Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

M.Chapoutier を含む記事

M.Chapoutier Saint-Péray Lieu-dit Hongrie 2018

このブログ、単なるテイスティング記録だけではなく、飲んだワインにまつわるバックグラウンドなど諸々を自分用のメモとする形で書いています。果てしないワインの世界をできるだけ網羅すべく日々いろんなワインを幅広く試そうとしています。つまりは「飲まなきゃ記事は書かない」というスタイルです。しかし、しかしです。今回超例外的ではありますが、飲んでないワインで記事を書きます。(過去DRCなんかは飲まずに書いてますが。笑)ローヌのいくつかのAOCが気にはなってるんですが飲めていないので。今回はAOCサン・ペレです。

IMG_1936
店頭での写真を使います。M. シャプティエのサン・ペレです。いいお値段でしょ。いずれ飲んだ暁にはちゃんとテイスティング記録をしたいと思いますが、今回はその下調べということで(笑)。

M. シャプティエは、エルミタージュを背後に控えるタン・レルミタージュの町に本拠地があるローヌの代表的な作り手です。ここはローヌ全域のワインも幅広く扱っていますが、ペイドックのお手頃なワインもたくさん作ってたり、その他、スペイン、ポルトガルのワイナリーを所有していたり、オーストラリアにも進出したりしています。ローヌの雄も手広いということですね。


公式ページはこちら。内容充実。世界中のネットワークの紹介もあります。


これが今日のワインの紹介ページです。

ワイン紹介も種類は多いはずですが、結構網羅していると思います。

・マルサンヌ 100%

ブドウは全房で圧搾します。発酵は天然酵母を使用。600Lの大樽で8ヶ月、タンクに移して更に2ヶ月の熟成です。この2018はパーカーおじさんが92点をつけています。

これが使われているマルサンヌMarsanne)です。
Marsanne
ルーサンヌ(Roussanne)と共にローヌの重要な品種です。コート・デュ・ローヌ(ヴィラージュ)ほか、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、サン・ジョセフのAOCではルーサンヌとマルサンヌが白ワインで認められており、シラー主体の赤ワインにもブレンドできます。(コート・ロティでは同様にシラーにヴィオニエがブレンド可でしたね。)今日のサン・ペレAOCルーサンヌ・マルサンヌからの白のみのAOCです。比率は問いません。今日のワインのようにマルサンヌ100%でもいいわけです。

ついでなので、ルーサンヌRoussanne)も貼っておきましょう。
Roussanne
シャトーヌフ・デュ・パプ、コート・デュ・ローヌ(ヴィラージュ)、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、サン・ジョセフ、サン・ペレの各AOCで使用が認められています。シャトーヌフ・デュ・パプ(赤・白あり)ではこのルーサンヌのみでマルサンヌは許されていませんのでご注意を。
そんなややこしいルーサンヌ・マルサンヌですが、実は2010年のDNA分析で親子関係が認められています。どっちが親なのか等ははっきりしていないようですが、この2品種は非常に近い親戚であることは間違いないようです。


AOC Côtes du Rhône と Côtes du Rhône Villages の範囲の違いを確認した時の地図です。これでローヌ全体の構成を見ます。AOCコート・デュ・ローヌ(左地図)は、北部ローヌ(Vallée du Rhône Nord / Septentrional)まで包含していることがわかりますが、AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(右地図)は南部ローヌ(Vallée du Rhône Sud / Méridional)にしかないことがわかります。また右の地図にはAOCコート・デュ・ローヌの対象コミューンの範囲を重ねてあり、ヴィラージュとは微妙に対象コミューンが違っているのがわかってもらえると思います。
Cotes-du-rhone-villages00
AOCサン・ペレは見えますでしょうか。AOCコート・デュ・ローヌの北ローヌ側、バランス(Valence)の町のローヌ川挟んだ対岸あたりですね。

AOCサン・ペレ周辺を拡大してみました。
Saint-Peray_AOC
地図に示したように、サン・ペレ(Saint-Péray)とトゥロー(Toulaud)の二つのコミューンが対象エリアです。サン・ペレのすぐ北側にコルナス(Cornas)がありますが、ここはシラー100%赤のみのAOCで、対象エリアはコルナスのコミューンだけです。

