Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Viña_Errázuriz を含む記事

Viña Errázuriz Villa Don Maximiano 2017

チリの名門のひとつ、エラスリス。そこのアイコンワインとして君臨するのが「Don Maximiano Founder's Reserve」なわけですが、そのセカンドワインが出てることに気が付きました(笑)。「ビジャ・ドン・マクシミアーノ(Villa Don Maximiano)」という名前です。2016がファーストヴィンテージのようですね。早速お試ししようとお取り寄せです。

IMG_7345
ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。
エラスリスのフラッグシップと言えば、そのベルリン・テイスティングでセーニャと共にボルドー5大シャトーほかをなぎ倒した「ビニェド・チャドウィック(Viñedo Chadwick)」なんですが、このワイン、今調べるとエラスリスのラインアップから外れ、単独のワイナリーのごとく個別のサイトになっています。つまり「エラスリスの~」じゃない売り出し方というわけです。

ラポストルのクロ・アパルタも単独化してましたね。マーケティングのにおいを感じます(笑)。

エラスリスの公式ページはこちら。

ラインアップすべてヴィンテージ毎のデータシート完備で素晴らしいです。

・シラー 28%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 25%
・マルベック 20%
・カベルネ・フラン 17%
・ムールヴェードル 10%

ファーストの Don Maximiano Founder's Reserve はがっつりカベソー主体だったのが、セカンドはカベソー率がかなり下がっていますね。この2017なんかは逆転してシラーが最多になっています。このセパージュの違いから、安モノとしてのセカンドではなく、性格付けをしてセカンドを設定しているポリシーを感じます。
熟成は、新樽率45%(ファーストは72%)のフレンチオーク樽で22ヶ月。ただし全量の25%はストッキンジェール(Stockinger=オーストリアの樽メーカー)製のフードルに入れているそうです。これは孤高のフラッグシップ「Viñedo Chadwick」でも全量の20%をこのフードルに入れていることから、こだわりの熟成法なんでしょう。

ちなみにパーカーおじさんの評価を見ると、2017の評価はないんですが、2016に91点を、2018に93点をつけています。つまり、真ん中の2017は92点くらいになりそうです(笑)。ファーストの Don Maximiano Founder's Reserve 2017 は93+点ですから、ファースト・セカンドの差はそんなになさそうです。

さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
Errazuriz01
この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
Errazuriz01
首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。州名になっているバルパライソは海辺の港町でバルパライソ州の州都です。

そのバルパライソ州を俯瞰するとこうなります。
Errazuriz02
バルパライソの町はこう見えても首都サンティアゴに次ぐチリ第二の都市であり、実はチリの国会はサンティアゴではなくバルパライソにあります。この2都市間は車で1時間ちょいなので不便はないんでしょう。途中、カサブランカ・ヴァレーを抜けていきますので、道中にブドウ畑が広がっていますよ。


ラベル平面化画像。
IMG_6730
裏ラベルには「Villa Don Maximiano」の名前の由来が書いてます。

インポーターシールはこの裏ラベルを隠していませんでした。
IMG_6729

上等ワインの証し、薄紙でくるまれてます(笑)。
IMG_6731
ミレジム入りの専用シールまで貼ってあっていい感じです。


さあ、抜栓。
IMG_7338
キャップシールからして上等感が演出されています。

コルク平面化。
IMG_7346
横ではないですがミレジムもちゃんと入ってます。

Alc.14%。
赤みのあるガーネット。
IMG_7339

黒ベリー、リッチな樽香。バターっぽいです。
森の下草も香りますが、明るめの森の印象(笑)。
辛口アタック。
タンニンの収斂性に誘われて到達する味は、
ボリューム感あるストラクチャーにびっちり収まる緻密さです。
繊細なテクスチャーをまとった複雑味のかたまり、とでも言いましょうか。
あとで酸も結構効いてるのに気づきました。
傑出したと思わせる余韻で至福のひと時を味わえます。

