目つきの悪いキツネのイラストが目を引くモスカート・ダスティ(Moscato d’Asti)です。甘口の微発泡ワインということで、普段はあまり手を出さないジャンルなんですが、Asti DOCGの呼称に含まれるれっきとしたDOCGです。今日はこれをカレーライスに合わせて試してみます。(カレーとのペアリング探しは昔からの課題です。笑)
作り手はアグリコラ・ヴェッキア・ヴォルペと名付けられたワイナリーですが、ピエモンテのサント・ステーファノ・ベルボ(Santo Stefano Belbo)という町にあるイカルディ家が営む農家が正体です。1950年代に最初のモスカートの畑を始め、ワイン生産者へブドウを売っていたのですが、その品質の良さに評判も上がり、現世代のイカルディ家の3兄弟は2013年に自らのワイン作りを始めます。それが今日のワインです。まだワイン生産施設は持っておらず、隣町(Castiglione Tinella)にあるラ・モランディーナ(La Morandina)というワイナリーの施設を借りて作っています。現在3,000本の生産量です。
公式ページは一応あるんですね~。1ページのスクロールものですが、必要十分な情報です。
1種類ですが、しっかり情報載っていました。
・モスカート・ビアンコ 100%
畑は標高400m、南西向きの3haだそうです。ステンレスタンクで1ヶ月かけて自然発酵させます。
モスカート・ダスティはスパークリング(Spumante)のアスティと違い、最低アルコール度数が4.5%なので、アルコールが5%に達した時点で発酵を止めて、瓶内圧も2.5気圧以下に抑えられます。(3気圧以上が一般的に「Spumante」であり、それ以下は「Frizzante」といいます。)
アスティ・スプマンテ(Asti Spumante)は、シャルマ(Charmat)方式、もしくはマルティノッティ(Martinotti)方式と呼ばれる大型タンクで二次発酵を行う方式で作られます。また、アスティ(Asti)方式という、発酵途中でタンクを密閉し炭酸ガスを中に閉じ込める、発酵を一回しか行わない方式も用いられますし、シャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)で作られることもあります。
(アスティ・スプマンテについてですが、2020年から甘口である規定がなくなり、エクストラ・ブリュットやドザージュ・ゼロもOKになっています。同時に最大アルコール度数もなくなり、どんどんシャンパーニュに寄って行ってる感じがします。)
モスカート・ビアンコ(Moscato Bianco)がアスティ、モスカート・ダスティの主要品種です。
フランスで言うところの「Muscat Blanc à Petits Grains(Ronds)」と同じ品種で、「粒が丸くて小さい」という意味の名前です。スペインやポルトガルではモスカテル(Moscatel)と呼ばれます。ヨーロッパ種(Vitis Vinifera)であり、ワイン用のみならず生食用としても古くから広く世界中で栽培されています。実際は長い年月を経てたくさんの品種に分かれているので、300ものシノニムが世界に広がり、黒やグリを含む多様な色変異種も存在します。
起源は不明で、親品種はおそらくすでに絶滅しているとされます。いわゆる日本のマスカットはマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria / Muscat d'Alexandrie)で、これはモスカート・ビアンコの子に当たります。Muscat of Alexandria=Axina de Tres Bias (黒品種) x Muscat Blanc の自然交配とされます。
ヴェッキア・ヴォルペが醸造を委託しているラ・モランディーナがこれです。
畑自体はサント・ステーファノ・ベルボ(Santo Stefano Belbo)のヴァルディヴィッラ(Valdivilla)という地区にあるそうで、距離的には問題なさそうですね。
Asti DOCG のエリアの確認ですが、Monferrato DOC のエリアとの位置関係で見ます。
アスティの町の南側に広がるエリアですが、結構ランゲ(Langhe)DOC側にもあります。全域ということではないですが、バルバレスコやロエロ、バローロの一部エリアも対象です。また、右上にインポーズした地図にアスティの3つのサブゾーンを示しています。それぞれ若干規定が違います。
<Subzones / Sottozone>
※ Vendemmia Tardiva は遅摘みの甘口デザートワインです。
※ Asti DOCG は Spumante、Moscato d’Asti、Vendemmia Tardiva の3カテゴリーから成ります。
ラベル平面化画像。
いい感じのキツネなんですが、HPを見ると可愛いキツネのイラストにデザイン変更されてるみたいですね。残念。
さあ、抜栓。
微炭酸ですがガス圧があるのでキツめにコルクをねじ込んであるんでしょう。結構変形しています。
コルク平面化。
Alc.5.5%。
淡いイエロー。
