Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

セカンドラベル

Château d’Arsac Le Kid de d’Arsac 2018 Margaux

ル・キッド・ダルサック? 子供の描いたようなシャトーのイラストと相まって目を引きました。これはシャトー・ダルサック(Château d'Arsac)のセカンドだろうとピンときました。Les Hautes~とか、Petit~だけでなく、ボルドーのシャトーはいろいろと工夫を凝らしてセカンドラベルのネーミングを考えているようですが、Kid(子供)ときましたか。これは面白い。

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シャトー・ダルサック(Château d'Arsac)は、AOCマルゴーの対象のコミューンであるアルサック村(Arsac)にある、歴史も12世紀にさかのぼるというメドックでも最古のシャトーの一つです。荒廃したシャトーを1986年にネゴシアンであったフィリップ・ラウー(Philippe Raoux)さんが取得し、10年間かけて改修と近代化を進め、シャトーを再興させます。畑も112ヘクタールまで広げ、1995年にはそのうちの54ヘクタールがAOCマルゴーとして認定され(残りはオー・メドックのようです。)、新たなシャトー・ダルサックの歴史が始まっています。

ラインナップとしては、AOCマルゴー(Margaux)のシャトー・ダルサックと、AOCオー・メドック(Haut-Médoc)のル・モンテイユ・ダルサック(Château Le Monteil d’Arsac)があり、これらとは別に、セカンドラベルとしてリュバン・ブルー・ダルサック(Ruban Bleu d’Arsac)というのがありました。これもオー・メドックでしたが、2018年よりファーストと同じくAOCマルゴーとなり、その名もル・キッド・ダルサック(Le Kid de d’Arsac)として再スタートしたのが今日のワインとなります。

シャトー・ダルサックは、メドック格付け(1855年)のシャトーではないですが、2020年にクリュ・ブルジョワ連盟が新たに発表した新クラス分けでは最高峰のクリュ・ブルジョワ・エクセプショネル(Cru Bourgeois Exceptionnel)に選出されています。(クリュ・ブルジョワ連盟の公式サイトに2020年のクラス分けのリストがあります。ご確認ください。)

公式ページは新しいワイナリーのごとくモダンな感じに仕上がっています。

ただ、今日のワイン、セカンドラベルが載っていません。ショップにチラっと写真があるだけ。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 72%
・メルロー 28%

セパージュは裏ラベルに載ってました。その他詳細はネット情報ですが、熟成は30%を新樽で、残り70%をタンクで12ヶ月のようです。総量の3割だけですが新樽使用というのが面白いですね。(ファーストラベルは全量の50%を樽熟するようです。新樽率は50%。)

さあ、シャトー・ダルサックを訪問します。う~ん、敷地の中へ入れないですね。
ChArsac01
遠くからでも立派なシャトーが見えます。手前には大きな池がありますね。外壁以外は全部ゼロから改修したそうです。シャトー正面に、斜めに鉄筋のようなものが立て掛けてありますが、エチケットのイラストにも斜め棒が描いてありました。敷地内にはたくさんのアート作品が飾られているんですが、この棒もアート作品なのでしょうか。真相は調べてもわかりませんでした。


INAOの地図を拝借して、AOCマルゴーの対象コミューンを見てみます。
Margaux
マルゴー村だけでなく、スッサン(Soussans)、カントナック(Cantenac)、ラバルド(Labarde)、アルサック(Arsac)が対象です。ただし、マルゴー村とカントナック村は2017年に合併して「マルゴー・カントナック(Margaux-Cantenac)」という新しいコミューンになっています。

例によって、AOCマルゴーをGoogle Mapに転記しておきましょう。
AOC_Margaux_Communes
アルサック村のシャトー・ダルサックの場所も書き込んでいます。アルサックにはシャトー・デュ・テルトル(Château du Tertre)という格付け第5級のシャトーもありましたね。非常に見にくいですが、AOCマルゴーのメドック格付け(1855年)シャトーの所在にそれぞれのロゴを貼っています。格付けシャトーがいかにマルゴー・カントナック村に集中しているかがわかります。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルに「ボク、キッド・ダルサックだよ。お父さんの自慢の息子なんだ。」などとフランス語でのたまっています。しかし、イラストの斜め棒。本物のシャトーにもあるとは。謎~。

インポーターシールは控えめに下の方に貼ってありました。
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裏ラベル隠さないのは偉い。


さあ、抜栓。
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ネックにもイラストがありますね。

コルク平面化。
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このイラストは…コルクは専用品ってことですね。

Alc.13.5%。
ガーネット。大きさ中程度の色つき涙。
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黒ベリー、ダークチェリー。
確かに新樽っぽい樽香はごく微か。
辛口アタック。
ちょうどいい酸を感じます。
ふくらみ感じるストラクチャーに、
一定の複雑味がそこそこ詰まっています。
それが何だか、ま~るいキッド(子供)の雰囲気。
程よいタンニンが加わりながらじんわりの余韻へ。

2018のファーストはパーカーおじさん91点です。
AOCマルゴーで登場したこのセカンド、
ファーストヴィンテージの2018は成功のようです


*****

Château d’Arsac
Le Kid de d’Arsac 2018
Margaux
RRWポイント 92点


Château Meyney Les Hauts de Meyney 2013 Saint-Estèphe

シャトー・メイネイ(正しい発音は「メネ」と思われますが…)のセカンドを見つけたのでお試しです。サン・テステフではあるものの、いわゆるメドックの格付けシャトーではないのですが、その昔に読んだ「ボルドー・ワインの宝庫を訪ねて」というガイドブックに載っていたので記憶に残っていたシャトーです。2013年というところが少し気がかりですが…。

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平屋建てで、派手なシャトーではないのですが、17世紀から続くという由緒正しいところです。サン・テステフのジロンド川沿い、メドック格付け第2級シャトー・モンローズのお隣さんという好立地に51haもの畑を有しています。反対側の隣にはシャトー・フェラン・セギュールがあります。パーカーおじさんはこのところ90~92点あたりをコンスタントにつけているのでそこそこの水準で安定した作り手と言えるでしょう。2013年はやはり厳しかったのか87-89点ですが。あっ、今日はそのまたセカンドでしたね(笑)。

公式ページは工事中の表示がありますが、少しは動くようです。
ワイン情報は貧弱なのでどうしようかと思ったら、裏ラベルにかなり詳しく書いてました。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 69%
・メルロー 31%

シャトー・メイネイのセカンドは本来「Prieur de Meyney」という名前のはずですが、この裏ラベルには確かに「le 2ème vin(セカンドワイン)」だと書いてますので間違いないでしょう。「La Chapelle de Meyney」っていうのもあります。手摘み収穫、フレンチオーク樽で12ヶ月の熟成をしています。

