Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

2015年

Famille Laplace Château d’Aydie Madiran 2015

フランス南西地方、AOCマディランのタナ種100%のワインです。過去はドメーヌ・アラン・ブリュモン(Domaine Alain Brumont)のAOCマディランをいくつか試していますが、今日のはAOCマディランとして初めてワインのボトリングと販売を行ったという、この地のパイオニアとも言えるラプラス家のワインです。

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代々マディランに続くラプラス家のフレデリック・ラプラス氏が1927年に立ち上げたワイナリーです。今日のシャトー・ダイディ(Château d’Aydie)というのが看板ワインのようです。


公式ページのリンクはここ。下のバナーはショップのものです。

今日のワインはしっかり載ってますが、最新のヴィンテージではデザインが変わっているようです。ブルゴーニュ型ボトルにシンプルなラベルで随分印象が違います。
・タナ 100%
熟成の記述がないんですが、インポーター情報では、新樽率20%のフレンチオーク樽(225L)で24ヶ月、コンクリートタンクで12ヶ月だそうです。海外のサイトでは、フードル(Foudre)とバリックの併用で12~15ヶ月含む合計20ヶ月とする情報もありました。まあ、しっかり樽は使ってるということで。

また、AOCマディラン(1948年認定)ではタナを主体にカベソー、カベフラ、フェール・セルヴァドゥ(Fer Servadou)がブレンド可能ですが、今日のはタナ100%ですね。
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タナ(Tannat)は名前が示す通り、タンニン(Tannin)が語源で、タンニン成分が豊富で長熟だとされています。


作り手訪問。マディランのコミューンの西側、アドゥール川と反対に車で10分。Lplace01
今日のワインのシャトー・ダイディらしき建物が見当たりませんね。

辺りを探すと、お向かいにありました。きれいに改装中のようです。
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ともすれば新築に見えます。(笑)


さて、AOCマディランの範囲を確認すべく、例によってINAOを地図を拝借。
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AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルAOC Pacherenc du Vic-Bilh)の地図に「AOCマディラン」と書き加えたんですが、どちらも同じ範囲なのでこれいいんです。AOCパシュラン・デュ・ヴィク・ビルはAOCマディランと同じ地域で造られる白・甘口白のAOCになります。
この2つの同じ範囲のAOCは地図でわかるように3つの県にまたがっています。マディラン自体はオート・ピレネー県(Hautes-Pyrénées)ですが、ジェール県(Gers)とピレネー・アトランティック県(Pyrénées-Atlantiques)に渡る計37のコミューンになります。

今回は念願の南西地方のGoogle Map地図を完成させたので、これで見てみます。
Lplace02
まあ、ネットで拾った地図を重ねただけなんですが、フォトショップの腕前が上がってる分、完成度も高いわけです(笑)。今日の作り手ラプラスの所在も記しましたのでご参考ください。


エチケット平面化画像。
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裏ラベルにはフランス語ですが、シャトーの説明とマリアージュの解説がしっかりあります。これを隠さないモトックスのシールは偉いですね。


さあ、抜栓。
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キャップシールは無印ですが、コルクはいい感じです。

コルク平面化。
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さすが長熟ワイン、DIAMの10をおごってますね。ミレジムも横に入っていて完璧。

Alc.14.5%。(pH:4.24、Brix:7.5)
黒いインキーなガーネット。タナって感じです。
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黒ベリー、ダークチェリー、森の下草、腐葉土。
若干酸味が乗った辛口アタック。
味わいの厚みはそこそこかな。
しっかりしたストラクチャーも感じるんですが、
最初の酸に少し邪魔されてるかも。
もう数年後かなぁ~という気がします。
余韻も酸は気になるんですが、
やはり熟成のポテンシャルはビンビン感じます。

ただ、最近飲んだウルグアイのタナがバリうまだったので、
どうしても比較してしまいます。(笑)


*****


Famille Laplace
Château d’Aydie
Madiran 2015
RRWポイント 90点


Gérard Bertrand Corbières 2015 Grenache / Syrah / Mourvèdre

ジェラール・ベルトランのAOCコルビエールをいただきます。エチケットにグルナッシュ・シラー・ムールヴェードルとあるように、いわゆるGSMというやつですね。インポーターのうたい文句では、ラングドック・ルシヨンのプレミアムワインのパイオニアで自然派ワインの巨人なんて書いてます。これは面白そうです。

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父からコルビエールの畑(Château de Villemajou)を受け継いだブドウ栽培家でありながら、元ラグビー仏代表という異例の経歴を持ったジェラール・ベルトラン氏がラグビーを引退後、家族経営のワイナリーを設立したのが今日の作り手です。1975年のことのようです。ラングドック・ルシヨン各地に16ものシャトー/ドメーヌを持ち、畑の総面積は850haにも及ぶそうです。また、2002年来これらの畑のビオディナミ化を推し進めているそうで、なるほど「自然派ワインの巨人」なわけですね。

公式ページは、さすが大手といった雰囲気。

う~ん、今日のGSMが見当たりませんね。ショップ兼用だからかな~。インポーター情報(ファインズ)を参考にします。
・グルナッシュ 40%
・シラー 35%
・ムールヴェードル 15%
・カリニャン 10%
あれれ、カリニャンも? GSMCになっちゃいますね(笑)。手摘み収穫、シラーは全房、グルナッシュとムールヴェードルは除梗あり、だそうです。で、カリニャンは?(笑)

作り手訪問。2002年に取得なので創業の地ではないようですが本拠地はここのようです。
Gerard-Bertrand01
シャトー・ロスピタレット(Château l'Hospitalet)という名前でホテルもやっています。周りの雰囲気も含めなかなか素晴らしいところです。公式ページによると、ここで作ってるワインはすべて「AOC La Clape」になっているようです。

