネットサーフィン(死語)で見つけたのが、同じワインの「Pinot Grigio delle Venezie DOC」バージョン。Friuli DOC とヴィンテージも同じ2019年です。どゆこと?
Friuli-Venezia01
市場ごとにDOCの使い分けでもしていなければ、フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州以外からのピノ・グリージョを使ったバージョンがあるってことでしょうか。安ワインですし、真相は闇の中ということにしておきます。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_4365
ほんと透明ボトルの平面化撮影は大変。ユーロリーフ付きのビオワインです。


さあ、スクリュー回転。
IMG_4408
無印…。

Alc.12%。(pH:4.15、Brix:5.8)
明るいゴールドイエロー。
IMG_4405

花梨、洋梨、グリーンのニュアンスも。
大人しめの酸が乗った辛口アタック。
瓜系の?白い果実の風味があります。
突出した特徴がないのが飲みやすさなのかな~。
とにかく、安物感なくスルスルいけるのはいいですね。

フリウリ、やはりこれは良さげなところです。
有名DOC/DOCGやオレンジワインなんかも課題だな~。


*****


Il Sole Bianco
Pinot Grigio Friuli DOC 2019
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Santa Margherita Pinot Grigio 2018 Valdadige DOC

コストコで適当にゲットしたピノ・グリージョです。Valdadige DOCというのもお初なのでポイントでした。よく調べてみると、この作り手サンタ・マルゲリータは、ピノ・グリージョからロゼワインしか作れなかった1960年頃に、白ワインとして醸造する技術を世界で初めて開発したワイナリーなんだそうで。面白そうなワインがコストコにあるもんですね。(笑)

IMG_3986
サンタ・マルゲリータは1935年にヴェネツィアにほど近いポルトグルアーロ(Portogruaro)で創業しています。アルト・アディジェのピノグリージョでの成功の他、ヴァルドッビアーデネでの高品質な辛口プロセッコも手掛け、Conegliano Valdobbiadene Prosecco SuperioreのDOCG昇格(2009年)にも貢献したとか。トレンティーノからヴェネト州の東側に至るまでの広大なテリトリーで多様なワインを送り出す大ワイナリーに成長してるようです。


公式ページは大手の貫禄でよくできています。

今日のピノ・グリージョの白も看板ワインなんでしょう、データシートもしっかり完備。
・ピノ・グリージョ 100%
マストを得るときに、ピンク色の果皮とのコンタクトを断つことで白ワインに仕上げるようです。

ピノ・グリージョはフランス語のピノ・グリのことで、ピノ・ノワールの突然変異体と言われています。もしくはピノ・ブランの変異種の可能性もあるそうです。そもそもピノ・ブランもピノ・ノワールの突然変異体で、そのピノ・ブランもピノ・グリからの変異の可能性もあるようです。
PGM
ややこしいですが、ピノ・ムニエ含め、とにかく元々はピノ・ノワールから始まってるということです。(笑)


恒例の作り手訪問。フォッサルタ・ディ・ポルトグルアーロ(Fossalta di Portogruaro)という町にあるサンタ・マルゲリータを訪問します。
PGA02
周りは畑ながら、ワイナリーはもはや大企業といった雰囲気ですね。


Google Map上のトレンティーノ・アルト・アディジェ州にValdadige DOCを重ねます。
PGA01
トレンティーノ・アルト・アディジェ州を構成する、ボルツァーノ自治県(アルト・アディジェ/南チロル)とトレント自治県(トレンティーノ)にまたがる結構広域なDOCです。ガルダ湖畔で一部ヴェネト州にも入ってますのでご注意を。
サンタ・マルゲリータの所在も記入してます。Valdadige DOCからはずいぶん離れてますね。

このDOCは名前からわかるように(Valle dell'AdigeもしくはVal d'Adige)南北に走るアディジェ川に沿った渓谷に当たります。他にもいろいろDOCがありますね。課題は多し。(笑)
PGA03
オーストリアと関連の深い地域ですから Valdadige DOC はドイツ語表記の Etschtaler DOC とも呼ばれます。1975年にDOCとなっていますが、そのサブゾーンだった Valdadige Terradeiforti が2006年に単独のDOCに昇格しています。違いは、Valdadige Terradeiforti DOC がヴェネト州側の狭域に限られ、よりピノ・グリージョに特化した(85%以上)DOCとなっています。因みに Valdadige DOC は赤・白・ロゼがOKで、Valdadige Terradeiforti DOC は赤・白のみです。


ラベル平面化画像。
IMG_3937
インポーターは三国ワインなんですね。


さあ、抜栓。
IMG_3983
キャップシールは金色の汎用品。

コルクを平面化して見てみましょう。
IMG_3984
ワイナリー名のみでした。DIAM5を採用です。

Alc.12.5%。(pH:4.02、Brix:6.3)
淡いゴールドイエロー。
IMG_3985

香りは夏ミカン、グレープフルーツからの…黄桃も。
辛口アタック。
酸は穏やかです。
味わいも柑橘系にほろ苦さがミックスされた感じ。
出過ぎた特徴はないんですが、
特徴がないのが何でも合わせやすいという特徴かも。


*****


Santa Margherita
Pinot Grigio 2018 
Valdadige DOC
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01
--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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