サン・テステフへ行ってシャトー訪問。おっと、ストビューで近寄れません。
Meyney02
仕方がないので、街道沿い側とジロンド河畔側と2方向から眺めてみました。

AOCサン・テステフ全体を俯瞰して場所を確認しましょう。
Meyney03
メドック格付け61シャトーのうち、サン・テステフには5つしかないので簡単です。

(第2級)Château Montrose(モンローズ)
     Château Cos d’Estournel(コス・デストゥルネル)
(第3級)Château Calon Ségur(カロン・セギュール)
(第4級)Château Lafon-Rochet(ラフォン・ロシェ)
(第5級)Château Cos Labory(コス・ラボリ)

以上の合計5つになります。黄下線していますので地図上でも確認してください。

ところで、今日のシャトー・メイネイはこのメドック格付け(1855年)のシャトーではなかったですね。実はこの格付けに対抗する形で「クリュ・ブルジョワ(Crus Bourgeois)」という、ボルドー商工会議所とジロンド農業会議所が1932年に始めた格付けがあります。その中にクラス分けも存在し(一時、1988年からクラス分けが廃止された時期もありますが)、2003年にはシャトー・メイネイも「Cru Bourgeois Supérieur(クリュ・ブルジョワ・スペリュール)」に格付けされました。

<以下の3段階のクラス分けがありました。>
Cru Bourgeois(クリュ・ブルジョワ)
Cru Bourgeois Supérieur(クリュ・ブルジョワ・スペリュール)
Cru Bourgeois Exceptionnel(クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル)

ところが、この格付け、審査団に審査されるシャトーの当事者が含まれていたことで公平性に問題ありとして、2007年にこの格付けを認めた省令を無効とする判決が出ます。ここからクリュ・ブルジョワの格付けは混沌としていきます。同年にクリュ・ブルジョワ連盟(Alliance des Crus Bourgeois du Médoc)という団体が新たに組織され、一度は禁止されたクリュ・ブルジョワの格付け表示を復活へと動き出します。中のクラス分けは廃止され「クリュ・ブルジョワ」のみ表示が許されるようにはなりますが、2003年の格付けでスペリュールやエクセプショネルのクラスを獲得していたシャトーは「あほらし」と言って(フランス語でそう言ったかは定かでないですが…笑)連盟から脱退していきます。おそらく今日のシャトー・メイネイもこの時に抜けているんじゃないかと思います。なぜなら、2020年にクリュ・ブルジョワ連盟が新たに発表した新クラス分けにはシャトー・メイネイの名前がないからです。

クリュ・ブルジョワ連盟の公式サイトに2020年のクラス分け(2018年のヴィンテージから適用になるようです。)のリストがあります。確かにシャトー・メイネイの名前は見当たりません。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルにしっかり解説があって好感が持てます。インポーターシールもそれを隠さず偉い。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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Alc.13%。
ガーネット。褐変はそんなにないです。
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黒ベリー、胡椒、しっとりした果実香。
熟成香はありますが木樽のヌルッと香はないです。
若干酸味のある辛口アタック。
軽さはありますが程良い複雑味・レイヤー感は好印象。
喉越しで酸が雑味となって邪魔をするのが若干惜しいかな。

やはり2013の呪縛でしょうか(笑)、
余韻も早仕舞いに感じます。


*****

Château Meyney
Les Hauts de Meyney 2013
Saint-Estèphe
RRWポイント 88点


Clos Apalta Le Petit Clos 2015

チリワイン・ウィークと言いますか、チリワイン・アップデートを主眼にこの1週間集中してチリの特徴的なワインをおさらいのように試してきました。最終日の今日は締めくくりにチリワインの頂点のようなのをいただきたいと思うんですが、セーニャアルマビバ(カルメネール縛りなら、KAIカルミン・デ・ペウモ)ではなく、ラポストルのプレミアム・ブランド、クロ・アパルタ(Clos Apalta)をいただこうと思います。ただし、都合によりそのセカンドである、ル・プチ・クロ(Le Petit Clos)になりますことご了承ください(笑)。

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作り手のラポストルですが、グラン・マルニエ(Grand Marnier)というオレンジ・リキュール(オレンジキュラソー)を1880年に売り出して大成功したフランスのマルニエ・ラポストル社というのがありまして、その創始者のひ孫にあたるアレクサンドラ・マルニエ・ラポストルさん(Alexandra Marnier Lapostolle)と、夫のシリル・ド・ブルネさん(Cyril de Bournet)が、ワインの産地としてチリの土地に惚れ込み、1994年に創設したワイナリーです。紋章やコルクの刻印なんかに「1827年創立」と入っていますが、これはフランスで最初にフルーツリキュール蒸留所を設立した年です。ちょっと盛りすぎですね(笑)。
クロ・アパルタは、あの世界的に有名なコンサルのミシェル・ロランとの共同プロジェクトとして1997年に始まったそうですが、畑はラポストルがアパルタ地区に持つ最上の部分で、専用のワイナリーもその畑の一番奥の斜面に新設されています。通常のラポストルのラインとは別扱いで、ブルネ・ラポストル家(la Familia Bournet-Lapostolle)のドメーヌ「Domaines de Bournet-Lapostolle」という表示になっています。
いずれにせよラポストルは「自らのルーツであるフランスのワイン作りを恵まれたチリの土地で実践する」というのが当初からのポリシーで、それがそのワインのスタイルに表れています。

ラポストルの公式ページ。情報量もあっていいんですが、ここにクロ・アパルタは載ってません。


クロ・アパルタ(Clos Apalta) 専用サイトがこちらです。

クロ・アパルタとセカンドのル・プチ・クロの二本立てです。今日の2015を比較してみます。

Le Petit Clos 2015
・カベルネ・ソーヴィニヨン 49%
・カルメネール 47%
・プチヴェルド 4%

結構年ごとにセパージュは変わります。カルメネール多めで、2018年は53%もカルメネールが入っています。全量フレンチオークの桶で天然酵母で発酵させます。その後、新樽率100%のフレンチオーク樽に移しマロラクティック発酵をさせ6ヶ月の熟成。その後、ロットの選別を行い新樽率22%(1年落ち49%、2年落ち29%)の樽に移して更に17ヶ月の熟成をします。清澄・ろ過なし。

Clos Apalta 2015
・カルメネール 46%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 19%
・メルロー 19%
・カベルネ・フラン 5%

こちらはがっつりカルメネール主体です。常にカルメネール多めで最大78%のときもあり、ファーストであるクロ・アパルタはもはやカルメネール・ブレンドということができるでしょう。全量の95%をフレンチオークの75hlの大樽で、5%をフレンチオークの新樽で発酵させます。その後、全量フレンチオーク新樽に移しマロラクティック発酵をさせ5週間置きます。その後、新樽率100%のフレンチオークのバリック(225L)に移して26ヶ月の熟成をします。清澄・ろ過なし。

発酵からすべてオーク樽です。セカンドのル・プチ・クロであってもかなり贅沢な樽使いですね。ちなみにパーカーおじさんの評価は、Le Petit Clos 2015 が93点、Clos Apalta 2015 が95点になっています。そして驚くのは、ジェームス・サックリングおじさんが Clos Apalta 2015 になんと100点をつけていることです。