今日のワインは「Lieu-dit Hongrie」という畑からのようなので場所を探してみました。
Hongrie
オングリ川(Ruisseau de Hongrie)という小さな川がサン・ペレの町まで流れており、周辺にブドウ畑があるのでこの辺りなんじゃないかと。


店頭なのでエチケット平面化撮影はできません(笑)。
IMG_1898
サッポロビールのシールで、ユーロリーフ(Euro Leaf)、デメター(Demeter)、ビオディヴァン(Biodyvin)のマークが隠されてますね。めっちゃビオワインのようです。ああ、剥がしたい…(笑)。


*****


M.Chapoutier
Saint-Péray
Lieu-dit Hongrie 2018
WWWポイント--点



WhiteWhiteWine01

Marius by Michel Chapoutier Viognier 2019 Pay d’Oc

シャプティエのヴィオニエですが、コンドリューではありません。ローヌでさえありません。IGP ペイドックですから、いわゆるラングドック・ルシヨンのどこか産です(笑)。「Marius」というローレンジですが、ローヌ随一の作り手が手掛けるヴィオニエです。悪くないはず。

IMG_5552
M. シャプティエはローヌ、エルミタージュを背後に控えるタン・レルミタージュの町に本拠地がありますが、ローヌのみならず、今日のようなペイドックのワインもたくさん作ってます。スペイン、ポルトガルのワイナリーを所有していたり、オーストラリアにも進出しています。手広いですね。


公式ページはいつもお馴染み。今日の「マリウス」のシリーズもちゃんと載ってます。

データシートもあって素晴らしいです。内容は薄いけど。

別に「Marius by Michel Chapoutier」の専用サイトというのがありました。

専用サイトながらこっちはもっと情報が薄かったです。
・ヴィオニエ 100%
なんと手摘み収穫だそうです。畑は粘土石灰質で小石に覆われた斜面だそうで、なんとなくローヌっぽさを暗示してる感じです。低温浸漬後に発酵。熟成はステンレスタンクでシュールリーというのはわかりました。

作り手訪問は今日のワインがローヌじゃないので割愛。何度も行ってるしね。(笑)

ヴィオニエはフランス・北部ローヌのコンドリューの村が原産。今でこそかなり人気の高いヴィオニエですが、1990年代になって世界中で栽培されるようになるまでは絶滅危惧種(笑)でした。
Viognier
世界中に広まったヴィオニエですが、その昔の1968年は14haまで生産量も落ち絶滅寸前だったといいます。1985年頃でも32haしかなく、ほぼローヌのみでフランス外に出ていない品種でした。その後、評論家に注目され人気が高まり、1990年代になって世界中で栽培されるようになったそうです。
フランス以外では、アメリカとオーストラリアがかなり多いですね。その他は、アルゼンチン、チリに南アってところでしょうか。フランス国内は2018年のデータで6,740haもの栽培面積があり、さすが本国、世界でダントツ(世界の54%)のヴィオニエ生産国です。なるほど、ラングドックからも今日のようなこんなワインが出てくるわけです。


今日のワインの出どころは不明なので、ラングドック・ルシヨン地図を貼っておきます。
Languedoc_Roussillon
公式ページにもIGP ペイドック以外の手掛かりは載ってませんでしたから、もう全く絞り込みはできないわけです。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_5356
「マリウス(Marius)」さんというのは現オーナー、ミシェルさんのお祖父さんに当たる方だそうで、タン・レルミタージュに本拠地を置いたのがマリウスさんだそうです。ミシェル(Michel)さんのお父さんがマーク(Marc)さんで、3代に渡ってイニシャルが「M」。奇しくも(狙ってたのか?)会社名が「M. Chapoutier」のままでずっと行けてるのです。ただし、社名を「M. Chapoutier」に変えたのは先代のマークさんだそうで、そう意味ではこの「M.」は「Marc」の「M」ということになります。(笑)


さあ、スクリュー回転。
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キャップ無印です。ネックには「Marius by Michel Chapoutier」と入ってますが。

Alc.14%。(pH:3.84、Brix:5.3)
イエロー。
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白桃、白い花、花梨。
とろみのある辛口アタック。
青リンゴの風味も感じます。
苦味様のうまみも備え、
ヴィオニエらしい上品さを感じさせてくれました。