ただ、絶対もう少し寝かしたらさらにうまくなるポテンシャルも感じました。
また買おうかな~。


*****

Viña Errázuriz
Villa Don Maximiano 2017
D.O. Valle de Aconcagua
RRWポイント 96点


Viña Errázuriz Aconcagua Cuvée Cabernet Sauvignon 2019 D.O. Valle de Aconcagua

エラスリスの見慣れないラベルを発見。Aconcagua Cuvée? 新シリーズかな。10ヶ月の樽熟期間から見ると、Estate(6ヶ月)の上、Max(12ヶ月)の下のレンジのようです。お試ししようと店頭で見渡すと、カルメネールがない。日本のチリワインあるあるですが、カベソーだけ仕入れたらいいってもんじゃないですよ!(by 日本カルメネール振興協会)

IMG_6206
仕方がないので、とりあえずカベソーをお試しといきましょう。

ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。

公式ページはトップに新社屋とパーカーおじさん2017ベストチリワイナリー認定の自慢。

ワイン紹介もミレジム毎にデータシートも完備。
・カベソー 100%
手摘み、早朝収穫、ステンレスタンクで発酵、ユーズドのフレンチオーク樽で10ヶ月の熟成。

たまにはカベルネ・ソーヴィニヨンについても書いておきましょう。
Cab-1
DNA分析による親子関係の判定法が世に出てきて、1997年に真っ先に調べられたのが世界で人気品種のカベソーです。結果、「カベルネ・フラン x ソーヴィニヨン・ブラン」ということが判明したのですが、それまでは白品種から赤品種が生まれるとは考えられていなかったので「父がソーヴィニヨン・ブラン」は衝撃の事実だったようです。
また、それまでは古代の品種にカベソーの起源を求める仮説がいくつかあったのですが、このDNA分析結果ですべて覆されました。実はカベソーははるかに若い品種で、18世紀以前ごろにジロンド地域(ボルドー)で発生したのではないかと思われます。ボルドーで目立つ品種となったのが18世紀後半で、カベルネ・ソーヴィニヨンという名前が初めて使われたのが19世紀前半の1840年頃(フィロキセラ禍1863年~の直前です。)、そうして「それ以前のボルドーでは違う品種が主流ではなかったのか?」という疑問に行き着くわけです。そして、フィロキセラ禍後の世界で、再び植えられなかったかつてのボルドー主要品種を押しのけてカベソーは主役に登り詰めたのではないかと。
また長くなるので、この話はこの辺で(笑)。過去記事を読まれている方は何を言わんとしているかはお察しでしょうね。


さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
Errazuriz01
この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
Errazuriz01
首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。州名になっているバルパライソは海辺の港町でバルパライソ州の州都です。

そのバルパライソ州を俯瞰するとこうなります。
Errazuriz02
バルパライソの町はこう見えても首都サンティアゴに次ぐチリ第二の都市であり、実はチリの国会はサンティアゴではなくバルパライソにあります。この2都市間は車で1時間ちょいなので不便はないんでしょう。途中、カサブランカ・ヴァレーを抜けていきますので、道中にブドウ畑が広がっていますよ。


ラベル平面化画像。
IMG_6086
このデザインは…地層でしょうか。


さあ、抜栓。
IMG_6203

コルク平面化。
IMG_6204
DIAM5採用です。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
IMG_6205

黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、シダ。
酸味乗った辛口アタック。鉄っぽさも。
厚み、コク、申し分ないです。
酸のおかげで始終クールなんですが、
バランスの良さは余韻でも光ります。

(いい意味で)手慣れてる作りという印象。
エラスリスならもう少しやって欲しい気はします。


*****

Viña Errázuriz
Aconcagua Cuvée
Cabernet Sauvignon 2019
D.O. Valle de Aconcagua
RRWポイント 92点