いつものラングドック・ルシヨンGoogle Map地図で所在を確認してみます。
Gerard-Bertrand00
ナルボンヌのすぐ東側、確かにAOCラ・クラープ(AOC La Clape)にありますね。このAOCは赤・白OKで、赤はグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルが主要品種です。すると、お隣のAOCコルビエール(AOC Corbières)と何が違うんでしょうね。

INAOの地図で、AOCコルビエール(左)とAOCラ・クラープ(右)の範囲を比べます。
Gerard-Bertrand03
あれれ、ナルボンヌ含めこの2つのAOC、範囲がかなりオーバーラップしてます。AOCコルビエールが広大すぎるっていうのもあるかもしれませんが、AOCラ・クラープの大半のところでAOCコルビエールが名乗れそうです。

INAOの地図じゃちょっとわかりにくいですね。正確な範囲を再度Google Map上にインポーズ。
Corbieres
なるほど、なるほど。やっぱり今日の作り手の本拠地はAOCラ・クラープとAOCコルビエールの両方に属してます。AOCラ・クラープで出すってことは、やはり広域のAOCコルビエールより上って印象があるんでしょうね。ラングドック・ワインの公式ページではAOCのランク付けがしてあって、AOCラ・クラープは「Crus du Languedoc」、AOCコルビエールは「Grands Vins du Languedoc」と分類され、やはりAOCラ・クラープの方が上のようです。
因みに、今日の作り手はAOCコルビエール・ブートナック(AOC Corbières-Boutenac)に創業の地の「Château de Villemajou」があります。地図上に示したのでご確認を。
また、AOCフィトゥー(AOC Fitou)もAOCコルビエールの範囲に含まれることに気づきました。これも書き込んだので要チェックです。AOCコルビエールって、ほんといろんな他のAOCとかぶってたんですね。ナルボンヌ近郊の小さなAOCですが、AOCラングドック・カトゥールズ(AOC Languedoc Quatourze)というのもAOCコルビエール範囲内です(笑)。

で、これらAOCは大抵赤がありまして、主要品種もグルナッシュ、シラー、ムールヴェードルとどれも似たり寄ったりです。テロワールの違いと言われれば納得しないでもないですが、AOCコルビエールのように場所も重なってるとなると「一体何が違うの?」となりますね(笑)。

AOCコルビエールの赤の規定だけ書き出しておきます。
・主要品種は、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、カリニャン、Lladoner Pelut。
・主要品種は、合計で50%以上。
・補助品種は、サンソー、ピクプール・ノワール、グルナッシュ・グリ、Terret Noir。
・カリニャン、ピクプール・ノワール、Terret Noirは、合計で50%以下。
・サンソーは、20%以下。
・グルナッシュ・グリは、10%以下。
・少なくとも2種は使うこと。
どうです。微妙に複雑でしょ。これにロゼと白の規定もあるので、今回は赤しか書かないわけです(笑)。(Lladoner Pelut=Garnacha Peluda)


エチケット平面化画像。
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裏ラベルの説明にはカリニャンが入ってるとは書いていません。ファインズの情報、正しい?


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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ジェラール・ベルトランのエンブレム(x2)のみですね。

Alc.14%。(pH:4.43、Brix:7.2)
濃いガーネット。
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黒ベリー、チェリー、カシス、黒鉛か酸の風味。
やはり酸を乗せた辛口アタック。
複雑味は感じますが奥行きは浅そう。
タンニンの収斂性はそこそこしっかり喉元を刺激します。
余韻もじっくり楽しめるんですが、
やはり最初の酸は続きますね。
まあまあ、十分及第点ではあります。


*****


Gérard Bertrand
Corbières 2015
Grenache / Syrah / Mourvèdre
RRWポイント 88点


Château La Gaffelière Clos La Gaffelière 2015

シャトー・ラ・ガフリエール(Château La Gaffelière)は、サン・テミリオンで最も古い歴史を持つシャトーで、1955年から始まったサン・テミリオンの格付けでもプルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)(Premier Grand Cru Classé 'B')に名を連ねている高級ワインであります。で、例によっていただくのはそこのスゴン・ヴァン(Second Vin=セカンド・ワイン)ではありますが、その実力を測るのにはちょうどいいんじゃないかということです。(笑)

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シャトー・ラ・ガフリエールの畑からは4世紀頃にはすでにブドウ農園であったことを示す遺跡が発掘されてるそうです。11~15世紀にはサンテミリオンの村から続く小道の脇にハンセン病療養所があったそうで、ハンセン病患者を当時の言葉で「gaffets」と呼んだことから、この辺りがラ・ガフリエール(La Gaffelière)という地名になったとされ、シャトー・ラ・ガフリエールの前身となったブドウ園がラ・ガフリエールと呼ばれるようになったのも自然なことだったのでしょう。あまりにも歴史が長く、隣のシャトー・オーゾンヌ(Château Ausone)の畑もかつてはラ・ガフリエールだったような話もあるくらいです。
1654年に名門マレ・ロックフォール家(Malet Roquefort)がシャトーを所有することになり、以来、現当主のレオ・ド・マレ・ロックフォール伯爵(Léo de Malet Roquefort)の代まで一貫して一族でシャトーを運営しています。