コンドリューほどではないですが、
ヴィオニエは安いのを飲んでも裏切りませんね~。


*****


Marius by Michel Chapoutier
Viognier 2019
Pay d’Oc
WWWポイント 79点


WhiteWhiteWine01

Jeanne Delépine AOP Luberon 2019 by Michel Chapoutier

やまやで見つけた、お手頃 AOP(Appellation d'Origine Protégée)リュベロン。
昔、感動の旅をしたリュベロン。ついつい名前に惹かれてしまいます。(笑)
ジャンヌ・デレパン? 初めて見ますが「by Michel Chapoutier」の文字を発見。
シャプティエなら大ハズレはないでしょう。(笑)


IMG_3557
「Jeanne Delépine」というブランドをネットで調べますがヒットせず。
ラベルにURLも書いておらず、お手上げです。これは困りました。

シャプティエの公式ページも見てみますが、やはり載ってません。

AOCリュベロンなら、La Ciboise AOC Luberon というのがあるのみです。
参考にこのワインの情報を参照すると…
・グルナッシュ
・シラー
いつもながら比率は不明。コンクリートタンクで6ヶ月の熟成です。


AOC Luberon は、1988年に「Côtes du Luberon」としてAOC認定を受けますが、
2009年に「AOC Luberon」のみに改称されたんでしたね。
AOCの総本山、I.N.A.O.(Institut National des Appellations d'Origine)のサイトで、
AOCリュベロンの規定を確認しておきましょう。
AOC Luberon は、赤・白・ロゼがありますが、赤の規定だけ書いておきます。

 ・グルナッシュとシラーで60%以上。
 ・シラーは最低10%は入れないとダメ。
 ・サンソーとカリニャンはそれぞれ20%を超えてはダメ。

今日のワインもグルナッシュ主体にシラーのブレンドってことでしょうね。


さて、
これで終わってしまうとつまらないので、リュベロンについて考えてみます。
前にも書きましたが、個人的にリュベロンがローヌなのに納得がいきません。
ローヌ川の支流、デュランス川(La Durance)で区分けしてるようですが…。
Luberon00
これも前に見つけた地図ですが、珍しく南部ローヌとプロヴァンスが一緒になってます。
まあ、南仏という括りでいくと、アヴィニョンあたりから南仏感バリバリです。
で、雰囲気とか文化とか、そういうもので分けるならリュベロンは絶対プロヴァンス!
と勝手に思ってるわけです。(笑)

リュベロンがローヌである一番の根拠は、たぶんこれです。
デュランス川(La Durance)までがヴォクリューズ県であること。
Vaucluse
でも、あえて言います。リュベロンはプロヴァンスと捉えるべきです。
ピーター・メイルの『南仏プロヴァンスの12ヶ月』はリュベロンが舞台です。
リドリー・スコット監督の『プロヴァンスの贈りもの』(ピーター・メイル原作!)
もそうですね。リドリー・スコットはプロヴァンスにワイナリー持ってますし…。

プロヴァンス風情の小さな村々が点在するリュベロン地方を俯瞰します。
なんと、ローヌどころか、半分がAOCヴァントゥーのエリアにあります。
Luberon_mem01
これは、ヴァントゥーとリュベロンの境をカラヴォン川にしているためです。
実際リュベロン地方は、南側のリュベロン山脈(Massif du Luberon)と
北側のヴァントゥー山から続く山塊とに囲まれた盆地のようなところです。
真ん中に流れる川で分断してはいけませんね。

リュベロンを旅行した時、一番印象に残ってるのがグルトという小さな村。
ゴルドやルシヨンなど有名どころの集落の方が立体的で見栄えがするんですが、
そんなに有名でない小さな村がかえっていい雰囲気なんですよね。
そこにあるレストランも小さくてかわいらしく、夕暮れにロゼと共に食事…。
Luberon_mem02
これぞプロヴァンスなのであります…。(当時撮った写真をコラージュ)

参考までに、AOCリュベロンの公式サイトを貼っておきます。


そして、ローヌワインの公式サイト内にあるリュベロンのページ


このローヌのサイトにあった地図です。リュベロンはめっちゃローヌなんだそうで。
Luberon02
「プロヴァンスのめっちゃええところ」とご自慢のようです。おい!(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_3547
これ以上の情報がなく残念。


