Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

Barolo を含む記事

Giacosa Fratelli Barolo 2018

ジャコーザ・フラテッリと書いたバローロを見つけました。ジャコーザってあのブルーノ・ジャコーザの親戚筋でしょうか(笑)。ハーフボトルでお手頃だったので思わず手を出してしまいました。久しぶりのバローロ。昨今はネッビオーロなら何でもOKという割り切りもしますが、やはり木樽18ヶ月を含む計38ヶ月の熟成の妙を味わいたいものです。

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HPにある歴史によると、19世紀末にジャコーザ家の4兄弟が小作人として働くためにランゲに移住してきたとあります。兄弟の一人、ジュゼッペさんは1895年になんと宝くじで大当たりして念願のワイナリーをネイヴェ村のボルゴノーヴォに手に入れたそうで、これが今のジャコーザ・フラテッリなんだそうです。ワイナリーは代々引き継がれ、1990年代には著名な畑を買い増したりして事業を大きく飛躍させたとあります。しかし、この話にはブルーノ・ジャコーザは出てきません。故ブルーノ・ジャコーザ氏は1929年生まれで、自分の名前を冠したブランド「ブルーノ・ジャコーザ」として1961年に出したのがファースト・ヴィンテージなので、ブルーノ・ジャコーザを興した時にすでにジャコーザ・フラテッリはあったということになります。なぜこんなにブルーノ・ジャコーザにこだわっているかというと、あとで見ますが、この2つのジャコーザはネイヴェ村で隣同士に建ってるからなのです。なのにその関係性がどこのも書いてないって変じゃないですか?

公式ページは内容充実、助かります。ワイン紹介もデータシートでバッチリです。

ただし、畑名のないノーマルバローロなので畑まではわかりません。

・ネッビオーロ 100%

熟成は木樽で最低2年+瓶内で 1 年間とのことなのでバローロの規定よりちょっと長めにやってますね。

さて、ネッビオーロ(Nebbiolo)。もちろんイタリア原産です。
Nebbiolo
ピエモンテ州でもゲンメやガッティナーラなど北の方ではスパンナ(Spanna)と呼ばれ、ヴァッレ・ダオスタ州ではピコテンドロ(Picotendro)、ロンバルディア州ヴァルテッリーナ(Valtellina)ではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)というシノニムがありましたね。
また、ネッビオーロには大きく以下の4つの品種(クローン)があるとされています。

●Nebbiolo Bolla(かつて一般的だったが減少傾向)
●Nebbiolo Lampia(現在最も普及しているクローン)
●Nebbiolo Michet(ネッビオーロ・ランピアがGFLVウイルスによって変異)
○Nebbiolo Rosé(形態学的に非常に異なる)

2004年のDNA分析では、最初の3つは遺伝的に同一であることが証明されています。ネッビオーロの親子関係は不明で、少なくとも片親は絶滅していると考えられます。ピエモンテやロンバルディアの数ある土着品種(Brugnola、Freisa、Nebbiolo Rosé、Negrera、Neretto di Bairo、Pignola Valtellinese、Rossola Nera、Vespolina)のどれかがもう片方の親で、残りの品種もネッビオーロの子孫に当たるそうです。なので、ネッビオーロはピエモンテやロンバルディアの品種の祖(Lead Variety)と考えられています。

ネイヴェ・ボルゴノーヴォ(Neive-Borgonovo)にあるジャコーザ・フラテッリを訪問。
Giacosa-Fratelli
立派なワイナリーですが、写真を見ておわかりでしょうか? 棟続きにブルーノ・ジャコーザの看板が上がっています。これは関係がないわけないですよね。さらにブルーノ・ジャコーザはこの向かい側に最新のセラーを建てているようです(写真中、真ん中下)。う~ん、このあたりの事情に詳しい方、教えてください!


さあ、ランゲ(Langhe)DOCの地図で位置関係を見てみましょう。
Langhe_DOC_元_Roero
ジャコーザ・フラテッリのあるネイヴェ・ボルゴノーヴォ(Neive-Borgonovo)はバルバレスコ(Barbaresco)DOCGのエリアにあるのがわかります。バローロ(Barolo)DOCGとはちょっと離れています。

バローロDOCGに特化して拡大した地図も見ておきましょう。
Barolo_DOCG_NEW2
バローロDOCGの規定にはいろいろありますが、ネッビオーロは当然域内からですが、それを醸すのも同じく域内で行わないといけません。なので、今日の作り手はバローロから少し離れていますが、バローロ域内のどこかしらで醸造していると考えられます。それがどこなのか明かしてくれていないのが困りますが。