ワイナリーへGO! コルチャグア・ヴァレー、サンタ・クルスのアパルタ地区です。
Clos_Apalta01
かなりの高台、斜面なのがわかります。当然グラビティ・フローの最新式です。プールも見えますが、ホテルが併設されていて宿泊して最高のワイン体験ができるようです。

ちょっと範囲を広げて、ラポストルや畑との位置関係を見てみましょう。
Apalta01
クロ・アパルタはティンギリリカ川と山裾の間の最高の立地なのがわかります。モンテスやベンティスケロなども隣にアパルタの畑を持っているのがわかりますが、この上空写真を見る限りクロ・アパルタが最上でしょう。

サンタ・クルスの町の東側に広がるこれらの畑ですが、今日のワインに「Valle de Apalta D.O. Valle de Colchagua」とあるように、コルチャグア・ヴァレーのサブリージョン「D.O. Apalta」になります。以前の記事でも触れていますが、「アパルタ」は2018年にコルチャグア・ヴァレーのサブリージョンとして単独のDO(Denominación de Origen)に昇格しています。チリの官報で確認できますが、同時に4つのDOができています。以下に列記します。

Apalta DOアパルタ):Colchagua Valley <Entre-Cordilleras>
Los Lingues DOロス・リンゲス):Colchagua Valley <Andes>
Licantén DOリカンテン):Teno Valley(Curicó Valley)<Costa>
Lo Abarca DOロ・アバルカ):San Antonio Valley(Aconcagua Valley)<Costa>

4つとも過去にすべてクリアしてますので上記に名前に当該記事のリンクを張っています。
<Entre-Cordilleras><Andes><Costa>等は DOに付記できる以下の3つの地理的条件の区別です。

 ・Costa(コスタ =海岸)
 ・Entre Cordilleras(エントレ・コルディジェラス =山脈の間の平地部分)
 ・Andes(アンデス =アンデス山脈)

リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O’Higgins)の地図でコルチャグア・ヴァレーのアパルタの位置を確認。
Libertador_O'Hinggis_Rio
クロ・アパルタのあるところがすなわち「DOアパルタ」ということになります。

さらに範囲を広げてセントラル・ヴァレー(Valle Central)を俯瞰します。
Region_Viticola_del_Valle_C
マイポ、ラペル(カチャポアル+コルチャグア)、クリコー(テノ+ロントゥエ)、マウレ(クラロ+ロンコミージャ+トゥトゥベン)までの広範囲がバジェ・セントラル、すなわちセントラル・ヴァレーに相当します。この地図はDOに付記できる3つの地理的条件の区別がわかるようになっています。アパルタは、Entre Cordilleras(エントレ・コルディジェラス =山脈の間の平地部分)ですね。


ラベル平面化画像。
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エチケットのイラスト何かと思っていましたが、やはりワイナリーの奇抜な外観でしたね。

上等ワインらしく紙で包まれていました。そのまま平面化してみました。
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インポーター、ファインズの設定価格では、クロ・アパルタが 18,500~20,000円。ル・プチ・クロが 6,500円です。セカンドとはいえクロ・アパルタと遜色のない作りでこの価格(1/3)はお値打ちと言えそうです。


さあ、抜栓。
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ネックまわりも高級感あり。

コルク平面化。
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コルクはクロ・アパルタと共用かもしれませんね。

Alc.14.5%。
濃いガーネット。中程度の大きさの粘性の涙は心なしか色つき。
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黒ベリー、ダークチェリー、スパイス。
かすかな濡れ木感のあるかぐわしい樽香。
青みっぽさもフッとしました。
鈍い酸をまといながらの辛口アタック。
すぐに構造感のある骨格を実感します。
酸とタンニンが拮抗するのがわかるいいバランス感。
喉越しの前に甘やかさも発見し、
余韻は崩れもなくしっかり続く。

素晴らしい。ため息が出ます。
このル・プチ・クロはほぼ半分カルメネールなんですよね。
これはやはり…
「ほとんどカルメネール」のクロ・アパルタを試さないといけないですかね。


*****


Domaines
Bournet-Lapostolle
Clos Apalta
Le Petit Clos 2015
RRWポイント 98点


Viña Errázuriz Villa Don Maximiano 2017

チリの名門のひとつ、エラスリス。そこのアイコンワインとして君臨するのが「Don Maximiano Founder's Reserve」なわけですが、そのセカンドワインが出てることに気が付きました(笑)。「ビジャ・ドン・マクシミアーノ(Villa Don Maximiano)」という名前です。2016がファーストヴィンテージのようですね。早速お試ししようとお取り寄せです。

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ビニャ・エラスリスは1870年にドン・マクシミアーノ・エラスリスさんがアコンカグア・ヴァレーに創設した歴史あるところです。現当主のエドゥアルド・チャドウィック氏の手腕(ベルリン・テイスティングなどの奇策とか…。笑)により世界にその名をとどろかせています。
エラスリスのフラッグシップと言えば、そのベルリン・テイスティングでセーニャと共にボルドー5大シャトーほかをなぎ倒した「ビニェド・チャドウィック(Viñedo Chadwick)」なんですが、このワイン、今調べるとエラスリスのラインアップから外れ、単独のワイナリーのごとく個別のサイトになっています。つまり「エラスリスの~」じゃない売り出し方というわけです。

ラポストルのクロ・アパルタも単独化してましたね。マーケティングのにおいを感じます(笑)。

エラスリスの公式ページはこちら。

ラインアップすべてヴィンテージ毎のデータシート完備で素晴らしいです。

・シラー 28%
・カベルネ・ソーヴィニヨン 25%
・マルベック 20%
・カベルネ・フラン 17%
・ムールヴェードル 10%

ファーストの Don Maximiano Founder's Reserve はがっつりカベソー主体だったのが、セカンドはカベソー率がかなり下がっていますね。この2017なんかは逆転してシラーが最多になっています。このセパージュの違いから、安モノとしてのセカンドではなく、性格付けをしてセカンドを設定しているポリシーを感じます。
熟成は、新樽率45%(ファーストは72%)のフレンチオーク樽で22ヶ月。ただし全量の25%はストッキンジェール(Stockinger=オーストリアの樽メーカー)製のフードルに入れているそうです。これは孤高のフラッグシップ「Viñedo Chadwick」でも全量の20%をこのフードルに入れていることから、こだわりの熟成法なんでしょう。

ちなみにパーカーおじさんの評価を見ると、2017の評価はないんですが、2016に91点を、2018に93点をつけています。つまり、真ん中の2017は92点くらいになりそうです(笑)。ファーストの Don Maximiano Founder's Reserve 2017 は93+点ですから、ファースト・セカンドの差はそんなになさそうです。