さあ、スクリュー回転。
IMG_3554
当然ながらの無印キャップ。

Alc.14%。(pH:4.04、Brix:6.9)
紫が若々しいガーネット。
IMG_3556

チェリー、カシス、酸味を感じる香りです。
辛口アタック。
言うほどの酸味はなく、ひとまず安心。
軽めの味の芯は仕方がないとして、バランスは悪くないです。
余韻は、軽さと酸味を再確認しながら、やはり早めに店じまい。

特筆すべきものはないんですが、
まあまあイケてるデイリーワインって感じで。(笑)


*****


Jeanne Delépine
AOP Luberon 2019
by Michel Chapoutier
RRWポイント 87点


M. Chapoutier Condrieu Invitare 2016

ヴィオニエはちょこちょことお手頃なのを過去にも試してはいますが、
やはり「本家コンドリューを試さないという選択肢はないやろ?」ということで、
Condrieu AOC限定でネットを物色して、これをゲットしました。
ヴィオニエの芳香やリッチな味わいは経験済みですが、さて本物はどうでしょう。


IMG_3122
作り手はお馴染みのシャプティエ。ローヌじゃ間違いないところですね。
ただ、コンドリューAOCは140haほどの栽培面積で生産量も限られており、
人気も高いため、なかなかのお値段になっています。
ヴィオニエ100%で作れるAOCCondrieuChâteau-Grilletのみで、
過去にいくつか試したローヌの作り手のヴィオニエのモノセパージュは、
これらAOC対象地域でないので、Vin de Franceのカテゴリーでした。
ローヌのヴィオニエ100%でもCôtes-du-Rhône AOCにもならないんですね。

そんな本物コンドリューを味わう機会ですから、前々からやってみたかった、
ヴィオニエ頂点対決を実現しますよ! 対する挑戦者は、もちろん新世界、
オーストラリアのヤルンバのトップキュヴェ、The Virgilius Viognierです。
IMG_3118
オーストラリア最古の家族経営ワイナリーにしてヴィオニエの先駆者、ヤルンバ。
その頂点がオーストラリア、いや新世界のヴィオニエのベンチマークと言われる、
ザ・ヴェルギリウス・ヴィオニエ。お値段でもコンドリューに迫ります。(笑)
こちらの方の記事は次回別途に書きますが、勝負の行方はどちらでも触れます。


ヴィオニエはフランス・ローヌ地方北部のまさにコンドリューの村が原産地です。
ヴィオニエのみで作れるAOCはCondrieu AOCとChâteau-Grillet AOCのみで、他は、
コート・ロティのシラーとのブレンドのように補助品種として規定されています。
Vio01
世界中に広まったヴィオニエですが、過去1968年には14haまで生産量も落ち、
絶滅寸前だったといいます。1985年頃でも32haしかなく、ほぼローヌのみで、
フランス外に出ていない品種でした。その後評論家に注目され、人気が高まり、
1990年代になって世界中で栽培されるようになったそうです。
(フランス国内でも2018年のデータで6,740haもの栽培面積がありますね。)


シャプティエの公式ページでワイン情報を確認。

・ヴィオニエ 100%
樽熟はシュール・リーで8ヶ月。樽はローヌ伝統の600Lの大樽で、新樽率は15%。
残り85%は1~2年落ちです。
パーカーおじさんは、この2016年に93点をつけています。なかなかの評価ですね。


タン・レルミタージュのシャプティエは何度も行ってるので、訪問は割愛。
代わりにコンドリューの町に行ってみましょう。崖の上の畑から見下ろします。
ローヌ川も見えますね。畑はローヌ川右岸の花崗岩質の急な斜面にあります。
Condrieu01
ついでにシャトー・グリエ(Château-Grillet AOC)を訪問しておきます。
コンドリューAOCの中のヴェラン(Vérin)という村にあるシャトーですが、
シャトー単独でひとつのAOCになっています。言い方を変えると、
このシャトーがシャトー・グリエAOCのモノポールということになります。
わずか4ha弱の畑で、作られるのもヴィオニエのモノセパージュだけです。
周りはコンドリューAOCに囲まれてるので、もうコンドリューでいいじゃん!
(笑)と思ってしまいますが、2011年にあのシャトー・ラトゥールのオーナー、
フランソワ・ピノー氏がここを取得しています。価値があるんでしょうね~。


