Red Red Wine:「偉いワイン」探しの備忘録

ワインについて、僕SFが自分用のメモ・備忘録として書き込む場所です。 Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない。 かの有名な僕の名言です。(笑) あくまで自己流に、(お手頃価格の)ワインの世界を日々記録しています。 いつかその「偉いワイン」に出会うために。

2016年

Viña Koyle Royale Carmenere 2016 Alto Colchagua

本日は日本カルメネール振興協会の活動日なり。コイレ(Viña Koyle)なる作り手は初めてですが、1885年から首都州ペニャフロールに続く歴史あるビニャ・ウンドゥラガ(Viña Undurraga)が、2006年にコルチャグア・ヴァレーに開いた新しいワイナリーなんですね。パーカーおじさんは2015年のこのワインを試し感銘を受けたと言って91点をつけています。いいかも。

IMG_5297
ウンドゥラガ家が2006年にコルチャグア・ヴァレーのアンデスの麓の畑「Los Lingues」を購入したのがこのコイレの始まりなんですが、公式ページではウンドゥラガ家の歴史がコイレの歴史として語られていて、実際現在も6世代続くウンドゥラガ家によって運営されています。今日のワインは2006年に Los Lingues に植えられたカルメネールからのものですが、Royale Carmenere 2010 が Wine Spectator のTOP100ワインに選ばれるなど早々と名声を得ているようです。

公式ページは単独の立派なのがあります。Viña Undurraga についてはあまり語られてませんが。


ご参考までに、Viña Undurraga の公式ページはこちら。KOYLEについては載ってませんが。

公式ページにはセパージュが「カルメネール」としか書いてないんですが、ネット情報では2016年はこんな感じ。年ごとに微妙に変わるようです。
・カルメネール 85%
・プチヴェルド 9%
・マルベック 6%
熟成はフレンチオークのバリックで18ヶ月です。


公式ページには創業の畑「Los Lingues」の情報満載でした。そのスクショから。
Koyle00
上空写真がいい感じです。Google Mapで所在も示してあります。

さらにロス・リンゲスの区分けの図示もありました。Google Map上で確認します。
Koyle01
パーカーおじさんの記事によると、今日の「Royale Carmenere」は 2nd Terrace と 3rd Terrace からということです。標高は420~500mで、火山性の土壌だそうです。
コイレの立派な建物の写真を右下に貼りましたが、これはロス・リンゲスの畑から車で20分ほどサン・フェルナンドの町寄りの場所にあります。ストビューがないのでこれにてワイナリー訪問を兼ねます。(笑)

恒例ですが、リベルタドール・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O’Higgins)の地図でラペル・ヴァレー(=コルチャグア+カチャポアル)を確認。
Libertador_O'Hinggis_Rio
ロス・リンゲスの畑とビニャ・コイレの場所も記しています。インポーター情報によると、「ロス・リンゲス」は2016年に D.O.(Denominación de Origen)Colchagua Valley のサブリージョンに認定されているそうです。ビニャ・コイレの公式ページにも D.O. Los Lingues の誕生としてニュース記事を載せています。

チリでは2011年に新しい原産地呼称表示の制度が導入されていまして、
 ●コスタ(Costa =海岸)
 ●エントレ・コルディジェラス(Entre Cordilleras =山脈の間の平地部分)
 ●アンデス(Andes =アンデス山脈)
の3つの地理条件をD.O.に付記できるようになっています。ロス・リンゲスは間違いなく「アンデス」ですね。コルチャグア・ヴァレーのサブリージョンで同じく「アンデス」に分類されるのは、San Fernando と Chimbarongo があります。地図でもご確認を。


ラベル平面化画像。
IMG_4870
裏ラベル含め非常に情報量が多いです。1885年創業としていますね(笑)。Ecocert、Demeterも取得したビオディナミのオーガニックワインですね。Veganマークもあります。ゴイゴイスー。


さあ、抜栓。
IMG_5299
キャップシールにはシンボルマークのコイレの花があしらってあります。ロス・リンゲスの土着の花だそうです。

コルク平面化。
IMG_5294
ヴィンテージもちゃんと横に入ってます。

Alc.14.5%。(pH:4.08、Brix:7.9)
濃いガーネット。
IMG_5295

黒ベリー、ダークチェリー、スギ。
カルメネール特有のモカ、青野菜はありますが、ごく微か。
辛口アタック。
酸も感じますが溶け込んでいて、
深い味わいのいい導入になっています。
構造感、複雑味、しっかり出てますね。
タンニンはとってもシルキー。
全てがいいバランスのまま悠遠の余韻へ…。
これはなかなかいいカルメネールに出会いました。


*****

Viña Koyle
Royale Carmenere 2016
Alto Colchagua
RRWポイント 95点


Paul Reitz Mercurey 2016

ポール・レイツ(Paul Reitz)のメルキュレをいただきましょう。コート・ド・ニュイの南の端、コルゴロアン村が本拠地の大手ですが、いわゆるネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)で、ブドウを仕入れ、醸造・熟成・瓶詰めを自ら行います。ブルゴーニュに多いスタイルですね。シャンパーニュのネゴシアン・マニピュラン(NM=Négociant-Manipulant)と似ています。

IMG_5249
1793年にジーン・アダム・レイツさんがエステートを造ったのが起源だそうで、1872年にポール・レイツさんがコルゴロアン村(Corgoloin)に立ち上げたワイナリー/ネゴシアン・エルヴールが今日の「ポール・レイツ」という訳です。

公式ページの本体は全編Flashベース。2021年の現在はFlashサポート終了で全く見られません。

Flashの終了は早くからわかっていた話ですから、ここは対応をしておいて欲しかったですね。仕方がないので何とかFlashを表示する方法がないかネット上を探し回った結果、怪しい(笑)エミュレータがあったので何とか見られました。これがそのサイトのスクショです。
Website
もう見られませんから今となってはなかなか貴重ですよ。しかし、サイトの情報自体は結構あっさりめのようです。今日のメルキュレもラインナップにあるのはわかりますが詳細情報なし。ネゴシアンのサイトの宿命ですかね。ポール・レイツの情報源はあと facebook がありますが2019年で更新が止まってます。(笑)