さて、何度も訪問していますが、アコンカグア川上流近くにあるエラスリス訪問。
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この円形の建物が2010年に建てられた「ドン・マクシミアーノ・アイコン・ワイナリー」です。

アコンカグア・ヴァレーを俯瞰します。以前、セーニャの時に作った地図ですが。(笑)
Errazuriz01
首都サンティアゴからも車で1.5時間とわりと近いですが、カサブランカ・ヴァレーやサン・アントニオ・ヴァレーとともにバルパライソ州になります。州名になっているバルパライソは海辺の港町でバルパライソ州の州都です。

そのバルパライソ州を俯瞰するとこうなります。
Errazuriz02
バルパライソの町はこう見えても首都サンティアゴに次ぐチリ第二の都市であり、実はチリの国会はサンティアゴではなくバルパライソにあります。この2都市間は車で1時間ちょいなので不便はないんでしょう。途中、カサブランカ・ヴァレーを抜けていきますので、道中にブドウ畑が広がっていますよ。


ラベル平面化画像。
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裏ラベルには「Villa Don Maximiano」の名前の由来が書いてます。

インポーターシールはこの裏ラベルを隠していませんでした。
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上等ワインの証し、薄紙でくるまれてます(笑)。
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ミレジム入りの専用シールまで貼ってあっていい感じです。


さあ、抜栓。
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キャップシールからして上等感が演出されています。

コルク平面化。
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横ではないですがミレジムもちゃんと入ってます。

Alc.14%。
赤みのあるガーネット。
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黒ベリー、リッチな樽香。バターっぽいです。
森の下草も香りますが、明るめの森の印象(笑)。
辛口アタック。
タンニンの収斂性に誘われて到達する味は、
ボリューム感あるストラクチャーにびっちり収まる緻密さです。
繊細なテクスチャーをまとった複雑味のかたまり、とでも言いましょうか。
あとで酸も結構効いてるのに気づきました。
傑出したと思わせる余韻で至福のひと時を味わえます。

ただ、絶対もう少し寝かしたらさらにうまくなるポテンシャルも感じました。
また買おうかな~。


*****

Viña Errázuriz
Villa Don Maximiano 2017
D.O. Valle de Aconcagua
RRWポイント 96点


Château Beychevelle Amiral de Beychevelle 2016 Saint-Julien

メドック格付け4級、サン・ジュリアンのシャトー・ベイシュヴェルです。で、そこのセカンドワインをいただきます。ベイシュヴェルは過去にファーストサードを試しています。格付けシャトーのセカンドやサードをいろいろ試してきましたが、いずれも手抜かりのないしっかりした作りのものでした。逆に程よい樽具合や早飲み仕様などが効いてファーストより楽しめるものが多いような気もします。さて、今日のセカンドはどんなもんでしょうか?

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シャトー・ベイシュヴェルの歴史は古く、1565年にフランソワ・ド・フォア・カンダル司教によって創設されたとしていますが、その後所有したフランス海軍提督でもあるエペルノン侯爵の頃からの影響を今もなお色濃く受け継いでいるそうです。敷地の大部分を占めるシャトーは、その広大で見事な庭園と船にまつわるものをモチーフにした建物や施設が圧巻なようです。時は下り、1989年に日本のサントリーとフランスのCASTELグループが共同出資するグラン・ミレジム・ド・フランス社(GMF社)が取得して現在に至ります。


公式ページは、トップページのグリフォン(ギリシャ神話に出てくる上半身が鷲、下半身がライオンの伝説の生き物)を船首にした帆船のグラフィックに目を奪われます。

シャトーの主であった海軍提督エペルノン侯爵に敬意を表し、ジロンド川を行き来する船はシャトーの前を通過する際、帆を半分まで下げていたという言い伝えがあり、「帆を下げる」という意味のガスコーニュ語「Bêcha vêla」(フランス語で「Baisse voile」)が転じてベイシュヴェル(Beychevelle) になったいうことです。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 58%
・メルロー 38%
・カベルネ・フラン 6%

これが今日のセカンドのセパージュですが、2016のファーストは以下のようになっています。

・カベルネ・ソーヴィニヨン 47%
・メルロー 47%
・カベルネ・フラン 1%
・プチヴェルド 5%

ファーストよりセカンドの方がカベソー多めなんですね。熟成は、新樽率20%(ファーストは50%)で16~18ヶ月のようです。


恒例ですからシャトー訪問しておきます。正門ですが裏手っぽい入り口です。
Bey06
シャトーがジロンド川の方を向いているのでストビューでは正面が見えません。インポーズした写真がシャトーの正面とその前に広がる庭園です。

例のトップページの画像にシャトー正面がおぼろげながら写ってます。
Bey05
ジロンド川に向かって敷地が開けていて、実際もこう見えそうです。ジロンド川の上にはファーストのラベルにあるシャトー・ベイシュヴェルのシンボル、グリフォンを船首にあしらった船が帆を半分降ろしているところです。映画のワンシーンのようなグラフィックですね。


サン・ジュリアンを俯瞰して他の格付けシャトーとの位置関係を見ます。
Saint_Julien
シャトー・ベイシュヴェルはサン・ジュリア・ベイシュヴェル(Saint-Julien-Beychevelle)の南側にあります。すぐ南のコミューンはキュサック・フォール・メドック(Cussac-Fort-Médoc)になり、同じくサントリー共同出資のGMF社が所有するシャトー・ボーモンがあります。
いつものようにAOCサン・ジュリアンの格付け11シャトーをリストアップ。

(第2級)Château Gruaud-Larose(グリュオ・ラローズ)
     Château Ducru-Beaucaillou(デュクリュ・ボーカイユ)
     Château Léoville-Barton(レオヴィル・バルトン)
     Château Léoville-Las-Cases(レオヴィル・ラスカーズ)
     Château Léoville-Poyferré(レオヴィル・ポワフェレ)
(第3級)Château Langoa-Barton(ランゴア・バルトン)
     Château Lagrange(ラグランジュ)
(第4級)Château Beychevelle(ベイシュヴェル)
     Château Branaire-Ducru(ブラネール・デュクリュ)
     Château Talbot(タルボ)
     Château Saint-Pierre(サン・ピエール)

以上、11シャトーでした。


エチケット平面化画像。
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セカンドは立派な帆船の絵です。ファーストはグリフォンが船首の昔の帆船、サードはシャトーの正面の図柄です。


さあ、抜栓。
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ネックには上等ワインの証し、偽造防止のプルーフタグがあります。

コルク平面化。
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キャップシール、コルク、専用品の立派なものです。なぜかスクリューが真ん中をうまく貫通せず難儀しました。

Alc.13.5%。
濃いガーネット。
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黒ベリー、かすかにブショネか腐葉土…
えっ? ブショネ?
弱めではありますが、これはブショネ確定でしょう。
なぜなら、上記以外の香りが取れないのです。
最近ブショネによく当たります。
新年早々先が思いやられます。
一応、このままテイスティング続行します。
辛口アタック。
酸味かすかに。
複雑味はあるんですが厚みは感じにくいです。
余韻はしっかり続く感じです。