上の地図にも示していますが、とにかくバローロ対象エリアというのをコミューン(コムーネ)で見ておきましょう。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Roddi(ロッディ)
・Verduno(ヴェルドゥーノ)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)

以上、計11のコムーネが Barolo DOCG 対象の生産地域です。これらはサブゾーンでもあり、同一域内ならバローロDOCGとともに併記できます。その他にも170のサブゾーン(MeGAs)があり、こちらも併記可能です。(MeGAs=Menzioni Geografiche Aggiuntive=additional geographical definitions)


ラベル平面化画像。
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ハーフボトルだからか紋章が真ん中から左側にシフトしています。

インポーターシールは余白に貼ってありました。えらい。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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おお、10年耐用のDIAM10です。さすが長期熟成ワイン。

Alc.13%。
透けるガーネット。エッジがクリアに透けながらオレンジ味の褐変があります。
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黒ベリー、スミレ、プラム。
辛口アタック。
こってりと味の深さがあります。
複雑味の中にはピリッと苦味も感じました。
心地よいタンニン感はバローロらしく唯一無二ですね。
余韻は優雅。


*****

Giacosa Fratelli
Barolo 2018
RRWポイント 92点


Oddero Langhe Nebbiolo 2018

定期的にネッビオーロが欲しくなります。普通にバローロでいいんですが(笑)「バローロ域内のネッビオーロ100%を域内で木樽18ヶ月を含む計38ヶ月の熟成」が課されるバローロでなくとも、作り手重視でネッビオーロを選ぶというのも一つの手です。今日のこれは、バローロの造り手の中でも最も古い歴史を持つと言われるオッデーロ(Oddero)のランゲ・ネッビオーロです。

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オッデーロは創業から一貫して家族経営の作り手ですが、その畑やカンティーナは18世紀からバローロ地区のラ・モッラ村にあったことが古文書などから判明しています。自社瓶詰めを始めたのが1878年からだそうです。バローロ各地区の最良の畑を所有する伝統的バローロの老舗という語られ方をしますが、バローロがDOCになったのが1966年(DOCG化したのが1980年)ですから、ガヤ、リナルディと共にバローロの基礎を作ったのがオッデーロということになりそうです。

公式ページはモダン仕様で情報豊富。畑の所有区画をGoogle Map上に示したりしています。

残念ながらランゲはどこの畑かわかりませんが、ワインはデータシート付で紹介しています。

・ネッビオーロ 100%

様々な容量のオーク樽で約1年間ぼ熟成としています。

さて、ネッビオーロ(Nebbiolo)。もちろんイタリア原産です。
Nebbiolo
ピエモンテ州でもゲンメやガッティナーラなど北の方ではスパンナ(Spanna)と呼ばれ、ヴァッレ・ダオスタ州ではピコテンドロ(Picotendro)、ロンバルディア州ヴァルテッリーナ(Valtellina)ではキアヴェンナスカ(Chiavennasca)というシノニムがありましたね。
また、ネッビオーロには大きく以下の4つの品種(クローン)があるとされています。

●Nebbiolo Bolla(かつて一般的だったが減少傾向)
●Nebbiolo Lampia(現在最も普及しているクローン)
●Nebbiolo Michet(ネッビオーロ・ランピアがGFLVウイルスによって変異)
○Nebbiolo Rosé(形態学的に非常に異なる)

2004年のDNA分析では、最初の3つは遺伝的に同一であることが証明されています。ネッビオーロの親子関係は不明で、少なくとも片親は絶滅していると考えられます。ピエモンテやロンバルディアの数ある土着品種(Brugnola、Freisa、Nebbiolo Rosé、Negrera、Neretto di Bairo、Pignola Valtellinese、Rossola Nera、Vespolina)のどれかがもう片方の親で、残りの品種もネッビオーロの子孫に当たるそうです。なので、ネッビオーロはピエモンテやロンバルディアの品種の祖(Lead Variety)と考えられています。
総栽培面積 7,997ha の内、イタリアで栽培されているのは 7,551ha(2016年)です。そのあと、メキシコ(180ha)、オーストラリア(107ha)、アメリカ(63ha)と続きますが、やはりダントツでイタリアですね。


オッデーロを訪問。ラ・モッラ村(La Morra)サンタ・マリアというところ。
Oddero01
周囲も「Bricco Chiesa」という所有畑で、MeGAs(Menzioni Geografiche Aggiuntive)といって、この畑名がバローロDOCGに付記できます。