コルゴロアン村(Corgoloin)の真ん中にあるポール・レイツを訪問。
PReittz01
ストビューでは中の立派な建物が拝めなかったので、facebook に上がってた写真を拝借しました。ロゴマークにするぐらい自慢の建物なんでしょう。

コルゴロアン村近辺をGoogle Mapで俯瞰して位置関係を確認します。
PReittz02
この辺りは単独でAOCになってないコミューンが続きますので影が薄いですね。
プルモー(Premeaux、行政区分上はプルモー・プリセ Premeaux-Prissey)はほとんどがAOCニュイ・サン・ジョルジュ扱いで(D974号線西側は1級)、それ以外の部分の畑も単独ではなく、コンブランシアン(Comblanchien)、コルゴロアン(Corgoloin)、そしてだいぶん北へ飛んで、ブロション(Brochon)とフィサン(Fixin)の一部と合わせ技でAOC Côte de Nuits-Villages を形成しています。(赤・白あり。)

そうそう、今日のワインはコート・シャロネーズでした。
DomaineFaiveley06
コート・シャロネーズ(Côte Chalonnaise)は、コート・ドールの南端からの続き、アリゴテのみのAOCブーズロンに始まり、マコネまでに5つのコミュナルAOCがあります。リュリー(Rully)、メルキュレ(Mercurey)、ジヴリ(Givry)までは赤・白両方のAOCで、1級畑もあります。さらに南側のモンタニー(Montagny)は白(シャルドネ)のみのAOCです。

今日のメルキュレはどこの畑なのかも全く情報なし。以前、フェヴレのメルキュレを試した時の地図を再掲してお茶を濁そうと思います(笑)。これもネゴシアンの宿命ですかね…。
DomaineFaiveley04
AOCメルキュレは、メルキュレのコミューンだけでなく、隣接するサン・マルタン・ス・モンテギュ(Saint-Martin-sous-Montaigu)も含まれることに注意。

これもフェヴレ(Faiveley)のメルキュレのときのGoogle Map転記地図です。
DomaineFaiveley05
プルミエ・クリュ(1級)の分布も示してます。いくつか畑名を書き込んでますが、名前の入った畑はフェヴレの所有する畑です。しかし、醸造施設も構え、畑もいっぱい持ってるフェヴレのメルキュレに対する力の入れようは並々ならぬものですね。


エチケット平面化画像。
IMG_5109
「Élevé et mis en bouteille par~」となっていますが「熟成および瓶詰めしてます」ってことで、ただのメゾンじゃないぞって主張してます。ネゴシアン・エルヴール(Négociant éleveur)でしたね。裏ラベルはなくインポーターシールのみ。


さあ、抜栓。
IMG_5246

コルク平面化。
IMG_5247
キャップもコルクもごく普通の汎用品でした。

Alc.13%。(pH:4.28、Brix:7.0)
しっかりルビー。
PReittz03

フランボワーズ、チェリー、佃煮香も。
酸味からくる辛口アタック。
複雑味、奥行きがあるのは感じるんですが、
最初の酸ががっつりマスクしますね。
喉越し余韻と時は流れても酸はそこに居る(笑)。

このパターン、よくあるので慣れてきたんですが、
好みとしてはいまだ高評価はしにくいんですよね。


*****


Maison Paul Reitz
Mercurey 2016
RRWポイント 88点


Domaine Chauvenet-Chopin Bourgogne Aligoté 2016

ドメーヌ・ショーヴネ・ショパンのアリゴテです。また残り半分は翌日にキールにしようと抜栓します。店頭にあった説明では「アンリ・ジャイエの後継者とも言われたドメーヌ・ショパン・グロフィエのダニエル・ショパン・グロフィエさんが引退後、長女と結婚してその畑を引き継いだユベール・ショーヴネさんのドメーヌがこのショーヴネ・ショパン」とのことで、「ショパン・グロフィエの正当な後継」はここなんだそうで。なんだかスゴそうですし、ややこしいバックグラウンドもありそうです。と言っても、今日いただくのはアリゴテなんですが。(笑)

IMG_5089
ストーリーはこうです。ユベール・ショーヴネ(Hubert Chauvenet)さんが自身のドメーヌをニュイ・サン・ジョルジュに立ち上げたのが1975年。その10年後に、経緯は知りませんが、かのアンリ・ジャイエと親好があったというコンブランシアン村のドメーヌ・ショパン・グロフィエ(Domaine Chopin-Groffier)の当主ダニエル・ショパン・グロフィエ(Daniel Chopin-Groffier)さんが引退を決意されたタイミングで、長女エヴリーヌ(Evelyne)さんと結婚。ドメーヌ名をショーヴネ・ショパン(Domaine Chauvenet-Chopin)と改め、義父の畑を相続していきます。特級クロ・ド・ヴージョほか、ニュイ・サン・ジョルジュの1級畑など総計14.5haを所有するに至ってるそうです。うまいことやりましたな~って、違うか(笑)。

公式ページにはそのあたりの経緯もサラリとですが書いています。

手作り風サイトでワイン情報も貧弱ですが、今日のアリゴテは「そのまま飲んでもいいし、カシスリキュールを入れて本物のキール(Kir)にしてもおいしいよ」なんて書いてました。そうします~。(笑)
・アリゴテ 100%
アリゴテの畑はコンブランシアンにあるそうですから、ドメーヌ・ショパン・グロフィエから受けついだものでしょうね。

ニュイ・サン・ジョルジュのドメーヌを訪問しておきます。
Dauvenet_Chopin01
奥さんの親元、ドメーヌ・ショパン・グロフィエはコンブランシアンにありましたから、AOCブルゴーニュのレジョナルの畑はコンブランシアンやプルモー・プリセにあるようですね。

この辺りは単独でAOCになってないコミューンが続きますので、こんな地図で確認。
Dauvenet_Chopin02
いつものラック・コーポレーション様の地図を拝借しました。