公式ページはやはり貫禄の一流シャトー風情。セカンドワインもミレジム毎のデータシートあり。

今日のクロ・ラ・ガフリエール(Clos La Gaffelière)はセカンドではありますが、初リリースが1985年とかなりの歴史があり、ファースト同様のケアをするためのセカンド専用の醸造ルームとセラーも完備してるそうです。若木からとしていますが、データには樹齢は28年とあり、これはファーストも同じでした。(笑)
・メルロー 90%
・カベフラ 10%
樽はさすがに1~2年落ちですが、12ヶ月の熟成をしています。3回もスーティラージュ(Soutirage=滓引き)すると書いてあります。出荷先によってはダム・ガフリエール(Dame Gaffelière)の名前でも出しているそうですが同じものです。


さあ、シャトー訪問。サン・テミリオンの集落の南側からから続く一本道にあります。
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道沿いに敷地が広かったので、2つのアングルから見てみました。

例によってGoogle Mapでサン・テミリオンを俯瞰して位置関係を見てみます。
Gaffeliere02
サン・テミリオンの最高格付けである、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)と(B)の全部をカバーするようにしました。(A)と(B)のマークで示してあります。シュヴァル・ブランやヴァランドローが離れているので1枚の地図に入れるのは困難だったのですが、縮尺違いの2枚をつなげてなんとか実現しました(笑)。リストアップすると以下になります。

PREMIERS GRANDS CRUS CLASSÉS (A)

Château Ausone
Château Cheval Blanc
Château Angélus(2012年昇格)
Château Pavie(2012年昇格)

PREMIERS GRANDS CRUS CLASSÉS (B)

Château Beau-Séjour (héritiers Duffau-Lagarrosse)
Château Beau-Séjour-Bécot
Château Bélair-Monange
Château Canon
Château Canon la Gaffelière(2012年昇格)
Château Figeac
Clos Fourtet
Château la Gaffelière
Château Larcis Ducasse(2012年昇格)
La Mondotte(2012年昇格)
Château Pavie Macquin(2006年昇格)
Château Troplong Mondot(2006年昇格)
Château Trottevieille
Château Valandraud(2012年昇格)

ボルドー右岸のサン・テミリオン(Saint-Émilion)はメドックとは格付けのシステムが違うので、いくつか理解しておかないといけない事項があります。まずは対象範囲をINAOの地図で確認。
SM01
行政区分のサン・テミリオンだけでなく周辺のコミューンを含めた結構広大な範囲です。ここで作ったワインが一定の条件を満たすと以下のAOCが名乗れます。

・AOC Saint-Émilion
・AOC Saint-Émilion Grand Cru

「Grand Cru」とありますが、これは低収量かつアルコール度数の基準を満たせばOKで、格付けの「Grand Cru Classé」とは全く別ものと考えないといけません。
サン・テミリオンの格付けは1855年のメドックの格付けに遅れること100年、1955年から始まっていて、以下の3段階があります。

・Premier Grand Cru Classé 'A'
・Premier Grand Cru Classé 'B'
・Grand Cru Classé

サン・テミリオンの格付けの最大の特徴は10年ごとに改定されるところです。過去、1969年、1986年、1996年、2006年、2012年と改定を重ねてきています。ところが、この改定がもめる要因にもなってるんですね。2006年の改定時は格付けが一時無効になったり大もめしています。前回2012年の格付けからそろそろ10年。来年2022年にはまた改定がやってきます。どうなりますことやら楽しみではあります。(笑)
あっ、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(A)のつと(B)の 14 のシャトーを挙げましたが、ただの「グラン・クリュ・クラッセ」のシャトーはまだでしたね。実はこのクラスにはさらに 64 ものシャトーが選ばれています。とてもじゃないので、ここには挙げません。(笑)

サン・テミリオンの公式サイトでは格付けワインのリストとその詳細が見られます。

興味ある方はこちらでご確認ください。(笑)


エチケット平面化画像。
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ファーストは紋章が赤いのですがセカンドはモノトーンになってます。裏ラベルにはセパージュほか、シャトーの簡単な説明がありいいですね。創業は1705年としています。

しかしこれはインポーターシールによりこのような状態でした。
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フランス語は読まないと思ったのでしょうか? 作り手のメッセージを隠すとは不届き者です、コルドンヴェール。


さあ、抜栓。
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集成コルクですね。このタイプはブショネの可能性はあるんでしょうね。

コルク平面化。
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シャトーの紋章、ミレジム、しっかり入ってます。よくできました。

Alc.14%。(pH:4.46、Brix:7.5)
濃いめガーネット。涙は細く数が多いです。
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黒ベリー、カシス。
芳しい樽香があります。ナッツっぽい。
辛口アタック。
フルーティな風味漂わせながら、
厚み・奥行き充分感じられ好印象です。
タンニンは収斂性感じるしっかりタイプ。
余韻で酸が強調されてくるんですが、
ギリギリのバランスで逃げ切りました。

セカンドらしさは確かにありますが、傑出してます。
さすが、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ(B)です。
ただし、このセカンド、AOC Saint-Émilion Grand Cru なんですが。(笑)


*****


Château La Gaffelière
Clos La Gaffelière 2015
Saint-Émilion Grand Cru
RRWポイント 94点


Terre da Vino Barolo DOCG 2015

スーパーで売っていたバローロです。最近よく無名のバローロ、バルバレスコがスーパーに置いてあるのでついつい手を出してしまいます。無名といっても、バローロDOCGの規定がありますから、バローロ域内のネッビオーロ 100%をバローロ域内で醸し、合計38ヶ月の熟成(内、木樽で18ヶ月)をしていることは保証されているわけで、最低限の品質は確保されているわけです。で、今日のバローロ、1,780円+税で10%ポイント還元(笑)。自分史上、最安のバローロかも。