バローロDOCGのエリアを俯瞰してオッデーロ、ラ・モッラ村の位置関係を把握。
Barolo_DOCG_NEW2
上の地図にも示していますが、とにかくバローロ対象エリアというのをコミューン(コムーネ)で見ておきましょう。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Roddi(ロッディ)
・Verduno(ヴェルドゥーノ)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)

以上、計11のコムーネが Barolo DOCG 対象の生産地域です。これらはサブゾーンでもあり、同一域内ならバローロDOCGとともに併記できます。その他にも170のサブゾーン(MeGAs)があり、前述のようにこちらも併記可能です。

さて、今日のワインはランゲ・ネッビオーロDOCです。俯瞰するとこんな感じ。
Langhe_DOC_元_Roero
ランゲDOCは1994年にできた赤・白・ロゼなんでもOKなDOCです。認められている品種(下記に挙げます。)であれば85%以上で品種が表示できます。これが今日のランゲ・ネッビオーロDOCになります。

<黒品種>
・Cabernet Sauvignon
・Merlot
Nebbiolo
・Barbera
・Dolcetto
・Pinot Nero(Pinot Noir)

<白品種>
・Chardonnay
・Riesling
・Sauvignon Blanc
・Arneis
Favorita(Vermentino)
・Rossese Bianco


ラベル平面化画像。
Label
裏ラベルはインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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ヴィンテージが横に打ってあります。

Alc.14%。
褐変が進んだクリアなガーネット。
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黒ベリー、イチジク、プラム、複雑な熟成香も。
辛口アタック。
酸とタンニンをたっぷり感じますが、
それを見事に融合させる苦味様の複雑な味があります。
このバランス感覚は新たな発見ですね。
喉越しで収斂性感じるタンニン分に誘われ、
満足感のある余韻に達してフィニッシュ。


*****

Poderi e Cantine Oddero
Langhe Nebbiolo 2018
RRWポイント 93点


Cantine Povero Priore Barolo 2016

ネッビオーロは独特のおいしさがあると思っていて、ボルドー系やブルゴーニュ系とはまた違うジャンルとして定期的にローテーションに入ってきます。というわけで今日は王道のバローロと行きたいと思います。前回飲んだネッビオーロからは3ヶ月、バローロとしては実に半年以上ぶりになります。家で寝かせてあったバローロですが、どこでいつ頃買ったのか記憶がありません(笑)。いつものように素性を調べながらいただくとしましょう。

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作り手はカンティーネ・ポヴェーロという家族経営のワイナリー。ラベルには創業1964年とありますが、先々代のトゥムリン爺さんがブドウ園を開いたのが1948年だそうです。しかしながら、1837年には先祖のフランチェスコさんがロエロのエリアに畑を取得していたという記録があるそうです。今ひとつ時系列の歴史がはっきり掴めませんが、土地に根差した古くからの作り手と言えるでしょう。現在の所在はロエロのすぐ北側、チステルナ・ダスティ(Cisterna d'Asti)というコムーネにあります。バローロじゃないんですね。

公式ページは必要十分ではありますが、ワイン紹介が少々弱いですね。

ショップ兼用であまり詳細が載っていません。

・ネッビオーロ 100%

「バローロはワインの王様です」とか的を得ない解説ばかり。樽熟も「バローロだから38ヶ月以上の熟成しています」とバローロDOCGの規定の話だけ。違う、そうじゃない(笑)。実際はどうなのかが知りたいんです。バローロDOCGの規定は、ネッビオーロ100%を木樽で18ヶ月を含む38ヶ月以上熟成することになっています。バルバレスコDOCG(木樽で9ヶ月を含む26ヶ月以上)の倍近い熟成期間なので、まあ、これをクリアするだけでも結構な労力なんですけどね。

ネット情報に詳しく載ってないかとインポーターやショップのサイトを当たりましたが、あまり新情報はありませんでした。樽はスロヴェニアン・オーク樽とフレンチオークのバリックを使っているという情報はありましたが…。そのスクショを貼っておきます。
Povero
…スロヴェニアン? 日本ではこの間違いをよく見かけますが海外でもあるんですね。元ユーゴスラビアの一部であったスロヴェニアはイタリアに隣接したワインの産地ですから間違いやすいんだと思いますが、イタリアでよく使われる樽は「スラヴォニア(Slavonia)」産。「スラヴォニアン・オーク」です。
こちらは国ではなく、同じく旧ユーゴスラビアを構成していたクロアチアの東側の地方名です。
Slavonian Oak
スラヴォニア、覚えましたね。思わぬところでクロアチアの地理のお勉強をしてしまいました(笑)。