やはり、Google Map上でも見てみましょう。こっちの方がしっくりきます。
Comb02
ニュイ・サン・ジョルジュのドメーヌ・ショーヴネ・ショパンと、奥様の親元、コンブランシアン村のドメーヌ・ショパン・グロフィエがあった場所も地図上に示しています。
プルモー(Premeaux、行政区分上はプルモー・プリセ Premeaux-Prissey)はほとんどがAOCニュイ・サン・ジョルジュ扱いで(D974号線西側は1級)、それ以外の部分の畑も単独ではなく、コンブランシアン(Comblanchien)、コルゴロアン(Corgoloin)、そしてだいぶん飛んで、ブロション(Brochon)とフィサン(Fixin)の一部と合わせ技でAOC Côte de Nuits-Villages を形成しています。(赤・白あり。)
さらに、プルモーとコンブランシアンとコルゴロアンの3コミューンは、AOC Bourgogne Hautes Côtes de Nuits を成す20ヶ村の内にも入っています。(赤・白・ロゼあり。)
→ コンブランシアンとコルゴロアンは最新の官報(2017年改正)によるとAOCブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの対象から抜けています。また別の機会に調べようと思います。

AOCブルゴーニュ・アリゴテの範囲が気になったのでINAOの地図を見てみます。
Comb01
う~ん、やっぱりブルゴーニュ全域です。実際そこまでたくさん植えられてるんですかね。ブルゴーニュ全体の6%らしいですから結構多そうではありますが。

アリゴテはフランス原産です。1999年のDNA分析では、グエ・ブラン(Gouais Blanc=Heunisch Weiss)とピノの自然交配の可能性が示唆されたそうですがはっきりはしてないようです。
Dauvenet_Chopin04
アリゴテには2種類あると言われており、アリゴテ・ドレ(Aligoté doré=金色のアリゴテ)と、もう1種はアリゴテ・ヴェール(Aligoté vert=緑色のアリゴテ)とされています。ブーズロンで使われてるのがアリゴテ・ドレの方で、小粒で酸味が穏やか且つ芳香が豊か…なんて前にも書きましたが、調べてみると単なるクローンの違いだけなのか、明確にこれら品種の違いを説明する論拠は見つかりませんでした。


エチケット平面化画像。
IMG_5007

裏ラベルはなく、このインポーターシールのみでした。
IMG_5009


さあ、抜栓。
IMG_5085
アリゴテはお安いですからね。無印・汎用品は仕方なし。

一応、コルク平面化。
IMG_5086
汎用品ながらDIAM3を採用です。

Alc.12.5%。(pH:4.18、Brix:5.8)
オレンジがかったイエロー。
IMG_5087

黄色いリンゴ、洋梨。
ドライな酸から入ってくるんですが、
刺さないからいいです。
グレープフルーツ的な味わいと苦味があります。
甘やかさはなく、ドライに味わえました。

何気にアリゴテで最高点がつきました。
ショーヴネ・ショパン、覚えておきましょう。


*****


Domaine Chauvenet-Chopin
Bourgogne Aligoté 2016
WWWポイント 78点



WhiteWhiteWine01

Murphy-Goode Winery Cabernet Sauvignon 2016 Alexander Valley Sonoma County

コストコで見かけるマーフィーグッドというソノマのワイナリーです。カリフォルニアAVAのローレンジもあるようですが、これは上のラインでソノマ・カウンティ、アレキサンダー・ヴァレーAVA(Alexander Valley AVA)になります。コストコの店頭では2,089円(税抜)でしたので、USドル換算で20ドルくらいでしょうか。現地では定価28ドルで出ていますので、やはりコストコ、お値打ち価格でご提供してますね。

IMG_5024
ティム・マーフィー(Tim Murphy)さんとデイル・グッド(Dale Goode)さんが毎週興じるサイコロゲームのさなか、ワイン愛の話に花が咲き、本物のワインを作ろうじゃんかと盛り上がったんだとか。そんなこんなでワイナリー立ち上げたのが1985年のことだそうです。

公式ページはショップ兼用、あんまり情報がないアメリカンな感じです。

畑名なんかは書いてありますが、ほぼほぼ情報なし。以下はコストコ情報です。
・カベルネ・ソーヴィニヨン 98%
・プチ・ヴェルド 2%
樽はしっかり使ってると思いますが、詳細は不明。


ワイナリー訪問しようとしましたが、Geyeserville, CA と書いてあるもののGoogle Mapではヒットしません。この写真はテイスティングルーム(の看板)らしいです。
Murphy01
どうやらワイナリーの実体がなさそうで、なんとなく嫌な予感。カスタム・クラッシュ(Custom Crush)かもしれないですね。カスタム・クラッシュとは、ワイナリーや畑を持たない作り手が、(買い)ブドウを持ち込んでワイン造りの設備(プレス、醸造、熟成、瓶詰め)を借りてワインを作るシステムです。流通量もそこそこありますし、パーカーおじさんやWine Enthusiastなんかでも評価記事があったりするレベルの作り手でもカスタム・クラッシュってあるんですかね。
一応、公式ページの求人欄がジャクソン・ファミリー・ワインズというところに繋がってました。ここがカスタム・クラッシュの請負先でしょうかね。

作り手所在不明ですが、ソノマ・カウンティーAVAの地図で位置関係を確認しておきましょう。
Murphy02
公式ページには所在としているガイザーヴィル(Geyserville)も書き込みました。まさにアレキサンダー・ヴァレーAVAの真っ只中です。少なくとも畑はそこに所有してるんでしょう。


ラベル平面化画像。
IMG_4954


さて、抜栓。
IMG_5016
キャップシールはマーク入り。いいぞ。

コルク平面化。
IMG_5017
ヴィンテージを打ってないのが残念。5年耐用のDIAM5採用です。

Alc.14.5%。(pH:4.59、Brix:8.0)
濃いガーネット。
IMG_5022

黒ベリー、胡椒、いい樽香がします。
辛口アタック。
クールな酸味はかすかですが、いいように効いてます。
構造感しっかりありますね。Big & Rich...
カリフォルニア特有の甘さはあれども強く感じないのが秀逸です。
 シルキーなタンニンも絶妙で、余韻も質の高さ感じさせます。

