Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

クシノマヴロ

Kir-Yianni Ktima Kir-Yianni Yianakoholi hills 2018

ギリシャ最高峰のワイナリーとも言われるキリ・ヤーニをいただきます。実は2年ほど前にも同じキリ・ヤーニのPDOアミンデオン(アミンテオ)のクシノマヴロ100%のワインを試しています。今日のこれは、同じくギリシャの高貴な固有品種であるクシノマヴロ主体ながら国際品種とのブレンド仕様、そしてキリ・ヤーニの本拠地PDOナウサのエリアからになります。

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キリ・ヤーニは数世紀に渡り家族経営でワインを作ってきた名門ブタリス家のヤーニス・ブタリスさんが1997年に立ち上げたワイナリーです。ヤーニスさんは1960年代後半、ナウサにある35haの畑に土着の黒品種であるクシノマヴロ(Xinomavro)を植樹。当時としては画期的なことで、これを機にギリシャワインの新しい時代が始まったんだそうです。また氏は、ギリシャワイン協会の立ち上げなどギリシャワイン業界に多大な貢献を果たし、「現代ギリシャワインの父」とも呼ばれてるそうな。キリ・ヤーニが作るワインの品質は国際的にも評価され、ギリシャ最高峰のワイナリーの1つとして知られているんだそうで。

公式ページはさすがしっかりしています。ギリシャ語以外に英・独・仏語に対応。

残念ながら2017まででしたが、ヴィンテージごとのワインの詳細情報が載っています。

・クシノマヴロ 50%
・メルロー 30%
・シラー 20%

手摘み収穫。低温浸漬後、温度制御タンクで発酵。MLF後フレンチオーク樽に移され6ヶ月間の熟成をされます。

クシノマヴロ(Xinomavro)はギリシャ北東部の土着品種で、PDOナウサ(PDO Naoussa / ΠΟΠ Νάουσα)とPDOアミンデオン(PDO Amyndeon / ΠΟΠ Αμύνταιο)が主な生産地です。PDOネメア(PDO Nemea / ΠΟΠ Νεμέα)のアギオルギティコ(Agiorgitiko)と並ぶギリシャの代表的な黒品種になっています。
Xinomavro01
Xino」は「」、「Mavro」は「」の意味だそうで、名前からして酸味が多く色の濃い品種だと想像できそうです。その特徴からネッビオーロやピノ・ノワールの近親ではないかと疑われていますが判明はしていません。2013年のDNA鑑定ではグエ・ブラン(Gouais Blanc)と何らかの品種との自然交配であるという結果が出ているようです。(いや、これは結果出てるとは言わんじゃろ?笑)

キリ・ヤーニ訪問。やはりクシノマヴロの銘醸地として名高いギリシャ北部のナウサです。
KIR-YIANNI01
ナウサの町のすぐ北に広がる畑の中にあります。ストビューが到達してなかったのでGoogle Mapに上がっていた写真を拝借。キリ・ヤーニのシンボルマークの塔(小屋?)が畑の中にありました。キリ・ヤーニはPDOアミンデオンのアミンデオ(Αμύνταιο)にも拠点を持っています。

ギリシャ全体のPDO地図でキリ・ヤーニとPDOナウサ他の位置関係を把握しましょう。
Greece
アルバニア、北マケドニア、ブルガリアと国境を接するマケドニア(Macedonia)という北部の地方にPDOナウサはあります。マケドニアには以下の4つのPDOがあります。

・PDO Goumenissa(ΠΟΠ Γουμένισσα)
PDO Naoussa(ΠΟΠ Νάουσα)
・PDO Amyndeon(ΠΟΠ Αμύνταιο)
・PDO Slopes of Meliton(ΠΟΠ Πλαγιές Μελίτωνα)

しかしながら、今日のワインには PDO Naoussa(ΠΟΠ Νάουσα)とは書かれていません。裏ラベルをよく見ると、PGI Imathia(ΠΓΕ Ημαθία)とあります。PGIとは「Protected Geographical Indication」のことでEUワイン法に準拠した広域の地理的保護表示になります。なぜPDOナウサでないかというと、PDOアミンデオン同様、PDOの規定がクシノマヴロ100%でないといけないからです。今日のワインはクシノマヴロとメルロー・シラーのブレンドでしたね。