さあ、カンティーネ・ポヴェーロを訪問。家族経営と言いつつかなり立派な建物ですね。
Povero01
チステルナ・ダスティ(Cisterna d'Asti)というコムーネにあります。タナロ川の北側で、アルバの町にも近いですが、名前の通りアスティ県に属します。また、チステルナ・ダスティは、その名も、Cisterna d'Asti DOC というクロアティーナ(Croatina)という品種を使った赤のDOCの中心地でもあります。

バローロの作り手ながらバローロにないということでランゲの地図で所在を確認します。
Langhe_DOC_元_Roero
チステルナ・ダスティ(Cisterna d'Asti)、わかりましたね。このコムーネはアスティ県なのでランゲDOCにもロエロDOCGにも属しません。ただ、Cisterna d'Asti DOC のエリアとなるとランゲ側のクーネオ県にもはみ出しています。俄然、クロアティーナを使ったチステルナ・ダスティDOCが試してみたくなってきました(笑)。と言いつつも…今日のワインはバローロです(笑)。バローロDOCGの地図も見ておきましょう。
Barolo_DOCG_NEW2
バローロDOCGの規定にはいろいろありますが、ネッビオーロは当然域内からですが、それを醸すのも同じく域内で行わないといけません。なので、今日の作り手はバローロから少し離れていますが、バローロ域内のどこかしらで醸造していると考えられます。それがどこなのか明かしてくれていないのが困りますが。

上の地図にも示していますが、とにかくバローロ対象エリアというのをコミューン(コムーネ)で見ておきましょう。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Roddi(ロッディ)
・Verduno(ヴェルドゥーノ)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)

以上、計11のコムーネが Barolo DOCG 対象の生産地域です。これらはサブゾーンでもあり、同一域内ならバローロDOCGとともに併記できます。その他にも170のサブゾーン(MeGAs)があり、こちらも併記可能です。(MeGAs=Menzioni Geografiche Aggiuntive=additional geographical definitions)


ラベル平面化画像。
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インポーターシールは裏ラベルを隠さず偉い。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
褐変若干進んだ透明感あるガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、プラム
古木の枯れた風味纏い、香り多く香り立ちます。
酸がよく乗ってる辛口アタック。
複雑味、構造感、奥行きあってなかなかよろしい。
タンニンのきぶさが喉にまとわりつくのが、
結構心地よく味わいが増す気がします。
酸は始終フィニッシュまで現れ続けますが、
生き生きさ与えてくれて枯れた気がしないのがいいです。


*****

Cantine Povero
Priore Barolo 2016
RRWポイント 92点


Osvaldo Viberti Barolo del Comune di la Morra 2016

バローロです。必ずしもバローロである必要はないんですが、定期的にネッビオーロを交えながら日々のワイン計画を立てていきたいと思っています。それくらい品種のバラエティとしてネッビオーロは欠かせないものになっています。バローロと言ってもピンキリなのはわかっていますが、バローロDOCGの規定があるのでネッビオーロ100%を木樽18ヶ月を含む合計38ヶ月の熟成をしていることは確約されているわけで、無名のバローロでも手を出しやすいという理屈です。

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作り手は、オズヴァルド・ヴィベルディというラ・モッラ村にある家族経営の小規模の作り手です。三世代続くワイナリーを1993年に祖父母から引き継いだオズヴァルドさんが自身の名前をつけて運営しています。所有畑は10ヘクタールで、その内の6.5ヘクタールがバローロです。なんだか丁寧に作られたバローロって気がしてきます。

公式ページはシンプルながら情報豊富。なぜか全項目ビデオで解説しています。

今日のワインはラインアップで言うとエントリーレベルのバローロです。

・ネッビオーロ 100%

ラ・モッラ村の3ヶ所の畑からのブレンドです。熟成は「オーク樽」としか書いていませんが、バローロDOCGですから、木樽18ヶ月を含む合計38ヶ月以上の熟成はやっているということになります。

作り手訪問。一般の民家然としてますね。
Osval_Viberti
場所的にはラ・モッラ村の集落の東に車で10分と言ったところです。

HPには畑の空撮映像が上がってますが、こちらはストビューで見てみましょう。
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オズヴァルド・ヴィベルディのフラッグシップ・バローロは「Serra dei Turchi」という名前ですが、その畑がこのワイナリー前の畑です。

バローロDOCGの全体像をGoogle Map上で俯瞰して見てみましょう。
Barolo_DOCG_NEW2
オズヴァルド・ヴィベルディの場所も印しておきました。ラ・モッラ(La Morra)のコムーネを探してください。まとめると、バローロは以下の11のコムーネにまたがります。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)
La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Roddi(ロッディ)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
・Verduno(ヴェルドゥーノ)