Viña Errázuriz Estate Series Carmenere 2018

本日は日本カルメネール振興協会の活動日ですが(笑)、前回からちょっと間が空いてしまいました。どうやら日本で手に入るカルメネールのネタが底を尽いてきたのかもしれません。今日のもおなじみエラスリスになります。エステート・シリーズという一番下のレンジですが、前に2016年を試しています。チリ本国には未だ日本へ輸出されてないカルメネールがいろいろあるようです。なんとかゲットしたいものです。またチリへ行くしかないか…。


IMG_4317
ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。


公式ページはちゃんと一流のワイナリー風情があります。(笑)

ワイン紹介もミレジム毎にデータシートも完備。
・カルメネール 100%
全量の70%をフレンチオーク樽で7ヶ月の熟成をするそうです。ローレンジですからこんなもんですね。過去のデータシートをさかのぼっていくと、2017年までは15%ほどシラーやプチシラーがブレンドされていますが、現在はカルメネール100%のようです。

カルメネールは過去から何度となく掘り下げていますが、一応写真を貼っておきます。
Errazuriz02
チリでは長らくメルローと混同され、1994年に再発見されるまで世の中から姿を消していたわけですが、外観や特徴はメルローとはあまり似ていなかったことは以前に検証しました。2013年の最新のDNA分析では、母:ムラル(Moural)と父:カベルネ・フラン(Cabernet Franc)の自然交配ではないかと言われています。メルローも父親はカベルネ・フランですから背格好は似てなくても(笑)異母兄弟としての共通点はどこかしらあったんでしょうね。因みに、母方のムラル(Moural)という品種は現在栽培されている地域がありません。


さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
Errazuriz00
この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
Errazuriz01
首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。

チリの産地をおさらいしておきます。
EmiChile
こういう地図はネットで拾ったものを加工して何度となく載せていますが、決定版ってなかなかないんですよね。やはり自分で描かなきゃだめか…?


ラベル平面化画像。
IMG_3959


さあ、スクリュー回転。
IMG_4314
キャップは一応エンボスで名前が入っています。

Alc.13.5%。(pH:4.27、Brix:7.6)
濃いガーネット。細かめの涙は色付きです。
IMG_4316

黒ベリー、ダークチェリー。
モカかビターチョコを感じるのもカルメネールの王道です。
ごくかすかにピーマンも。
辛口アタック。
甘みを微妙にたたえながら、
しっとりまったりの厚みある味につながっていきます。
味にもチョコのような香ばしさがあり、
ストラクチャーをしっかり感じます。
シルキーなタンニン。
甘々しい雰囲気の余韻も長くていいです。
ローレンジにしては上出来ではないでしょうか。


*****


Viña Errázuriz
Estate Series Carmenere 2018
RRWポイント 93点


Seña 2016

ナパのロバート・モンダヴィがムートンの Baron Philippe de Rothschild と組んだのが、かのオーパス・ワン。そしてそのロバート・モンダヴィがチリで組んだのがエラスリスのエドゥアルド・チャドウィック氏。そうして1995年にファーストヴィンテージがリリースされたセーニャ(Seña)はチリのスーパープレミアムワインということになっています。
ムートンとコンチャイトロのコラボ、アルマビバ(Almaviva)は何度か試してますが、セーニャをまだ試してませんでした。


IMG_3598
エラスリスはカルメネールの最高峰 KAI にばかり目が行って、セーニャを素通りしていました。
オーパス・ワンほど高くないとはいえ、決して「偉いワイン」の範疇ではないですが、チリワインを極めるなら避けて通れないところでした。

セーニャの売り文句として、2004年に開催されたベルリン・テイスティングで、ラフィットやマルゴー、ラトゥール、はたまたイタリアのスーパータスカンを押さえ2位に輝いたというものがあります。(1位は同じくエラスリスのヴィニェド・チャドウィック。笑)
このイベント自体は当のエドゥアルド・チャドウィック氏が仕組んだものだそうですが、ネットの動画を見る限り、「やらせ」ではないちゃんとしたもののようです。(笑)
Sena04
勝てる自信があったからこそこの暴挙に出たんでしょうが、チリワインの実力に世界を注目をさせるという点では大いに貢献したのではないかと思います。
このベルリン・テイスティングは2014年まで世界各地で行ったようですね。エラスリスの KAI 2006 がオーパスワンを破り1位になったのが、2010年のニューヨークで開催の回ということです。