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作り手のテッレ・ダ・ヴィーノ社は1980年にピエモンテの農家と生産者組合が母体となって立ち上げられました。トリノ大学のコンサルを受けたり、醸造家、生物学者、農学者らのプロフェッショナルを自ら抱え栽培等のアドバイスを契約農家に行ない、低収量・完熟収穫を徹底し高品質のワインを産みだしてるそうです。現在、2,500人以上の栽培者がおり、畑の総面積は5,000ha以上にもなるそうです。2000年にはセラーをバローロ地区のど真ん中に移し、2,000樽のバリックを空調付きのホールで熟成させるといった近代的な施設を構えています。

公式ページはさすがに立派ですが個々のワイン情報は弱いですかね。

ラインアップはピエモンテの有名DOC/DOCGばかり。高品質を目指してるのがわかります。
・ネッビオーロ 100%
バローロDOCGの規定、合計38ヶ月の熟成、内木樽で18ヶ月は当然クリアでしょうが、このワインはオーク樽で2年熟成となっていますので、規定より半年ほど長くやってるようです。


テッレ・ダ・ヴィーノを訪問します。かなり立派な施設ですね。
TerredaVino01
バローロの集落からも車で5分です。写真に見えているのは建物の正面で、木材を使った凝った作りのファサードになっています。醸造施設ほかは後方にかなり大規模に広がっています。

いつものバローロの地図に所在を書き込んでみました。
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まさに、バローロ・エリアのど真ん中。そこにあんな巨大で近代的な施設を作っちゃったわけですね。そしてそれをお安く提供する。偉いワインならぬ、偉い生産者です。(笑)

バローロのコムーネの地図でズームインして見てみると、ぎりぎりバローロ村内にあります。
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まわりは見渡す限りの銘醸地。メインの建物の最上階には、クライアントの訪問に対応し試飲や会議ができる多機能スペースがあり、ここからは、バローロの壮大な景色が一望にできるそうです。行ってみた~い。


ラベル平面化画像。
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デザインはシンプル過ぎて、バローロの威厳がちょっと感じられないですかね(笑)。


さあ、抜栓。
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無印キャップは致し方なし。

コルク平面化。
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ワイナリーの名前入りノマコルク。

Alc.13.5%。(pH:4.46、Brix:7.5)
エッジレンガ色。わりと透けるガーネットです。
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黒ベリー、イチジク、スパイス、リコリス。
辛口アタック。
酸もいい感じに控えめです。
複雑味ある味わい。
立体感もしっかりと感じます。
すごくいいバランス。有名作り手と見紛います。
やはり、バローロもいいバランスが全てですね。
余韻もぬかりない感じで満足のうちにフィニッシュ。

超お手頃なのにしっかりバローロしていて驚きです。
こだわりの小規模生産者でなくとも、このレベル。
偉い。


*****

Terre da Vino
Barolo DOCG 2015
RRWポイント 93点


L'Enchanteur de Vray Croix de Gay 2015 Pomerol

ポムロールをいただきましょう。シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)のセカンドワインではありますが、ちゃんとポムロールです(笑)。2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得したといいますからレベルは高いはずですよ。

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「2014年にシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏が取得した」というと、前に試したラランド・ド・ポムロールのシャトー・シオラック(Château Siaurac)もそうでした。エチケットのデザインもよく似ていますが、調べると醸造はシャトー・シオラックでやってるようです。裏ラベルのURLがなんとシャトー・シオラックのもの(www.siaurac.com)でした。オーナーが同じですから、畑は違えど、実質は同じシャトーってことになりそうですね。

なので、公式ページはシオラックのものしかありません。

そして案の定、シオラックのワインしか載っていません。以下裏ラベル&ネット情報。
・メルロー 100%
新樽率15%のオーク樽で 11ヶ月の熟成です。


シャトー訪問は、シャトー・シオラック訪問ってことで。
Vray00
公式ページの空撮映像からスクショしました。Google Mapでもここが Château Vray Croix de Gay ということになってます。しかし、ラランド・ド・ポムロールもきれいですな~。

シャトー・シオラックの場所と、ラランド・ド・ポムロール、ポムロールの位置関係を確認。
Siaurac02
シオラックはコミューンで言うとネアック(Néac)側になります。サンテミリオン他、リブルヌ周辺もついでにおさらいおしておきましょう。

ところで、今日のシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイの畑はポムロールにあるわけでして、それは一体どこなんだってことです。Google Mapでも引っ掛かりませんし、ネット情報でもはっきりしたことが書いていません。唯一見つけた情報が「ペトリュスとトロタノワの隣の2つの砂利のパーセル」であるということです。ちょっとこれで捜索してみましょう。
Vray01
ペトリュスとトロタノワに印をつけましたが、このあたり有名シャトーがひしめき合っていて、「隣の2区画」なんて言われても特定不可能ですね。「Châteaux La Croix de Gay」というのがペトリュスの近くにあるんですが、これは別物で、このシャトー名が先に登録されたためにシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲイ(Château Vray Croix de Gay)は「Vray(e)=本当の」をつけることになったそうです。「新加勢大周」の世界ですね。(笑)


エチケット平面化画像。
IMG_4620
イラストには十字架と遠くにポムロール教会らしきものが見えます。ペトリュスとトロタノワの間のあたりなんでしょうね。


さあ、抜栓。
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コルク平面化。
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十字架がシンボルなのは理解しますが、そこはミレジムを打ちましょうよ。

Alc.14%。(pH:4.67、Brix:7.8)
濃いガーネット。
IMG_4825

ブラックベリー、ブルーベリー。
スギ、シダの樽香は上品な感じ。
酸味がクールな辛口アタック。
構造感、深み、貫禄がありますが、
フルーティな軽さも併せ持ってますね。
タンニンは大人しいくらいの穏やかさ。
余韻はあっさりですが、絶妙なバランスが奏功してます。
最後に少々残る甘みに気づきました。