探せばやはり、コンドリューAOCの公式ページがありました。

シンプルですが情報は豊富。登録生産者は64ありました。もちろんシャプティエも。
以下のリンクをクリックするとCondrieuの詳しいマップがダウンロードできます。
地質分布や、畑名も載ってますが、あまり利用価値はなさそう。(笑)
Condrieuの詳しいマップ

公式ページに載っていた地図を使って、こんなまとめ地図を作ってみました。
Condrieu02
Condrieu AOCは以下の7つのコミューンが対象です。
(VérinとSaint Michel sur Rhôneの一部はChâteau-Grillet AOCですが。)
・Condrieu
・Vérin
・Saint Michel sur Rhône
・Chavanay
・St Pierre de Bœuf
・Malleval
・Limony
コンドリューのコミューンからずいぶん南側に広がってるんですね。
今日のワインのデータシートから、シャプティエのコンドリューの畑は、
Condrieu、Chavannay、Limonyの3つのコミューンにあることが判明。
コンドリュー全域に渡り3ヶ所に分かれてるようです。


最後にローヌ全体地図で位置関係を大きく捉えておきましょう。
Ventoux03
コンドリューとシャトー・グリエの位置関係が不正確ですね。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_2937
またインポーターラベルが微妙な貼り方をしてますね。


さあ、抜栓です。
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見慣れたキャップシールです。コルクもコンドリュー専用です。

コルク平面化。
IMG_3120
きっちりミレジムが横に打ってあります。

Alc.13.5%。(pH:3.59、Brix:6.0)
ゴールドイエロー。
IMG_3121

白い花、花梨、黄桃か南国フルーツ。
香りはきつくないけど、多めです。
辛口アタック。
きれいな滑らかな酸のベールを感じながら、
ネーブル的な柑橘系の味わいが広がります。
軽く爽やかかと思うと、芯にボリューム感がある感じ。
絶妙なうまさと言っておきましょう。
白ワインの最高点をつけておきます。

さて、ヤルンバのThe Virgilius Viognierとの勝負ですが、結論は互角。
写真を見てわかるようにコンドリューの方が色が濃いですが、
味わいは逆にヤルンバの方が濃い目・強めの主張がありました。
IMG_3130
ヴィオニエの共通項は感じつつも、その味わいの方向性は大きく違いました。
でも、どちらもおいしく、どちらも「正解」と言えると思います。
ヤルンバのテイスティング結果は次回の記事にて詳しく書きます。


*****


M. Chapoutier
Condrieu Invitare 2016
WWWポイント 80点



WhiteWhiteWine01

M.Chapoutier La Ciboise Costières de Nîmes 2017

AOC Costières de Nîmesは名前は知ってるものの今までご縁がありませんでした。
ずいぶん前ですが、夏のバカンスシーズンに南仏をレンタカー旅行していた時に、
アヴィニョン中のホテルが満室で、アルルまで移動して探すも、また満室。
結局、夜中走り回って最後にニームのオンボロ宿にありついたということがありました。
予定になかったニーム滞在でしたが、町自体はすごくいい印象の町でした。
それ以来、ニームと名の付くこのAOCのワインを飲みたいなと思っていました。
やまやの店頭でシャプティエのAOCコスティエール・ド・ニームを発見。即買いです。


IMG_1223
マイナーAOCだからか、本国でも6.46ユーロととってもお手頃価格。


シャプティエの公式ページはいつもながらセパージュの%が載ってません。

おそらく書いてある順番が比率順だと思われます。
・グルナッシュ
・シラー
・ムールヴェードル
・サンソー
・カリニャン
熟成はコンクリートタンクで6ヶ月。


タン・レルミタージュのシャプティエは何度も行ってるので、訪問は割愛。
代わりにニームへ行ってみましたが(ストビューで…笑)当時の面影はないような…。
当時撮ったフランスの旅行写真です。ニームの写真が1枚だけありました。
 