ポテンシャルはすごく感じるんですが、
疑惑のブショネでマスクされてる感じがします。
残念ですが、ブショネ込みで採点します。

ちなみにパーカーおじさんは90点をつけていますから、
本当はそれぐらいつけられたと思われます。残念…。


*****

Château Beychevelle
Amiral de Beychevelle 2016
Saint-Julien
RRWポイント 84点*
*ブショネ込み

Opus One Overure

オーヴァチュアというワインをいただきます。泣く子も黙るナパのプレミアムワイン、オーパス・ワンのセカンドです。そう、昨日の記事のオーパス・ワン2014と一緒に店頭試飲したものです。こちらはお初ということになります。マルチ・ヴィンテージ、つまりNV(ノンヴィンテージ)というのが面白そうです。これでもボトルで買うと33,000円なりです。

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オーパス・ワンのセカンドワイン、オーヴァチュアはボルドーの慣習を真似て1993年から作られてるそうですが、当初はワイナリーの従業員向けだったそうです。余り物を混ぜたんだとしたらマルチ・ヴィンテージになったのもうなずけますね。外販を始めたのが1995年からだそうで、最近まで供給が不安定だったみたいですが、今は立派なセカンドとしてラインアップされています。


公式ページはさすが一流の風格。大お得意様の日本向け日本語サイトもあります。

NVということもあってか、残念ながらセパージュ情報がありません。おそらくオーパス・ワンと同じ、以下の種類が似たような比率でブレンドされているはずです。

・カベルネ・ソーヴィニヨン
・プチヴェルド
・カベフラ
・メルロー
・マルベック

裏ラベルにフレンチオーク樽で18ヶ月と書いてあるように、樽は使っていますが、これ以上の情報はありません。ある意味謎に包まれたワインですね。


ナパはオークヴィルのオーパス・ワン・ワイナリーを訪問します。
OpusOne01
カリフォルニア州道29号線を隔ててお向かいがロバート・モンダヴィです。昔、ロバート・モンダヴィにはリアルに訪問してるんですが、若気の至りでオーパス・ワンなんて知らずに素通りでした(笑)。

ナパ・ヴァレーのワイナリー名入りの地図を貼っておきます。(大画像注意)
napavalley-wineries-map-3-1
オーパス・ワンの場所を示しておきました。

いつものカリフォルニア地図で Napa Valley の位置関係を見ておきましょう。
California_AVA
ナパは広域ではノース・コーストAVA(North Coast AVA)に属します。

カリフォルニアのAVAに関しては、以下のようなネット情報があります。ご参考まで。

インタラクティブ地図
California AVA Mapアーカイブ
California AVA List

2021年6月に Palos Verdes Peninsula(Los Angeles County)が新たに認証され、現在合計142の AVA がカリフォルニア州にあるそうです。全米では、上記の Palos Verdes Peninsula AVA と同時に、ワシントン州の White Bluffs と Burn of Columbia Valley が新たにAVA認証され、現在合計255の AVA になったそうです。毎年増えていってますからなかなか追いかけられませんね。


ラベル平面化画像。
IMG_1269
「Overture」とは「序曲」という意味です。オーパス・ワン(作品番号第1番)に対し「序曲」ですか。うまいネーミングですね。裏ラベルのQRコードでワイン紹介ページに飛べるはずなんですが、なぜか反応なし。やはり謎なワインです。


さあ、いただきます。
IMG_1278
キャップシール、コルクもシンプルながら専用品です。

Alc.14.5%。
エッジにかけてクリア感があるガーネット。
IMG_1261

黒ベリー、青味、かすかな黒糖感。
軽めの酸が乗った辛口アタック。
複雑味・厚みは本家譲りで圧倒的。
しかし、明らかに若干軽めに仕上がってますね。

マルチ・ヴィンテージなら本家より良くなるじゃないかとも思いますが、
そこは樽使いとか畑違いとかでうまく作ってある気がします。


*****

Opus One Overure
Napa Valley
RRWポイント 93点


Château Palmer Alter Ego de Château Palmer 2017

メドック格付け第3級ながら、第1級のシャトー・マルゴーに匹敵する評価を受けている、マルゴーのシャトー・パルメ。黒いラベルが印象的なそのシャトー・パルメの2006年を過去に試しています。今日は金色ラベルのアルテ・エゴ・ド・シャトー・パルメをいただきます。一般にはセカンドラベルと紹介されていますが、「Alter Ego」はラテン語で「もうひとつの自己」という意味で、単なるファーストラベルの格落ちではなく「もうひとつのパルメ」の可能性を提示する意欲的なコンセプトであると思われます。

IMG_6312
シャトー・パルメの名前は、1814年にシャトーの元を築いたイギリス軍人のチャールズ・パーマー(Charles Palmer)に由来しています。正しくはシャトー・パーマーというわけですね(笑)。1853年には有名な銀行家のアイザックとエミールのペレール兄弟(Isaac & Emile Péreire)が買収し、すぐに最高のシャトーにすべく投資を開始しました。しかし、1855年の格付けまでには時間がなく、ポテンシャルを評価されることなく第3級に甘んじてしまった、というのが顛末です。現在はシシェル家他が組織するシンジケートの所有となっていますが、その品質向上努力は昔と変わらず、第1級並みの評価を得続けています。


公式ページはさすが格付けシャトーという雰囲気ですが、少々使いにくし。

ワイン情報は当然ながら「Alter Ego」もしっかりミレジム毎に載っています。

<Château Palmer Alter Ego de Palmer 2017>
・メルロー 53%
・カベソー 41%
・プチヴェルド 6%

もともとメルロー多めのシャトーですが、通常のシャトー・パルメの方はカベソー主体と思っていたところ、近年は特にメルロー比率が上がっており、今日のアルテ・エゴと同じ2017年のセパージュを見るとほとんど違いがありませんね。

<Château Palmer 2017>
・メルロー 54%
・カベソー 42%
・プチヴェルド 4%

パーカーおじさんの評価は、<Château Palmer 2017>が97点、<Château Palmer Alter Ego de Palmer 2017>が92点と少々差がついています。樽熟は、<Château Palmer 2017>が新樽率60%で21ヶ月、<Château Palmer Alter Ego de Palmer 2017>が新樽率25~40%で16~18ヶ月と差がつけてあるようです。その分、アルテ・エゴの方は安く出せるっていうことなんでしょう。


さあ、マルゴーのカントナック村にあるシャトー・パルメを訪問します。
Margaux02
メドックの主要アペラシオンを南北に貫く県道D2号線に面してますので、道からシャトーが良く見えます。ここから北上するとマルゴー村に突入します。シャトー・パルメはぎりぎりカントナック村(のイッサン地区)になっています。


