コストコで見つけたタウラージ。カンパーニア州でアリアニコから作られ「南のバローロ」とも称される南イタリアの代表的なDOCGワイン。(1970年にDOCとなり、1993年にDOCG昇格。)…という影響もあって、とかく北(ピエモンテ)のネッビオーロと対比してしまいがち。実際自分的にもアリアニコとネッビオーロには近しいものを感じます。
イストリア・アンティクアは1969年カンパーニア州アヴェリーノに設立された家族経営のワイナリーです。30haの自社畑で今日のアリアニコ他、フィアノ(Fiano di Avellino DOCG)やグレコ(Greco di Tufo DOCG)をやっています。コストコはどうやってこういう作り手を探してくるんでしょうね。
コストコの店頭写真を貼っておきます。
現地価格で22ユーロなので、日本でこの値段はずいぶん安いと思います。
公式ページは普通の出来ですが、そこそこ情報量あり。
看板商品でしょうから当然紹介されています。
・アリアニコ 100%
ステンレスタンクで2年、各種容量のスラボニアン・オーク樽で12ヶ月、+ボトルで6ヶ月、計42ヶ月の熟成です。Taurasi DOCG の規定では木樽での1年を含む計3年となっていますので十分クリアしています。(今日のワインはノーマルですが、タウラージのリゼルヴァなら規定は、木樽18ヶ月含む4年です。)
また、今日のワインは大抵のタウラージがそうであるようにアリアニコ100%ですが、タウラージ DOCGの規定では(同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCGも同様)、アリアニコは100%でなくてよく、85%以上あればいいことになっています。隣のバジリカータ州の Aglianico del Vulture Superiore DOCG ではアリアニコ100%が規定です。なんでタウラージはアリアニコ85%以上って決めたんでしょうね。何をブレンドしていいのか知りたいものです…。
アリアニコ(Aglianico)はイタリア原産の古くからの品種です。
フェニキア人によって紀元前 6 世紀~ 7 世紀にすでに栽培されていたといいます。フェニキア人がこの頃にギリシャからナポリに持ち込んだという説がありましたが、2001年に行われたDNA分析では、ギリシャのブドウ品種との関係を証明できませんでした。
また、アリアニコーネ(Aglianicone)という長らくアリアニコの亜種と思われていた品種があって、カンパーニア州の Castel San Lorenzo DOC ではアリアニコーネ主体(地元ではアリアニコをアリアニコーネと呼んでるらしいとも?)のワインも作られています。しかしながら、2005年に実施されたDNA分析によると、アリアニコはアリアニコーネの親である可能性が判明し、2つが同一もしくは亜種という話は否定されています。
イストリア・アンティクアを訪問します。アヴェリーノから車で北へ15分。
アヴェリーノ周辺の地図でイストリア・アンティクアの場所を確認します。
カンパーニア州の真ん中の内陸部がアヴェリーノ県(Avellino)でその県都がアヴェリーノです。アヴェリーノ県は全体がイルピニア地方で Irpinia DOC と同一エリアになります。その中にタウラージDOCGはじめ小域のDOCGがあるという関係です。
この地図でわかるように、Irpinia DOC はアヴェリーノ県全コミューンが対象です。
この地図に「Campi Taurasini」という Irpinia DOC のサブゾーン(sottozona)の範囲が示されています。ごらんのようにタウラージDOCGを中心とした少し広めのエリアで、アリアニコ100%のワインが「イルピニアDOC カンピ・タウラジーニ(Irpinia DOC Campi Taurasini)」を名乗ります。熟成は1年のみという規定で、タウラージより軽く早飲みなのが想像できます。
カンパニア州の公式サイトにある地図や情報でカンパーニア州全体の産地が把握できます。それを参考に、例によってGoogle Map上に DOC/ DOCG / IGP を描き込みました。
また、お隣のバジリカータ州(Aglianico del Vulture DOC / Aglianico del Vulture Superiore DOCG)もアリアニコで有名ですね。その他、プーリア州(Castel del Monte DOC)、モリーゼ州(Molise DOC)、カラブリア州(Scavigna DOC、Terre di Cosenza DOC)、シチリア島(Menfi DOC)でも使われています。アリアニコ、南イタリア中心にかなり広範囲に使われていることがわかります。
イストリア・アンティクアは1969年カンパーニア州アヴェリーノに設立された家族経営のワイナリーです。30haの自社畑で今日のアリアニコ他、フィアノ(Fiano di Avellino DOCG)やグレコ(Greco di Tufo DOCG)をやっています。コストコはどうやってこういう作り手を探してくるんでしょうね。
コストコの店頭写真を貼っておきます。
現地価格で22ユーロなので、日本でこの値段はずいぶん安いと思います。
公式ページは普通の出来ですが、そこそこ情報量あり。
看板商品でしょうから当然紹介されています。
・アリアニコ 100%
ステンレスタンクで2年、各種容量のスラボニアン・オーク樽で12ヶ月、+ボトルで6ヶ月、計42ヶ月の熟成です。Taurasi DOCG の規定では木樽での1年を含む計3年となっていますので十分クリアしています。(今日のワインはノーマルですが、タウラージのリゼルヴァなら規定は、木樽18ヶ月含む4年です。)