これら11村はバローロのサブゾーンとなっており、バローロDOCGの名と共に表記ができます。更に、170の MeGAs(Menzioni Geografiche aggiuntive=additional geographical definitions)があり、狭域の畑名だったりするわけですが、これらも表記が可能です。計181もあるのでここでは挙げませんが、こちらで確認できます。オズヴァルド・ヴィベルディのフラッグシップ・バローロ「Serra dei Turchi」も、当然 MeGAs として表記できます。


ラベル平面化画像。
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さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.14.5%。
クリアなガーネット。オレンジ味に褐変進んでいます。粘性の涙の色はクリアです。
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黒ベリー、ダークチェリー、スパイス。
重みのある樽香はブレットの獣っけ、かすかにあります。
タンニン分は最初から活躍します。
舌触り、喉越しに収斂性です。
複雑味ある味わい詰まったストラクチャー。
余韻でも少しブレット効果感じますが、
とても深みがあって尾を引きます。


*****

Osvaldo Viberti
Barolo del Comune di la Morra 2016
RRWポイント 91点


Achille Boroli Barolo 2012

最近バローロを試す機会が多いですが、大抵セールで安くなってたりするとすぐ手を出してしまうから…です(笑)。また、バローロDOCGの規定があるのでネッビオーロ100%を木樽18ヶ月を含む合計38ヶ月の熟成をしていることは確約されているわけで、無名のバローロでも手を出しやすいというのが大きいですね。調べると今日のバローロ、2009ですがパーカーおじさんが91点をつけています。元値も7,000円でしたので悪くはないんじゃないでしょうか。

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作り手のボローリは、古くからピエモンテに根差す一族なのですが、シルヴァーノ・ボローリさんとエレナさん夫婦が1997年にバローロのワイン作りを始めたのがワイナリーのスタートです。シルヴァーノさんの4人の息子の内、アキレさんがワイン製造のビジネスを学んだ後、2000年に経営に参画し事業を大きく成長させたようです。今日のワインもアキレ・ボローリ名になってますね。経営も息子に委ねたんでしょうか。2012年のヴィンテージからはアキレさんの経験に基づき、畑や醸造でのアプローチを根本的に変更し最高級のバローロと同等の高品質を目指す改革を行ったそうです。今日のワインがまさしく2012年ですね。おもしろそうです。


公式ページは構成・情報ともしっかりできています。

ワイン情報も最新ヴィンテージのみですがデータシート完備で紹介されています。

・ネッビオーロ 100%

ボローリのバローロは「Brunella」ほか畑名の入った3種と今日のノーマル・バローロの4タイプがあります。そういう意味では今日のはスタンダードラインということになり、カスティリオーネ・ファッレット(Castiglione Falletto)のどこかの畑からとなっています。除梗・破砕後、MLFまでステンレスタンクで行います。オークの大樽(1,500~2,500L)で18ヶ月の熟成。瓶詰め後、1年間の放置プレーを経てリリースです。

ボローリを訪問します。
Barolo
カスティリオーネ・ファッレット(Castiglione Falletto)の集落のすぐ近くです。

公式ページに所有畑の詳細地図がありました。「Brunella」部分を拝借して少し加工。
Brunella01
最上級としている「Brunella」はワイナリーの周囲の畑なんですね。その西側に広がる「Villero」という畑もボローリの所有のようですね。


バローロDOCGの全体像をGoogle Map上で俯瞰して見てみましょう。
Barolo_DOCG_NEW
バローリの場所も印しておきました。カスティリオーネ・ファッレット(Castiglione Falletto)のコムーネを探してください。まとめると、バローロは以下の11のコムーネにまたがります。

・Barolo(バローロ)
Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Roddi(ロッディ)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
・Verduno(ヴェルドゥーノ)

これら11村はバローロのサブゾーンとなっており、バローロDOCGの名と共に表記ができます。更に、170の MeGAs(Menzioni Geografiche aggiuntive=additional geographical definitions)があり、狭域の畑名だったりするわけですが、これらも表記が可能です。170もあるのでここでは挙げませんが、こちらで確認できます。ボローリの畑、Brunella、Cerequio、Villero はこれに当たります。


ラベル平面化画像。
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この2012からデザインが変わって「アキレ・ボローリ」名が入ってるようですね。そのお披露目もあって安く出ていたのかななんて思います。