カスタムクラッシュだとしても、
「うまいもんはうまい」ということですね。


*****

Murphy-Goode Winery
Cabernet Sauvignon 2016
Alexander Valley Sonoma County
RRWポイント 95点


Alejandro Fernández Condado de Haza Crianza 2016 Ribera del Duero

間違いない作り手というのは、どこの国、どの品種についても居るもので、スペインのテンプラニージョに関しては、このアレハンドロ・フェルナンデス(Alejandro Fernández)さんはその一人に違いないです。1975年から作るティント・ペスケラはすぐに名声を得、ベガ・シシリアの名前くらいしか知られていなかったリベラ・デル・ドゥエロという産地に世界の注目を集めさせ、1982年にDOリベラ・デル・ドゥエロ(DO Ribera del Duero)を誕生させるキッカケともなりました。今日は氏のもう一つのリベラ・デル・ドゥエロ、コンダド・デ・アサをお試しです。

IMG_4928
アレハンドロ・フェルナンデス(Familia Fernández Rivera)は1972年にドゥエロ川河畔の町ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)で創業します。1975年にティント・ペスケラ(Tinto Pesquera)の初ヴィンテージをリリース、その評判によって1982年に原産地呼称、DO(Denominación de Origen)リベラ・デル・ドゥエロが出来たのは前述の通り。同年、最高級のハヌース・ペスケラ(Janús Pesquera)をリリース。これをパーカーおじさんは「スペインのペトリュス」と絶賛しています。
1995年にもう一つのリベラ・デル・ドゥエロのワイナリーを立ち上げるのですが、それが今日のコンダド・デ・アサ(Condado de Haza)」になります。その後も1998年にサモーラ近くにデエサ・ラ・グランハ(Dehesa la Granja)、1999年にカスティージャ・ラ・マンチャのエル・ビンクロ(El Vínculo)と矢継ぎ早に新ワイナリーを立ち上げてきました。


公式ページは以上の4つのワイナリーがひとつになってます。


なんと日本語も選べるようになってます。その心意気、うれしいですね。

情報もしっかりあって非常に好感が持てます。
・テンプラニージョ 100%
熟成はアメリカンオークの樽で18ヶ月。さらにボトルで6ヶ月です。
30分以上前のデカンタージュ推奨。無濾過なので沈殿物の可能性ありとか丁寧な情報です。


ペスケラ・デ・ドゥエロ(Pesquera de Duero)のティント・ペスケラの方は前に訪問してます。今日のコンダド・デ・アサはドゥエロ川沿いに車で30分ほど上流へ行った所にあります。
Haza00
「Condado de Haza」というのは「アサ(Haza)にある伯爵の領地」という意味です。このワイナリーの南側(さらに車で20分ほど)に確かにアサ(Haza)という小さな集落が丘の上にありました。30人ほどしか住んでいないそうですが、スペイン歴史保護遺産にもなっている昔の要塞都市なんだそうです。

そこの観光スポットの「サンミゲル教会」がなんだか見覚えがあります。
Haza02
今日のワインのラベルのイラストですね。ワイナリーじゃなくて地元のシンボルをあしらっていたわけですね。

ネットで拾ったカスティージャ・イ・レオン州(Castilla y León)の DO地図で、DOリベラ・デル・ドゥエロ他、アレハンドロ・フェルナンデスの拠点の位置関係を確認しましょう。
Haza03
と思いましたが、この地図じゃイマイチしっくりきませんねぇ。

やはりこれです。Google Map上で地形と合わせてみます。うん、わかりやすい。
Haza01
ドゥエロ川(Duero)が重要です。元の地図は流路が若干間違ってましたので描き直しています。下流域でポルトガルに入るとドウロ川(Douro)に名を変えるんでしたね。
Tinto Pesquera、Condado de Haza、Dehesa la Granja の場所も示しました。El Vínculo はカスティージャ・ラ・マンチャ州(マドリードの南)なので少し離れています。右下のスペイン地図に書き込みました。(笑)


ラベル平面化画像。
IMG_3765
クリアンサCrianza)ですから、規定では24ヶ月熟成内、6ヶ月は樽)です。樽18ヶ月+ボトル6ヶ月なので一応クリアですね。コンダド・デ・アサには上級のレセルバReserva)もあって、樽24ヶ月+ボトル12ヶ月しています。これも当然ながらレセルバの規定、36ヶ月熟成内、12ヶ月は樽)をクリアしています。


さあ、抜栓。
IMG_4922
キャップシールはアレハンドロ・フェルナンデス共通のデザインです。

コルク平面化。
IMG_4930
シンプルですが、ヴィンテージがちゃんと横に打ってあります。

Alc.14.5%。(pH:4.47、Brix:7.5)
濃いガーネット。
IMG_4926

黒ベリー。プラムは酸を連想させる感じ。
藁っぽいですがブレットとは違うようです。
アメリカンオーク樽でしょうかね。
辛口アタック。
とろみのある厚みはいいですね。
ビロードのような繊細な舌触り。
奥深い複雑味も感じます。
かすかな酸がとてもいい隠し味になってますし。
タンニンも控え目ですがいい仕事して効いています。
余韻は、うまさのバランスをおさらいできる例のやつ。

いやあ、テンプラニージョは、やはり、
アレハンドロ・フェルナンデスで間違いないっす。


*****

Alejandro Fernández
Condado de Haza Crianza 2016
Ribera del Duero
RRWポイント 96点


San Pedro Sideral 2016

お馴染みのサンペドロですが、今日はアルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)と共にサンペドロの上級ラインの一角をなすシデラル(Sideral)をいただきます。シデラルは3年ほど前に2012年を試したきりですので随分お久しぶりになります。パーカーおじさんはこの2016年に91点をつけています。いいかも…。