とてもおいしいではありますが、
シャトー・シオラックのセカンドの方が若干上回ってました。
樽を使ってないのにね。


*****


L'Enchanteur de Vray Croix de Gay 2015
Pomerol
RRWポイント 94点


Kirkland Signature Barolo 2015

バローロをいただくんですが、コストコのプライベートブランド、カークランド・シグネチャーです(笑)。今までは素通りしていたやつですが、最近キヤンティ・クラッシコリオハを試し、そんなに悪くなかったもので、これも試してみなきゃと相成りました。お値段は2,488円。微妙な感じですが本国アメリカでは$19.99のようですから、ドル建てで見ると安く感じます。(笑)


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問題は作り手です。キヤンティ・クラッシコやリオハは裏ラベルにヒントが書いてあって、生産委託先が判明したんですが、バローロは裏ラベルには全く手掛かりがありません。困ったなと思っていると、ネックに「Simone Tablino」というサインがあります。一か八かでググってみます。
すると、ロレンツォ・タブリーノというアルバにあるワインのコンサルのページがヒットします。この方の息子さんがネックのサインのシモーネ・タブリーノさんで、親子でワインのコンサルをやってるようです。で、重要な発見が、お父様のロレンツォ・タブリーノさんが1969年から2004年までセッラルンガ・ダルバの大手ワイナリー、フォンタナフレッダFontanafredda)で技術者として働いていたことです。そしてさらに、息子のシモーネ・タブリーノさんが2004年から引き継いでフォンタナフレッダで働いてらっしゃる! 現役じゃん。(笑)

すると次々と手掛りが繋がってきます。表ラベルには生産地でしょう「Serralunga d'Alba」とありますし、イラストの建物にも「Villa Reale in Serralunga」とあります。フォンタナフレッダ村(Villaggio Fontanafredda)とも呼ばれるフォンタナフレッダの敷地内へ入ってみます。
FontanafreddaGR01
ビンゴ! ラベルのイラストの建物はこれでしたね。クリソツです。ということで、コストコのバローロはフォンタナフレッダで間違いないという結論になりました。


公式ページにコストコのワインが載ってるわけもありませんが、一応リンクを貼っておきます。

データは不詳ですが、バローロDOCGの規定に沿うとこうです。
・ネッビオーロ 100%
合計38ヶ月の熟成(内木樽で18ヶ月)はやってるってことです。


フォンタナフレッダの公式ページにある周辺の中世風イラスト地図です。
Fontanafredda01
フォンタナフレッダと、セッラルンガ・ダルバ城のあるセッラルンガ・ダルバの町、バローロ村に旗が立ってます。(実際は所有畑の場所を示す旗ですが…。)

なかなか面白い地図なので、Google Mapにイラストと共に転記します。
FontanafreddaGR02
地図の左下にフォンタナフレッド村の拡大写真を入れています。今日のワインのラベルのイラスト「Villa Reale」はここに示したように敷地の奥の方にあります。


ラベル平面化画像。
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ジェームズ・サックリングさん92点のシールあり。


さあ、抜栓。
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超無印。コルクもこの番号だけなので平面化はなしです。

Alc.14%。(pH:4.16、Brix:7.7)
エッジにかけて透けるガーネット。粘性の涙は細かめです。
IMG_4341

辛口アタックの前に酸性のブレット風味が飛び込んできます。
まあ、バローロあるあるかもしれないので、良しとしましょう。
ブラックベリー、アプリコット、鉄、黒鉛。
辛口アタック。
やはり酸がありますが尖ってはいないのでOK。
しなやかなテクスチャーをもつ味は程よい複雑味をたたえています。
喉元に張り付く収斂性は演出として悪くはないです。
ただし、余韻で甘みに気づきながらも、
そのタンニン分がしつこく残る気がします。

値段なりですが十分楽しめるバローロだと思います。
ただし、フォンタナフレッダにしては今ひとつな感じはします。


*****


Kirkland Signature
Barolo 2015
RRWポイント 90点


Domaine de Chevalier La Petite Lune 2015

やまやで買ったAOCボルドーのワインですが、エチケットにはドメーヌ・ド・シュヴァリエ(Domaine de Chevalier)/ ベルナール家とあり、裏ラベルを見てもドメーヌ・ド・シュヴァリエの元詰めとなっています。ドメーヌ・ド・シュヴァリエはペサック・レオニャンのグラーヴ格付けシャトーで、赤・白共に格付けされている6シャトーのひとつです。AOCボルドーですから、サードワインかそれ以下だと思いますが、デザイン含めなんとなく気合が入ってそうです。試してみましょう。


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ドメーヌ・ド・シュヴァリエは1953年にグラーヴの格付けをされているわけですから昔から評価が高かったことは想像できます。1983年に大手酒造メーカーを所有していたベルナール家がここを取得します。現当主のオリヴィエ・ベルナール氏というのがかなりのやり手のようで、ボルドー最大の生産者協会組織であるUGCB(ユニオン・デ・グラン・クリュ・ボルドー)の会長でもあるそうです。以下の画像を見てください。今日のワインを仕掛けたのもこのお方のようですよ。

ボトルのネックについていたPOPです。(開いて撮影しています。)
DomChevalierL
ネット情報も加味して要約すると(笑)、オリヴィエ・ベルナール氏が、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのコンサルであるステファン・ドゥルノンクール氏に「ボルドーのあんまり有名でないところのテロワールを活かしてワインを作りたいな~。いっちょ、ええボルドー作ったって~や。」と頼んだような感じです。(笑)