パルメの周辺には格付けシャトーが密集していますのでGoogle Mapで見てみます。
Palmer09
見にくいかと思いましたが、各シャトーのロゴ入りにしました。

いつもの「マルゴーまるごと地図」で全格付けシャトーの位置関係を確認します。
Margaux01
AOCマルゴーの全格付けシャトーを等級付きで記入しています。ラバルド村のジスクールやドーザック、アルサック村のデュ・テルトルが離れてるので南側をびろ~んと広げています。例によって、AOC Margauxの計21シャトーを以下に列記しておきます。

<MARGAUX マルゴー村>(9シャトー)
(第1級)Château Margaux(マルゴー)
(第2級)Château Durfort-Vivens(デュルフォール・ヴィヴァン)
     Château Lascombes(ラスコンブ)
     Château Rauzan-Ségla(ローザン・セグラ)
     Château Rauzan-Gassies(ローザン・ガシー)
(第3級)Château Ferrière(フェリエ―ル)
     Château Malescot-Saint-Exupéry(マレスコ・サン・テグジュペリ)
     Château Marquis-d’Alesme(マルキ・ダレーム)
(第4級)Château Marquis-de-Terme(マルキ・ド・テルム)

<CANTENAC カントナック村>(9シャトー)
(第2級)Château Brane-Cantenac(ブラーヌ・カントナック)
(第3級)Château Boyd-Cantenac(ボイド・カントナック)
     Château Cantenac-Brown(カントナック・ブラウン)
     Château Desmirail(デスミライユ)
     Château d’Issan(ディッサン)
     Château Kirwan(キルヴァン)
     Château Palmer(パルメ)
(第4級)Château Pouget(プージェ)
     Château Prieuré-Lichine(プリウレ・リシーヌ)

<LABARDE ラバルド村>(2シャトー)
(第3級)Château Giscours(ジスクール)
(第5級)Château Dauzac(ドーザック)

<ARSAC アルサック村>(1シャトー)
(第5級)Château du Tertre(デュ・テルトル)

以上です。


ところで、AOCマルゴーを名乗れるのはこの4村だけではありません。
Margaux
またまたINAOの地図を拝借しますが、このようにマルゴー村の北側にあるスッサン(Soussans)村もAOCマルゴーになります。ただ、1855年のメドック格付けシャトーがひとつもないということで、いつもスルーしていますが。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_4409
シャトー・パルメの黒と金色を反転させたデザインです。


さあ、抜栓。
IMG_6307
キャップシール、コルクともにアルテ・エゴ専用品です。またネックには高級ワインの証、Prooftag社のBubble Tag™がついています。QRコードで公式サイトのワイン紹介ページに飛べるんですが、そこでバブルの形状を比較して真贋を確かめるようになってます。

コルク平面化。
IMG_6310

Alc.13%。
濃い濃いガーネット。中サイズの涙はっきり。
IMG_6311

黒ベリー、ダークチェリー、湿った木の樽香。
辛口アタック。
舌の上で浮かぶような軽やかさがあります。
酸もイキがいい。
昔試したシャトー・パルメの印象を手繰り寄せて比較すると、
このあたりがアルテ・エゴの個性、可能性の提示なのでしょう。
しかし、複雑味たたえた厚み・立体感のある味はやはり圧巻。
限りなくシルキーなタンニンも確認できます。
絶妙なバランスで続く余韻…。

価格やスペック的にはセカンドなのかもしれないですが、
コンセプトとしてファーストを目指しているのではないことは理解しました。
通常のパルメとは違うシチュエーションで楽しむものなのかもね。


*****

Château Palmer
Alter Ego de 
Château Palmer 2017
Margaux
RRWポイント 94点


Château Grand-Puy Ducasse Le Cloître de Grand-Puy Ducasse 2011 Pauillac

メドック格付け第5級、ポイヤックのシャトー・グラン・ピュイ・デュカス…のセカンドラベルです(たぶん)。はい、福袋からの一本(笑)。しかし、セカンドにせよグラン・ピュイ・デュカスはお初なんですよね。合計61シャトーが格付けされていますが、セカンド(やサード)まで数えて良いなら、これで55シャトー目です。1~2級はコンプリートしてますから、残すは3~5級の有象無象です。(笑)

IMG_6232
17世紀半ば、アルノー・デュカス(Arnaud Ducasse)さんがポイヤックにわずかな土地を購入したのが始まりといいます。1768年に弁護士のピエール・デュカス(Pierre Ducasse)さんが相続したり買い集めた畑なんかをまとめて拡大し、その息子がデュカス・グラン・ピュイ・アルティーグ・アルノー(Ducasse-Grand-Puy-Artigues-Arnaud)としてシャトーとし、ジロンド川のほとりに現在のシャトーとなる建物を建てます。1820年のことでした。以降、1855年に格付けをされた後もデュカス家が所有しますが、1932年に家族内の内紛争解決として「Grand-Puy-Ducasse」の名で法人化されました。
1971年には落ちぶれたシャトーを投資家グループが買い取り改革に乗り出しますが、2004年さらにそこを買い取ったのがフランスの大手金融機関クレディ・アグリコールの子会社、CA Grands Cruでした。ここはシャトー・メイネイなんかも所有していて、グラン・ピュイ・デュカスを再興させるべく投資・改革を推進しているそうです。近年はシャトー・アンジェリュスのオーナー、ユベール・ド・ブアール(Hubert de Boüard)氏をコンサルに迎えるなど、改革に余念がありません。

公式ページはなんと工事中。一部のページは動きますが、ワイン紹介ページが不完全です。

今日のセカンドラベルを確認することもできず、裏ラベルやネットの情報に頼ります。いろんな名前のセカンドらしきものを出していますが、「Prélude à Grand-Puy Ducasse」というのが今の名前のようです。
・メルロー 55%
・カベソー 45%
わずかながらメルロー主体のブレンドでした。樽使いは新樽率10~15%のフレンチオークで12~18ヶ月のようです。


さあ、珍しいポイヤックの町の中にあるというシャトーを訪問します。
Ducasse00jpg
ポイヤックの市街地、それもジロンド川沿いなので、当然畑はまわりにはありません。以前このブログに載せていたポイヤックの地図では、Google Mapが指し示す場所にグラン・ピュイ・デュカスの所在を記していたため、シャトー・バタイエの隣になってるものがあります。これは畑の方ですね。こんな町中にシャトーがあると思っていなかったので…。(笑)

しかし、グラン・ピュイ・デュカスの畑は合計40haあるものの、ポイヤック内の4ヶ所に広がってるようで、どこにあるんだか公式ページが動かない現在、調べようがありません。困ったなと思っていたら…。

Youtubeで公式動画を発見したのですが、なんとここに畑の所在・詳細が載ってました。

やはり、かなりの範囲に広がっています。どこそこの畑と隣接とか文章での解説もネットにはありますが、これは動画でないとわからないレベルですね。これはいいものを見つけました。