IMG_4784
今さらサンペドロを語るのも何ですが、1865年クリコー・ヴァレーに創業、150年以上の歴史のある、またコンチャイトロと並ぶチリ有数のワイナリーです。タラパカ、サンタ・エレナなどと組むVSPTワイングループの中核でもあります。

公式ページはまたちょっとリニューアルしたようですね。

さすが上等レンジです。データシートをヴィンテージごとに完備。
・カベソー 78%
・カベフラ 10%
・シラー 7%
・カルメネール 3%
・プチヴェルド 2%
手摘み収穫、3度の選果、低温浸漬、軽いポンプオーバー、MLFは樽内で起こります。熟成は新樽率20%のフレンチオーク樽(225Lと600L)と3000Lのフレンチオーク大樽(フードル)併用で12ヶ月。

今日のシデラルはカチャポアル・ヴァレーにある Cachapoal Andes Winery で作られます。
SanPedro_Rapel01
アルタイル(Altaïr)やカボ・デ・オルノス(Cabo de Hornos)もここで作られています。プレミアムワイン専用ワイナリーということでしょうか。ここはサンティアゴから車で1時間半ほどで割と行きやすく、ツアーなどの受け入れも盛んにやっているようです。行ってみた~い。

リベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州(Región del Libertador General Bernardo O'Higgins)のGoogle Mapでワイナリーの場所を確認しましょう。
SanPedro_Rapel02
ランカグア(Rancagua)とレンゴ(Rengo)の間、レキーノア(Requínoa)の山沿い部分にこのワイナリーはあります。これら同じ色付き文字で示した町はカチャポアル・ヴァレーのサブエリアになります。違う色でコルチャグア・ヴァレーも同様に示しています。これら2つの「ヴァレー」を合わせてラペル・ヴァレーでしたね。また、ラペル・ヴァレーの範囲はリベルタドール・ヘネラル・ベルナルド・オイギンス州とほぼ一致しますので覚えておきましょう。
また、カチャポアル・ヴァレーはカチャポアル川(Río Cachapoal)、コルチャグア・ヴァレーはティンギリリカ川(Río Tinguiririca)のそれぞれの流域に広がっていることに注目ください。この2つの川は合流するとラペル川(Río Rapel)となり太平洋に注いでいます。なるほど~でしょ。

サンペドロの本拠地はクリコー・ヴァレーのモリーナ(Molina)にあります。
SanPedro01
サンペドロの創業の地でもあり、パンアメリカン道路(チリ国道5号線)沿いの大規模な施設になっています。

マウレ州のGoogle Mapでその場所を確認してきましょう。ロントゥエ・ヴァレー(Valle del Lontué)の Molina の町のところです。見つかりましたでしょうか。
Maule_Curico01
ここも州の範囲が重要です。クリコー・ヴァレー+マウレ・ヴァレーがほぼマウレ州の範囲と一致します。

このモリーナにあるサンペドロの本拠地、カルメネールの最上級ワインを作っています。
SanPedro_Rapel03
日本カルメネール振興協会としては是非試してみたいのですが、日本に入ってきてないんですよね。同じくカルメネールの最高峰であるコンチャイトロのカルミン・デ・ペウモや、エラスリスの KAI なんかは入ってきてるんですけどね。どこかのインポーターさん、是非よろしく。


ラベル平面化画像。
IMG_4277
シデラル(Sideral)は星や恒星のことです。イラストは白鳥座でしょうかね。アルタイルはわし座のいわゆる彦星。


さあ、抜栓。

IMG_4782
キャップシール、コルク共に「Grandes Vinos de San Pedro」のマーク。

コルク平面化。
IMG_4783
このイラストは…おそらく今日のカチャポアル・ヴァレーのCachapoal Andes Wineryですね。

Alc.14%。(pH:4.53、Brix:8.0)
濃い濃いガーネット。
IMG_4786

黒ベリー、スパイス、黒糖感あり。
辛口アタック。
なめらかなテクスチャーです。
厚み、重み、エレガントさと両立してます。
収斂性はアルコール感と拮抗し、溶け合う感じ。
かなりタンニンがこなれてるのがわかります。
余韻は悠遠なり~。

Brix 8.0のせいか結構甘みも感じます。
しかし、傑出したうまさなのは確かです。


*****


San Pedro
Sideral 2016
RRWポイント 96点


Ceretto Monsordo Rosso 2016 Langhe

ボトルに直接ブツブツで書いた文字。変なの~って思いながら気になってたんですよね。ついに手に取ってしまいました。カベソー主体にメルローとシラーをブレンド。いわゆるボルドースタイルですが、イタリアはピエモンテのランゲDOC(Langhe DOC)なんですね。バローロ、バルバレスコの名門チェレット(Ceretto)が作り手というのも後で知りました。これは面白そうです。

IMG_4720
チェレットは1930年代にリッカルド・チェレットさんがアルバに創業した家族経営ワイナリーです。1960年代に2代目のブルーノさんとマルチェロさんのチェレット兄弟が引き継ぎ、「最上の畑で、最上の酒を造る」なんてポリシーで銘醸地の畑を買い進め、バローロ、バルバレスコの最高の造り手の一つという地位に登り詰めたというわけです。現在は3代目が運営しているそうです。
で、今日のワインはそんな作り手が、ピエモンテの伝統的なワインとはまた違ったワインを目指し作ったボルドーブレンドです。

公式ページは半分はレストランの紹介だったりして手広いビジネスのにおいがします。

ワイン紹介、データシート完備ですが、インポーター情報も頼ります。
・カベソー 50%
・メルロー 28%
・シラー 22%
品種ごとに醸造、300Lのフレンチオーク樽(新樽率40~50%)で別々に熟成。ブレンドするのは瓶詰前だそうです。このモンソルドという国際品種を使ったランゲ・ロッソは1997年がファーストリリースだそうで、最初はネッビオーロやピノ・ノワールも入っていたそうですが、現在はこのボルドーブレンドに落ち着いてるようです。