もう一つこのワインで特筆すべきは、「La Petite Lune(小さい月)」という名前や、エチケットの月をあしらったデザインです。これは、これまたオリヴィエ・ベルナール氏が最高の辛口ボルドー・ブランを作るためにソーテルヌで始めた「Clos des Lunes」のプロジェクトのコンセプトを継承しているのが見てわかります。これはただのAOCボルドーやサードワインなんかじゃなさそうですよ…。

ドメーヌ・ド・シュヴァリエの公式ページはこれ。

しかし、今日のワインが載ってるわけもありません。

一応、グラーヴ地区レオニャンにあるドメーヌ・ド・シュヴァリエを訪問。
DomChevalier
入り口からかなり奥まったところにあり、ストビューでは入れません。周りが自社畑に囲まれた非常にきれいな建物が奥にあります。

前述のように、ソーテルヌに新しいシャトーを2011年から始めています。その名を「Clos des Lunes」といいます。ここは辛口白のみのところですが、今日のワインのコンセプトはここから来てると思われます。公式ページはこちら。

しかし、ここにも今日のワインは載っていません。プチ・リュンヌって名前なのにね。

一応、ここも訪問してきましょう。
ClosLunes
ソーテルヌのど真ん中、シャトー・ディケムに隣接するというすごい立地です。


と言うわけで、ワイン情報はネットに頼ります。
・メルロー 70%
・カベフラ 30%
ボルドー右岸っぽいセパージュですね。コンサルのステファン・ドゥルノンクール氏がセレクトしたブドウを(アントル・ドゥ・メールあたりと思われ)実際にドメーヌ・ド・シュヴァリエのチームが醸造してるそうです。


今日のワインはドメーヌ・ド・シュヴァリエそのものではありませんが、一応訪問はしたので(笑)ドメーヌ・ド・シュヴァリエの所在をいつもの地図に追記しておきます。
DomChevalierG
グラーヴ格付けシャトーもまだまだ攻略しないといけませんね。課題多し。


エチケット平面化画像。
IMG_4142
デザインのテイストは「Clos des Lunes」のものと酷似しています。


さあ、抜栓。
IMG_4289
なんとキャップシールにもミレジムが入っています。このデザインも Clos des Lunes 譲りです。

コルク平面化。
IMG_4290
プチ・リュンヌ専用品、かつ横にミレジム入り。

Alc.13.5%。(pH:4.36、Brix:7.1)
濃いガーネット。
IMG_4294

カシス、ブルーベリー、スパイス。
華やかながら軽めの香り。
辛口アタック。
重々しくないですが、味の厚み・構造感はしっかりしてます。
かすかな酸が果実味も与えてます。
余韻もあっさりして、すべてが軽めなんですが、
全体が絶妙のバランスで作られてる気がします。
そういうのって「うまい!」って思うんですよ。


*****

Domaine de Chevalier
La Petite Lune 2015
RRWポイント 92点


De’ Ricci Vino Nobile di Montepulciano 2015

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノです。「モンテプルチアーノの高貴なワイン」という意味ですから気分は上がりますね。その歴史は古く、中世の記録でも記述があるそうです。Vino Nobile di Montepulciano という言葉が歴史上初めて使われたのは1530年のことらしいです。因みにDOCに認定されたのが1966年、DOCGに昇格したのが1980年です。


IMG_4176
作り手の名前は「リッチ家」のワイナリーってことなんですが、リッチ家の歴史は1150年までさかのぼるそうです。歴史が古いだけあって、なんとモンテプルチアーノの集落の一段高い所にある Palazzo Ricci という大聖堂の中にワイナリーがあります。(1562年に建設されたという、モンテプルチアーノで最も美しいルネッサンス様式の宮殿の1つだそうで。)
ラベルに「太陽の下にいるハリネズミ」のイラストがありますが、リッチ家のご先祖様がハリネズミの行動を見ることで天気を予測することができたそうで、リッチョ(Riccio=イタリア語でハリネズミ)というニックネームをもらい、リッチ家の名前の由来になったそうです。


公式ページは歴史や施設・畑の説明はあるのに肝心のワインの紹介が見当たりません。

しかたがないのでインポーターの情報から。
・サンジョヴェーゼ 100%
除梗後、30%だけ破砕。アルコール発酵&マセラシオン後、新樽と900Lの樽(トノー)の混成で12ヶ月、その後25hl(2500L)の大樽に移しさらに12ヶ月熟成するそうです。その後ボトルでもう5ヶ月寝かせます。
Vino Nobile di Montepulciano DOCG の規定では、樽での12ヶ月を含む2年の熟成が義務付けられていますから軽々クリアしていますね。(因みに Riserva は3年です。)

品種は、現地でプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)と呼ばれる、いわゆるサンジョヴェーゼを70%以上使うのが規定です。
Chianti02
サンジョヴェーゼは突然変異しやすい品種で多くのクローンがあり、サンジョヴェーゼ・グロッソ(Sangiovese Grosso)の系統とサンジョヴェーゼ・ピッコロ(Sangiovese Piccolo)の系統に大きく分かれる(1908年発表の品種学者Girolamo Molon氏の論文)とされてますが、近年の研究では、双方のDNAプロファイルに遺伝的差異がないため真偽のほどは定かではなくなっています。
因みにサンジョヴェーゼ・グロッソと言われているのが、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)のプルニョーロ・ジェンティーレ(Prugnolo Gentile)です。他、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)のブルネッロ(Brunello)もそうです。