有名でない町でも南仏の地方都市はいいもんです。ワインもね。


さて、AOC Costières de Nîmesを調べてみます。この地図で確認。
南部ローヌとは言え南西の端っこ。ほとんどラングドックの域です。
実際、ラングドックのAOCとして分類されることもあるようです。
Nimes01
この地図、2016年昇格したケランヌがまだCôtes-Du-Rhône-Villagesのままですね。

恒例ですが、AOC Costières de Nîmesをニーム周辺のGoogle Mapに転記します。
Nimes1
一晩中走り回ったので位置関係は把握してます。しかし景色は記憶になし。(笑)

AOC Costières de Nîmesの公式ページもあります。



エチケット平面化画像。
IMG_1189


さあ、抜栓。
IMG_1216
キャップシール、コルクのミレジム、基本が出来ていますね。

コルクも平面化。
IMG_1218
ここにはAOPと表記。

Alc.14%。
濃いガーネット。
IMG_1221

ブラックベリー、カシス。
ふっとフォクシーフレーバーを感じましたが?
辛口アタック。
軽さもありますが複雑味も感じます。
もう少し滋味っぽいものもあればよかったんですが。
余韻の最後まで乾いた軽さを感じるのは、
値段相応ってことでしょうかね。
まあ、充分シャプティエに期待するうまさはあります。
ジゴンダスラストーの方が数段上でしたが。


*****


M.Chapoutier
La Ciboise
Costières de Nîmes 2017
RRWポイント 88点


M.Chapoutier Hermitage Monier de la Sizeranne 2009

とうとう来ました、シャプティエのエルミタージュです。
あまり偉いワインではないですが、ハーフでお試しです。
シャプティエはお手頃なものからどれを試しても、かなりおいしいので、
ついつい上の方まで極めようかという気になってくるわけです。(笑)


IMG_7641
エルミタージュが本拠地のローヌの代表的な作り手です。
そこのエルミタージュはやはり試しておかなくては、ですね。


公式ページで素性確認。
セパージュは、シラー100%。
熟成は18ヶ月ですが、オーク樽は85%のみで、
残り15%はコンクリートタンクだそうです。
クローズ・エルミタージュとは比率が逆ですね。
同じく、ブドウのミネラル感と新鮮味が出るんだそうで。

インポーターの日本リカーのサイトも情報充実です。
パーカーおじさんが100点を41回(※)つけた実力派と書いてます。
(※2018年4月現在)ゴイゴイスー!
今日のエルミタージュ2009年はパーカーおじさん90点ですが。(笑)
(因みに、2010年:91点、2011年:92点、2012年:90点、2013・2014年:92点、2015年:95点)


さあ、エルミタージュに行ってみましょう。
NorthernRhone
まずは、ローヌ北部を俯瞰してみます。(再掲ですが…)

ググっとエルミタージュにズームインです。
Crozes-Hermitage01
シャプティエの本拠地はエルミタージュのすそ野、
タン・レルミタージュの町の中でしたね。(これも再掲画像…)

シャプティエはエルミタージュで最大の畑所有者です。(34ha)
今日のエルミタージュも「les Bessards」「le Méal」「les Greffieux」の
3つの畑からの混醸ということですので、その辺りに降り立ちました。
(クリックで拡大して畑の位置をご確認ください。)
Hermitage01
テロワ~ル!(ハンバーグ師匠の感じで)


エチケット平面化画像。
IMG_7631
このワインはビオディナミで作られています。
裏ラベルに、ABマーク、BIODYVINマーク、そして鬼門の(笑)
デメター認証マークまでありますね。


さあ、抜栓です。
IMG_7639

Alc.14%。
濃いインキーなガーネットです。
ブラックチェリー、スパイス。
重口の味が乗ったアタックはうまさの予感。
酸味が表層を包んでフレッシュさを演出し、
ボディには深み・奥行きが申し分なくあります。
中心に滋味がある感じですね。
喉元のタンニンは控えめでなめらか。
その後、貫禄の余韻が続きますが、
少し酸味が残るのが気になります。
全体を引き締めてると思えば許容範囲。
しかし、これは実はビオディナミからくる酸ではないかと、
すこ~し疑ってしまいますが。(笑)