また、今日のワインは大抵のタウラージがそうであるようにアリアニコ100%ですが、タウラージ DOCGの規定では(同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCGも同様)、アリアニコは100%でなくてよく、85%以上あればいいことになっています。隣のバジリカータ州の Aglianico del Vulture Superiore DOCG ではアリアニコ100%が規定です。なんでタウラージはアリアニコ85%以上って決めたんでしょうね。何をブレンドしていいのか知りたいものです…。
アリアニコ(Aglianico)はイタリア原産の古くからの品種です。
フェニキア人によって紀元前 6 世紀~ 7 世紀にすでに栽培されていたといいます。フェニキア人がこの頃にギリシャからナポリに持ち込んだという説がありましたが、2001年に行われたDNA分析では、ギリシャのブドウ品種との関係を証明できませんでした。
また、アリアニコーネ(Aglianicone)という長らくアリアニコの亜種と思われていた品種があって、カンパーニア州の Castel San Lorenzo DOC ではアリアニコーネ主体(地元ではアリアニコをアリアニコーネと呼んでるらしいとも?)のワインも作られています。しかしながら、2005年に実施されたDNA分析によると、アリアニコはアリアニコーネの親である可能性が判明し、2つが同一もしくは亜種という話は否定されています。
イストリア・アンティクアを訪問します。アヴェリーノから車で北へ15分。
マノカルツァーティ(Manocalzati)という町になります。実はGoogle Mapでは全然別の場所を指すのでなかなか発見できませんでした。ここに行きつくまでかなり苦労をしました。
アヴェリーノ周辺の地図でイストリア・アンティクアの場所を確認します。
カンパーニア州の真ん中の内陸部がアヴェリーノ県(Avellino)でその県都がアヴェリーノです。アヴェリーノ県は全体がイルピニア地方で Irpinia DOC と同一エリアになります。その中にタウラージDOCGはじめ小域のDOCGがあるという関係です。
この地図でわかるように、Irpinia DOC はアヴェリーノ県全コミューンが対象です。
この地図に「Campi Taurasini」という Irpinia DOC のサブゾーン(sottozona)の範囲が示されています。ごらんのようにタウラージDOCGを中心とした少し広めのエリアで、アリアニコ100%のワインが「イルピニアDOC カンピ・タウラジーニ(Irpinia DOC Campi Taurasini)」を名乗ります。熟成は1年のみという規定で、タウラージより軽く早飲みなのが想像できます。
カンパニア州の公式サイトにある地図や情報でカンパーニア州全体の産地が把握できます。それを参考に、例によってGoogle Map上に DOC/ DOCG / IGP を描き込みました。
やはり、アリアニコは今日のワインのタウラージDOCG が有名ですが、同じカンパーニア州の Aglianico del Taburno DOCG や Irpirina DOC のサブゾーン、Campi Taurasini もアリアニコが主体で使われるのは前述のとおり。その他、カンパーニア州では以下のDOCでもアリアニコはブレンド含め使われています。地図で各DOCの場所も確認ください。
・Cilento DOC
・Falerno del Massico DOC
・Castel San Lorenzo DOC
・Penisola Sorrentina DOC
・Campi Flegrei DOC
・Costa d’Amalfi DOC
・Galluccio DOC
・Sannio DOC
・Vesuvio DOC
・Cilento DOC
・Falerno del Massico DOC
・Castel San Lorenzo DOC
・Penisola Sorrentina DOC
・Campi Flegrei DOC
・Costa d’Amalfi DOC
・Galluccio DOC
・Sannio DOC
・Vesuvio DOC
また、お隣のバジリカータ州(Aglianico del Vulture DOC / Aglianico del Vulture Superiore DOCG)もアリアニコで有名ですね。その他、プーリア州(Castel del Monte DOC)、モリーゼ州(Molise DOC)、カラブリア州(Scavigna DOC、Terre di Cosenza DOC)、シチリア島(Menfi DOC)でも使われています。アリアニコ、南イタリア中心にかなり広範囲に使われていることがわかります。
黒ベリー、胡椒、カシス。
スモーキーな樽香。
クールな辛口アタック。
こなれたタンニンとはっきり主張する酸に包まれた味は、
控えめなボリューム感ながらバランスはすこぶる良い印象。
控えめなボリューム感ながらバランスはすこぶる良い印象。
各要素がそれぞれの仕事をしっかりしてる感じです。
始終崩れないバランスで余韻も伸びました。
これは楽しめるタウラージです。
*****
Historia Antiqua
Taurasi 2014
Taurasi 2014
RRWポイント | 94点 |
---|