PGI Imathia(ΠΓΕ Ημαθία)はイマティア県全域が対象で、当然ナウサはその県内にあります。
Imathia
※参考:
Wines of Greece


ラベル平面化画像。
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裏ラベルは英・仏・独3ヶ国語対応ですね。

モトックスのシールはバーコードを隠すだけでした。
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さあ、抜栓。
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キャップシールにも例の小屋が描かれています。

コルク平面化。
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キリ・ヤーニを英語表記とギリシャ語表記で。

Alc.14.5%。
褐変味のあるガーネット。
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黒ベリー、プラム、チェリー、酸の香り。
辛口アタック。
ドライで果実味は弱いですが、
コク、奥行きのある味は絶妙のバランスです。
大人しめの酸が戻ってきますが、
フィニッシュまで邪魔はしないのでOK。
クールにいい感じです。

う~ん、
クシノマヴロ100%よりバランスいい感じがします。


*****

Kir-Yianni
Ktima Kir-Yianni
Yianakoholi hills 2018
RRWポイント 91点


Kir·Yianni Kali Riza 2017 Xinomavro Vieilles Vignes PDO Amyndeon

なかなか旅行に出かけにくい今日この頃、JALやANAの貯まったマイルも残ったまま。有効期限を延長する措置は取ってくれるようですが、それでも消化しきれるような気がしないので、まずはANAのマイルを専用のショップサイトでモノ(ワイン)に変えようと思いつきました。
見るとワインだけでも世界各国から150種類と結構選べそうです。久しぶりにギリシャワイン、クシノマヴロをいってみようとこれをポチッとな。


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キリ・ヤーニは数世紀に渡り家族経営でワインを作ってきた名門ブタリス家のヤーニス・ブタリス氏が1997年に立ち上げたワイナリーです。
ヤーニス氏は1960年代後半、35haの畑に土着の黒品種であるクシノマヴロ(Xinomavro)を植樹。当時としては画期的なことで、これを機にギリシャワインの新しい時代が始まったんだそうです。
また氏は、ギリシャワイン協会の立ち上げなどギリシャワイン業界に多大な貢献を果たし、「現代ギリシャワインの父」とも呼ばれてるそうな。キリ・ヤーニが作るワインの品質は国際的にも評価され、ギリシャ最高峰のワイナリーの1つとして知られているんだそうで。知りませんでしたが。(笑)


公式ページはさすがしっかりしています。ギリシャ語以外に英・独・仏語に対応。

ワイン情報もヴィンテージ毎に完備。(2016年まででしたが。笑)
・クシノマヴロ 100%
熟成はシュールリーで、2~3年落ちのフレンチオーク樽で14ヶ月です。
瓶詰め後、ボトルで1年寝かすというのもやってます。
このワインのクシノマヴロは、PDO(=Protected Designation of Origin)Amyndeon とあるように、アミンデオン地区の古樹(Vieilles Vignes)からのものです。

クシノマヴロはギリシャ北東部の土着品種で、ナウサPDOとアミンデオンPDOが主な生産地です。ネメアPDOのアギオルギティコと並ぶギリシャの代表的な黒品種になっていますね。
Kir04
Xino」は「」。「Mavro」は「」の意味だそうで、名前からして酸味が多く色の濃い品種だと想像できそうです。その特徴からネッビオーロやピノ・ノワールの近親ではないかと疑われていますが判明はしていません。2013年のDNA鑑定ではグエ・ブラン(Gouais Blanc)と何らかの品種との自然交配であるという結果が出ているようです。(いや、これは結果出てるとは言わんじゃろ?笑)