アルバにあるチェレット訪問。アルバ市街から車でほんの10分ほどの場所です。
Ceretto01
ここが Tenuta Monsordo Bernardina という名前で、今日のワインはアルバの畑からのブドウをこのワイナリーで醸しているので「モンソルド」と名付けられています。バローロ、バルバレスコの畑にはそれぞれ専用のワイナリー(Bricco Rocche と Bricco Asili)を現場に設置しています。ワインに最上の個性を発揮させるため、それぞれの銘醸地で醸すというのがポリシーなんだそうです。すごいこだわりですね。

今日のワインのブドウは、モンソルド・ベルナルディーナ醸造所のあるアルバ周辺からというのはわかっていますが、一応ランゲDOCの範囲をいつものごとくGoogle Mapで見ておきましょう。
Monferrato_Langhe02
バローロ、バルバレスコの間にアルバの町。そしてそれを取り囲む広大なランゲ。その東側のさらに広域なモンフェラート含め、だいたいの位置関係は把握できましたでしょうか。さらに詳しいピエモンテのDOC/DOCGは左側にインポーズした地図でご確認ください。タナロ川ほか、位置関係を把握するには川に注目です。

さて、今日のワインのランゲDOCLanghe DOC)をおさらいしておきましょう。ランゲDOCはバローロ、バルバレスコ対象地域含む54ものコミューンが対象で、1994年にDOCとなっています。赤の主要品種は、ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェット、フレイザなどピエモンテお馴染みの品種の他、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールの国際品種が入っています。それぞれ85%以上で品種名が表記できます。今日のワインはカベソー50%なので、ランゲ・ロッソ(Langhe Rosso)となります。また、ランゲには白(Langhe Bianco)もロゼもパッシートによるデザートワインもあります。白の主要品種も、Arneis、Favorita、Nascetta、Rossese Bianco といったローカル品種の他、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、リースリングの国際品種が入っています。


ラベル平面化画像といきたいところですがラベルはなし(笑)。さすがに真っ黒のボトルではうまく撮れず完全な平面化は断念しまして、適当に撮った写真を切り貼りしてお茶を濁します。
IMG_4463
おっと、ユーロリーフのビオワインですね。


さて、抜栓。
IMG_4717

コルク平面化。
IMG_4718
CERETTOのみ、シンプル。

Alc.14%。(pH:4.29、Brix:7.8)
濃いガーネット。
IMG_4719

黒ベリー、ダークチェリー、スギっぽい樽香あり。
スパイスも。
辛口アタック。
若干の酸味がクールな感じを与えてます。
厚みのある味はなかなかですよ。
タンニンの収斂性も程よく喉元をくすぐる感じ。
酸は少し引きずるんですが、余韻も貫禄で続きます。

国際品種でありながらもピエモンテのアクセントあり。
ピエモンテのボルドーブレンド。いいじゃない。


*****


Ceretto
Monsordo Rosso 2016
Langhe DOC
RRWポイント 91点


Château Le Virou Sublimus 2016 Blaye-Côtes de Bordeaux

「わ、同じワイン持ってる!」って人が全国に何十人もいらっしゃると推察します。赤ワインくじのハズレですから(笑)。通常価格は6,000円とのことですから、そんなに悪いもんじゃないんでしょうが、ハズレ消費という後ろ向きのモチベーションなので、抜栓といってもいつものワクワク感がないのはちょっと悲しいかな。いえいえ、これでおいしけりゃワインの神様の一期一会の思し召しに感謝なのであります。

IMG_4682
シャトー・ル・ヴィルーはブライ・コート・ド・ボルドーのアペラシオンにありますが、かつてはカトリックの修道士が所有していたといい、歴史が1640年にまで遡ります。なんだかんだあって、2013年に現所有者のピエール・ジャン・ララケ(Pierre Jean Larraqué)さんが取得し、高品質なワインを産みだしてるそうです。実は前にシャトー・ヴェルヌーというメドックのワインを試していますが、そこもこのピエール・ジャン・ララケさんの所有。なかなかおいしかったです。と言うっか、これもワインくじのハズレだったのでした。(笑)


公式ページPierre Jean Larraqué のサイト内になります。

ワイン情報はしっかりしていて、データシートも完備。
・メルロー 90%
・カベフラ 10%
右岸らしいセパージュです。熟成は400Lの樽で24ヶ月です。


シャトー訪問。ブライの町から東へ車で15分ぐらいの所。
Virou03
ストビューで近寄れなかったので、公式ページの写真を拝借。


ブライ・コート・ド・ボルドーBlaye-Côtes de BordeauxAOC(2009年制定)は前にも見ていますが、Côtes de Bordeaux が後ろにつくAOCが他にもいくつかあって、これらは肩寄せ合って「コート・ド・ボルドー軍団」を組んでいます(笑)。その、コート・ド・ボルドー軍団の公式サイトはこれ。以下の地図に示された、コート・ド・ボルドー(Côtes de Bordeaux)と名の付くAOCの合同サイトです。
Virou02
それぞれ少々離れていますが、マイナーな産地が一緒になって、名前に「ボルドー」が入るようにした、マーケティングのための結びつきという感じですね。(笑)
なんとこの軍団には日本語サイトもあります。並々ならぬマーケティング努力を感じます。

AOC Blaye Côtes de Bordeaux 単独の公式サイトというもあります。


そこには、AOC対象地域と畑の分布のわかる地図がありました。
Blaye01
INAOのサイトにも地図はなかったので、これは助かります。

これを例によってGoogle Mapに転記します。
Virou01
今日のシャトー・ル・ヴィルーの所在にも印をつけましたのでご確認を。


エチケット平面化画像。
IMG_3236
裏ラベルにあるURLにはなぜか繋がりません。

インポーターシールは包み紙の上から貼ってました。
IMG_4675


さあ、抜栓。
IMG_4677

コルク平面化。
IMG_4679
シンプルですがちゃんと横にミレジム入り。

Alc.15%。(pH:4.27、Brix:7.3)
濃い濃いガーネット。
IMG_4680

スギっぽい、きつめの樽香から来ました。
黒ベリー、ダークチェリー、スパイス、鉛筆の芯。
辛口アタック。
深み、厚み、しっかりしたストラクチャーです。
舌触りはシルキーなテクスチャーを感じます。
収斂性はかすかながら喉元を心地よくくすぐる感じ。
余韻も貫禄の続き方をしてくれます。
エッ? これは素晴らしい。傑出してますね。