ちなみに2011まではこんな前衛的な(?)感じでした。
Boroli2011
ベーシックで重みのあるデザインに変わったと良い方に考えておきましょう(笑)。


さあ、抜栓です。
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コルク平面化。
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コルクは以前のラベルデザインの名残がありますね(笑)。

Alc.13.5%。
クリアに透ける褐変のガーネット。
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黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、リコリス。
酸味の乗った辛口アタック。
奥行きのある味わいです。
貫禄の熟成感も味わえます。
ただ、酸のおかげで少々スリムにまとまってる感じです。
余韻もバランスよく続きます。
そつのないバローロに仕上がってます。


*****

Achille Boroli
Barolo 2012
RRWポイント 92点


Antico Monastero Barolo 2016

安売りスーパーのロピアが京都初出店でヨドバシの地下にできました。ワインが充実してるというので混んでるの覚悟で行ってきました。オープンセールでオーパス・ワンが半額になってましたがそれでも3万円超えなのでパス。他を見渡すと、このバローロが半額になっていたので購入というわけです(笑)。ネットで見ると他でも半額のところがあったので少々ガックリですが、輸入元のオーバーシーズの上代 6,000円というのが当てにならないってことでしょうか。

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調べると作り手は、ルカ・ボジオさんが1967年に創業したボジオ・ファミリー・エステーツ(Bosio Family Estates)ということですが、裏ラベルにはベルコッレ(BelColle)のヴェルドゥーノ(Verduno)にあるワイナリーで作ったとあります。ベルコッレはボジオがバローロに持つワイナリーのようです。

ボジオ・ファミリー・エステート(Bosio Family Estates srl)の公式ページは、扱ってるいくつかのブランドの総合サイトになっています。

主力は本家「Bosio」で、本体というか実態というか、独立した別サイトになっています。

ワイナリーの場所はバルバレスコ地区の近くの Santo Stefano Belbo のコムーネにあります。

で、ベルコッレ(BelColle)というのが傘下のブランドになるんですが、ここはバローロ地区のヴェルドゥーノ(Verduno)というコムーネにある、れっきとしたワイナリーです。

今日のワインはここで作ったというわけですが、Antico Monastero なるワインは載っていません。仕方がないのでインポーター情報に頼りますが、バローロはDOCGで規定がありますから想像はつきます。

・ネッビオーロ 100%

ブドウはリュット・レゾネで栽培されています。オークの大樽にて36ヶ月の熟成だそうです。バローロDOCGの規定は木樽で18ヶ月を含む合計38ヶ月の熟成ですから、+2ヶ月は瓶詰後に放置プレーなのでしょう(笑)。


バローロのエリア、ヴェルドゥーノ(Verduno)にあるベルコッレを訪問します。
Belcolle01
周囲の畑を見下ろせる丘の上のいい感じの立地です。


バローロDOCGの全体像をGoogle Map上で俯瞰して見てみましょう。
Barolo_DOCG_NEW
新作地図です。どんどん正確で細かくなってきています(笑)。ベルコッレの場所も印しておきました。ヴェルドゥーノ村です。ご確認を。バローロは以下の11のコムーネにまたがります。

・Barolo(バローロ)
・Castiglione Falletto(カスティリオーネ・ファッレット)
・Cherasco(ケラスコ)
・Diano d’Alba(ディアーノ・ダルバ)
・Grinzane Cavour(グリンツァーネ・カヴール)
・La Morra(ラ・モッラ)
・Monforte d’Alba(モンフォルテ・ダルバ)
・Novello(ノヴェッロ)
・Roddi(ロッディ)
・Serralunga d’Alba(セッラルンガ・ダルバ)
Verduno(ヴェルドゥーノ)

これら11村はバローロのサブゾーンとなっており、バローロDOCGの名と共に表記ができます。更に、170の MeGAs(Menzioni Geografiche aggiuntive=additional geographical definitions)があり、狭域の畑名だったりするわけですが、これらも表記が可能です。Bussia、Cannubi、Bricco Boschis とかいったやつです。有名なのありますよね。


ラベル平面化画像。
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表には伝説のような解説が英語で書いてあるのに裏ラベルのワインの解説はイタリア語です。輸出向けなんだか、何なんだか(笑)。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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さすがバローロ、DIAM10使用はいいですね。

Alc.14.5%。
エッジオレンジ気味に透けるガーネット。
IMG_6780

黒ベリー、スパイス、イチジク、ブレットぽいのも。
辛口アタック。
酸がきれいに現れます。
タンニン分も最初から舌に絡みますが、
味わいはまろやかでふくらみがあります。
バランス抜群な感じがします。
余韻で酸が同伴するんですが上手なエスコートと言えるでしょう。
バローロの面目躍如といったところです。