公式ページはシンプルながら格調高いです。日本語表示できますし。

当然ながら、ミレジム毎にしっかり情報があります。
・カベソー 55%
・マルベック 20%
・プチヴェルド 12%
・カルメネール 8%
・カベフラ 5%
もともとはカベソー主体にカルメネール多めのブレンドでしたが、2012年からマルベックを加えるようになり、この2016年のようにカルメネールを逆転するようになってきています。
過去のデータも見れましたので確認しましたが、割と年毎にカベソー以外の比率は変わるようですね。
熟成は、12%がオークの大樽(foudre)で、残りは新樽率73%のバリックで、22ヶ月間です。


アコンカグア・ヴァレーにあるセーニャを訪問します。
おっと、ストビューはなく敷地の入り口にある門の写真だけありました。
Sena01
この一本道を抜けると、奥の山間に42haの畑が広がっています。

公式ページに畑の詳細地図を発見。思わずGoogle Map転記します。(笑)図中の%の意味がよくわかりませんが(足すと42なので、たぶんヘクタール。)カルメネールの作付けは多そうです。
Sena03
近くにアコンカグア川が流れています。建物は有名建築家の手によるものだそう。


さて、アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。州としてはバルパライソ州。マイポ・ヴァレーのある首都州(Región Metropolitana)の北側になりますが、バルパライソの町の南側の海岸沿いも同じ州なので、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーもバルパライソ州です。
Sena02
アコンカグア・ヴァレーはやはりアコンカグア川がキーポイントになっているのがわかります。
また、セーニャはエドゥアルド・チャドウィックさんの本拠地、エラスリスから車で40分ほどの距離でした。

チリ全体だとこういう感じです。
Edmara01
南北に長すぎて、1枚の地図ではカバーできないので合わせ技でご確認を。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3586
「Seña」とは、裏ラベルの説明にあるように「サイン」とか「印」の意味です。
表ラベルは、横向きですが契約書のようなものを模してあるんでしょうか。セーニャの定義をしてチャドウィックさんがサインをしています。そうなると丸いエンブレムも割り印のように見えますね。

ネックにはチリで初めてというProoftag社のBubble Tag™を採用です。
IMG_3590
QRコードで公式サイトのワイン紹介ページに飛ぶだけですが、そこでバブルの形状を比較して真贋を確かめます。(因みにバックの包装紙とエンブレム・シールでワインが包んでありました。)


さて、抜栓といきましょう。
IMG_3595
キャップのエンボスのマークかっこいいですね。

コルク平面化。
IMG_3607
シンプル。チャドウィックさんのサインⅹ2。

Alc.13.5%。(pH:3.67、Brix:7.1)
濃いガーネット。粘性はありますが、涙くっきりではないです。
IMG_3601

黒ベリー、プラム。黒糖感と芳ばしい樽香です。
果実よりも滋味を連想させる香りになってます。
辛口アタック。
酸味のベールの上に厚みのしっかりある味が来ます。
味わいの表面に緻密なテクスチャーを感じますね。
そして、厚みと言うより悠遠な奥行きを感じます。
タンニンは忘れるほどシルキーで上品。
喉越しに酸味がリプライズしますが、
若々しさを与え、もう5年ぐらい寝かせたら…と、
熟成のポテンシャルに期待をさせます。
味わいの絶妙なバランスを崩さない長い余韻。
これは秀逸。