モンテプルチアーノの集落にあるデ・リッチを訪問します。
DeRicci01
モンテプルチアーノの町も歴史を感じさせ雰囲気がいいですが、デ・リッチの場所がすごいところにありますね。さすが老舗。中は教会の大聖堂のようになってます。


さて、ネットで拾ったトスカーナ州の地図で、モンテプルチアーノの町と Vino Nobile di Montepulciano DOCG の場所を確認します。
DeRicci02
ついでに他の主要DOC/DOCGも書き込みました。拡大してお楽しみください。(DOCG、DOC、キヤンティのサブゾーンで色を変えています。)

地形と産地の関係を見てみたいので、Google Mapの航空写真を重ねてみました。
Toscana_MapT
山間を縫うように各産地があります。トスカーナ州の北側はアペニン山脈になり産地が少ないようですね。


ラベル平面化画像。
IMG_3857
よく見るとハリネズミさん、かわいい…。


さあ、抜栓。
IMG_4172
キャップシールに「R」マーク入りです。

コルク平面化。
IMG_4173
こんなところにもハリネズミと太陽がありました。

Alc.13.5%。(pH:4.19、Brix:7.6)
クリア感あるガーネット。さすがにエッジは褐変。
IMG_4174

黒ベリー、アプリコット、胡椒、鞣し革。
熟成感がハンパない香りです。
辛口アタック。
乾いた感じの味わいかと思いきや、
タンニン分も加勢して、すごく立体感が出てきました。
表層の舌触りはシルキーなテクスチャーを感じます。
程よい酸味が盛り立ててるのにも気づきました。
余韻も苦味走りながらいいバランス続きます…。

う~ん、欠点がない。うまいです。
ピザとパスタに合わせましたがベストマッチでした。


*****


De’ Ricci Cantine Storiche
Vino Nobile di Montepulciano 2015
RRWポイント 94点


Kirkland Signature Rioja Reserva 2015

スペイン、リオハDOCaのレセルバです。が、ご覧のようにカークランド・シグネチャーですから、ご存知コストコのプライベートブランド商品です。これは素性を探るのは難しそうですが、先日試した同じくコストコのキヤンティ・クラッシコ・リゼルヴァDOCG同様1000円を切る結構なお手頃価格ですから、偉いワインかどうか味見くらいはしておかなくてはなりませぬ。(笑)


IMG_4020
キヤンティの時は有難いことに裏ラベルに作り手(生産委託先)の名前が紹介してありましたが、どうやらこれは、そんな情報はなさそうです。しかし、よ~く目を凝らすと、極少文字で「Bottled by Bodegas Muriel - El Ciego - España」とあるのを発見。
作り手は、リオハ・アラベサ(Rioja Alavesa)のエルシエゴ(Elciego / Eltziego)で1926年に創業したボデガス・ムリエルになります。現在はリオハの複数のワイナリーやリアス・バイシャスのワイナリーまで傘下に収める「Muriel Wines」グループの中核となっているようです。なるほど、コストコ向けに大量に生産できる大手というわけです。


公式ページはこちら。当然のようにコストコ向けのワインは載っていません。

品種は当然ながらテンプラニージョです。テンプラニージョはたくさんのシノニムがありますが、
(リベラ・デル・ドゥエロのTinto Fino、カタルーニャのUll de Llebre、ラ・マンチャのCencibelなど)リオハでは「テンプラニージョ」と呼ぶので本家なのでしょうかね。
・テンプラニージョ 100%
裏ラベルによると、オーク樽で30ヶ月、ボトルで6ヶ月の熟成となっています。
リオハDOCaの熟成の規定はスペインの他のDOとは微妙に違うのでまとめておきましょう。

クリアンサ(Crianza)
(他DO)24ヶ月/内、6ヶ月は樽
DOCa Rioja)24ヶ月/内、12ヶ月は樽

レセルバ(Reserva)
(他DO)36ヶ月/内、12ヶ月は樽
(DOCa Rioja)36ヶ月/内、12ヶ月は樽

グラン・レセルバ(Gran Reserva)
(他DO)60ヶ月/内、18ヶ月は樽
(DOCa Rioja)60ヶ月/内、24ヶ月は樽

とにかく今日のワインはリオハDOCaのレセルバの規定はクリアしてます。(笑)


作り手訪問。やはりかなり大きな敷地、施設です。
BodegasMuriel01
エルシエゴ(Elciego / Eltziego)の町の東側一帯って感じ。

リオハのおおよその位置をスペイン地図で見ます。
RiojaA
リオハDOCaのあるラ・リオハ州はラ・リオハ県のみで構成され、州都・県都はログローニョです。エブロ川が州北部を東西に横断しており、バスク自治州、ナバーラ州、アラゴン州、カスティージャ・イ・レオン州と接しています。

さあ、リオハの地図を見ますが、これはいつも使ってるお馴染みのやつ。エルシエゴ(Elciego)の町は見つかりましたか?(リオハ・アラベサというサブリージョンにあります。)
RiojaB
リオハ・アラベサ(Rioja Alavesa)、リオハ・アルタ(Rioja Alta)、リオハ・バハ(Rioja Baja)の3つサブリージョンが示されています。ただ、リオハ・バハ(バハ=「低い」の意味)は響きが悪いので(笑)、今はリオハ・オリエンタル(=「東リオハ」の意味)と呼ばれます。
リオハ・オリエンタルは3つのエリアでは最も標高が低く温暖で、テンプラニージョより晩熟なガルナチャ(グルナッシュ)が主体の産地になっています。

「リオハ・オリエンタル」と表示してある地図がコレ。
RiojaC
リオハ・アラベサやリオハ・アルタ(アルタ=「高い」の意味)は500~800mの標高のお陰で寒暖差があり、良質のテンプラニージョを産するというわけです。
また、リオハ・オリエンタル(リオハ・バハ)は、VT(Vino de la Tierra) の Valles de Sadacia と重なることもわかりますね。Vino de la Tierra というのは IGP(Indicación Geográfica Protegida)に当たります。
DOカバに属するエリアも示してありますね。(DOカバはスペイン全土にあります。)

やっぱりですが、Google Mapにリオハのエリアを転記しておきます。
BodegasMuriel00
エブロ川やその支流の、河岸が分布しているエリアやその山沿いなんかを見ると、それぞれのゾーンの性格がなんとなくわかるような気がします。やはりGoogle Map転記は大切です。(笑)


ラベル平面化画像。ちゃんとリオハ・レセルバの認証シールがあります。
IMG_3936
しかし、この建物のイラスト、どこなんでしょう?