*****


Belcolle
Antico Monastero
Barolo 2016
RRWポイント 92点


Terre da Vino Rosa dell’Olmo Barolo 2017

リカマンでとってもお安いバローロが売ってたのでお試しです。バローロDOCGとしては激安でしたが、DOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。てな理屈をこねながら裏ラベルを見ると、作り手は「T.D.V. S.P.A.」とあります。これは…以前に試した激安バローロの「Terre da Vino」じゃあるまいか。(笑)

IMG_6482
やはり作り手は以前に試したテッレ・ダ・ヴィーノ社でした。1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられたワイナリーです。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるとのことで、2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
今日のワインそのものは載っていないのですが、バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょう。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
TerredaVino01
バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
TerredaVino02
まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
TerredaVino03
まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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前に試したバローロはインポーターが重松貿易でしたが、これはリカ―マウンテンの都光になってますね。さあ、インポーター違いで供給商品の差をつけるでしょうか。そこが問題ですね。


さあ、抜栓。
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コルクはこの模様x2なので平面化はしません。

Alc.14%。
透け透けガーネット。褐変気味です。
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黒ベリー、イチジク、スパイス。
辛口アタック。
酸があとから付いて来ます。
ちょっと軽めの味わいに感じるのはこの酸のせいかな。
一定レベルの構造感、複雑味はキープしてます。
ちょっと愛想のないネッビオーロですが、
ネッビオーロとして楽しめます。

ただ、以前に試した同じ作り手のバローロの印象からすると、
「ちょっと落ちた?」と思ってしまいます。



*****

Terre da Vino
Rosa dell’Olmo
Barolo 2017
RRWポイント 89点


Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

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作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
TerredaVino01
バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
TerredaVino02
まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
TerredaVino03
まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
IMG_0355
デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
IMG_5038
無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
IMG_5039
ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
IMG_5040

黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


Kirkland Signature Barolo 2015

バローロをいただくんですが、コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーです(笑)。今までは素通りしていたやつですが、最近キヤンティ・クラッシコリオハを試し、そんなに悪くなかったもので、これも試してみなきゃと相成りました。お値段は2,488円。微妙な感じですが本国アメリカでは$19.99のようですから、ドル建てで見ると安く感じます。(笑)


IMG_4343
問題は作り手です。キヤンティ・クラッシコやリオハは裏ラベルにヒントが書いてあって、生産委託先が判明したんですが、バローロは裏ラベルには全く手掛かりがありません。困ったなと思っていると、ネックに「Simone Tablino」というサインがあります。一か八かでググってみます。
すると、ロレンツォ・タブリーノというアルバにあるワインのコンサルのページがヒットします。この方の息子さんがネックのサインのシモーネ・タブリーノさんで、親子でワインのコンサルをやってるようです。で、重要な発見が、お父様のロレンツォ・タブリーノさんが1969年から2004年までセッラルンガ・ダルバの大手ワイナリー、フォンタナフレッダFontanafredda)で技術者として働いていたことです。そしてさらに、息子のシモーネ・タブリーノさんが2004年から引き継いでフォンタナフレッダで働いてらっしゃる! 現役じゃん。(笑)

すると次々と手掛りが繋がってきます。表ラベルには生産地でしょう「Serralunga d'Alba」とありますし、イラストの建物にも「Villa Reale in Serralunga」とあります。フォンタナフレッダ村(Villaggio Fontanafredda)とも呼ばれるフォンタナフレッダの敷地内へ入ってみます。
FontanafreddaGR01
ビンゴ! ラベルのイラストの建物はこれでしたね。クリソツです。ということで、コストコのバローロはフォンタナフレッダで間違いないという結論になりました。


公式ページにコストコのワインが載ってるわけもありませんが、一応リンクを貼っておきます。

データは不詳ですが、バローロDOCGの規定に沿うとこうです。
・ネッビオーロ 100%
合計38ヶ月の熟成(内木樽で18ヶ月)はやってるってことです。


フォンタナフレッダの公式ページにある周辺の中世風イラスト地図です。
Fontanafredda01
フォンタナフレッダと、セッラルンガ・ダルバ城のあるセッラルンガ・ダルバの町、バローロ村に旗が立ってます。(実際は所有畑の場所を示す旗ですが…。)