一番わかりやすい画面をスクショしました。起伏までわかって素晴らしいです。
Ducasse001jpg
「Jachères」ってどんなブドウだ?白品種?と思って調べたら「休耕地」の意味でした。(ギャフン!)作付けは、カベソー:メルロー、60%:40%となっています。

最後に恒例の地図でポイヤックの他の格付けシャトーとの位置関係を確認。
Ducasse01jpg
グラン・ピュイ・デュカスは正しい位置になってますのでご心配なく。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもあります。第2級は元シャトー・ピション・ロングヴィルの2つですね。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみ。あとは第5級が12もあります。どれが3級か4級かとかで混乱しないので、ポイヤックは割と覚えやすいかもしれません。まとめておきます。上の地図で位置関係も確認しましょう。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)
<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)
<第3級>なし
<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)
<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
・Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)

合計18シャトーです。


エチケット平面化画像。
IMG_6215
フランス語ですが裏ラベルには詳細解説やセパージュがあり助かります。

しかし、いつもながらこれを丸隠しにするインポーター。
IMG_6214
バーコードを隠すのならまだしもこれはなんだ? 貼り間違いのチョンボ?


さあ、抜栓。
IMG_6227

コルク平面化。
IMG_6228
このセカンド「Le Cloître de Grand-Puy Ducasse」専用品ですね。

Alc.13% 。
エッジ褐変の濃いガーネット。酒石がすごい、結晶キラキラがコルク裏にびっしり。
IMG_6230

黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、森の下草。
酸味がきつめの辛口アタック。
タンニンも最初から際立ってます。
味の実体にたどり着くのに時間を要するくらい。
味の厚み・深みは出ていますが、
酸とタンニンが依然邪魔をしてきます。
と思っていると、すでに余韻に入ってる!?

熟成感は楽しめるんですが、荒々しいデコボコ感があります。
バランスの悪さではなく、保存状態か欠陥の疑いも拭えないレベル…。


*****

Château Grand-Puy Ducasse
Le Cloître de Grand-Puy Ducasse 2011
Pauillac
RRWポイント 87点


Château Croizet-Bages La Chartreuse de Croizet-Bages 2011 Pauillac

メドック格付け第5級、シャトー・クロワゼ・バージュ…のセカンドラベルです。意図してゲットしたわけではなく、福袋でセットになっていたやつ(笑)。ポイヤックの格付けシャトーでも今一つ評価がパッとしない感じですが、せっかくなので開けてしまいましょう。

IMG_6019
Château Croizet-Bages の歴史は18世紀初頭にまでさかのぼります。兄弟でボルドー議会の議員であったというクロワゼ(Croizet)兄弟がポイヤックの中心に畑を買い集め設立しました。これがシャトーの名前の由来になっています。
その後、19~20世紀初頭のフィロキセラ禍とその後の所有者の相次ぐ破産に深刻な打撃を受けましたが、1942年にポール・キエ(Paul Quié)さんに買収され現在に至ります。キエ家はシャトーの改修に着手し、1968年に経営を引き継いだ息子のジャン・ミシェル(Jean-Michel)さんによって完成しました。2000年に、さらにジャン・ミシェルさんの子供たち、アンヌ・フランソワーズ(Anne-Françoise)さんとジャン・フィリップ(Jean-Philippe)さんがシャトー・クロワゼ・バージュを引き継ぎ、この20年シャトーのアイデンティティーを表現したワインを作ることに心血を注いできたということです。
シャトーは現在、2024年に完了する予定の改修が行われています。新しいワイナリーやセラーなど、最新の技術設備に刷新するようです。


単独の公式ページはなさそうで、オーナーのキエ家のページ内にあります。

キエ家はメドック格付け第2級のシャトー・ローザン・ガシーや、ベル・オルム・トロンコワ・ド・ラランドというブルジョワ級のシャトーも所有しており、この公式サイトに同居しているためか、各シャトーの内容は貧弱です。
現在のシャトー・クロワゼ・バージュのセカンドラベルは「Alias Croizet-Bages」ということになっています。過去はいろんな名前、パターンがあったみたいですね。
・カベソー 75%
・メルロー 25%
セパージュは裏ラベルにありました。熟成は現在のセカンドと同じであれば、フレンチオーク樽で12ヶ月というところでしょう。

Union des Grands Crus de Bordeauxというボルドーの格付けシャトー組合?のようなサイトにクロワゼ・バージュ含め少し詳しい情報が載っていました。

ボルドー全域の主要シャトーをカバーしていますが、なぜかシャトー・ラトゥールがありません。メンバーじゃないようですね。


さあ、シャトー訪問。ランシュ・バージュとは道を隔てて隣接してます。
Croizet-Bages01
おやおや、シャトー名のアルファベットが一部落ちてしまってます。「Château」の「T」と、「Pauillac」なんか「A」が2つとも(笑)。これも2024年完成の大改修で直されるでしょう。

マップ上でポイヤックの他の格付けシャトーとの位置関係を確認。
Croizet-Bages02
ポイヤックの格付けシャトーをまとめておきます。地図と合わせてご確認を。

<第1級>
・Ch. Lafite-Rothschild(ラフィット・ロートシルト)
・Ch. Mouton Rothschild(ムートン・ロートシルト)
・Ch. Latour(ラトゥール)

<第2級>
・Ch. Pichon-Longueville-Baron(ピション・ロングヴィル・バロン)
・Ch. Pichon-Longueville-Comtesse-de-Lalande(ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド)

<第3級>なし

<第4級>
・Ch. Duhart-Milon(デュアール・ミロン・ロートシルト)

<第5級>
・Ch. d’Armailhac(ダルマイヤック)
・Ch. Clerc-Milon(クレール・ミロン)
・Ch. Batailley(バタイエ)
・Ch. Haut-Batailley(オー・バタイエ)
・Ch. Haut-Bages-Libéral(オー・バージュ・リベラル)
Ch. Croizet-Bages(クロワゼ・バージュ)
・Ch. Lynch-Bages(ランシュ・バージュ)
・Ch. Lynch-Moussas(ランシュ・ムーサ)
・Ch. Grand-Puy-Ducasse(グラン・ピュイ・デュカス)
・Ch. Grand-Puy-Lacoste(グラン・ピュイ・ラコスト)
・Ch. Pédesclaux(ペデスクロー)
・Ch. Pontet-Canet(ポンテ・カネ)
合計18シャトーです。

ポイヤックは名だたる第1級が3つもありますし、第2級も2つ。ところが第3級がゼロで、第4級がデュアール・ミロンのみです。で、あとは第5級が12も。第5級の宝庫です。(笑)

クロワゼ・バージュと、ご近所のオー・バージュ・リベラルとランシュ・バージュの3つのシャトーはポイヤックの「バージュの丘」にあり、みんな仲良く第5級(笑)。評価ではランシュ・バージュが頭3つくらい飛び抜けていますが。