パーカーおじさんは歴代最高の97点をつけ、過去の全ヴィンテージを凌駕すると評します。
なかなかすごいと思いましたが、2018年には早くもこれを超える98点をつけたようです。
自分もこの2016年に最高点をつけましたが、2018年ですか…また課題が増えたような…。(笑)


*****


Viña Seña
Seña 2016
RRWポイント 100点


Viña Errázuriz KAI 2011

2001年にチリのワイナリーをまわってから、
カルメネールのワインをかなり飲んできました。
いろんな作り手別に試してきたわけですが、
チリの主要ワイナリーはプレミアムクラスのラインアップに、
必ずカルメネールのモノセパージュを持っています。
日本カルメネール振興協会としては(笑)、
そんなトップエンドもたまには試さないとと考える次第です。


IMG_7971
セーニャなんかでも有名なチリのトップ生産者エラスリス。
そこが醸す最高レベルのカルメネール、「KAI」です。


ファーストヴィンテージが2005年ですが、翌2006年のヴィンテージが、
2010年ニューヨークで開かれた 「ベルリン・テイスティング」にて、
世界の名だたるワインを下し頂点に輝きます。
ボルドー5大シャトーやオーパスワン、サッシカイアなど相手にしてです。

これがその時の順位です。
1位:KAI 2006(エラスリス)
2位:Opus One 2006
3位:Château Haut-Brion 2006
4位:Don Maximiano Founder’s Reserve 2006(エラスリス)
5位:Château Lafite Rothschild 2006
6位:La Cumbre 2006(エラスリス)
7位:Seña 2006(エラスリス+ロバートモンダヴィ)
8位:Stag’s Leap 2006
9位:Viñedo Chadwick 2006(エラスリス)
9位:Sassicaia 2006
これが「KAI」のデビュー戦とすればすごい登場の仕方です!
しかし、トップ10の半分がエラスリスというのもゴイゴイスー。


公式ページで素性を確認します。
セパージュは、
・カルメネール 95%
・プチヴェルド 5%
新樽率95%のフレンチオーク樽で22ヶ月熟成です。


エチケット平面化画像。
IMG_7964
赤く紅葉したブドウの木の葉っぱがマークになっています。
カルメネールは、フィロキセラ禍で本国フランスから消え去ったあと、
チリでメルローと混同されて生き残ってきました。
カルメネールが「再」発見されるきっかけとなったのが、
この「紅葉する」という特徴でした。
「Carmenere」はCarmin(カーマイン、紫がかった濃い赤)が語源です。


実はKAIを抜栓するのは2回目です。
KAI-1
日本で2万円以上する、あまり偉くないワインですが、
カルメネール愛と好奇心から2013年をゲットして飲んでみました。

その素晴らしい味わいをもう一度試したく、今回2011年もゲット。
KAI-2
これら写真は2013年を飲んだ時の記念撮影です。(笑)


さて、何度も行ってますがワイナリーを訪問しておきます。
Errazuriz01
さすがに立派な施設です。新館もすごそうです。

エラスリスは、サンティアゴの北、アコンカグア・ヴァレーにあります。
Errazuriz02
創業者ドン・マキシミアーノ・エラスリスは、アコンカグアを、
チリで最も優れたテロワールとして見抜いたと言います。


さて、抜栓です。
IMG_7976
コルクにもブドウの葉が。

Alc.14.5%。
濃い濃いガーネット、深紅、透けないです。
IMG_7969

黒ベリー、トリュフ、モカ。
かすかに生野菜…森の下草かな。
涙は中サイズながらくっきり。
味わい乗った辛口アタックです。
味の構造感が素晴らしい。
すごい迫力です。
タンニンも深み与えるアクセントで効いてます。
先細らない余韻が心地いいままフィニッシュさせてくれます。
その昔見て回ったチリのテロワールが脳裏に蘇ります。