さあ、抜栓。
IMG_4017
キャップシールのマークはボデガス・ムリエルの紋章をもじったもののようです。

コルク平面化。
IMG_4018
裏ラベルにもあったリオハの認証マークですね。コルクはDIAM3を採用です。

Alc.13.5%。(pH:4.27、Brix:7.8)
ガーネット。
IMG_4019

やはりアメリカンオークでしょうか。
樽香が真っ先に来ます。
黒ベリー、オリーブ、スパイス。
辛口アタック。
酸も感じますが、出過ぎてはいません。
タンニンも収斂性あってうまく効いています。
ただ、それらを受け止める味わいは若干弱めで、
バランスとして惜しい気がします。
ですが、喉越しの苦味様の滋味からの余韻は結構楽しめ、
総論、全然悪くないと思いました。偉いワインです。


*****


Kirkland Signature
Rioja Reserva 2015
RRWポイント 91点


Jean-Claude Mas IIIB & Auromon 2015 Limoux

ラングドックにも、シュッドウエストのアラン・ブリュモンのように間違いのない作り手っていうのがいるはずです。たぶんこのジャン・クロード・マスもそんな作り手のひとつだと思われます。ラングドック中で手広くやってるようですが、今日はそのうちのAOCリムーの良さげなヤツを見つけたのでお試しです。お手頃価格でしたから、おいしかったら偉いワイン認定です。(笑)


IMG_3946
ジャン・クロード・マスさんは、エロー県のペズナ(Pézenas)の近くで1892年からブドウ栽培を始めたマス家の現当主で、ラングドック中の数々のワイナリーを取得し、各界から高評価を受ける高品質ワインを低価格で作り出しているそうで…偉い!
やっぱりですが、今日のワインもリアルワインガイド誌で「絶対的本物の旨安ワイン 極めつけのおすすめ30本 旨安大賞」に選ばれたんだそうです。(笑)

公式ページに所有ワイナリーを示すイラスト地図がありました。
PaulMas01
広範囲に渡って錚々たるものですね。


今日のワインは Domaine Astruc というリムーに所有するワイナリー(2002年取得)で作られるらしいのですが、なぜかこの公式ページではこのワインが紹介されていません。
PaulMas00
ワイン名の「IIIB」 はドメーヌ最上級を表すローマ数字の「Ⅲ」と樽熟成の「B(バリック)」からつけられているそうで、そんな上級ワインが載ってないのは不可解ではあります。
仕方がないので、例によってインポーター情報から。
・メルロー 80%
・シラー 15%
・カベソー 5%
総量の65%を7ヶ月の樽熟成(アメリカンオーク60%、フレンチオーク40%)、残り35%はステンレスタンクで熟成されます。


ワイナリー訪問。リムー市街から車で10分ほどに Domaine Astruc はあります。
PaulMas04
風情はないですが、なかなか敷地も大きく立派なところです。

オード県を俯瞰してAOCリムー(Limoux)に記入したドメーヌの所在を確認。
PaulMas02
AOC Limoux Rouge として AOC Limoux に赤が加わったのが2003年で、それまでは AOC Limoux Blanc というモーザック(Mauzac)、シャルドネ、シュナン・ブランを使う白ワインのAOCでした。もっとも、その前身として AOC Crémant de Limoux(Blanc / Rosé)、AOC Limoux Blanquette de LimouxAOC Limoux Méthode Ancestrale といった発泡性のワインがAOCとしてありました。赤はまだ歴史が浅いというわけです。

そうそう、ジャン・クロード・マスさんの本拠地はエロー県ペズナ(Pézenas)の近く。
PaulMas03
一応書き込みましたので見つかりましたか?モンペリエとベジエ(Béziers)の間あたりです。ここにある Château Paul Mas を拠点に Les Domaines Paul Mas を運営しているということなるようですが、とにかくややこしいですね。


エチケット平面化画像。
IMG_3758
上品な印刷のラベルは安物感がなくていいです。


さあ、抜栓。
IMG_3943
キャップシールは汎用ながら、コルクはジャン・クロード・マスさんサイン入り。

コルク平面化。
IMG_3944
ミレジムは横にちゃんと打ってありました。

Alc.14%。(pH:4.23、Brix:7.4)
ガーネット。
IMG_3945

黒ベリー、ブラックチェリー、黒胡椒。
ロースト効いた樽香もあります。
辛口アタック。
味の厚みはそこそこありますね。
すぐに収斂性のタンニンが喉元に絡んでくるのはいい感じです。
開いてくると次第に、複雑味やストラクチャーが感じられてきました。
かすかな酸も加勢して極上のバランスが完成したようです。
そして余韻へ突入。果実味も出てきました。
これがなかなか続いて満足度高し。偉いワインです。


*****


Jean Claude Mas
IIIB & Auromon 2015 Limoux
RRWポイント 94点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

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