ハズレだとか、ブライだとか偏見はいけませんね。
全国のこのワインをお持ちの方、安心してください。(笑)


*****


Château Le Virou
Sublimus 2016
Blaye-Côtes de Bordeaux
Pierre Jean Larraqué
RRWポイント 97点


Mustiguillo Finca Terrerazo Vino de Pago Bobal 2016

以前、このボデガス・ムスティギージョ(Bodegas Mustiguillo)のボバル(Bobal)という品種のブレンドを試しています。ボバルは、スペインの黒ブドウの栽培面積においてテンプラニージョに次いで第2位という割にはあまりお目にかかりませんが、ボバルの名手と言われるムスティギージョのボバルにたまたま出会ったものでお試しとなりました。今日は同じ作り手ながら、ボバル100%の上級レンジ。そして、スペインのワインの格付けでは最上級という「Vino de Pago」であります。ゴイゴイスー。

IMG_4641
ムスティギージョは、バレンシア州ウティエル(DO Utiel-Requena のウティエル)にてアントニオ・サリオン(Antonio Sarrión Martínez)さんが1998年に立ち上げた家族経営ワイナリーです。創業当初から地元品種ボバルの可能性に着目し、ボバルでバレンシアのテロワールを表現すべく取り組んでいるんだそうです。(Linked inの説明文より)そのおかげで、2010年には彼らの畑「El Terrerazo」が単独でDOP(Denominación de Origen Protegida)「Vino de Pago」に認定されています。


公式ページ前回見たときからリニューアルされていました。ずいぶんよくなってます。

さて今日のビノ・デ・パゴ、フィンカ・テレラソです。
・ボバル 100%
ブドウは粒ごとに2回の選果。低温浸漬後、35hlのオーク桶で若干のピジャージュをしながら10日間の発酵を行います。フリーランのみ225Lと500Lのフレンチオーク樽(一部35hlのフードル)に移され、樽内でMLF、18ヶ月の熟成を行います。

ボバルは主にバレンシア州周辺でしか栽培されてないせいか、あまり情報がありません。
Bobal01
系統や親子関係に関するデータは見当たらず。スペインじゃアイレン、テンプラニージョに続いて第3位の栽培面積ですから、みんなもっとボバルに興味を持とうよ(笑)。因みにボバル以下、ガルナチャ、モナストレルと続きます。ガルナチャより多いなんて意外ですよね。
そうそう、スペイン語の発音では後ろにアクセントがありますから「ボバール」に近い発音になります。


前にも行ってますが、作り手訪問。立派な門構え、建物です。
Mustiguillo01
ウティエル(Utiel)の町から北へ車で10分といったところ。

公式のトップページの写真が辺りの雰囲気含めいい感じなので貼っておきます。
mustiguillo01
上の写真の門は白い矢印のところです。


バレンシアのDOウティエル・レケーナ(DO Utiel-Requena)の位置関係を見ておきます。
mustiguillo02
バレンシア州(Comunidad Valenciana)はカステジョン県(Castellón)、バレンシア県(Valencia)、アリカンテ県(Alicante)の3県から成り、ウティエル・レケーナはバレンシア県の内陸部にあるDOです。標高が700~900mもある地域で、今日の畑「El Terrerazo」も標高800mに位置するそうです。
DOウティエル・レケーナでは、80%以上がボバルの畑です。もうボバル王国といって過言ではありません。詳しくはDOウティエル・レケーナ公式ページで。ここはなんと日本語ページもあります。


ムスティギージョの公式ページに「El Terrerazo」の畑の地図があったのでGoogle Mapに転記してみました。これが2010年に認定された「Vino de Pago」の畑ということです。
Bobal01
VP(Vino de Pago)はスペインの格付けの頂点で、2003年のワイン法改正で新たに設定されたランクです。一つの村で他とは際立って上質のワインを生む畑(生産者)に適用されます。

公式ページではVPの同義語として、DOP El Terrerazo(DOP=Denominación de Origen Protegida)とも書いていますが、スペインとEUのワインの分類を見るとよくわかります。
スペイン・EUワイン法
DOPといっても、スペインの格付けの VP / DOCa / DOC / VC 全部を含む訳です。DOC / DOCa はお馴染みですね。DOCa は、現在のところリオハ(Rioja)とプリオラート(Priorat)しかありません。(プリオラートではカタルーニャ語でDOCaのことをDOQと書くので注意。)
VC(Vino de Calidad con Indicación Geográfica)は聞き慣れませんが、それもそのはず、DOへ昇格するためのプロセスのような格付けです。DO昇格前提で5年はこのランクで過ごさないといけないようです。現在7つの産地がこのカテゴリーでDO昇格を待っているそうです。
さて、肝心のVP(ビノ・デ・パゴ、Vino de Pago)ですが、現在認定を受けているのが19の畑(生産者)らしいです。以下にその19の畑を列挙しておきます。当然、ムスティギージョの「El Terrerazo」も入ってます。

<Castilla la Mancha
 (Castilla la Mancha = Albacete / Ciudad Real / Cuenca / Guadalajara / Toledo)

(1) Pago Calzadilla (Cuenca)
(2) Campo de la Guardia (Toledo)
(3) Dominio de Valdepusa (Toledo)
(4) Casa del Blanco (Ciudad Real)
(5) Dehesa del Carrizal (Ciudad Real)
(6) Pago Florentino (Ciudad Real)
(7) Finca Élez (Albacete)
(8) Pago Guijoso (Albacete)
(9) El Vicario (Ciudad Real)
(10) Los Cerrillos  (Ciudad Real)
(11) La Jaraba (Albacete)
(12) Vallegarcía (Ciudad Real)