作り手はアグリコラ・ヴェッキア・ヴォルペと名付けられたワイナリーですが、ピエモンテのサント・ステーファノ・ベルボ(Santo Stefano Belbo)という町にあるイカルディ家が営む農家が正体です。1950年代に最初のモスカートの畑を始め、ワイン生産者へブドウを売っていたのですが、その品質の良さに評判も上がり、現世代のイカルディ家の3兄弟は2013年に自らのワイン作りを始めます。それが今日のワインです。まだワイン生産施設は持っておらず、隣町(Castiglione Tinella)にあるラ・モランディーナ(La Morandina)というワイナリーの施設を借りて作っています。現在3,000本の生産量です。
公式ページは一応あるんですね~。1ページのスクロールものですが、必要十分な情報です。
1種類ですが、しっかり情報載っていました。
・モスカート・ビアンコ 100%
畑は標高400m、南西向きの3haだそうです。ステンレスタンクで1ヶ月かけて自然発酵させます。
モスカート・ダスティはスパークリング(Spumante)のアスティと違い、最低アルコール度数が4.5%なので、アルコールが5%に達した時点で発酵を止めて、瓶内圧も2.5気圧以下に抑えられます。(3気圧以上が一般的に「Spumante」であり、それ以下は「Frizzante」といいます。)
アスティ・スプマンテ(Asti Spumante)は、シャルマ(Charmat)方式、もしくはマルティノッティ(Martinotti)方式と呼ばれる大型タンクで二次発酵を行う方式で作られます。また、アスティ(Asti)方式という、発酵途中でタンクを密閉し炭酸ガスを中に閉じ込める、発酵を一回しか行わない方式も用いられますし、シャンパーニュ方式(瓶内二次発酵)で作られることもあります。
(アスティ・スプマンテについてですが、2020年から甘口である規定がなくなり、エクストラ・ブリュットやドザージュ・ゼロもOKになっています。同時に最大アルコール度数もなくなり、どんどんシャンパーニュに寄って行ってる感じがします。)
モスカート・ビアンコ(Moscato Bianco)がアスティ、モスカート・ダスティの主要品種です。
フランスで言うところの「Muscat Blanc à Petits Grains(Ronds)」と同じ品種で、「粒が丸くて小さい」という意味の名前です。スペインやポルトガルではモスカテル(Moscatel)と呼ばれます。ヨーロッパ種(Vitis Vinifera)であり、ワイン用のみならず生食用としても古くから広く世界中で栽培されています。実際は長い年月を経てたくさんの品種に分かれているので、300ものシノニムが世界に広がり、黒やグリを含む多様な色変異種も存在します。
起源は不明で、親品種はおそらくすでに絶滅しているとされます。いわゆる日本のマスカットはマスカット・オブ・アレキサンドリア(Muscat of Alexandria / Muscat d'Alexandrie)で、これはモスカート・ビアンコの子に当たります。Muscat of Alexandria=Axina de Tres Bias (黒品種) x Muscat Blanc の自然交配とされます。
ヴェッキア・ヴォルペが醸造を委託しているラ・モランディーナがこれです。
畑自体はサント・ステーファノ・ベルボ(Santo Stefano Belbo)のヴァルディヴィッラ(Valdivilla)という地区にあるそうで、距離的には問題なさそうですね。
Asti DOCG のエリアの確認ですが、Monferrato DOC のエリアとの位置関係で見ます。
アスティの町の南側に広がるエリアですが、結構ランゲ(Langhe)DOC側にもあります。全域ということではないですが、バルバレスコやロエロ、バローロの一部エリアも対象です。また、右上にインポーズした地図にアスティの3つのサブゾーンを示しています。それぞれ若干規定が違います。
<Subzones / Sottozone>
・Canelli (Moscato d’Asti のみ)
・Strevi (Vendemmia Tardiva を除く全スタイル)
・Strevi (Vendemmia Tardiva を除く全スタイル)
・Santa Vittoria d’Alba (全スタイル)
※ Vendemmia Tardiva は遅摘みの甘口デザートワインです。
※ Asti DOCG は Spumante、Moscato d’Asti、Vendemmia Tardiva の3カテゴリーから成ります。
ラベル平面化画像。
いい感じのキツネなんですが、HPを見ると可愛いキツネのイラストにデザイン変更されてるみたいですね。残念。
さあ、抜栓。
微炭酸ですがガス圧があるのでキツめにコルクをねじ込んであるんでしょう。結構変形しています。
コルク平面化。
Alc.5.5%。
淡いイエロー。
パイン、メロン、黄桃、青リンゴ。
微甘がほどよいです。
メロンっぽさからのジューCの味(笑)。
これはいい感じにおいしいです。
やっぱり狙い通りカレーに合いました。
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Vecchia Volpe
Moscato d’Asti DOCG 2020
Moscato d’Asti DOCG 2020
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