*****


M.Chapoutier
Hermitage Monier de la Sizeranne 2009
RRWポイント 95点


M.Chapoutier Crozes-Hermitage Les Meysonniers 2016

シャプティエも下の方から色々試してきましたが、
いずれもなかなかのクオリティで、信頼の作り手と言えますね。
今日はまた少しグレードアップして、クローズ・エルミタージュです。


IMG_8236
エチケットも上等な感じです。点字も健在。


公式ページでチェックします。
一応ミレジムごとにデータが書かれています。
セパージュは、「シラー」とだけ書いてます。100%でしょうね。
12ヶ月熟成ですが、樽は15%のみ、85%はコンクリートタンク。
この方がフレッシュでミネラル感が保たれるそうです。
ブドウの樹齢は25年以上、ユーロ・リーフ認証のオーガニックです。


前にも訪問しましたが、本拠地はタン・レルミタージュの町の中。
Crozes-Hermitage01
エルミタージュは町のすぐ北側斜面です。(赤線で囲った部分)
クローズ・エルミタージュはエルミタージュを囲むように、
その北側と南東側に大きく広がっています。

北部ローヌ全体で見ると、こういう位置関係ですね。
NorthernRhone
(ギガルの時に作成した地図の再利用です。笑)


エチケット平面化画像。
IMG_7842


さて、抜栓といきましょう。
IMG_8237

コルクも平面化撮影しておきます。
IMG_8240
横にも腹にもミレジム表示。たいへんよろしい。

Alc.13%。
濃いガーネットです。
IMG_8233

カシス、ブラックベリー、ハーブ、ミント、茎っぽさも?
辛口アタックです。
生き生きした酸とタンニンに包まれて、
味も立体感あっていいですね。
酸のお陰か、重々しくない爽やか余韻が続き、
うまみ続いたあとにフィニッシュ。
かすかに香草の様な後味が残ったのはご愛嬌。

91点と判断しましたが、
またしてもパーカーおじさんと同じ。(笑)


*****


M.Chapoutier
Crozes-Hermitage Les Meysonniers 2016
RRWポイント 91点


M.Chapoutier Gigondas 2016

Pays d’Oc」→「Côtes du Rhône」→「AOC Rasteau」と、
底辺から順に上がってきました、シャプティエです。
今日もワンランク?上がって「AOC Gigondas」ジゴンダスだす。
過去、E.ギガルのジゴンダスもかなりいけてましたね。


IMG_7150


公式ページでワイン情報を見ます。

やっぱりセパージュの比率は書いていません。
大部分がグルナッシュ、後はシラー、サンソー、ムールヴェードル。
樽熟は、一部をオーク樽で12~16ヶ月。まあ、軽めですね。


シャプティエ自体はタン・レルミタージュにありますので、
今日はジゴンダス方面へ。
Gigondas1
ここから真っすぐでジゴンダスへ向かいます。一面畑です。
あちこちでドメーヌが直販ショップやテイスティングをやってます。
あとはめいめいでストビュー散歩をお楽しみください。(笑)

ローヌ南部のAOCの場所をジゴンダス含め確認しましょう。
Chap01
何回か同じような地図を描いてますが、重複ですね。(笑)
ま、勉強と思ってやってます。


エチケット平面化画像。点字も健在です。
IMG_6619
ネックシールはバーコードの部分に貼り付けておきました。


さあ、抜栓。
IMG_7149

Alc.15%。
濃いガーネット。
黒ベリー、プラム、ブラックチェリー。
うま味アタックです。
圧倒的な構造感じゃないですかね。
タンニンが喉を心地よく刺激します。
余韻も変わらぬうまさのまま長く楽しめる感じです。
やはり、ジゴンダス、間違いないだす。
(ちなみにパーカーおじさんは92点。)


*****


M.Chapoutier Gigondas 2016
RRWポイント 95点


Marius by Michel Chapoutier 2017

今日は嫁の実家でタコパをするので、途中のスーパーでこれをゲット。
前からちょっと気になっていたシャプティエの激安ワイン。
イズミヤで980円なり。(笑)


IMG_6719
飲み残してきたやつを自宅で撮影。よって半分以上空いてます。(笑)


さて、こいつの素性を調べますよ。
M.Chapoutierの公式ページの方が情報は多いですが、
www.mariusbymichelchapoutier.comという専用サイトもあります。
しかしながら、結局セパージュ比率はわかりません。
グルナッシュ、シラーのブレンドというだけです。
樽熟は、記載がなくてもやってないでしょうね。

グルナッシュの方が先に書いてあるのでグルナッシュ多めと思いきや、
mariussyrah
あれれ!公式ではグルナッシュ・シラーの順ですが・・・

今日のいただくやつはシラー・グルナッシュの順に書いています。
(エチケット平面化画像。最廉価ラインでも点字付きです。)
IMG_6714
ということは2017年はシラー主体にブレンドしたってことでしょうか?
う~ん、ブレンド比率は書いておいてほしいですね~!