<Aragón>

(13) Pago de Aylés (Zaragoza)

<Comunidad Valenciana
(Comunidad Valenciana = Alicante / Castellón / Valencia)

(14) Finca El Terrerazo (Valencia)
(15) Pago Vera de Estenas (Valencia)
(16) Los Balagueses (Valencia)

<Navarra>

(17) Pago de Arínzano
(18) Pago de Otazu
(19) Prado de Irache


ラベル平面化画像。
IMG_4455
シンプルでいい感じですね。「Vino de Pago」が誇らしげです。


さあ、抜栓。
IMG_4636
キャップシールには「FT」の文字。Finca Terrerazo のことですね。

コルク平面化。
IMG_4638
ミレジムは横にちゃんと入っています。

Alc.14%。(pH:3.94、Brix:7.0)
赤紫強めの濃いガーネット。
IMG_4639

黒ベリー、カシス、チェリー。
揮発油の感じもありました。
辛口アタック。
塩味もある?
酸味も結構あります。
そしてタンニンの収斂性もしっかり効いている。
果実味たっぷりで重苦しくない味わいです。
余韻も長く楽しめるんですが、
特徴的な酸はずっと健在です。
これがボバルの個性でしょうか。


*****

Mustiguillo
Finca Terrerazo
Vino de Pago
Bobal 2016
RRWポイント 90点


Napa Highlands Cabernet Sauvignon 2016 Napa Valley

なかなか良さげな雰囲気を醸し出すナパ・ハイランズのカベソー。4000円ほどの微妙な値付けでしたが割引で買っておいたものです。評判を検索すると、「評価の高いオークヴィルとヨントヴィルのブドウを使用」とし、「オーパス・ワンから南に道を挟み広がる畑とドミナスの近くにある畑」なんて解説もあります。極めつけは「ホンマでっか!?TV で明石家さんまさんがオススメしたワイン」なんだそうで。なんだか嫌な予感がします…。(笑)

IMG_4579
作り手は「Napa Highlands Vineyards & Winery」となっていますが、ちょっと調べても正体不明です。裏ラベルには住所はなく、URL(www.napahighlands.com)にアクセスしてもウェブサイトはありません。ナパ・ヴァレー公式サイトで検索してもそんなワイナリーはヒットしません。

ネット情報の説明では『ナパ・ハイランズはナパ・ヴァレーの葡萄栽培農家と密接な関係を築き、ナパ・ヴァレーのカベルネソーヴィニヨンらしさを生み出すべく、非常に評価の高い中心的な二つの地区であるオークヴィルとヨントヴィルの葡萄をブレンドしています。オークヴィルはオーパス・ワンから南に道を挟み広がる畑です。畑の名前は公表されていません。ヨントヴィルの畑は地区の北にあり、オークヴィルの南端と接します。ここにある有名なドミナス・エステートの近くにある畑の葡萄を使用しています。』となっており、これを頼りにナパヴァレー、オークヴィルの地図を見てみます。
Oakville01
オーパス・ワンの畑の道を隔てた南側というのは、前に試したフランシスカンと「Napa Wine Co.」の畑になっているようです。

「Napa Wine Co.」というのをググってみました。これがそこの公式サイト

するとここはカスタム・クラッシュCustom Crush)をやっていると書いてます。カスタム・クラッシュとは、ワイナリーや畑を持たない作り手が、(買い)ブドウを持ち込んでワイン造りの設備(プレス、醸造、熟成、瓶詰め)を借りてワインを作るシステムです。
どうやらこれが怪しそうですね。カリフォルニアは有名ワインでも実態はカスタム・クラッシュっていうのがありますからね。以前試したテキストブックなんてのもそうでした。

と、自分的には結論付けて、日本のインポーターサイト(中川ワイン)から情報を見ます。
・カベソー 90%
・プチヴェルド 10%
フレンチとアメリカンのオーク樽混合で20ヶ月の熟成だそうです。


ラベル平面化画像。
IMG_3855
雰囲気は立派なんですが、所在情報が全くなし。URLは繋がらず。そうなると、メアドが Gmail っていうのが笑えます。


さあ、抜栓。
IMG_4577
なんと、コルクが完全無印。こんなの初めてかも。当然平面化はしません。

Alc.14%。(pH:4.17、Brix:7.7)
濃い濃いガーネット。
IMG_4578

ブラックベリー、ブラックチェリー、濡れ木、スパイス。
辛口アタック。
若干甘みを感じますが味の厚みは貫禄級。
構造感を感じさせるエキスって感じです。
タンニンもとってもシルキー。
喉越しから余韻でちょっと酸味を確認。
これが原因か後味にも甘みが残ります。
ちょっと「ナパ甘症候群」再発かと不安になりますが、
ワイン自体はとってもおいしいです。

カスタム・クラッシュでも当然おいしいワインはあるってことですね。
オーパス・ワンに迫るかというと、それはないですが。(笑)


*****


Napa Highlands
Cabernet Sauvignon 2016
Napa Valley
RRWポイント 92点


--- Red Red Wine ---

:「偉いワイン」探しの備忘録

"Grand Vin(偉大なワイン)は「偉いワイン」とは限らない"

かの有名なSFの名言です。(笑)
あくまで自己流にワインの世界を日々記録しています。
いつかその「偉いワイン」に出会うために。偉いワインとは?

尚、 各記事末の「RRWポイント」なる点数はロバート・パーカー気取りのマイ評価です。

• 即ち、50~100点の100点満点評価
• 白ワインWWWポイントは80点満点


So much wine, so little time...

ワインBLOGランキングへ

にほんブログ村 ワインへ
にほんブログ村 酒ブログ ワインへ

メール:
saikin.photo の gmail.com

カテゴリー
タグ絞り込み検索
記事検索
最新記事 50(画像付)
月別アーカイブ
アクセス(ユニーク数)
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:



PVアクセスランキング にほんブログ村
© All Rights Reserved.
無断複製転載禁止します。
  • ライブドアブログ