ワイナリーの所在は、やはりクシノマヴロの銘醸地として名高い、ギリシャ北部のナウサとアミンデオン。まずは本拠地らしきナウサのワイナリーに訪問してみましょう。
Kir01
ナウサの町のすぐ北に広がる畑の中にあります。キリ・ヤーニのシンボルマークの塔(小屋?)が畑の中にありました。ストビューでワイナリー本体には近づけず、また大した建物ではないのか外観の写真も上がっていませんでしたので、上空写真で感じ取ってください。(笑)

今日のワインはPDOアミンデオン(アミンテオ)ですから、キリ・ヤーニのアミンデオンの拠点に行ってみます。アミンデオの町の北東すぐのところで、ヴェゴリティダ湖の畔になります。
Kir02
ギリシャ語から英語のアルファベットに直すからか、AmynteoやAmyndeonなど表記が一定じゃないですね。PDOとしてはAmynteoが一般的のようですが、キリ・ヤーニはAmyndeonを使っています。

PDO Amynteo(Amyndeon)を地図上で確認します。(色付きのエリア)
Kir03
いつものギリシャ全体のPDO地図もインポーズしてあります。ナウサ含めたギリシャ北部のPDOの位置関係をご確認ください。またキリ・ヤーニのアミンデオンとナウサの拠点の場所も示しておきました。(黒字)


ラベル平面化画像。
IMG_3570
おいおい、インポーターシールの貼り方よ。ギリシャ語だからいいかってなもんですかね。うまく剥がせなかったのでオリジナルの裏ラベルの画像はないですが、キリ・ヤーニのURLがしっかり隠されていました。


さあ、抜栓。
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キャップシールには例のシンボルマークの塔。

コルク平面化。
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シンプル~。

Alc.13.5%。(pH:3.41、Brix:7.0)
ガーネット。
IMG_3676

黒ベリー、ダークチェリー。
鉄や青草の感じも。
酸味がちな辛口アタックです。
刺すような酸ではなく、お菓子系の酸味なんですが、
結構特徴的な酸が目立ちます。
「Xino」は「酸」でしたからね~。(笑)
VVだけあって複雑味・深みはしっかり出ています。
喉越しから余韻にかけてドラマチックなんですが、
やはり最初の酸味が始終騒がしい感じがします。

前に飲んだクシノマヴロの方がおいしかった気がします。
少し残念な感じでした。


*****


Kir-Yianni
Kali Riza 2017
Xinomavro Vieilles Vignes
PDO Amyndeon
RRWポイント 85点


Cavino Naoussa 2015 Xinomavro

前回ネメアPDOのアギオルギティコを試したのと同じ作り手ですが、
今日はナウサPDOのクシノマヴロをいただきます。
ギリシャワインには飲まず嫌いの偏見がありましたが、結構モダンな作りで、
ローカル品種の味も国際品種に見劣りしないレベルだと再認識の毎日です。


IMG_0180
ギリシャワインはまだまだ選べるほど出回ってるわけではないんですが、
とにかくやまやがちょこちょこギリシャワインを置いていて助かります。


公式ページは前にも見ていますが、7ヵ国語に対応。

今日のワインはPDOワインの分類で、PDOナウサです。
・クシノマヴロ 100%
Kir04
ステンレスタンクでマロラクティック発酵と書いてあるだけで、
樽熟についての表記なしですので樽はないんでしょう。


ワイナリー訪問は前回訪問時の写真を再掲。
Cavino02
ペロポネソス半島の北端、エギオの町の近くになります。

ただし、ここはナウサからはかなり離れているようです。
Cavina01
車でも4時間半。(ナウサの緯度はナポリ辺りってわかりますね。)

PDOマップで見ると、ネメアに近い作り手だということがわかります。
Tsantali04
PDOというのは「Protected Designation of Origin」で原産地呼称のことでしたね。
大括りの地方も地図上に分類されてますから、ナウサPDOはマケドニア地方、
ネメアPDOや今日の作り手Cavinoはペロポネソス地方ということになります。