なかなか面白い地図なので、Google Mapにイラストと共に転記します。
FontanafreddaGR02
地図の左下にフォンタナフレッド村の拡大写真を入れています。今日のワインのラベルのイラスト「Villa Reale」はここに示したように敷地の奥の方にあります。


ラベル平面化画像。
IMG_4275
ジェームズ・サックリングさん92点のシールあり。


さあ、抜栓。
IMG_4340
超無印。コルクもこの番号だけなので平面化はなしです。

Alc.14%。(pH:4.16、Brix:7.7)
エッジにかけて透けるガーネット。粘性の涙は細かめです。
IMG_4341

辛口アタックの前に酸性のブレット風味が飛び込んできます。
まあ、バローロあるあるかもしれないので、良しとしましょう。
ブラックベリー、アプリコット、鉄、黒鉛。
辛口アタック。
やはり酸がありますが尖ってはいないのでOK。
しなやかなテクスチャーをもつ味は程よい複雑味をたたえています。
喉元に張り付く収斂性は演出として悪くはないです。
ただし、余韻で甘みに気づきながらも、
そのタンニン分がしつこく残る気がします。

値段なりですが十分楽しめるバローロだと思います。
ただし、フォンタナフレッダにしては今ひとつな感じはします。


*****


Kirkland Signature
Barolo 2015
RRWポイント 90点


Terzetto Barolo 2014

得体の知れない無名バローロDOCGですが、2,000円ほどで売ってました。
過去のバローロバルバレスコの戦歴を見ると無名の方が意外とおいしい。(笑)
バローロDOCGであれば、木樽で18ヶ月、合計38ヶ月の熟成はしてるはずで、
ネッビオーロ100%も相まって、安くても間違いはないような気がします。


IMG_3524
ラベルには作り手の名前が全く書いていません。恥ずかしいのでしょうか?(笑)
ネットで調べると、モンフェラート(Monferrato)エリアにある、アスティ県
モンバルッツォというところの、創業から100年以上続くというスペローネ家。
1975年に本格的にワインづくりをスタート、1982年に新しい設備を導入して、
Tenute Neiratoの名前で元詰めをやっています。高品質に大量に生産することで、
コストパフォーマンスを追求しているそうです。なるほどね。


公式ページは今風でよく出来ていますが…。

今日のバローロは載っていません。Tenute Neiratoの名前も入ってませんからね。
仕方がないので、やはりネット情報に頼ります。
・ネッビオーロ 100%
自社畑は30haを持ちながら、それは取り扱いの10%に過ぎず、買いブドウが50%、
ワインでの購入が40%なんだそうです。
今日のバローロもバローロ地区のどこかの作り手のワインを仕入れてるのかも。
ただし、熟成は大樽で36ヶ月、ボトルで6ヶ月の計42ヶ月もやってるそうで、
バローロとしてはしっかりしたもののようです。


作り手訪問。カサロットというごく小さい集落の大部分を占めてます。
Neirano01
正門からは新しい施設が見えませんが、グラビティフローの最新式のようです。

公式ページでも「モンフェラート(Monferrato)の作り手」を強調してたので、
モンフェラート・エリアを含めた地図で位置関係を確認。エリアの真ん中です。
Monferrato01
ランゲのごとく広域のDOCで、ピエモンテ主要品種や国際品種の赤や、
コルテーゼ主体の白など、多様なワインが作られます。エリアとしては、
北がポー川まで、タナロ川周辺と、南がリグーリア州境までです。
1994年にDOC化と、ランゲDOCと同じタイミングでDOCになっています。
ランゲDOCはバローロ、バルバレスコを内包していますね。


ラベル平面化画像。
IMG_3383
「Terzetto」はトリオとか3人組のことです。ネーミングの由来は不明。
裏ラベルはインポーター兼用。Tenute Neirato とは全然書いていません…。


さあ、抜栓。
IMG_3523
合成コルクですが「BAROLO」と書いてあるだけ。
これの繰り返しなので平面化はしません。(笑)

Alc.14%。(pH:4.00、Brix:7.2)
エッジにかけてクリア感があるガーネット。そのエッジは褐変。
IMG_3525

ダークチェリー、ブラックベリー…。
芳ばしい香りがします。
樽香…ブレットではなさそう。
フレッシュな辛口アタック。
少し酸を感じますが味の厚みがあっていいですね。
酸が軽く感じさせるのか、サラッと終わる印象。
喉越しでパレットに張り付く収斂性のタンニンを確認。
余韻はそんなに長くないかな。

かなりおいしく楽しめるんですが、
やはり上等バローロとの差は感じます。(笑)



*****


Terzetto
Barolo 2014
RRWポイント 90点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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