裏ラベルのフランス語の方の説明で、
現当主ミシェル・シャプティエ氏のおじいさんがマリウスさんだとわかります。
「また飲みたくなるのがいいワインなんだよ。」が口癖だったそうで。
ミシェルさんで7代目ですから、代々ワインづくりを受け継いできたんですね。

さて、このワイン、
「Vin de Pays d'Oc」でして、いわゆるIGPラングドックですが、
「ローヌのシャプティエがローヌの代表品種グルナッシュとシラーを
醸してるんだから間違いない。」
というようなことを裏ラベルや公式サイトでやたら喧伝しています。
「ラングドックなんだけどローヌっぽいよ」と言いたいんでしょう。
やはりラングドックよりローヌの方が格が上なんでしょうね。

IGPラングドックのエリアがわかりやすい地図を貼っておきます。
Paysdoc


さて、スクリュー回転。
Alc.13.5%。
濃いガーネット。
黒ベリー、チェリー。
辛口アタック。
軽めですね。
味の厚さの物足りないミドルボディ。
余韻も凡庸。

値段なりではありますが、
タコ焼きといっしょに充分楽しめます。


*****


M.Chapoutier
Marius by Michel Chapoutier 2017
RRWポイント 86点


M.Chapoutier Rasteau 2014

シャプティエのAOCラストーです。
シャプティエは「Pays d’Oc」、「Côtes du Rhône」と、
底辺から順に上がってきました。(笑)
やっと今日は、地区名AOCまで来ましたよ。


IMG_6525
まだまだ上にはジゴンダスやらシャトーヌフ…やらありますが、
このラストーにパーカーおじさんは91点をつけています。
けっこういいレベルまで来たんじゃないでしょうか。(笑)


公式ページでデータを見ます。
セパージュは、
「グルナッシュとシラー」とだけ書いてあって比率は不明です。
「最近はムールヴェードルも混ぜてます」なんて書いてあって、
真相は皆目わかりません。
ラストーでは普通グルナッシュ100%だそうですから、
ほぼグルナッシュ主体なんだと思いますが。

樽熟成はなし。タンクのみで12~16ヶ月だそうです。

ラストーはローヌ南部にあります。位置を確認しましょう。
RAS01
オランジュとローヌ川と各AOCの位置関係を把握できたでしょうか?
これらAOC以外にも畑がたくさん見えますが、
これらが広域AOCの「コート・デュ・ローヌ(Côtes de Rhône)」、
もしくは「コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(~ Villages)」
になるわけです。

ラストーの集落周辺もまわってみました。やはり周囲は畑です。
RAS02
町中は、教会と小さなスーパーやワイン屋さんがあるくらい。
雰囲気はいいので観光で訪れてみたいもんです。


恒例のエチケット平面化画像。
IMG_6504d
今日はミレジム表示のネックシールと一体化してみました。
右上に黒地が余るのでイマイチですね。


さて、抜栓。コルクは「RASTEAU」名入りです。
IMG_6527
見えにくいですがコルクの両端には「2014」と刻印されてます。

Alc.14%。
濃いガーネット。
割と涙ははっきりしています。
黒ベリー、プラム。
うま味と一緒に来るアタックですね。
ビロードのようなタンニンが味を包みながら、
パレットの中に広がっていく…のに感動を覚えます。
そのまま、喉にかすかで心地よい収斂性感じながら、
うっとりするような余韻に入っていきます。
この一連の連鎖が全く重々しくないのが素晴らしい。
樽熟してないからでしょうか。

パーカーおじさんはこれに91点?
嘘でしょ?
僕は95点。


*****


M.Chapoutier Rasteau 2014
RRWポイント 95点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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