ラベル平面化画像。タスキのような独特なデザインです。
IMG_0075
インポーターシールも剥がしてみましたが、特に発見はなしでした。


さあ、抜栓です。
IMG_0177
合成コルクのノマコルクですが、ブドウ模様の汎用品。

Alc.12%。
ガーネット。
IMG_0179

黒ベリー、プラム。シソっぽい何かも感じます。
粘性の涙ですね。
辛口アタック。
酸化のニュアンスか、薄っすらと酸味もあります。
「Xino」は「酸」、「Mavro」は「黒」の意味だそうで、
酸はこの品種の特徴なのかもしれませんが、
上等なものはバローロにも例えられるそうですから、
ネッビオーロに似ている要素もある気がします。

味の厚みはそこそこあり、
独特の酸味は最後まで気にはなるんですが、
上等赤ワインの貫禄は十分あり楽しめますよ。


*****


Cavino Naoussa 2015 Xinomavro
RRWポイント 89点


Tsantali Naousa 2016

仕事でドイツに居るんですが、夕食がギリシャ料理ということになり、
それじゃあということで、ギリシャワインを注文しました。
松やにワインのレツィーナ(Retsina)はハードル高そうでパス。(笑)
ネメアのアギオルギティコやナウサのクシノマヴロをメニューで探すと、
(記憶に残っている限りの知識です…笑)ありました!ナウサが!


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ギリシャは古代から続く、世界で最も古いワイン生産国の一つです。
それだけに土着の品種もたくさんあるようです。
北部ギリシャのマケドニアではクシノマヴロ(Xinomavro)の赤が有名。
前にナウサのクシノマヴロをイチ押しする記事を読んだことがあって、
チャンスがあれば試してみたいと思っていました。


公式ページは今風でしっかりしています。

セパージュはやはりクシノマブロ(Xinomavro)100%です。
「Xino」は「酸」。「Mavro」は「黒」の意味だそうで、
なんとなく味が想像できそうですが、バローロに匹敵するような、
高品質なものも作られているそうです。さて、今日のはどうでしょうね?
Kir04
熟成は、300Lの樽(まあまあ小樽)で12ヶ月です。
新樽率20%のフレンチオークを95%使用。(残り5%はアメリカンオーク)
なかなかしっかり作られている感じがします。


マケドニア地方にあるワイナリー訪問。大手らしくかなり大きいです。
Tsantali01

かなり手広くやっているようで公式ページにはこんな地図が。
Tsantali03
6ヵ所展開。サントリーニ島にもあるんですね。

Googleで本拠地(上の写真)の場所を確認。ナウサ近くです。
Tsantali02
周りの国との位置関係と緯度(かなり南です。)も見ておきましょう。

ギリシャの主要産地を見ておきます。
Tsantali04
PDOというのは「Protected Designation of Origin」で原産地呼称のことです。
今日のワインは「Macedonia」地域の「Naoussa」PDOということです。
アテネのある「中央ギリシャ」は生産量の1/3を占める最大の産地らしいですが、
PDOはなさそうですね。
アギオルギテイコ(Agiorgitiko)の赤ワインで有名な「ネメア」PDOは、
「ペロポネス」地域に属しています。


ところで、これがそのギリシャ料理レストランのワインメニューです。
IMG_9693
ドイツ語なのであれですが、レツィーナとナウサしかわかりません。(笑)
先ほどの主要産地マップでは「Mavrodaphne」、「Rhodos」が一致。


ラベルはドイツ向けにドイツ語表記になってます。
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まあ、ギリシャ語で書かれてももっとわかりませんが。(笑)


さあ、いただきます。
Alc.12.5%。ガーネット。
IMG_9700

カシス、プラム、果実味感じる香りです。
特徴的な酸味から来る辛口アタック。
「Xino」=「酸」ですからね。
その酸味が優勢ながら、味の骨格はしっかり感じます。
タンニンも程よく効いていて好印象。
余韻・フィニッシュまで酸味が付いて回るんですが、
味の力強さがあって、かなり楽しめました。

ポテンシャルを感じますね。
もっとギリシャワインを試したくなりました。


*****


Tsantali
Naousa 2016
RRWポイント 89点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


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