今回はオーパスワンに似てるうまさと感じました。
傑出したワインは黒糖のような甘さをかすかに感じますね。

パーカーおじさんは、ベルリン・テイスティングの勝者、
KAI 2006に96点をつけています。
僕はこの2011年に99点をつけましょうぞ。


*****


Viña Errázuriz KAI 2011
RRWポイント 99点


Viña Errázuriz Aconcagua Alto Carmenère 2015

エラスリスのカルメネール、アコンカグア・アルトを開けます。
このランクの上は、2010年NYのベルリン・テイスティングで、
オーパスワンやボルドー5大シャトーに圧勝した「KAI」ですから、
非常に期待は高まります。


IMG_4854


一点、どうでもいいことなのですが、
かねてから、「カルメネール」の発音と綴りを気にしています。
特に綴りに関しては、
アクサンテギュ、アクサングラーヴの打ち方で3通りありますが、
上の写真のように、このエチケットでは、
「Carmenere」とアクセント記号のないタイプになってます。
しかし、公式ページの写真を見ると、同じ2015年なのに、
アクサングラーヴが打ってあるのです!
ErrazCarme01
理由は不明ですが、アクセント記号が消えつつあることを、
なんとなく暗示していそうです。

前にも書きましたが、
個人的にはフランス語で「カルメネール」と発音できる、
「Carménère」表記を押しています。(笑)


さて、過去まだやっていなかったエラスリス訪問です。
場所はサンティアゴの北90kmのアコンカグア・ヴァレー。
ErrazCarme04
サンティアゴからもバルパライソからも等距離って感じですね。

実はストリートビューで敷地内や畑の間をぐるぐる回れます。
ErrazCarme05
が、残念ながら天気が悪いので画像は遠めのこれだけにしておきます。

代わりに公式ページからこんな写真を拝借。
ErrazCarme02
パーカーおじさんからベストワイナリーに選ばれた!と大喜びです。

ツイッターインスタグラムなども公式でやってます。
ErrazCarme03
これは公式インスタから拝借。


さて、いただだきますが、
実はこのシリーズは昔からよく似たデザインのラベルで、
「Single Vineyard」という名前で出ていまして、
過去何度も飲んでいますので、うまうまなのは知っています。
IMG_4855
まあ、ある程度ハードル上がった状況でのテイスティングですね。
因みにパーカーおじさんは2010年にPP90点つけています。


Alc.14%。
濃いガーネット。透かしても濃いです。
黒ベリー、モカ、スパイス、知ってる香り。
少し冷やし過ぎたか、ピーマン来ません。
溶け込んだ樽香はいい感じです。
(28%が新樽の仏産で14ヶ月だそうです。)
酸味あるフレッシュなアタックです。
凝縮感は(記憶より)弱めに感じましたが、
雑味なくバランスも良好です。
やはりカルメネールをいただくのは、
20度くらいでもいいかもですね。
生~っとしたぬるい感じの方がうまさを感じます。
シルキーなタンニンが余韻を演出します。
うまい!ですが、温度のせいか、
あっさりカルメネールという感じでした。
よっし、KAIは常温で開けよう!

最後にセパージュについて。
KAIはシラーをブレンドしていますが、
Aconcagua Altoはカルメネール100%です。
この違いも気になります。


*****


Viña Errázuriz Aconcagua Alto Carmenère 2015
RRWポイント 92点


Viña Errázuriz Estate Series Carmenere 2016

ロバート・モンダヴィとのジョイントベンチャーのセーニャなんか有名ですが、
エラスリスは自らも「チャドウィック」や「カイ」など高評価ワインを出しています。
パーカーさんも常に96~97点と大盤振る舞いをするくらいですから、
エラスリスのレベルの高さは折り紙付きです。
そして、プレミアムだけでなく下のレンジも相当おいしいのでおすすめです。