エチケット平面化画像。
IMG_5894
あまりにきれいに貼ってあったので、インポーターシールが裏ラベルの解説を隠していることに気が付きませんでした。


さあ、抜栓。
IMG_6021
さすが格付けシャトーという感じのキャップシールのエンボス。

コルク平面化。
IMG_6014
このセカンドラベルの専用品ですね。ミレジムも横に打ってあっていい感じです。

Alc.13%。(pH:4.18、Brix:7.0)
エッジ褐変な濃いガーネット。
IMG_6017

黒ベリー、ダークチェリー、シダ、湿った木の樽香。
辛口アタック。
が、少し水臭い風味がついてきます。
熟成感や複雑さはあるんですが、厚みは少ないようです。
これが意図したサードの味わいでしょうか。
かいつまんで言うと、マイクロにこじんまりしながらも、
バランスとしていい均衡はある…って感じでしょうか。
2011年ですから、タンニンも十分こなれて、
余韻も全要素が溶けあって好バランスを演出しています。

2011年の熟成のなせる業でしょうか。
何気に以前試した2015年のファーストラベルより高評価(笑)。


*****


Château Croizet-Bages
La Chartreuse de Croizet-Bages 2011
Pauillac
RRWポイント 92点



Château Gruaud Larose Sarget de Gruaud Larose 2016 Saint-Julien

メドック格付け第2級、サンジュリアンのシャトー・グリュオ・ラローズ。「LE VIN DES ROIS LE ROI DES VINS(王のワイン、ワインの王)」と堂々とラベルに書かれていることで知られてます。で、例によって(笑)そのセカンドになるサルジェ・ド・グリュオ・ラローズをお試しです。過去、ファーストの2015年は味見したことがあり、正直その時はピンとこなかったんですが、さてセカンドの2016年はいかがでしょう?

IMG_5739
シャトー・グリュオ・ラローズの歴史は、1757年にグリュオ神父がサンジュリアンの畑を所得した頃までさかのぼります。後に親戚のラローズ家が引き継ぎ「グリュオー・ラローズ」の名前になったそうです。1781年のことで、1855年のメドックの格付けで第2級に選ばれる70年以上も前のことです。1795年からはバルゲリー家(Balguerie)とサルジェ家(Sarget)で分割所有され、第二次世界大戦が始まる直前の1935年にコルディエ家(Cordier)がそれぞれの株式を取得し、シャトーはやっと再統合されます。その後、1983年にはスエズ社、1993年には産業グループ Alcatel-Alsthom と所有者が変わり、1997年にはタイヤン・グループ(TAILLAN Group)のメルロー家(Merlaut)が取得し今に至ります。現所有者のタイヤン・グループは、グリュオ・ラローズを取得する以前にも、Château Chasse-Spleen、Château Haut-Bages Libéral(5級)、Château Ferrière(3級)、Château Citran などボルドーの有名シャトーを次々と取得しています。とまあ、ここまで調べましたが、セカンドワインがなぜサルジェ家の「Sarget」なのかわからずじまいです(笑)。


公式ページは格付けシャトーの風格はありますが内容はあっさり薄目です。

ただし、ワイン情報だけは今日のセカンド含めデータシート完備でした。ファーストは1988年から、セカンドは1994年からのデータがありました。
・カベソー 51%
・メルロー 31%
・カベフラ 6%
・プチヴェルド 4%
新樽率15%(残りは1~2年落ち)のフレンチオーク樽で14ヶ月の熟成だそうです。
パーカーおじさんのこのセカンド2016年の評価は89点。ジェームス・サックリングさんが90点と微妙な感じです。ちょっと心配(笑)。


サンジュリアンのシャトー・グリュオ・ラローズを訪問します。
Gruaud_Larose01
広い敷地に整然と佇むきれいなシャトーです。


サン・ジュリアン・ベイシュヴェル(Saint-Julien-Beychevelle)のコミューンを俯瞰してAOCサンジュリアン(AOC Saint-Julien)の格付けシャトーの位置関係を見ます。
Gruaud_Larose03
ポイヤックのすぐ南に位置しており、全部で11の格付けシャトーがあります。以下にサンジュリアンの格付けシャトーをまとめておきます。

<第1級>なし
<第2級>5つ
・Ch. Ducru-Beaucaillou(シャトー・デュクリュ・ボーカイユ)
Ch. Gruaud-Larose(グリュオ・ラローズ)
・Ch. Léoville-Barton(レオヴィル・バルトン)
・Ch. Léoville-Las-Cases(レオヴィル・ラス・カーズ)
・Ch. Léoville-Poyferré(レオヴィル・ポワフィレ)
<第3級>
・Ch. Lagrange(ラグランジュ)
・Ch. Langoa-Barton(ランゴア・バルトン)
<第4級>
・Ch. Beychevelle(ベイシュヴェル)
・Ch. Branaire-Ducru(ブラネール・デュクリュ)
・Ch. Saint-Pierre(サン・ピエール)
・Ch. Talbot(タルボ)
<第5級>なし

以上、合計11シャトー。1級こそないもののグリュオ・ラローズ含め2級が5つもあるのはすごいですね。


少し気になるのでいつものINAOの地図でAOCサンジュリアンを確認してみます。
Gruaud_Larose02
あれれ? 何てことでしょう、Saint-Julien-Beychevelle のみならず、Saint-Laurent-Médoc、Cussac-Fort-Médoc も含まれるとなっています。おまけに Pauillac の一部も対象となるようです。こうなると、サン・ローランにある、Château La Tour Carnet(4級)、Château Belgrave(5級)、Château de Camensac(5級)もAOCサンジュリアンということになってしまいます。これらは確かに AOC Haut-Médoc のはずです。謎~。


エチケット平面化画像。
IMG_5178
セカンドでも「王のワイン、ワインの王(LE VIN DES ROIS LE ROI DES VINS)」としっかり書いてあります。このオッサンがサルジェ? 個人的にはあまり好きなデザインではないです(笑)。

インポーターシールは無神経なこんな感じでした。
IMG_5177
公式ページのURLが隠れてるし…。


さあ、抜栓。
IMG_5734
キャップシールにもサルジェのオッサン(?)が…。

コルク平面化。
IMG_5735
ミレジムも横にしっかり入ってますが、セカンド専用品ではなさそうですね。

Alc.13%。(pH:3.79、Brix:6.0)
濃いガーネット。
IMG_5736

黒ベリー、カシス、湿った木の樽香あり。
辛口アタック。
水臭い風味+弱い酸味…ちょっと肩透かし。
味の骨格も弱々しく思えてきます。
すると、タンニン、余韻もぼやけた印象に。
セカンドで手を抜くパターンかなとも思いましたが、
ファーストもさほどピンとこなかったので、
これがこのシャトーの平常運転の実力かなと思います。

今回はパーカーおじさんより評価が低くなりました…。


*****


Château Gruaud Larose
Sarget de Gruaud Larose 2016
Saint-Julien
RRWポイント 87点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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