IMG_4513


エラスリスのカルメネール最高峰「KAI」もストックしているのですが、
さすがに2万円のワインはいつ開けたらいいのか迷います。(笑)
今日はカルメネールの一番下のレンジ、エステート・シリーズにしておきます。
下のレンジといっても、ただのバリエタルではなく、
70%を仏樽で6ヶ月熟成と、ある程度の手間はかけられています。
公式ページによれば、エステート・シリーズの上に、
「Max Reserva」、「Aconcagua Alto」がありますので、
カイも含めカルメネールのセパージュが4つあるってことですね。
全て過去飲んだことがありますが、アコンカグア・アルトもストックしてるので、
おいおい再試飲して、このブログに載せていこうと思います。


IMG_4514


セパージュは、
・カルメネール 85%
・シラー 13%
・プティシラー 2%
ここはよくシラー系とブレンドします。

さあ、開栓(スクリュー)。
Alc.13.5%。
濃いルビー。
黒ベリーにカルメネール特有の青野菜。
モカはなかったです。
口当たりは酸が立ち、若い感じ。
これはさすがにローレンジを感じますね。
でも、カルメネールのうまみはしっかりあり、
程よいタンニンがあるいい感じの余韻でフィニッシュ。
エラスリス、やはり安定感あります。


*****


Viña Errázuriz Estate Series Carmenere 2016
RRWポイント 90点


Arboleda Carmenere 2015

またまたですが、Viña Errázurizがらみのワインです。
ここはロバート・モンダヴィとセーニャやカリテラのベンチャーをやってますが、
オーナー醸造家のエドゥワルド・チャドウィック氏自ら立ち上げた、
ブティック・ワイナリーがこの「アルボレダ」です。


Arboleda


ビニャ・エラスリス自体もバリエタルからプレミアムまで、
どれも素晴らしいカルメネールを作っていますので、
おいしいカルメネールをいただくなら、これで十分なのですが、
(現在、KAIAconcagua Alto Carmenereをストック中。
いつ開けようか、非常に楽しみであります…。)
わざわざ「Eduardo Chadwick」のサインを入れた、
こだわりの五角形のエチケットを付けるのですから、きっと、
ビニャ・エラスリスとは違ったことをやりたかったワインなんでしょう。

公式サイトは割と凝った作りで、
畑のどのあたりにカルメネールが植えてあるとかわかりますし、
なんと、ブドウ畑をバーチャル訪問できたりします!
相当テロワールにこだわってるという印象です。

例えば、黒ブドウ系を植えてあるのが、
「Viñedo Las Vertientes」ですので、メニューからそこへ行くと、
畑の解説やら、美しいアンデスと畑の写真なんかが見られます。
そして、地図の横の「Tour Virtual」というボタンを押すと、
バーチャルでその畑ズバリに行けるのです。
通信状況では動きが遅いかもですが、景色が3Dでぐりぐり回せます。
ArboledaVinedo
これが今飲んでるカルメネールの畑か~!
と、感嘆しながらワインを味わうのもオツなもんです。

テクニカルシートによると、セパージュはカルメネール100%。
新樽率10%の仏樽で12か月の熟成。
「ワインは軽めの樽がいい~」といように、(笑)
樽は隠し味ぐらいにして、あまり効かさない方が好きですね。

さて、抜栓です。
濃いルビーです。
Alc.14%ですが、ディスクは中程度。
カシス、チェリー、そしてたまに出会う青臭い野菜のヒント。
カルメネールの特徴だと思います。
スワリングしているとバルサミコ酢をかすかに感じました。
酸味から来るのでしょうか。
やはりアタックから酸味を感じますが、
タンニンもバランスよく同時に来たので、印象は「まろやか」です。
それは余韻までうまい具合に続きます。
微妙に苦みを感じたのが気になりましたが、
全体的なまとまりのレベルは高いです。

ちなみに、
パーカーおじさんはこのArboleda Carmenereに90点をつけています。
(おじさんは同時にすべてのArboledaシリーズに90点以上つけてます!)
僕はもう少し高い評価をしておきます。


*****


Arboleda Carmenere 2015
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ


写真サイト:
最近ちゃんと写真撮ってますか?

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